古墳時代から現代まで馬の首に飾られてきた「馬鈴」。いろんな使い方がある。いろんな形もある。音色は澄んで遠くまで透け通る。そのために、銅と錫の合金で作られた高価な鈴が使われた様だ。
牧之庵の玄関に飾ってある木枠(糸枠)にドーナツのような形をした金属製の「馬鈴」と呼ばれる物が掛けてある。
佐渡のお友達(仲川さんと言います。以前、何回かご紹介した裂き織りを趣味にしている人)がお土産に持ってきてくれた物です。東京の骨董屋で見つけてきたようだ。
直径が7,8㎝、厚みが3㎝程の大きさで、中は空洞になって真ん中に切れ目が入っていて、中にパチンコ玉大の金属製の玉が入っています。
またまたピンぼけ
「チリリン、チリリン」と高音で軽やかな音色を奏でます。
僕も頂いた当時は何なのか知りませんでした。
牧之庵をごひいきにして頂いている、あるお寺の若僧侶が本山修行僧の頃、この「馬鈴」が作業の合図だったんだそうです。店に入ってこられて「ああ!懐かしい。あの頃のことが思い出される」と手にとって「チリリン、チリリン」と鳴らして懐かしんでいらしゃいました。広い寺院内に聞き取れるほど、その音色は高音で遠くまで響き渡るんですね。
どうして「馬鈴」「馬鈴薯」と呼ばれるのか調べてみました。いろんな説がある様です。
ジャガイモのことを「馬鈴薯」とも言えますよね。文字通り馬鈴とは馬の鈴のこと。薯とは芋のことですよね。
一説は、ある地方でジャガイモの収穫期に穫れた芋を馬の背に沢山積んで運んだそうです。途中で熊に襲われたら大変だってことで、馬の首に鈴をつけて熊避けにしたって話。また北海道では、原野を開拓する人々が道産子や南部馬などに鈴をつけ熊や猛獣から襲われるのを避けるためともある。
もう一説は下世話な話だが、「馬の鈴」とは馬の睾丸のことを指していると言うことです。馬の睾丸はジャガイモの形とよく似ている事から「馬鈴薯」となったと言う説です。
「馬鈴」とは、馬の睾丸と言う事ですね。
古くは中陸大陸から入ってきて、古代遺跡にも随所で発掘されているようです。古墳時代より現代まで馬の首に飾られてきた「馬鈴」です。
実はこの「馬鈴」、用途はいろいろな方面で利用されているようです。
涼感で美しい音色が好まれ、茶道の蓋置に好まれているようです。