ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

《ガルザの暗殺者/Garza's Assassin》/『極黒のブリュンヒルデ』第137話

(前回感想はこちら) (第1〜3話の無料閲覧はこちら)

極黒のブリュンヒルデ The Moment (JUMP j BOOKS)

姉と 妹と 男と 女と





≒≠前回粗筋:その血の 記憶

       /:/:///:::::::;;:-'":::::::/::::/::::/_,,:::ッ  |     ヽノ
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.      /:/;:':;:'::///::;::-';__/:/ヽ,,|':::/// ゙V::/イ   .|        ノ
      |':/,r^ヽ彡'":::/  `,/''(;)゙;/ /::/Zニ/://|.    |     、__ノ
     .|// ((ヽヾ:::/    '"゙`==/ イ/ l、O}://|:|     |     (メ`)
     .|:::| 〈:イ( N|        /,::',::  ゙、='|'/ |:|    |     /
    |:::::\`ヽ     U    /"  :  ゙、 /  リ    |     /ヽ_/
    |::::::::::::>i.            :.. _', ヾ.        |
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    |ィ//  | ヽ       E三=::ョ /     __   \    ゚ ゚
  /`く_    | `        、__ ̄" /    ,..-'-、ヾヽ、 ヽ_____/
_/    `ヽ、 :|  ヽ、          /   ,〃彡ミヽ.゙iiiリ、_ ___
. ヽ、     `ヽ、   ヽ、       /    //';/>-7'/l`N::;i ヽ
   > 、_     `-、  :/-、   ,ノ     || |///三/ ;ハ| .|!!!''|! l゙;
" ̄   `ヽ、    `'-ム / ̄ ̄       || |{ |'三/iヾj;;;゙、,| 、| ハ!
        `ヽ、  / |/-、        l|:|:||r/ク' '" 0゙`' '0リ'│
          /ヽ/  !、-、``ー、_    j:||iii|ド、! u   丶 |
          /     `ヽ`ヽ、._ ``'-、,ノ |リ:||ミシ、   o /ミ、
        /       |   `ヽ、_li `'i人ミN  ヽ、  ./  ヽ
       /         |       !ヽ.|  ゙ノ==---T__
     /           |        ||イ^ヽ、__三>'=ヽ.、_

その血の 運命

      l    | l       /|      |      /:::::::/ |:::::| |  \::\
      |l   | |     / l|     /l|     ./:::::::/  .|:::::|\   〉::::〉
      ||_..=| |==≠=リ- ._/ |    /:::::::/   |:::::|::::::\/::::/
    イ|   j |   /  /   / `ト、 〈::::::::{   |:::::|\::::::\{
      | |  / |___ /  /  /   .|    \::::::\  |:::::|  \::::::ヽ
     / |  / 厶イ三/≧∠ _    j|     \::::::\l:::::| | `ーく
    ./ | /彡'´ ̄ / ∠ ̄`¬ミメ廴       \::::::\|  l   \\
   / |/    〃  ̄ ヽ    `刈 /      / 丁Т    l     ヽヽ
  l  .|/   _弋 リ 丿   イⅥ /       /'  |:::::|          |:l
\|     ´ ̄ ̄`ー≦彡 // /     ./   |:::::|      ヽ    |:|
                   ̄` // /      /   |:::::|       ヽ   |::|
                // /      /    | |:::::|       \ |:::|
  、               〃 /     /     | |:::::|、         |::::|
                   /  /    _/      ,| |:::::| \       |:::::〉
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-_ー 、          / _ ´ / /      / / | |::::::〉     \ //  /:::∠
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            イ  |   /       / / /  /:::::/ /::::::::::::::::::::::∠ /:::::::::::::::
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                                           > ´ /
                                          //  /
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                   /  /: : : : : `ヽ)      // /   ./ : : : : /: : : : : :`ヽ、: : : : : : : : : : : : : : : : : : /
                 /  /: : : : : : : /      / / /  /: : : : : : :' : : : : : : : : : :ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : :/
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            ∟ __________________`丶、: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/

