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 足立区の特定保健指導なら青井診療所
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2013-09-04

リキスミア:基礎インスリンとの併用可能なGLP-1アナログ、9月中旬発売へ

基礎インスリン補充療法(1日1回、長時間作用型のインスリン製剤の注射を行う治療法)中の糖尿病にも使用可能な、初めてのGLP-1アナログ製剤であるリキスミア(一般名:リキシセナチド)が8月27日、薬価収載され、9月17日より販売開始になるそうです。


f:id:bonbokorin:20130904170904j:image


下図は、基礎インスリン補充療法の糖尿病患者にリキシセナチドを上乗せした場合のHbA1c低下作用を見た臨床試験のデータですが、確かにHbA1cがよく下がっています:


f:id:bonbokorin:20130904162738j:image

(Seino Y, et al.: Diabetes Obes Metab 14(10): 910-917, 2012)


分子構造としては、Exendin-4によく似ており、38位のProを欠失させ、C末端へ6個のLysを付加したものです。これらの分子改変により、血中での安定性が向上し、Exendin-4に比べて半減期が長くなっています:


f:id:bonbokorin:20130904165926j:image


用法・用量は下記の通りです:



通常、成人には、リキシセナチドとして、20μgを1日1回朝食前に皮下注射する。ただし、1日1回10μgから開始し、1週間以上投与した後1日1回15μgに増量し、1週間以上投与した後1日1回20μgに増量する。なお、患者の状態に応じて適宜増減するが、1日20μgを超えないこと。


基礎インスリンとの併用により、GLP-1製剤の使い勝手は飛躍的に向上しそうで、大いに期待されます。


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2013-09-03

糖尿病大血管症に対するDPP4阻害剤の効果

今週、New England Journal of Medicineに、DPP4阻害剤(Alogliptin(武田薬品のネシーナ)とSaxagliptin(協和発酵キリンのオングリザ))の糖尿病大血管症に対する効果についての論文が2報、掲載されました:

Alogliptin after Acute Coronary Syndrome in Patients with Type 2 Diabetes (EXAMINE試験)

Saxagliptin and Cardiovascular Outcomes in Patients with Type 2 Diabetes Mellitus (SAVOR-TIMI 53試験)


f:id:bonbokorin:20130903193456j:image


どちらの研究でも、心血管イベントの既往があるかまたは高リスク群の2型糖尿病患者に対してDPP4阻害剤が使われ、その結果、プラセボと比較して「心血管イベント抑制効果なし」とのことでした。追跡期間は、EXAMINE試験の方は中央値1.5年、SAVOR-TIMI 53試験の方も中央値2.1年とどちらも比較的短期であり、「2年程度の短期間ではDPP4阻害剤によって血糖値を下げても心血管イベント発症リスクは下がらない」という結論でした。


血糖コントロールを改善しても、糖尿病大血管症への有意な効果が得られるには10年以上かかる、というのはUKPDSでも見られた現象であり(UKPDS80 vs UKPDS33)、ACCORD/ADVANCE/VADTでも繰り返し、糖尿病大血管症治療の難しさは語られてきたわけで、今回の結果も特に意外性はありませんが、インクレチン関連薬には血糖降下作用以外にもマクロファージなどへの効果も少しは期待されていただけに、残念と言えば残念です。


やはり、糖尿病の大血管症は境界型耐糖能異常の時期からリスクが上がっていることもあり、早期からの治療介入が必要という結論に当面、変わりはなさそうです。


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2013-05-28

5月31日は世界禁煙デー

今年も5月31日の世界禁煙デーが近づいてきました。今年のポスターは東尾理子さんです。記念イベントも丸の内ビルディングで行われる予定です。


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2013-05-27

レグテクト(一般名アカンプロサートカルシウム):アルコール依存症の断酒補助剤が新発売

本日(5月27日)、アルコール依存症の断酒補助剤「レグテクト」(一般名アカンプロサートカルシウム)が本邦新発売となりました。脳内の主要な抑制性神経伝達物質であるγ-アミノ酪酸(GABA)と構造上の類似性を有するホモタウリンの誘導体で、中枢神経系に作用し、アルコール依存で亢進したグルタミン酸作動性神経活動を抑制することでアルコール依存症患者の飲酒欲求を抑制すると考えられているそうです。1987年からフランス、1994年からヨーロッパで、2004年から米国で承認され、現在、世界の24ヵ国で販売されています。


効能効果・用法用量は以下の通りです:



  • 効能又は効果

アルコール依存症患者における断酒維持の補助

  • 用法及び用量

通常、成人にはアカンプロサートカルシウムとして666mgを1日3回食後に経口投与する。

本剤の投与期間は原則として24週間とすること。治療上の有益性が認められる場合にのみ投与期間を延長できるが、定期的に本剤の投与継続の要否について検討し、本剤を漫然と投与しないこと。

  • 効能・効果に関連する使用上の注意
  1. アルコール依存症の診断は、国際疾病分類等の適切な診断基準に基づき慎重に実施し、基準を満たす場合にのみ使用すること。
  2. 心理社会的治療と併用すること。
  3. 断酒の意志がある患者にのみ使用すること。
  4. 離脱症状がみられる患者では、離脱症状に対する治療を終了してから使用すること。


実際の断酒成功率については、インタビューフォームに以下のデータが掲載されています:


f:id:bonbokorin:20130527212115j:image


アルコール依存症患者さんへの福音となるかどうか、期待されます。


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2012-06-22

「商店街で糖尿病チェック!」イベント、6月24日(日)に北千住で開催

指先で簡単にHbA1cを測定できる最新の医療機器を用いて、「商店街で糖尿病チェック!」という画期的なイベントが来週日曜日(6月24日)、北千住の商店街で開催されるそうです。


f:id:bonbokorin:20120622120410j:image


詳細はこちらです。


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2011-09-23

「ドラッグストア・薬局で血糖値の推移が簡単に測定できるなら、利用したい主婦は半数近く」 - インターネット調査結果

当ブログでも応援している「糖尿病診断アクセス革命」ですが、今週、事務局で実施した糖尿病についてのインターネット意識調査の結果が報告されました。以下は47NEWSからの引用です:



