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2009-12-19 「意味がわからない!」私(『マイマイ新子』と『いつも何度でも』)

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「意味がわからない!」私(『マイマイ新子』と『いつも何度でも』)


今年は忘年会的なものが多くて、久々にお目にかかって勇気づけられた方や興味深い本をいただいた方の話などもあるんですが、それはまたいずれ書けたらと思います。

今回はひとまず禁欲して、あえてワンテーマ日記にします。



先日、『マイマイ新子と千年の魔法』というアニメ映画を観てきました。

http://www.mai-mai.jp/index.html


直接のきっかけは例によってマイミクでもあるid:bakuhatugoroさんのレビュー。

http://d.hatena.ne.jp/bakuhatugoro/20091208#p1

この作品については、、すでに感想リンク集なるものもできています。

http://d.hatena.ne.jp/makaronisan/20091210/1260391531


私は今年劇場で見たのがわずか3本の映画オンチでして、アニメのこともサッパリわからんし、この作品について相対化して評価したり批評したりはとうていできません。

でも! なんだかすごく良かったんよ〜〜〜。

もう上映中から恥ずかしいぐらいぴーぴー泣けてきたんだよなあ〜〜〜。

なんなんでしょうこの感じ!!!


たぶん、いわゆる「泣ける映画」のフォームとは対極のつくりなんだろうと思うんですけれどもねえ。

言葉を換えれば、自分語りをしたくなる作品なんですよね。

自分の中のフックというか、記憶のスイッチが入ってしまったんです、たぶん。

だから、誰にでもおすすめできるという種類のものじゃないのかもしれない。

ただ、少なくとも「私にとって」、今年このタイミングで見ることが出来てとても良かった映画であったと、それだけは間違いなく言うことができます。


というわけで、ウザイのを承知の上でちょっとだけ自分語りをしてみようかなと。

首都圏京阪神をはじめ、大都市圏での上映がもうほぼおしまいとのことなんで(東京ではラピュタ阿佐ヶ谷で12月19−26日レイトショーというのが残っています)、タイミングが悪いにも程があるんですが、そのうち二番館できっと戻ってくるんじゃないかとも思うので、そんな機会にもよかったらぜひご覧下さい。

(ネット上では、上映続行署名も行われているようですhttp://mega80s.txt-nifty.com/meganikki/2009/12/post-f1fc-1.html


※以下、マジで要領を得ない駄文が続きます。

映画の内容について関心を持ってくださった方は、さっきリンクした感想集を見てみて!

皆さん本当に熱く語ってますので、きっと参考になるはず。

twitterには片渕須直監督もいらして、直接いろいろ発信されているようです。

http://twitter.com/katabuchi_sunao

http://blog.goo.ne.jp/kantoku1121/



えーとですね、特に最近なんですが、子どものころの世界って、いったいなんだったんだろうと思うことがあるわけです。

ふりかえってみて、なかなかうまくいえないのですが、あのころは、心が常にいっぱいいっぱいだったような気がしていて。

本当にちょっとしたことで自分の容量をあふれるほどに「世界」が心に入ってきてしまって、自分ではどう対処してよいかわからない、しかしそれをわからないままに放置して一晩寝てしまえばもろもろがぼんやり消去されて、また次の新しい「世界」が心に入ってきてしまうような、そんな繰り返し。

カッコよくいえば「世界は驚きに満ちていた」みたいなことなんですが、それは明らかにカッコつけすぎな表現であって、もうちょっと実情に即していうと、感情(の量)に意味や解釈がついてこない感じとでもいうか。

たとえば「夜中にトイレに行くのが怖い」とか「暑くて喉がかわいた、水を飲んだら冷たくて美味しかった」みたいな直接的身体的な感覚もあれば、「友達にこんなことを言われてしまった」といったときの、「悲しい」でも「悔しい」でも「痛いところをつかれた」でもある、泣き出したいような感情(私は泣き虫だったので…)、あるいは何らかの出来事をきっかけに突然湧き出してしまった(後付け解釈すれば)罪悪感や恥ずかしさ、自分自身のいたたまれなさのようなもの。

今なら、それらもやもやーっとした諸成分を自分なりに位置づけて消化できることも可能なんだろうけど、当時はただいろんな「世界」を、あたかもシャワーのように浴び、自分自身のわけがわからない感情を発見し、翻弄され、しかしそれでもけっして自我が崩壊したり欝になったりはせず、日々を過ごしていたように思うんですね。

なぜこんな意味不明なことを言い出したかといえば、まさにそういう「何だこの自分の感情は! 意味がわからない!」という(当時はその「意味がわからない」ことさえ自覚していなかった)somethingが、大人になった今の自分の核の成分になってるような気が、やっぱりするという、そんな話をしてみたかっただけなんですが(くどくど長いわりに凡庸な話!!!)。

そしてもう一つ、今になってわかるのは、親であったり、先生であったり、「世間」というか、周囲の大人が、そんなふわふわーっとした混沌の中にいる自分を、見るともなしに見守ってくれていたのだな、ということ、そのありがたみです。

マイマイ新子と千年の魔法』を観て、なんだかわけがわからず涙を流しながら、そんなことをうすぼんやりと感じていました。


さっき、この作品を「今年このタイミングで見ることが出来てとても良かった」っていうのは、私にとって今年が同窓会イヤーだったことと直接つながっています。

結局、あのころってなんだったんだろう?