「……ふむ」

「全てを失ったわ・・・ 妹が行方不明になってから10年・・・ ずっと探していて・・・ ようやく見つけた手がかりなのに・・・」

「それを失ってしまった・・・ もう終わりだ・・・」

「諦めるのは早いだろ その写真に写ってるのが本当にお前の妹なら 10年もどこかで生きていたことになる
行方不明者の捜索で 一番重要なのが 安否の確認だ それが出来ただけでも良かったじゃないか」

「……失ったのは 妹への手がかりだけじゃないわ」
「確かにV機関や あのモンスターの証拠を掴んで大々的に発表できれば 世間の耳目を大いに集めただろう お前の名前も報道史に残せたかも知れない」
「そんなことは もう どうでもいいの」


「私は・・・ 大切な恋人を失ってしまったのよ・・・」
「はぁ?」

「毎日あの人のお世話してたのに・・・ ご飯をあげたり・・・ ひげを剃ったり・・・ 体も全身隈無く拭いてあげたり・・・

     /      .   / . : //   . :// . :/!:/      }、: : .
   /      :  .:/ : / ./  . :, ' / . : / l:′ノ   j ! ヽ: : .
   ,'     . : . : { . :/  /  . : /_,j =≠ 'i´ ´    . / V  ト、
   j    . : . : :/:|: /   ! -―/´  _{ ナ<|:   . : / ! ト、 |: 、
.  /    . : : : : : / : |:′ - :! . : / -‐ ´ l: i|  |:, . : /:/ }: ハ ヽ.!: :
 /   . : : : : : :./: :     :| :o{    __j: |!-_ィ: . /〃   〃 \j: :
ノ  . : : : : : : : /: :    イ:ヘ: :|-,wvvィ彡i|三ミ!: //   /_、_-、i ハ:
 . : : : :_: : : : /: : :   :/ /:  i、|ゝ- 7´     |//    、_`ミwz': }:
 ̄ ̄ . : : /イ: : : . : イ:/:  i ド i!´             ! `i!!: |:
: : : : : : /:/: ,': : : . :/{ |/:  ハ: '、 i!              ノ  i!}: : :
: : : , イ /: :,': : : : /ゝ、!:   / ヽ ヽ                j!l: : :
`<: //: : :l: : : :/ ̄` |:  イ   \ 、__      , rェ ー‐ァ   j!ハ: : :
   `:ハ: : :|: : : {` ー|: ハ    ヾ、      ` `二 ̄`  /'  \
   |:{  \!: : :ハ    l: {  ヽ     ヾ 、            , '
   ゝ   ヽ: : ハ.  ∨    \    `  、       , ′
        V: {、        ` 、_    ヾ、     / }
         }: : :\        / ̄  ┬ヽ i─ ´ ノ