  • 健診を1年以上受けていない主婦は、半数以上(55%)。30代主婦では8割(80%)と高い。
  • 「自分より家族の健康を気づかいがち」な主婦が8割(80%)。その一方、3人に2人(66%)が「本当は自分の健康が心配」。
  • 自分の健康で心配なことは、女性特有の病気(乳がん、子宮がんなど)が7割(71%)。血糖値への意識は、30代主婦でわずか1割強(13.3%)と低い。
  • 糖尿病の理解の基礎となるインスリンへの理解は低く、インスリンが「すい臓」から分泌されるホルモンだと知らない主婦が半数近く(47%)。
  • 家族(血縁)に糖尿病患者がいる主婦は3割(31%)。このうち、1年以内に健診を受けていたのは4割弱(39%)で、3割強(31%)が「将来、自分が糖尿病になるとは思わない」と回答。
  • ポッチャリ主婦は3人に1人(32%)が健診を5年以上受けていない。8割以上(84%)が「自分より家族の健康を気づかいがち」な一方、「本当は自分の健康が心配」も8割強(81%)。半数強(51%)が血糖値を心配し、8割以上(84%)が将来、糖尿病になるかもしれないと不安。
  • 最寄りのドラッグストア・薬局で血糖値の推移が簡単に測定できるなら、利用したい主婦は半数近く(46%)。

【調査概要】

調査方法:インターネット調査

調査対象:30代〜60代の主婦(会社員・公務員を除く)300人 

調査期間:2011年9月14日〜15日



特に目を引いたのは、「近くのドラッグストア・薬局で糖尿病のチェックが受けられるなら利用したい」と希望した人が半数にも上ったという結果です。これはまさに「糖尿病診断アクセス革命」が実施中のサービスであり、今後のさらなる普及・定着が望まれます。


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2011-09-20

「ジャヌビア」「グラクティブ」がインスリンと併用可能に

DPP-4阻害剤シタグリプチン(商品名「ジャヌビア」「グラクティブ」)にインスリンとの併用の効能・効果が9月16日より追加になりました。以下はMSD株式会社のプレスリリースからの引用です:



本日、経口2型糖尿病治療薬「ジャヌビア®錠(一般名:シタグリプチンリン酸塩水和物、以下ジャヌビア®)」のインスリン製剤との併用療法に関する効能追加承認を取得いたしました。今回の効能追加は、DPP-4阻害剤では初となります。


インスリン製剤は、1型糖尿病のみならず2型糖尿病の患者さんにも広く使用されています。今回の追加承認取得により、ジャヌビア®は2型糖尿病の単剤療法、併用療法において、治療早期から患者さんの病態に応じた幅広い治療オプションを提供することが可能となりました。


承認取得によるジャヌビア®の効能・効果は以下の通りです:


2型糖尿病

ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る

  1.  食事療法・運動療法のみ
  2.  食事療法・運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用
  3.  食事療法・運動療法に加えてチアゾリジン系薬剤を使用
  4.  食事療法・運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用
  5.  食事療法・運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を使用
  6.  食事療法・運動療法に加えてインスリン製剤を使用(追加の効能・効果)

インクレチン製剤はこれまでインスリン療法との併用が保険適用として認められてきませんでしたが、実際の使用報告としては有効性が言われていました。今後、GLP-1アナログ製剤にもインスリン療法との併用が認められていく方向に適用が拡大し、病態に合った治療法の選択肢が広がることが期待されます。


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2011-01-26

特定保健指導の実施率も低迷中…

特定健診保健指導

前エントリー(d:id:bonbokorin:20110125:p1)で特定健診の受診率(実施率)の伸び悩みに触れましたが、健診異常者への特定保健指導もまだまだの状況が続いているということが、厚生労働省の調査で報告されました。下記は厚生労働省ホームページからの引用です:



<特定保健指導実施率>


全 体市町村
国保
国保
組合
協会
けんぽ
組合
健保
船員
保険
共済
組合
平成20年度7.7%14.1%2.4%3.1%6.8%6.6%4.2%
平成21年度13.0%21.5%6.9%7.2%12.4%9.8%9.4%


このように、若干の向上は見られてはいるものの、全体にはまだまだ不十分であり、今後、一層の努力・テコ入れ策が必要そうです。


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2011-01-25

特定健診実施率、2年目(平成21年度)も低迷

特定健診保健指導

平成20年度(2008年度)から始まった特定健診ですが、今週、厚生労働省より平成21年度(開始後2年目)の特定健診実施状況のまとめが公表されました(PDFファイル)。


それによりますと、平成21年度も実施率は40.5%に留まり、初年度とほぼ同レベルでした。

内訳は下記の通りです:

全 体市町村
国保
国保
組合
協会
けんぽ
組合
健保
船員
保険
共済
組合
平成20年度38.9%30.9%31.8%30.1%59.5%22.8%59.9%
平成21年度40.5%31.4%36.0%30.3%63.3%32.1%65.4%


「特定健診実施率目標(65%)を達成しないと後期高齢者医療制度への拠出金増額ペナルティー」という形でスタートした特定健診ですが、後期高齢者医療制度そのものが消滅したことで、ペナルティーもなくなった中、今後、健診受診率がさらに向上する余地はどのくらいあるのか、懸念されます。


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2011-01-22

高尿酸血症治療薬「フェブリク錠」(フェブキソスタット)、今春発売へ

昨日(1月21日)、帝人ファーマ株式会社の新規高尿酸血症治療剤「フェブリク錠」(一般名:フェブキソスタット)に製造販売承認が下りたそうです。フェブリクは、体内での尿酸合成を抑制することで尿酸値を下げるお薬で、1日1回の内服で十分な効果が得られるとされています。

下記は帝人ファーマのプレスリリースからの引用です:



 「フェブリク錠」は、帝人ファーマが自社創製した高尿酸血症治療剤であり、世界初の非プリン型選択的キサンチンオキシダーゼ阻害剤です。同酵素の阻害剤としては、40年来、アロプリノールが臨床使用されていますが、本剤はアロプリノールとは異なる新しい作用機序を有しており、1日1回の服用で血中尿酸値を治療目標値まで強力に低下させ、長期に維持します。また、腎機能が軽度から中等度に低下した患者さんにも用量調節せずに服用いただくことが可能で、使いやすい薬剤となることが期待されます。 


