011:嫉妬
するすると「嫉妬」という字書いているさらさら昨日のことなど忘れ (松原なぎ)
今回嫉妬にまみれつつも気になったお歌たちです。
取り上げさせていただきましたらTBでご報告、もしできていなかったらコメントか伝書鳩でお伝えいたします。
受け取っていただけたならうれしいです。
敬称略しますことどうぞ、あしからず。
■嫉妬する程には好きになってない言い聞かせてる夕暮れの街 (蓮野 唯)
まだ引き返せるさ、ってことでしょうか。
もう日暮れなのに?言っちゃえば楽になれるんでしょうかねぇ。
■嫉妬とは甚だ力の要る仕事もうわたくしは風を切る裸樹 (行方祐美)
こう、むりくり美しく扱おうとするんでなしにさくっと逃げ切ってしまったお歌でしょうか。
草食男子とかはやっていますねぇ。
■嫉妬する独占欲とかまだあるが燃えたりしない分別もある (マトイテイ)
おとななんでしょうか、不燃物としてそっとおいやってばかりだと
いつか爆発しそうな気もします。
■あなたへの嫉妬・嫉妬er・嫉妬est 最上級になるまでに来て (秋月あまね)
ふふふ。
■想いより嫉妬ばかりがつのってく 春雨が降ってるんだってば、ねぇ、 (佐東ゆゆ)
下の句がけっこう怖いですよねー。
それからたぶん、男の方って気がつかないきがする。
「春雨だから機縁が悪い」と思わせてあげている女の優しさでしょうか。
■かさついた指先にふれ物分かりよすぎるきみに嫉妬をさせたい (イマイ)
そういういじわるはどうかとおもうんですけど、
「かさついた指先」の一生懸命なかたなんでしょうに。
■今、詠めと?今、詠みなさいと言ってるの?今、このあたしに、嫉妬の歌を? (ノサカ レイ)
おもしろい。