「あんなに身を粉にして尽くしたのに 私を置いて 逃げるなんて・・・」

「あんまりだわ・・・ あんまりよ・・・」
「……」

「ショックなのはわかったが頭を冷やせ もうここは引き払った方がいい もしあの男が記憶を取り戻してたら V機関にここを襲撃される恐れもある」
「いやだ!!」

「あの人が 私恋しさでここに戻ってくるかも知れないじゃない!!」


「……お前さ・・・ あいつと一度も話したことがないだろ よくそれで惚れられるもんだな」

「意識を取り戻したら そうでゲス そうでゲス みたいなしゃべり方の男だったらどうすんだよ?」
「それでもいいの!! イケメンなら・・・
「うぜぇ・・・」



「佳奈のお姉さんの 詳しい話をしてもらいましょうか」

「……お姉さん?」
「……まぁ別に 隠すことでもないから 構わないが」


「別にいい」
「えっ?」

       / {  |  | '/ {\__〉          `丶、{::::::, - 、:::::_/
    「 ̄´   ∨{  /   ´                  /´    ,ヽ_r----、
    {      | ∨ / /  /               {    __ -、_}イ     |
      \    ト、/ /   '   / /  /  /         〈`ー<_ノ  、}   /
     { \   { //   //  / '  /  / ,           `∨ イ、__}/   / ∧
  _,ィ |\     ,'イ   //  /、/  / // /   ;  }          |  / ,  /イ/ \
 {   | 、 \  | ,|   | |!  |{ l\ | // イ   / / / : l! |   ,  | ' /  /' '    }
  、   {\_ \ |/|   | |{  |从{/\{ {| |   /}イ /!  | | l   / ,' ,'/ / ,:' ,/    /
  \  ∧    ̄{ ',  |ィ∨ { 、__ { | / / }/ | /}/ ,'  / // `ヽ_///    /
    \  ヽ    Ⅵl!/,\   ̄¨´   }イ`ー/-/イ-/ / ,:' //     ´/   /ァ-、
     \ ', _ \}=叭             、__ /イ /、イ      /   / /  〉
       `  ̄ ̄  /:.:| | 、       '     ̄¨´ / /イ      、_ イ__/   /
                l/:.:.:.| |、 \   - 、   _r--ムイ:.:.:.:||__r--,         /  /
         __   \:.:.| |:.:.ー/::\      イ/ _   >-'\ノ-,く       /  /
      ,  ´   `7`ヽ:、:| |_/::::::::/`7::¨¨´と{_ム/  / /:::::|   _/ ,   ´
    /       //:.::.:.:.:、ム{::{ ̄ィ介ヽ::::::|://:.:.:.:.:〈_/ /::::::::::|  ` ̄ ̄´
  r、/      //:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〉:∨//l|、::》::,'//:.:.:./ / ,<___:::::::{

「そんなことを聞いても 仕方がない」

「……自分のお姉さんに 会えるかもしれないのよ?」
「会ってどうするの? 私には そのお姉さんの記憶もなにもないのに」

「本当に姉だとしても DNA的な問題よ 今更身内が出来ても困る」
「……」

「まぁ・・・ 佳奈がそう言うならいいけど・・・」


「それじゃ美樹 しばらく お前の所で世話になるぞ」
「はぁ!?」

「こっちは あんたのことを信用したわけじゃないのよ!! ヘクセンヤクトのことを探ろうとしているスパイかもしれないじゃない!!」
「でもおれ ヴィンガルフをクビになって 頭打ち抜かれてるんだぜ?」
「あんたたちは それくらいのことなら 自作自演でする組織でしょうが!!」
「……確かに」

「まぁいい 他にも アテはある」

「それじゃ おれはもう行くぞ」
「ちょっと待ってくれ!! あんたに 聞きたいことがあるんだ!!」
「……ヴィンガルフのことなら 話すつもりはないね」

「確かにおれは組織から殺されかけたが それは自分のミスだ 納得もしている」

「だいたいおれは ヴィンガルフが目指すこと自体には賛成しているんだ それを潰すようなことはしない」
「ヴィンガルフのことなんか どうでもいい」

「おれはただ こいつらを守りたいだけだ だから 教えてくれ」

「魔法使いの孵卵を止める方法はあるのか? 孵卵は一体 どういう条件で起こるんだ?」


「そうだな」

「孵卵の条件は 全く不明だ」

「それをコントロールしようという研究もあった だが あきらめたようだ」

「わかっているのは 魔女は いつか必ず孵卵するということ それだけだ」

(……それは・・・ 一番知りたくなかったことだ・・・)