 帝人ファーマでは、このたびの承認取得により、本剤が日本国内で約1,600万人と推定される痛風および高尿酸血症の患者さんのQOL(Quality of Life)向上に貢献できるものと期待しています。また、本剤は、既に導出先企業を通じて米国・カナダ・フランス・イギリス・ドイツ・アイルランド・イタリア・ギリシャ・オーストリアの9ヶ国で販売しており、日本国内だけでなく、世界戦略製品として大型化を期待しています。今後も引き続き様々な地域において海外企業と連携することで、販売エリアの拡大を進め、ピーク時には導出先での売上高を含め、全世界で年間1,000億円以上の売上高を目指します。



用法・用量は下記の通りです:



1日10mgより開始し、1日1回経口投与

その後は血中尿酸値を確認しながら必要に応じて徐々に増量

維持量は通常1日1回40mg、最大投与量は1日1回60 mg



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2010-12-14

男性の肥満傾向、再び増悪 - 平成21年国民健康・栄養調査結果

特定健診保健指導

平成21年国民健康・栄養調査結果が先週、厚生労働省ホームページで公開されました。それによりますと、今回再び、男性の肥満傾向は増悪してしまっていた- とのことです。昨年発表の平成20年調査では改善傾向が見られており(d:id:bonbokorin:20091110:p1をご参照ください)、「今後、減少傾向が続くのでは?」と期待されていただけに、やや残念な結果でした。


下記は厚生労働省の発表文書からの引用です:


肥満者(BMI≧25)の割合は、男性30.5%、女性20.8%である。男性の20〜60歳代では、肥満者の割合が前年に比べ2.1%多くなっているが、平成12年以降、それ以前の5年間に比べ肥満者の割合の増加傾向が鈍化している状況にあることには変わりがない。なお、女性の40〜60歳代では、前年と比べ横ばいである。


具体的には下図のようになっています:


f:id:bonbokorin:20101214121201j:image


BMI25という数字に本質的意味があるわけではないことは当ブログにて以前から強調してきていることではありますが(例えばd:id:bonbokorin:20090122:p2をご参照ください)、「定点観測指標」としての意味はもちろんあるわけで、今後も動向が注目されます。


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2010-12-01

足立区「第10回健康あだち21フォーラム」で指先HbA1c測定

2010年11月27日(土)に足立区役所で行われた健康啓発イベント「第10回健康あだち21フォーラム」で、「指先採血HbA1c測定による糖尿病チェック」が足立区薬剤師会・糖尿病診断アクセス革命事務局主催で行われました。


f:id:bonbokorin:20101127141619j:image


約50名の方々が無料でHbA1c値と血糖値のチェックを受けられ、大盛況だったようです。


今後、このような行政主導の健康啓発イベントでもA1cGEARのような最先端の医療機器がどんどん活用されて、実際に糖尿病を始めとする生活習慣病が見つかっていくことを期待します。


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2010-10-19

薬局店頭で無料糖尿病チェック! - 東京都足立区で試行中

特定健診保健指導

今年、日本の糖尿病人口は1000万人の大台を突破すると予測される中、特定健診の実施など糖尿病やメタボへの対策は打たれてきたものの、その実施率の低さ(d:id:bonbokorin:20100920:p1およびd:id:bonbokorin:20100401:p1などをご参照ください)からは、まだ十分とは言えない状況が続いています。


そのような中、「薬局店頭で糖尿病チェックを!」という新たな試み「糖尿病診断アクセス革命」が注目されています(d:id:bonbokorin:20101001:p1もご参照ください)。下記は10月15日付けの「足立よみうり新聞」からの引用です:



無料で糖尿病チェック 区内薬局で開始

〜東大・足立区医師会等4団体が共同〜


 10月12日から、区内9つの調剤薬局(下表参照)で、糖尿病のチェックが簡単にかつ無料で行われるようになった。


 これは、東京大学・足立区医師会・足立区薬剤師会およびNPO法人ADMSの4団体による共同研究事業として、区内薬局で「指先HbA1c測定」を行うもの。


 この測定方法では、過去1、2か月の平均的な血糖値を知ることができる。実際の血糖値は直前の食事の影響を受け上下しやすいが、HbA1cでは血液中の糖分がヘモグロビンに結びついた割合を調べるので安定した数値を得ることができる。


 自分で指先から一滴を採血し機械へかけ、約6分待つと測定値が出る。


 足立区薬剤師会では「自覚症状がない糖尿病のチェックを薬局の店先で気軽にしていただくことで、今まで血糖値の検査をしたことがない人へ医療機関への受診をお勧めできます」としている。


f:id:bonbokorin:20101019092837j:image



このような試みが全国へ広がっていくことを期待したいところです。


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2010-10-01

「糖尿病診断アクセス革命」10月半ばよりスタート

「指先HbA1c測定」による糖尿病チェックという最新技術を薬局店頭で行えるようにして、未治療・未発見の糖尿病や糖尿病予備群の啓発を行っていこう、という実験的プロジェクトがこの程、足立区内でスタートするそうです。下記はプロジェクトのホームページからの引用です:



「糖尿病診断アクセス革命」とは


2010年、日本の糖尿病人口はついに1000万人の大台に乗りました。この50年間でなんと40倍にも増加しています。このような糖尿病の激増にどのように立ち向かっていったらよいのでしょうか?糖尿病になってもQuality of Lifeを大きく損ねるような合併症を避けるには?そもそも糖尿病を減らすにはどうしたらよいのでしょうか?現在、確実に言えることは「血液検査をしっかり受けること」「異常値が出たらきちんと医療機関を受診し、正しい対策を行うこと」です。しかしながら、糖尿病人口約1000万人のうち、定期的に医療機関を受診している方は4分の1に満たないことが厚生労働省の調査で明らかになっています。「糖尿病診断アクセス革命」とは、このような現状を受け、「血液検査へのハードル」を下げるべく、最新の医療技術である「指先採血によるHbA1c測定」という方法でのHbA1c検査を街の薬局店頭で行えるようにすることにより、未治療・未発見の糖尿病や糖尿病予備群の方々をすくい上げ、最終的には日本の糖尿病を減らすことを目指すプロジェクトです。


f:id:bonbokorin:20101001211423j:image



このプロジェクトは以前のエントリーd:id:bonbokorin:20100127:p1でも紹介しました三和化学研究所の「A1c GEAR」という最新医療機器を用いたもので、実際にどのくらいの成果が上がるのか、大いに期待されます。


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2010-09-24

抗肥満薬シブトラミンは心血管イベントを増やしてしまう - NEJM論文

抗肥満薬として世界では比較的広く使われてきたシブトラミン(Sibutramine)ですが(日本では未承認;ただし個人輸入の抗肥満薬としては比較的有名です)は、「心血管イベントを増やしてしまう」という論文がNew England Journal of Medicineに最近、掲載されました(Effect of Sibutramine on Cardiovascular Outcomes in Overweight and Obese Subjects. NEJM 363:905-917, 2010.)


