「これはネタ」と言えば何でも許されると思う馬鹿者が増殖している件

mixiでまたまたチェーン日記が増殖しているらしい。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0609/28/news039.html

ふと気になったのは、以前流行ったチェーン日記の方。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0606/23/news077.html
はてなのユーザーなら、「ネットリテラシーがない奴が悪い」と片付けるかもしれない。「ネットの情報を嘘か本当か見分ける能力が必要だ。それがない奴は騙されても仕方ない」と。確かに、ネットが登場する遙か昔から、情報操作に長けている者が世の中を牛耳った例には枚挙にいとまがない。ネットにつながる者は、誰であろうとも、最低限のネットリテラシーを持っておいた方が望ましいし、なければ不利益を被ることも少なくないだろう。自分を守るためにも、ネットリテラシーは是非とも身につけておいた方がいい。

しかし、だ。「ネタ」だの「釣り」だのを仕掛ける人間は、事実と異なることをそれと知りつつ、ネットに流布しているのである。「ネタ」や「釣り」は、効果があったかどうかを吟味する前に、端的にそれはであり、「ネタ」や「釣り」を仕掛ける人間は嘘つきであるというそしりを免れない。別に、自分が嘘を全くつかないような清廉潔白な聖人君子だと思っているわけではない。ただ、嘘をつくときは、「自分は嘘をついている」と後ろめたく思っている。その嘘だって、うまい嘘は少なくて、今ひとつ効果を上げられないような、できの悪い嘘であることが多い。もっと上手に嘘がつけたらと思うことがないでもない。しかし、そんな私がこの件について1つだけ自信を持って言えるとしたら、それは「これはネタです」と言って嘘をついて堂々としていられるような人間ではないことくらいだ。嘘をつく技術に長けていることを堂々と誇らしげに吹聴するような度胸も壊れた倫理観も、私は持ち合わせていない。

「嘘をついてはいけない」という建前はネットでは通用しないのかもしれない。「うまく嘘をつくこと」が生きていくためには必要なのは、大昔からのことだろう。しかし、だ。「嘘」を「ネタ」という言葉にすり替えて、人を騙して鼻高々な人間が増殖している*1のは嫌だ。

*1:「増殖している」は、言い過ぎか。撤回