「じゃあな」

バタン

              /            /      {             /
            ./,/             /       _/.,  .|          }'
          .|!iノノ  ,,  "~     /       | /   |           /
          .|!/ / "~           /       ,:i/    |         /
         |!/ /          _/寸=‐- __/.i'    |        /__   .r'´¨二ニ==、
        |!/ /           /、  ',    ~.i     |       /   .丁''亠<       \
        / /          / |ハ.  ',    i     |       ハ    ,} ´           `二ニ,, 、
    ... ...{ !i          / /} .|   |   i    |       , ', /                    \\
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      ......\|!l|!:||!i||!|l!|li|i|l//   ...,,二=Ⅵ!|!|!l|!i       / /  /   ___/__.             , /
    ''"""'''"^ \|」!|! _ノ{/じ'__,,斗‐''¨´.^''^"...\|!、|!||li|!|/l!|/  .,_ー=彡'´ ̄ ̄.'''^"'. ̄   ー‐-- ..__/ /."^"'^'^'"^"'""'"^'''^^''''''^
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          /   }               /   }

「はぁ・・・ 殺されるかと思った・・・」

「……あいつ そんな怖い人なのか? そういう風には見えなかったけど・・・」
「……超 恐ろしい人よ」

「根はどうかは わからない でも・・・」


あの人は 人を殺しすぎた・・・ だから立ち止まれないのよ・・・

立ち止まったら・・・ 今までにあの人が 自分の目的のために奪った命を 無駄にすることになるから・・・


「村上君 私そろそろ戻らないと カズミちゃんが待ってるから」
「……そうだな おれたちもここらで解散しよう」


「……あんたは いつまで付いてくんのよストーカー 高屋君の家 こっちの方向じゃないでしょ? もういいから さっさと帰りなさいよ」
「……」


「助けてくれて ありがとう!!」

タッ タッ タッ

「……遅ぇよ」



「佳奈 ちょっといいか?」

「お前・・・ 気を遣ってるんじゃないのか?」
「何の話?」
「姉さんのことだ」

「自分だけ 家族の手がかりが出来た・・・ そのことに 後ろめたさを感じてるんじゃないのか?」
「……それも ひとつの理由ね」
「ひとつ?」

「折角 見つかった妹が 化け物に変身して人を食べ始めるのは イヤでしょ?」

「だったら 何も知らない方が幸せよ お互いにね」
「……」

「それと もう一つの理由」


「この世に 未練が残るのが 怖い」


                   ` 丶 、      丶、    ',
                       ` 丶 、    丶、   ',
_                      ` 丶 、 `丶、 ',                          _
  ¨¨−''-===‐-  . _            ` 丶 ,ニ=-=ニ、               _ . -─ ' "  ̄
...ニ .ニ .ニ ..ニ ..二 ̄二二二二二ニ#≡エ≧=,=≦#==宀-== ニ二 ̄. --- ─−…‥
                              _」簠くニ、´
                ,.  、        , - ,ニ¨ ̄   / ̄/'´ ̄ ̄`ヽ
             , ' , ‐ 、`、    /  〈 」 _,. ‐ '〈__∠ -_‐== ニニ、‐-_、
             ,' '   : ;    /_, イ_ /  _, ニ -‐l"「 | | 丶、     \  \
      rヘ     ,=、_+、 : ;    {| _ U , ' ´_ ,ニr1|L⊥| 丶、  ___ \  \
.       l ゙、   〈  Vコ  ,'    〈   / ┌'´ | |_,ニl ! | ||_,. ‐'´r   ` ̄ ̄ ̄ \
        ト-゙、   ヘ ヽ. _,..‐' "´l/    |   | l _」 |Lノ ,ニ、 _, ニ -‐‥−‐-- = 〉
.        ト。._i─- ⊥ >'´丶、 _,.二|l    L-┘´  「~!  _, ゝ v-‐- 、       /
         | | ̄  ̄{¨ ニ>、_ノニニ|l      ,. .- ' "「   _, -\_ノ 〈 ̄`二7/
       |ニ |    `7"´      l ト 、_, '´ _, .-‐弋"´              /
          L.ノ    /         |ト、 _, ' ´  _,. -‐ァ丶、        , イ
               _/             !ヘ ,..- '_"´-//   ` ̄二_ニ.へ\ク
                       /,ニ、_三ニ' ∠,‐ァ, .-_ '_,"´ニチ‐¬=\ヽ
                      _ _/∠⊥__, . -‐ ' ̄ ̄\ヽ. /   r‐−〉_ヽ_ノフ
                  `ー--‐一' ̄´             _> `ー、‐_'ニ -‐ ' "´