試験は二重盲検試験として、平均3.4年間、シブトラミンまたは偽薬を被験者(55歳以上の心血管リスクまたは糖尿病のある肥満患者、約9800人)に投与して比較していますが、結果は下記のように、シブトラミン群で心血管イベントが増えてしまった、というものでした。


f:id:bonbokorin:20100924213046j:image


さらに詳しく有意差を見たものが下記です:


f:id:bonbokorin:20100924212938j:image


そして、その原因としては、非常にわかりやすいデータとして、「シブトラミンによる心臓への負荷」というのが下記のように示されていました:


f:id:bonbokorin:20100924213338j:image

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以上により、少なくとも長期間(年単位)、シブトラミンを飲み続けるのは身体にとって良くない、ということはほぼ間違いなさそうです。この結果を受けてFDAでもシブトラミンの取り扱いをどうするか、協議されたそうですが、今のところ、判断は保留のようです。


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2010-09-20

2008年度(平成20年度)特定健診結果の総まとめ

特定健診保健指導

2008年度(平成20年度)、すなわち、特定健診制度になって初めての年の特定健診結果の総まとめが先月末に厚生労働省ホームページに掲載されました(「平成20年度 特定健康診査・特定保健指導の実施状況」)。全体として、初年度の特定健診対象者は約5190万人で、受診者は約1990万人(38.3%)にとどまったそうです。下記は保険者別に見た受診率のグラフです:


f:id:bonbokorin:20100920230017g:image


大企業が中心の組合健保や公務員を中心とした共済組合の健診受診率は比較的高い一方、市町村国保や協会けんぽの健診実施率は低迷しました。


また、受診率の低さとともに気になるのが、「受診バイアス」です。すなわち、健康に問題のある人ほど健診を避けているらしい傾向が見られるという問題です。これはどのようにデータに表れているかと言いますと、2008年度の特定健診全体で、40歳〜74歳男性のメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の割合は20.6%と報告されましたが、この数字は、無作為抽出による2007年国民健康・栄養調査結果での28.1%というメタボリックシンドロームの割合(血糖の基準はHbA1c≧5.6%を採用)に比べ、明らかに低くなっています(※ただし、両者は完全に同じ基準でメタボリックシンドロームを定義していませんので厳密な比較をできる数字ではありません)。このことは、今後、さらに受診率を高めていく上で改めて問題になっていきそうです。


また、特定保健指導の実施率も、結局、低迷したままだったようです。最後まで終了したのは7.8%どまりとのことで、なかなか制度設計どおりに運用がスタートしなかった現実が浮き彫りになりました。


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2010-08-20

「メタボ保健指導、効果アリ」国立保健医療科学院調査結果

特定健診保健指導

2008年度(平成20年度)から始まった特定保健指導(メタボ保健指導)ですが、初年度の指導効果を翌年(2009年度)の健診結果で検証した貴重な研究結果がこのほど、国立保健医療科学院から報告されました。

下記は7月27日付朝日新聞からの引用です。



メタボ指導、効果アリ 体重減少、1年で平均1.7キロ


 40〜74歳へのメタボ健診(特定健診)で、食事や運動などの指導を受けた人は1年間で体重が平均で1.7キロ減ったことが国立保健医療科学院などによる全国規模の調査でわかった。


 体重は男性で2.4%、女性3.0%の減少で、おなか周り(腹囲)は男性が2センチ、女性は2.48センチ減った。


 メタボ健診後の保健指導の体重減少などで全国的な大規模集計が出たのは初めて。同院の今井博久疫学部長らは、北海道から九州まで協力が得られた8都道府県で、メタボ健診が始まった2008年度に受診した38万人を対象に追跡調査をした。


 38万のうち6万人が腹囲が基準を上回るなどして保健指導の対象になった。うち1万2千人(平均64.83歳)が実際に保健指導に参加して体重減などを目指した。指導参加者の体重は08年度に比べて09年度は男性で平均1.65キロ(2.4%)減、女性は1.79キロ(3.0%)減だった。


 保健指導の対象になったものの指導までは受けなかった人も体重は減っていたが、減少幅は男性で0.49キロ、女性0.61キロと少なかった。


 体重、腹囲のほかには、中性脂肪が男性で11%減、女性10%減、最高血圧が男性1.4%低下、女性1.8%低下などの効果がみられた。


 ただ、保健指導の効果には地域差があった。岩手・三重・山口・香川・高知・宮崎の6県で体重減少幅を比較した結果、男性では山口や岩手が2キロ以上減ったが、宮崎では1.25キロで平均より低かった。岩手県の35市町村の分析では、3市町村で平均3キロ以上減った一方、体重が0.2キロ増えた市町村もあった。岩手県内の市町村ごとにみると、食事記録表だけを使う場合より、食事写真を撮らせたり食事内容を詳しく尋ねたりするなどの指導をした市町村が体重・腹囲減少の効果が高かった。スタッフ1人が住民6人以上を受け持つより5人以下の少数指導の方が効果が高かった。



実際に特定保健指導の効果を実証できたというのは大変素晴らしいことですし、また地域差や指導内容による差というところからさらに分析していけば、効果を高めるノウハウが抽出可能と思われ、今後の研究成果に期待がかかります。


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2010-06-08

2010年改定、新糖尿病診断基準の要点

5月末の第53回日本糖尿病学会年次学術集会で承認・決定され、11年ぶりとなる糖尿病診断基準改定ですが、その詳細が本日、日本糖尿病学会のホームページ上に公開されました。基本的には昨年秋の中間報告(d:id:bonbokorin:20091103:p1をご参照ください)とほぼ同じ内容になっております。


要点としましては、HbA1cを前面に出した形で再構築し、「HbA1cと血糖値を組み合わせることで、一度の採血で糖尿病の診断を可能に」ということと、そのためのHbA1cの具体的なカットオフ値を6.1%以上とした、ということになります。下記に診断フローチャートを示します:


