海外旅行いってきまーす

明日から、海外旅行。なので、しばらくお休み。
出発前に、「翻訳」について。


証人喚問前半のコメント欄で、傍聴人Dさんが、「だいたい、おれら、普段意訳の世界に住んでんだからよ」ってコソコソ言ってたのが、耳に入り、考えた。


http://blog.livedoor.jp/nagae_shunichi/archives/50063046.html
「この記事へのコメント」ってとこにある、まなさん発言。

「意訳」と「直訳」。
翻訳とはどうあるべきか考えるとき、どの方も必ずと言っていいほど、この言葉を使われますが、今までにそういう場面に居合わせてきて思うようになったのは、そもそもこの言葉には、みなが共通してもつ定義などなく、使う人が自分のなかだけの定義で自分の都合に合わせて使っていることがほとんどではないかということです。そのような言葉を使っていては、意味のある議論ができないと思っています。


そんで、このまなさん発言を受けて、永江さん発言。

原作を書いた方の一字一句を守り、忠実に誠実に能力の限り表現までまねて翻訳をしようとする態度が「直訳」であり、翻訳者の固執すべき道だと考えています。どこまで直訳できる翻訳者になれるか、道を極めたいです。


結局、「意訳してます」ってことだね。


さらに、この記事に対して、トラックバックしたBuckeyeさん発言。(http://www.buckeye.co.jp/blog/buckeye/archives/2005/07/post_8.html

解釈なしには一語たりとも訳せない

「解釈なしには一語たりとも訳せない」という意識を持つ翻訳者は少ないらしい。だから、たとえば、「翻訳者永江の情報発信」というブログの「みんなひとりぼっち- 意訳?直訳?誤訳?」にあるように、解釈を

                                                                      • -

そこには原作者の意図を「解釈」するという「おせっかい」「余計」「不確定」なプロセスが加わっていて、原作者の表現を忠実に(他国語で)再現するという翻訳者の役割を超えた越権行為

                                                                      • -

だというような表現が出てきてしまうのだと思う。


つまり、意訳でいいらしい。
さて、応用編。


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E5%AD%97%E5%B9%95

字幕は簡潔さがモットーであるため、逐語訳にこだわることなく、意訳を積極的に取り入れる必要があり、必ずしも台詞に厳密に正確な翻訳がされないこともある

らしい。これはOKな意訳ってこと。


あるある納豆事件に関して、

実際の発言と異なる米教授の日本語字幕は、音声がほとんど聞き取れない中で、孫請け制作会社のディレクターが自分の口述通りに打ち込ませ、資料は「都合のいいグラフをネットで探してきて」と指示し、条件に合うものを流用していた
共同通信社http://news1.fresheye.com/article/fenwnews2/1000000/20070203204158_ky_tk822/index.html

らしい。これはだめらしい。


さらに、字幕つながりで、この絵はいかがなものかしらん?
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Miyuki/1175/post9.jpg *1 *2


ってなわけで、結局何が言いたいのかっていうと、「本の電子化作業ってのは、紙に書かれた言葉を、コンピュータでも読める言葉に翻訳してんだよね。そのとき、ピンボケ画像や、OCR誤変換ってな諸問題が発生すんだよね。そんな問題ありの「翻訳」ってたとえると、「映画字幕」なのか、「納豆字幕」なのか、それとも「マグリット字幕」なのか、ってなこと考えてんよ。今のところ、「マグリット的だよなぁ」って考えてて、そこんとこをちゃんと分かりやすく表明すんぞ、ってのが今年の目標なんだ」ってこと。


翻訳と言えば、myrmecoleonさんが、
http://d.hatena.ne.jp/myrmecoleon/20070201/1170348372
http://d.hatena.ne.jp/myrmecoleon/20070203/1170504494
で、大仕事に取り組んでるよ。がんばって。

*1:このリンクで見れない場合があるらしい。そんときは、こちらの右のほうの絵。http://www.nulptyx.com/jyohoziten.html

*2:内容はともかくとして、http://www21.ocn.ne.jp/~curio/economic/magritte.htmを解説として読んではいかが。