なんで、あのころのことを急に思い出したり、懐かしんだりするんだろう?

そんなことを考える一年だった私。

マイマイ新子と千年の魔法』は、「意味がわからない!」世界を、混乱しながらなぜかあるがままに受け止め生きることができてしまっていた子どもの頃の自分を、なんだか思い出させてくれたのです(実際にはそんな気がしただけ、大人になった「私」がたちの悪い記憶の捏造をしている可能性もありますけれど…)。

誤解する方もいないと思いますが、映画自体は上記したような小難しい話では全然ないですよ!!! 私が勝手に「思わず喚起されてしまった」ってだけで。

作品が作品である以上、「世界」を描き出す上で貫かれている構成上のロジックはあるんでしょう、でも観ているうちについそのロジックを忘れちゃうようなところがある。

「学校体験」「子ども時代」というものに、よい思いをもっていない方もたくさんいると思うし、正直私にもあまり振り返りたくない時期があります。

が、私にとっては、そんなものもコミコミで今の(あまり自分を好きになれないところもある)自分ができちゃったんだから、まあ仕方がないよねえ、という感覚なんですよねえ。

そう思えるってこと自体が、本当に幸運なことなんですけれども。



で、これがまた変な脱線になるんですが、この『マイマイ新子と千年の魔法』を観て思い出したのが、宮崎駿の『千と千尋の神隠し』の主題歌だった『いつも何度でも』ってうただったんです。

宮崎アニメって、それこそ「世界」に触れた驚きに満ちている、って言われ方をしていると思うし、たしかにその通りだとは思うんですが、なんだかそれが「自然」とか「社会」という外在的なものとの出会いという切り口に偏ってしまっているんじゃないかという感じが私にはあって。

そういう外部を媒介にして、心の中がざわざわするあの感じ、「なんなんだこの感情!」と自分自身に驚き、知らない自分に出会わされてしまった感じに関しては、『マイマイ新子と千年の魔法』の方に強度を感じました(あくまで個人的感想)。

で、覚和歌子さんが詩を書いた『いつも何度でも』の世界は、むしろ『マイマイ新子と千年の魔法』にこそ親和性が高いのかなというふうに思ったわけです。


『いつも何度でも』歌詞。

たぶん皆さん何度も聴いたことがあるうただと思いますが、もう一度歌詞を読んでいただけたらと思います。

http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND14429/index.html


 (部分的に引用)



 繰り返すあやまちの そのたび ひとは

 ただ青い空の 青さを知る


 さよならのときの 静かな胸

 ゼロになるからだが 耳をすませる


 閉じていく思い出の そのなかにいつも

 忘れたくない ささやきを聞く


 はじまりの朝の 静かな窓

 ゼロになるからだ 充たされてゆけ



この「ただ青い空の 青さを知る」って、凄くないですか?

お経か呪文みたいだけど、そんなふうにものごとを見ることができたら!!!

と、私は強く思ってしまうのです。

いまの私に、一番ないもの。

そう感じます。


※参考

覚さんと谷川俊太郎さんの対談。

この詩についても触れておられます。

http://www.1101.com/dakarakarada/



最後に、いつにもましての長い駄文を読んでくださった皆さんにおみやげを。

『いつも何度でも』について検索していたら、ウクライナ出身のナターシャ・グジー(Nataliya Gudziy)さんという方がこのうたを歌っている動画を発見しました。

これがもう本当に震えるほど素晴らしい!!!ので、ぜひ聴いてみていただけたらと思います。

NHKの『視点・論点』って番組に出演された時のもののようで、歌唱シーンだけの短縮版もあるのですが(http://www.youtube.com/watch?v=6JiOQ1UBkzU)、御用とお急ぎでない方はナターシャさんがうたの前に5分ほどのメッセージを寄せておられる下記の完全版を強くおすすめします。

このメッセージを含めて、一つの作品のように思うので(うたも含め全部で10分弱の動画です)。

ナターシャさんは、チェルノブイリのそばのむらの出身で、あの事故でお父様を亡くされたのだそうです。

そんな故郷や家族への思いをのせ、歌っておられます。

曲が、命を吹き込まれて、立ち上がってくる感じ。

騙されたと思って、ぜひ聴いて!!!

ではでは、また〜。

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ウクライナ美女が"千と千尋〜"主題歌を熱唱 Nataliya Gudziy sings "Spirited Away"

http://www.youtube.com/watch?v=ry_WACFd8Ds

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