<2010年糖尿病新診断基準のフローチャート>


f:id:bonbokorin:20100608161307j:image


また、HbA1cのカットオフ値を6.1%と定めた根拠について、下記のような健診データが示されました:


<空腹時血糖値とHbA1cの関係>


f:id:bonbokorin:20100608162156j:image


<75gブドウ糖負荷試験2時間値とHbA1cの関係>


f:id:bonbokorin:20100608162233j:image


また、そもそも空腹時血糖126mg/dlやOGTT2時間値200mg/dlという根拠も糖尿病網膜症の発症頻度との関係から定義されてきたものですが、HbA1c値と糖尿病網膜症の関係も改めて調べてHbA1c6.1%以上をカットオフとして整合性に問題がない、ということも下記のデータで示されました:


<HbA1c値と糖尿病網膜症の関係>


f:id:bonbokorin:20100608162424j:image


以上が主な改定内容です。この内容は基本的に、厚生労働省の国民健康・栄養調査で使われてきた「HbA1c6.1%以上=糖尿病が強く疑われる群」としてきたカットオフ値とも整合性の取れたものであり、また、米国糖尿病学会(ADA)や国際糖尿病連合(IDF)のHbA1c6.5%(NGSP値で)というカットオフ値とも整合性の取れたものになっています。つまり、「NGSP値でのHbA1c6.5%≒JDS値でのHbA1c6.1%」であり、ADAやIDFの診断基準では、HbA1cのみで診断してよいことになっている点(血糖値を考慮しない点)が日本の診断基準との違いですが、値そのものの基準は同じです。


この「HbA1c値のNGSP値とJDS値のズレ」という問題が今回の診断基準改定に重なったために、ややわかりにくい表現になっていますが、「JDS値に0.4を加えたものをNGSP相当値とする」ということも定められ、できるだけわかりやすくする工夫が凝らされています。


その他に、妊娠糖尿病の診断基準も国際的な整合性の観点から下記のように微修正されました:

<妊娠糖尿病の診断基準>


初診時およびインスリン抵抗性の高まる妊娠中期に随時血糖値検査を行い、100mg/dl以上の陽性者に対してOGTTを施行して診断する.

<OGTT判定基準>

・空腹時血糖値≧92mg/dl

・1時間値≧180mg/dl

・2時間値≧153mg/dl

の1点以上を満たした場合に妊娠糖尿病と診断する.


※但し,「臨床診断」における糖尿病と診断されるものは除く.



糖尿病診断アクセス革命

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2010-06-07

ユニシアの衝撃!

武田薬品から6月15日発売予定の降圧剤「ユニシア配合錠」の薬価が先週の中医協で決定されましたが、その価格は実に衝撃的なものでした。


ユニシア錠はカンデサルタン(ブロプレス)8mgとアムロジピン(ノルバスクetc)2.5mg(LD)または5mg(HD)の配合錠ですが、なんとその薬価はブロプレス8mgと完全に同じ、150.30円に設定されたのです。すなわちアムロジピンの分は2.5mgでも5mgでも、どちらも無料!ということになりました。


アムロジピンと言えば、ファイザーのノルバスクと大日本住友製薬のアムロジンを合わせて国内で2000億円近くを売り上げている、我が国で一番人気の降圧剤ですが、それが今後、合剤という形ではあるものの、無償で提供されるようになる、ということは大変なインパクトを持つと考えています。


ユニシア配合錠は今週金曜日(6月11日)、発売です。


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2010-05-06

中国が世界一の糖尿病大国に 糖尿病有病率でも日本に匹敵

3月末に米医学雑誌New England Journal of Medicine(3月25日号)に掲載され、話題になっている論文(Prevalence of Diabetes among Men and Women in China. NEJM 362:1090, 2010.)をご紹介します。


2007年6月から2008人5月にかけて中国の14地域の自治体で4万6239人もの成人を対象(註:この人数、日本の国民健康・栄養調査の10倍規模です)に実施された血液検査等の集計データです。全例に経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)を行い、空腹時血糖値(IFG)と2時間値を用いて、診断未確定の糖尿病と、空腹時血糖異常(IFG)あるいは耐糖能異常(IGT)などを含む境界型糖尿病(prediabetes)を判定しています。


主な結果は下記の通りです:



  • 新たに糖尿病と診断された症例を含む中国の成人の糖尿病有病率は9.7%(男性 10.6%、女性 8.8%)。有病数は9240万人(男性 5020万人、女性 4220万人)。
  • 中国の成人の境界型糖尿病(prediabetes)の有病率は15.5%(男性 16.1%、女性 14.9%)。有病数は1億4820万人(男性 7610万人、女性 7210万人)。



また、糖尿病のうち約6割の人は、糖尿病の診断も治療も受けていなかった、とのことでした。


この中国の糖尿病有病率9.7%という数字は日本の有病率10.5%(平成19年国民健康・栄養調査結果)にほぼ匹敵する値です。IDF(国際糖尿病連合)が公表している数字は4.5%となっており、これまでの見積もりの2倍もあった!という衝撃が広がっているようです。


下図はその論文の中の図表の1つで、相対危険度を算出したものです:


f:id:bonbokorin:20100506122941g:image


これを見ますと、Less than college educationの相対危険度が1.57もあり、過体重(BMI:25.0〜29.9)の相対危険度1.43よりも高かった、という点も注目されます。2型糖尿病はほとんど自覚症状がないままに進行するのが大きな特徴であり、そうしたことを知っているかどうかも糖尿病有病率に大きく影響しているように想像されます。


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2010-04-27

LDLコレステロール(悪玉コレステロール)測定法にメーカー間の相違あり、標準化が課題

昨日、日本動脈硬化学会副理事長の寺本先生が記者会見をされ、特定健診などでも広く用いられてきたLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の直接測定法にはまだ問題点が多い、という発表がありました。


キャリアブレインニュースからの引用です。



 日本動脈硬化学会は4月26日、東京都内で記者会見を開き、LDL‐コレステロール(LDL-C)の直接測定法に関して、測定に用いるキットの標準化が不十分などの問題があることから、臨床の場では直接測定法ではなく、総コレステロール(TC)やHDL-コレステロール(HDL-C)、トリグリセライド(TG)から求めるFriedewaldの式(F式)を使うよう呼び掛けた。


 会見した寺本民生副理事長によると、LDL-Cの直接測定法の測定精度をめぐっては、近年、正常範囲にあるLDL‐Cの値の検出にはほぼ満足できるが、脂質異常症やTGが特に高い例などでは「外れ値」を出すものが多いなど、問題が指摘されていた。


