2009-12-27
■[Book] 北朝鮮帰国事業関連本2冊
- 作者: テッサ・モーリス・スズキ,田代泰子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2007/05/08
- メディア: 単行本
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北朝鮮帰国事業 - 「壮大な拉致」か「追放」か (中公新書)
- 作者: 菊池嘉晃
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2009/11/26
- メディア: 新書
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ちょっと興味があったので2冊ほど読んでみた。実は日本が積極的に動いたみたいな話があったなと思って。
前者は帰国事業の発端は総連の運動がメインで、日本政府は慎重だったという従来の言説が間違っており、日本が在日朝鮮人を厄介払いするために始めたとしている本。後者ではそれは事実誤認であり、日本政府は在日朝鮮人が厄介者であるという認識はあったものの、それを理由に帰国事業を主導したわけではないとしていた。後者の方が最近の本なので、前者に対する反論も書かれている。
前者の本を読んでいると、日赤が結構積極的に動いているのだが、最後の辺りで、「帰国事業は日本の政治家、官僚、日赤が始めたということが明らかになった」となっていた。いつのまにか増えてるような…
帰国運動の初期に日赤が動いているのは確かなんだけども、別に指示系統があるわけでもなさそうなので、それをもって日本の政治家/官僚がとするのは無理っぽい。いやこの本では影の外務省とか呼んだりしてそういったイメージをつけようとしているのはわかるんだが、根拠は書かれていなかったな。
では、日赤が主導した根拠は何かというと、1955年に日赤が赤十字国際委員会に帰国事業を代行してくれるように申し入れており、それ以前には、在日朝鮮人による帰国希望の運動は小規模なものしかなかったとしている。しかし、後者の本によると事実誤認であり、1953年に民戦(総連の前身)の運動が、1955年に総連の運動があり、共に日赤に申し入れているという流れを無視している。
また、帰国希望者の推計が日赤が6万と主張していたのに対し、総連が北朝鮮側に3万と報告していたという部分を非常に疑問視している。この部分についても、後者の本で、「推計に何深い意味持たせようとしてんの?」というように突っ込まれている。まあ、その通りで、総連側は大量帰国を考えていなかったとするのは著者の想像以上のものには成りえない。
前者の本では、日本の要求により、帰国のペースを1回1000人から1回1200人に上げたという点で、日本政府を批判している。しかし、後者の本によると、日本政府は早期にこの事業を終了させようとしており、短期で終わらせるためにペースを上げたわけである。また、日本政府が終了させようとしていたのを、総連や北朝鮮が何度も反対していることについては何も触れていない。都合のいいところだけを切り貼りしているのではないかと感じる。
そもそも論として、あらゆる人がどこに住むかは自由に決められるべきなので、帰国事業そのものは問題ではなく、うその宣伝をしたり、戻ってきた人を人質にしたり、粛清したり、逆方向(北朝鮮->日本)の移動を許さなかったりするのが問題である。そう考えると、総連と北朝鮮が一番の問題だったことに変わりはないよなあと。そこら辺に対する指摘は後者の本もやっていた。
後者の本の著者は読売ウィークリーの記者であり、本業をしながら夜打ち朝書きで書き上げたらしい。しかし、帰国事業の歴史的な流れ、なぜ帰国しなかったのか、なぜ帰国事業が長く続いたのかを正確にまとめていると思う。少なくとも前者の本よりも質は高い。逆に、前者の本は日本を悪役にした物語のように書かれていて、研究書としては不適切な気がした。
2009-12-13
■[Web] メディアマーカー雑感
読書メーターがOpenID経由でログインできなくなっているみたいなので、とりあえずメディアマーカーで記録をつけておくことにした。
メディアマーカーは今回はじめて使ってみたんだが、なかなか良さそうなサービスだった。以下雑感。
2009-12-10
■[Science] climategate
yrloc=[1400,findgen(19)*5.+1904] valadj=[0.,0.,0.,0.,0.,-0.1,-0.25,-0.3,0.,-0.1,0.3,0.8,1.2,1.7,2.5,2.6,2.6,2.6,2.6,2.6]*0.75これはCRUの副所長(Keith Briffa教授)が20世紀の気温をグラフ化する際に使ったスクリプトの核心部分。 1行目で1904〜94年を5年ずつに区切り、各区間の気温(実測値)に2行目の数字を加算しています。即ち1904〜24年は加算なし、1929〜49年は(温暖期なので)温度を引いて低く見せ、その後は徐々に気温を底上げし1979年以降は1.95度(2.6×0.75)も加算しています。これ以外にも不正は他にも次々と見つかっています。
これのソースコードは以下の記事で見ることができる
分析は上記のサイトや以下のサイトで行われている
- American Thinker: CRU’s Source Code: Climategate Uncovered
- John Graham-Cumming: The ’very artificial correction’ flap looks like much ado about nothing to me
american thinkerは批判派でjohn graham氏は擁護派。読んでみたところ両者推測を含んでいるのだが、johnさんの記事の方が詳しくて正確のように思える。johnさんの解説では、以下のような感じ。
- 過去の気温と年輪データは同じ変化をする。しかし、1960年以降の実測値と年輪データには大きなずれがある。
- 実測値の気温は上昇しており、年輪データは下降している
- このコードを書いた人の後の論文では、このずれを説明しようとしている
- このずれとvaladjの変化が似ている。
- このずれを説明するための第一歩として、年輪データを補正したものを利用しているんじゃないの?
自分でソースコードを読んだところだと、気温データそのものを捏造したとは読み取れず、いろんな方法で年輪データを補正して、それをプロットしているだけだと思う。多分、ずれを説明するために試行錯誤したのがこのコードではないのかな。
批判している人たちは、そもそもこのコードがどの論文に利用されたか指摘できていなかったり、その根拠を示せていなかったりするので、今のところただの陰謀論にすぎないかな。
2009-12-08
■[Web][Google] Googleパーソナライズド検索
今回は、そういった条件を廃してGoogleで検索した全てのユーザに許可無くユーザの検索行動をGoogleが取得しパーソナライズド検索をするように機能拡張すると同時にユーザプライバシーへ強く踏み込んだということです。ウェブ履歴を既に使用されているなら御存知の筈ですが、取得される情報はGoogleでの検索行動だけではなく、一切全てのWebブラウザでの閲覧履歴です。一度でもGoogleで検索すれば、その後は何かの会員ページだろうが、エロサイトだろうがお構いなしに取得可能な情報である限りはGoogle謹製の匿名トラッキングCookieで執拗且つ貪欲に180日の寿命尽きるまで全部取得します。普通は日々、或いは少なくとも数日に一回は検索するでしょうから実質永久です。
http://d.hatena.ne.jp/dacs/20091207/1260112430
なんだか不安を煽りすぎのような…。この記事はブラウザの全履歴を取れるようにも読めたのだが、そんなことは技術的に不可能。ログインしているわけではないので、xxx.xxx.xxx.xxxというIPのユーザがこういうキーワードを検索して、検索結果からこのリンクをクリックしているよぐらいのことしか情報がとれない。この会社の人間がこんなサイトを(Google経由で)見ているという情報なので、自分は大して気にならないな。キーワードのログとクリックログはログインしていようとしていまいと以前から収集しており、今回はそれをパーソナライズに利用するようになったという話なので、いまさらな気がする。
また、こういう情報を取得すること自体は技術的には簡単なので、Google以外のサイトがこういう情報を収集している可能性は高い。Googleは公開しているだけましだと思うんだけどね。