2006-09-06
■取引先から求められた、従業員個人の提出する秘密保持 
日本情報処理開発協会は、2006年5月にプライバシーマークを改訂されていますが、これをベースとした個人情報保護対応ガイドラインを9/1に公表されています。
(なお、プライバシーマークそのものについては岡村久道さんのエントリーをご覧いただければと思います。(岡村久道「IT弁護士の眼」http://itpro.nikkeibp.co.jp/watcher/okamura/index.html) 私自身はプライバシーマークの内容を具体的にはわかっておりません・・・。)
ここに、派遣従業員に対する誓約書提出要請と職安法44条についての記述を見つけました。
http://privacymark.jp/ref/20060901.html
「JISQ15001:2006をベースにした個人情報保護マネジメントシステム実施のためのガイドライン」−第1版−(2006年8月)
受入派遣社員等(受託により客先で勤務する者を含む。)は、すでに自らが所属する事業者と秘密保持の契約を締結し、また当該事業者は派遣を受入れる事業者との間で秘密保持の契約を締結していることが通常である。なお、経済産業省が平成17年10月に公表した『営業秘密管理指針(改訂版)』pp.34では、次のように記述されている。
『...派遣先企業と派遣従業者とが直接秘密保持契約を締結することが直ちに法律違反になるわけではないが、労働者派遣事業の制度の趣旨からは、派遣先は、派遣従業者と直接秘密保持契約を締結するよりもむしろ、雇用主である派遣元事業主との間で秘密保持契約を締結し、派遣元事業主が派遣先に対し派遣従業者による秘密保持に関する責任を負うとすることが望ましいものである。...』
この趣旨は、派遣先企業は派遣契約に基づき派遣従業者に対する指揮命令権はあるが、派遣従業者とは雇用契約関係にはないため懲戒権はない、従って、雇用関係にならない誓約書なら許されるが、懲戒処分(契約の打切り等)を定めるような誓約書は、派遣元と派遣先の二重雇用状態になり、職業安定法44条(労働者供給事業の禁止)に抵触し許されないということである。
したがって、事業者同士で秘密保持契約を締結しているのであれば、事業者は、受入派遣社員等の個々人と秘密保持契約を締結する必要はない。そういった場合に更に懲戒処分を含むような秘密保持契約の締結を求めることは違法であり、個人情報保護法への過剰反応である。
経済産業省公表の営業秘密管理指針にて、職安法44条の点について触れられたことは、当時若干驚いたのですが、これを契機として割と広範囲(派遣業界では従前より意識はあったのでしょうが。)に問題視されるようになったように感じます。これを踏まえての上記の言及であり、これまでの路線を踏襲しているという印象を受けます。
これぞまさしく時代の進展するスピードが速まっていると感じてしまうのですが、改訂以前の2005年当時、プライバシーマークに規定があるという理由でずいぶん無茶な要求を受けたことがあります。
具体的契約条文については後ほど・・・
■厚労省「偽装請負」解消へ着手 研究会設立し指針 
ここ数日、「偽装請負」ネタが続いています。
日経新聞の記事
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20060905AT1G0403D04092006.html
産経新聞の記事
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/manufacturer/16706/
請負労働者を派遣社員として扱う偽装請負など、製造業の現場ではびこる不正行為の解消や、雇用管理の改善に向け、政府が本格的に動き出す。請負事業をめぐる課題を把握して分析する厚生労働省の研究会が9月にも設立され、請負事業主と発注先企業が留意すべき事項を指針にまとめる。そのうえで事業主と発注先で構成する協議会を設け、雇用の適正化に向けた行動計画の策定を支援する。
これまで部分的に出てきた論点が、ここで総合されることを期待したいですね。
厚生労働省のHPでは、取り組みについて公表されています。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/09/h0904-2.html
なお、やはり当面の対策は製造業界を中心とした活動となるようですが、IT業界では、情報サービス産業協会が派遣に関する業界運用基準の見直しについて厚生労働省に提言をするようであり、
(ページが削除されてしまっているので、グーグルキャッシュです。)
これに対して厚生労働省がどのような反応を見せるかも、注目したいと思います。