 寺本副理事長は、直接測定法については今後、標準化や精度管理などを関係メーカーに要請する考えを表明。また、一般診療の場でLDL-Cを測定する場合は、F式(TC−HDL-C−TG/5)を用いることを基本とし、F式が使えない食後に来院した患者については、少なくとも1回は空腹での再診を求めるべきとした。さらにTGが異常高値を示す場合は、TC−HDL-Cで表すnon-HDL‐Cを参考にすべきとした。


 同学会が2007年に改訂した「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」について寺本副理事長は、「(直接測定法の位置付けなどについて)若干、誤解を招いたことは否めない。学会としても十分責任を認識している」とした上で、次のガイドライン改訂で明確に示したいと述べた。



そもそも、LDLコレステロールの直接測定法は、Friedewaldの式(F式)が使えない場合(高TG血症の場合や、絶食時でない場合)にLDLコレステロールを直接測れたら、というニーズを満たすために開発されてきたわけで、平成10年5月1日からは保険適用を受けて広く臨床現場で使われてきました。それがここへ来て、「測定値が当てにならない」というのはどうしたことなのか?非常に問題です。


現在、日本では

の7社のメーカーの測定試薬が使われているそうで、これらの間で測定値に開きがある、ということだそうです。


さらに詳しく中身を見て行きますと、「IDLのコレステロールを拾うかどうか?」の部分で一番、分かれるようで、協和メディックスの「デタミナーL LDL-C」はIDLを含み、他は含まない、ということに整理されるようです。下図はA:積水メディカル、B:協和メディックス、C:デンカ生研の3社の試薬で同じ検体を測定し、比較したデータです。


f:id:bonbokorin:20100427183854j:image

(出典:動脈硬化惹起性リポ蛋白に対するLDL コレステロール測定試薬の特異性. 臨床病理 2009;57:131-136. 協和メディックスホームページより引用)


これは「LDLコレステロールの定義」にも関わる話になりますが、どちらにせよ統一しておく必要があるのは明らかで、統一・標準化が遅れて結果的に混乱が生じてしまっているのは残念です。


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2010-04-22

肥満の形成に腸内細菌叢が関与しているというサイエンス論文

先々週のサイエンス誌に「肥満の形成に腸内細菌叢が関与している」という興味深い論文が載ってましたので、ご紹介します(Metabolic Syndrome and Altered Gut Microbiota in Mice Lacking Toll-Like Receptor 5. Science 328:228-231, 2010)。内容はToll-Like Receptor 5という自然免疫に関与する受容体のノックアウトマウスが肥満を呈し、その詳細を追って行ったら、腸内細菌叢の変化に原因があった、というものです。


下図はToll-Like Receptor 5のノックアウトマウスが肥満を呈することを示した図です:

f:id:bonbokorin:20100422180830j:image


いくつかのデータから、このマウスの肥満の原因は過食にあることが示されています。


そして、ポイントなのが下記のデータでして、ABCでは抗生剤を用いて腸内細菌を減らした場合に、このマウスの過食や肥満のフェノタイプが消失すること、DEFGHではこのマウスの腸内細菌叢を他のマウスへ移植すると過食・肥満の形質が移植先のマウスに移されることが示されています:

f:id:bonbokorin:20100422181158j:image


すなわち、Toll-Like Receptor 5受容体がないことで、このマウスの自然免疫能がなんらか影響を受け、それによって腸内細菌叢が変化したことが過食・肥満につながった、という結論を得ています。


実際にどのような腸内細菌が過食・肥満をもたらしたのか?という部分までは詰め切れていませんが、実は、最近、他の研究グループから、「ヒトでも肥満の形成に腸内細菌叢が関与している」という論文がnatureに報告されています(A core gut microbiome in obese and lean twins. nature 457:480-484, 2009)。実際の腸内細菌叢の変化の仕方の部分では今回の論文と必ずしも同じ傾向にはなっていないようですが、今後益々、腸内細菌叢の研究は注目されて行きそうです。


ちなみに、腸内細菌叢についての重要な論文が近年次々報告されていることの背景には、次世代シークエンサーの登場があります。この装置の活用により、細菌叢の中身をまるごとシークエンサーで読み取って解析する、いわゆるmicrobiome解析が可能となったわけです。このイノベーションによって、いまだに培養同定が不可能な細菌も多く、ベールに包まれていた腸内細菌叢の全体像が少しずつ明らかにされつつあります。


なお、網羅的なmicrobiome解析ではありませんが、日本人の腸内細菌叢のBacteroidesには海洋細菌から移転したporphyranase遺伝子(海苔などの紅藻類の消化に必要な酵素)があった、という面白い論文も最近natureに報告され、話題になりました(Transfer of carbohydrate-active enzymes from marine bacteria to Japanese gut microbiota. nature 464:908-912, 2010)。詳細はこちらに詳しいです。


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2010-04-16

エクア錠(ビルダグリプチン)、4月16日発売

本日(4月16日)、ノバルティスファーマ株式会社の新糖尿病薬エクア錠(ビルダグリプチン)が薬価収載され、同日、新発売となりました。エクアは、期待の経口糖尿病薬であるDPP4阻害剤のひとつで、ジャヌビア・グラクティブ(シタグリプチン)d:id:bonbokorin:20091207:p1に次いで国内では2番目に登場の薬剤となります。(以前のエントリーd:id:bonbokorin:20100120:p1もご参照ください)


下記はプレスリリースからの引用です。


「エクア」(一般名:ビルダグリプチン)は、インクレチンを分解する酵素DPP-4(ジペプチジルペプチターゼ-4)を選択的に阻害することで、血糖値に応じてインスリン分泌を促進し、過剰なグルカゴン分泌を抑制して、血糖をコントロールします。現在、国内の2型糖尿病治療中の患者さんで治療目標値が達成できているのは約3割と少なく、また、血糖の下げすぎによる低血糖を起こす心配や体重増加があるなどの課題があげられています。「エクア」は、1日2回50mgを単独投与した際、HbA1cのベースラインからの変化量がプラセボと比較し-1.2%と優れた血糖降下作用を示し、また、約5割の患者さんが治療目標値であるHbA1c6.5%未満を達成するという、確実な効果を示しています。このような効果を持つ一方で、低血糖・体重増加を来たしにくい「エクア」は、2型糖尿病の治療において第一選択薬として新しい選択肢になると期待されています。


薬価は


エクア錠薬価
50mg錠104.70円

となっております。製品情報サイトはこちらです。


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2010-04-01

2008年度(初年度)の市町村国保の特定健診のまとめ

2008年度(初年度)の市町村国保の特定健診の総括の会(第7回市町村国保における特定健診・保健指導に関する検討会)が、先日(平成22年3月29日)行われ、本日、その会議資料が国保中央会のホームページに公開されました。


最終的な受診率の全国平均値は30.8%だったそうで、35%という初年度の目標値に届きませんでした。特に、下図のように、40〜50代の受診率が低迷したことは、本来、メタボの発見と是正がより大きな意味を持つ世代と思われるだけに、残念な結果でした。


f:id:bonbokorin:20100427191821j:image



地域別に受診率を見たのが下図です:


f:id:bonbokorin:20100427192428j:image


地域間格差もかなりあるようで、受診率が低かった地域をどう上げていくのがが大事なテーマになりそうです。


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2010-03-19

ACCORD試験の脂質管理部分発表、糖尿病治療にフェノフィブレートのスタチン併用効果を認めず

今週のNew England Journal of Medicineに、ACCORD試験の脂質管理部分(ACCORD Lipid)の結果が報告されました(Effects of Combination Lipid Therapy in Type 2 Diabetes Mellitus: The ACCORD Study Group)。


Conclusions: The combination of fenofibrate and simvastatin did not reduce the rate of fatal cardiovascular events, nonfatal myocardial infarction, or nonfatal stroke, as compared with simvastatin alone. These results do not support the routine use of combination therapy with fenofibrate and simvastatin to reduce cardiovascular risk in the majority of high-risk patients with type 2 diabetes.


主要な成績は下記になります。これは(糖尿病)全体で見た場合で、確かにfenofibrateの併用効果は見られていません:


f:id:bonbokorin:20100319163633j:image


一方、高脂血症者に絞って見た場合には、有意差こそなかったものの、効果がありそうな傾向を示していた、とのことです。下記の表は、これまでの他の臨床研究の結果とともに一覧表にしたものです:


f:id:bonbokorin:20100319170039j:image

(HHS: Helsinki Heart Study; BIP: Bezafibrate Infarction Prevention; FIELD: Fenofibrate Intervetion and Event Lowering in Diabetes)


フィブラート系薬剤は元々、高脂血症の治療薬ですし、「『全糖尿病』を対象にしても効果が見られなかったが、高脂血症例に限定すれば効果はあった」というのはしっくり来る内容です。



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2010-03-18

糖尿病治療にメディカルツーリズム - 徳島県で実験的に

「メディカルツーリズム」とは、海外旅行と医療をセットにして外国人対象の新しいビジネスにしよう、という動きですが、わが国でも、高水準な医療を世界に向けて開くことで成長産業にしていこう、という試みが始められているようです。


糖尿病治療を対象としたものは、おそらくこれまでなかったように思いますが、このほど、徳島県で上海からの「お客さん」を呼びこもう、という試みが行われるそうです。下記は毎日新聞からの引用です。



医療観光モニターツアー:中国・上海の患者ら招き、糖尿病検査や名所PR /徳島

 ◇20日から3泊4日で−−県


 糖尿病死亡率全国ワーストワンを逆手に−−。県が糖尿病患者らを対象に計画する「医療観光」のモニターツアーの日程が決まった。中国・上海から患者や旅行業者ら29人が招かれ、20日から3泊4日で糖尿病検査と観光をセットで体験。航空運賃や滞在費、検査料など560万円は県が負担する。


 徳島阿波おどり空港オープン(4月8日)を前に記念運航される上海−徳島間のチャーター便を利用。参加者は21日、朝から徳島大病院(徳島市)で内臓脂肪や血糖値など糖尿病検査を受診、夜は県産食材を使った低カロリーのヘルシーメニューを試食する。県は大塚国際美術館(鳴門市)やかずら橋(三好市)などに案内し、県内名所の魅力もPRする。


 参加者にアンケートを実施し、感想や意見を計画の具体化に反映させる。県は「モニターツアーを契機に魅力のある観光モデルを構築したい」としている。



記事中にもありますように、徳島県は「糖尿病死亡率全国ワーストワン」の県でもあるわけですが、そこを逆手にとって、文部科学省の「知的クラスター創成事業」という国家プロジェクトの一環として「徳島 健康・医療クラスター」という研究プロジェクトを平成15年から実施中でもあります。来月、「徳島阿波おどり空港」のオープンということもあり、「メディカルツーリズムに活路を」ということのようですが、事業としてうまく軌道に乗っていくのか、注目されます。


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2010-03-05

武田薬品のDPP4阻害剤「ネシーナ錠」(アログリプチン)、薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会が承認を了承、6月頃に発売へ

武田薬品のDPP4阻害剤「ネシーナ錠」(アログリプチン)が2月末に厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会で承認の了承を得たとのニュースがありました。「承認の了承」から先は正式な「承認」を経て、「薬価収載」され、発売へ、という流れになっており、最短では6月頃に発売になるそうです。下記は薬事日報からの引用です。



薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は2月26日、糖尿病治療薬の配合剤として国内初となる武田薬品の「メタクト」、ファイザーの帯状疱疹後神経痛治療薬「リリカカプセル」など9品目を審議し、承認を了承した。いずれも今月の薬事分科会を経て、4月にも正式承認される見通し。

(中略)

▽ネシーナ錠6・25mg、同12・5mg、同25mg(武田薬品が製造販売):有効成分はアログリプチン安息香酸塩。効能・効果は、2型糖尿病。服用の対象は、[1]食事療法、運動療法のみ[2]食事療法、運動療法に加えてα―グルコシダーゼ阻害剤を使用――で十分な効果が得られない場合に限る。再審査期間は8年、原体・製剤とも毒薬・劇薬には該当しない。


 同剤は、ジャヌビア錠、エクア錠に次ぐ3番目のDPP‐4阻害薬。承認に当たり、指示事項として、海外で心血管イベントのリスクを評価するデータが報告された際、医療機関に情報提供することを求めた。



以前のエントリーd:id:bonbokorin:20090328:p3に書いた通り、アログリプチンはちょうど1年程前、FDA(米国食品医薬品局)から心疾患リスクに関する詳細なデータ提示を求められ、承認が先送りになる懸念から日本でも株式市場が反応し、ストップ安になったわけですが、その後、日本国内での承認へ向けて立て直しを図ってきて、その目処がほぼ立った、という状況のようです。


FDAが心疾患リスクに関する詳細なデータを求めた背景も、アログリプチンに特別な事情があってのことではなく、ある時期から一律にそういう方針に転換した、ということだそうです (2008年12月にFDAより出された新ガイドライン:"Guidance for Industry: Diabetes Mellitus — Evaluating Cardiovascular Risk in New Antidiabetic Therapies to Treat Type 2 Diabetes"による)。しかし、その「方針転換」によって結果的に米国資本であるメルクが開発・販売中のシタグリプチンにアドバンテージが与えられることになったのも事実で、薬の開発競争にも国際政治が絡んでいることを垣間見せられた気がします。


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2010-02-09

メタボ 腹囲の線引き困難 発症リスク急増根拠なし…厚生労働省研究班

特定健診保健指導

メタボリックシンドロームの診断基準を再検討していた厚生労働省研究班から、研究成果の一部について発表があったそうです。下記は読売新聞からの引用です。



 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の適正な診断基準を検証していた厚生労働省研究班(主任研究者=門脇孝・東京大教授)は9日、「診断の必須項目である腹囲によって、心筋梗塞脳梗塞の発症リスクを明確に線引きすることはできない」とする大規模調査の結果をまとめた。「男性85センチ以上、女性90センチ以上」という現在の腹囲基準の科学的根拠を覆す結果で、診断基準の見直し論議が活発化しそうだ。


 現在の診断基準は、腹囲に加え、血糖、脂質、血圧の3項目のうち二つ以上で異常があった場合、メタボと診断され、保健指導(積極的支援)の対象となる。


 研究班は、全国12か所の40〜74歳の男女約3万1000人について、心筋梗塞、脳梗塞の発症と腹囲との関連を調査。腹囲が大きくなるほど発症リスクは増加したが、特定の腹囲を超えるとリスクが急激に高まるという線引きは困難だった


 現在の腹囲基準は、学会などが集めた小規模の研究データを基に、「腹囲が基準を超えると、内臓脂肪が蓄積して生活習慣病のリスクが急激に高まる」という前提で設定された。


 同研究班は昨年、腹囲が男性85センチ、女性80センチを超えると、血糖や脂質、血圧などの検査データの異常が急激に増えることを明らかにしたが、今回の発症リスクとの関連では腹囲基準の妥当性は導き出せなかった


 国際的には、腹囲を必須とせず、総合的にメタボを診断するのが主流。米国では、腹囲(男性102センチ以上、女性88センチ以上)は中性脂肪、HDLコレステロール、血圧など五つの診断基準の一つに過ぎない。日本の腹囲基準は、他の先進国に比べて、男性が厳しすぎ、女性は甘すぎると指摘されていた。


 ただ、今回の研究でも、肥満の人ほど発症しやすいことは示された。現行の基準でメタボと診断された人は、そうでない人に比べて発症リスクは男性で1・44倍、女性で1・53倍だった。


 門脇教授は「腹囲が大きいほど心臓病や脳卒中の危険は男女とも高まるが、基準として明確な数値を示すのは難しかった。結果を基に、最適な腹囲基準の議論をする必要がある」と話す。



以前のエントリー(d:id:bonbokorin:20090129:p2およびd:id:bonbokorin:20090301:p2)でも触れて参りました厚生労働省の班研究(「保健指導への活用を前提としたメタボリックシンドロームの診断・管理のエビデンス創出のための横断・縦断研究」(平成19(2007)年度〜平成21(2009)年度:門脇孝班長)からの新たな成果発表ですが、個人的には、非常に感覚的にもしっくり来る内容です。腹囲とは「皮下脂肪+内臓脂肪」であり、皮下脂肪の厚さ(の潜在的な最大値)には大きな個人差があるのであって、従って腹囲にも大きな個人差があるということです。わかりやすい例で言えば、「お相撲さんはメタボではない」という話です。


今回のような大がかりな研究の成果を踏まえて最終的にどのように診断基準が見直されていくのか?注目されます。


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2010-01-28

「糖尿病リソースガイド」が便利!

糖尿病リソースガイド」、大変便利なサイトです。昨年秋からオープンしていたそうです。


f:id:bonbokorin:20100128222632j:image



当サイトは、1980年に発足した糖尿病治療研究会の30周年記念事業として、糖尿病治療研究会(代表幹事 池田義雄)・財団法人日本糖尿病財団(理事長 金澤康徳)・日本医療・健康情報研究所((株)創新社)の3者により、2009年9月に開設されました。

(中略)

30周年記念事業として何か今後の糖尿病医療に役立つ事業を行えないものかと検討した結果、ネット上で糖尿病に関連する医薬品、医療機器、食事療法などに役立つ最新の製品情報を網羅した「糖尿病リソースガイド」を制作し、公開したらどうかということになりました。



とのことです。豊富なオリジナルコンテンツに加え、様々なサイトへのリンクも貼られており、「糖尿病総合ポータルサイト」と呼べるくらいに素晴らしい充実ぶりです。


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2010-01-27

「A1c GEAR」 - わずか1μlの微量採血で糖尿病の診断や血糖管理状況の把握を可能にする画期的分析装置

前エントリーd:id:bonbokorin:20100126:p1で触れました「A1c GEAR」という、昨年登場した画期的分析装置につきまして、改めてまとめておきます。「A1c GEAR」は、株式会社サカエが製造し、三和化学協和発酵キリンの2社が昨年5-6月より医療機関向けに販売中です。


f:id:bonbokorin:20100127130819j:image

(協和発酵キリンホームページより)


特徴は、下記のようになっています:



1.負担の軽減

微量全血1μLで検査が可能なことから、指先からの採血が可能となり、患者さんの負担を大幅に軽減します。


2.簡単操作

検体を注入したカートリッジを、測定機器に装着し、スタートボタンを押すだけで測定できます。


3.迅速測定

検査結果がその場で得られるため、外来診療での診断、生活指導、投薬治療が可能となり糖尿病や糖尿病合併症の予防・管理、特定健診などの分野へも活用できます。


4.良好な相関性

ラテックス凝集法やHPLC法との相関は良好です。



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