「どうでしたか?」
「どうも こうも ないわ!!」

「とんでもない人に会った 聞いて驚かないでよ!!」
「え? 一体 誰ですか?」

                                /|
                                / | ,!  !
                              .l  l  ! /
                        /!     ,,.rァ .l ,l .lr'
                 / l゙  ,,、r'´ /  l゙/
                  |  l_,.r''´   /
                  |    ,.、r'!  /
                   ,,l   ,,r'’  l  /
               ./   .l゙    l ./
                / ./!  l!    l゙/
            r'´  ./ .|  |
            |   ./  |  |
            | ./   |  |
            レ'     | /
                  |./
                                _,,.rァ
                                r''´! ./゙ /
                        /| .| ,l / ./
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「それは おれのことか?」


「ここがヘクセンヤクトの拠点か」

「おれを信用しないところまでは 正解だ であるなら もう少し注意を払うべきだったな」


「神族の受精卵を 返してもらおう」



解き放たれた 男の道を 縛るもの

「そういえば私・・・ 1人で外に出るのって何年ぶりだろう・・・」

「って言うか そもそも・・・ 1人で出歩いた記憶が ない・・・」

『思い出せないんじゃない 元からないのよ だってあなたたちの意識は 研究所で再生された スライムの中にあるんだから』

「……」

「関係ないわ 私は私よ」(第104話)

 シリアス(デート破綻)⇒シリアス(外道躾)⇒シリアス(カズミ危機、佳奈人質)⇒唐突にギャグ(黒歴史暴露)⇒されどシリアス(まさかの室長)。かと思いきやギャグ、があっさり転じてシリアスに次ぐシリアス。生き別れて十年ぶりの再会なるや否かのところだったのに、どうも残念に感じないのはひとえに姉妹の温度差および姉のザンネン加減による(ピグマリオン症候群というよりイケメンとの縁の無さ由来?)。まあ佳奈にしたって“孵卵云々を抜きにしてさえ”、寧子(ヴァルキュリア時代および第1部の記憶喪失)と良太(本人と気づく前も後も面影を追いかけ続けてる)をずっと見ていて「前歴」(あるいは素体となった娘の人生)との接点を持つことが双方楽しい状況を招かないと判っている向きもあるか(そういえば魔女の人格はドラシルのもの云々に関しては今回追及が無かった。言葉通りに受け取れば魔女は素体とほぼ別人に等しいのだが)。ヴィンガルフの核心的話題(ただし黒服も全部話すつもりはなかった)の途中で突っ込んだ初菜はそれほどでもなかったか、単純に良かれと思ってのことだろうけど……再び孵卵するとなれば速攻自殺する覚悟が決まっている彼女とは、というより全員各々心情が違ってて当然ではあるのだ。


 他方、目覚めて橘姉のもとから遁走してからというもの、フリーダムファイターにも程がある黒服。もしかしたら次回あたりに姓名が明らかになるかな……というのはさておき、一応説得らしきものが出来たと思いきや全然協力的態度でないし(大方針に変化がないから当たり前だが)それどころか組織の協力も支援も関係ないとばかりの独自行動モード。復讐をやめたと思ったら、あくまで大義に生きるのをやめないやめられない。なんだこいつ、なんだこいつ。とりあえず小五郎&秋山は、宇宙人改め「神族の受精卵」の片割れの存在を絶対に悟られてはならんね。元より公表した日には高千穂ヴィンガルフの手が伸びること必至と思われていたが、まさかイチ個人でここまで「恐い」人間が出てくるとは思わなかった。魔女を伴わない点からイチジク以上……『エルフェンリート』で言えば蔵間室長的存在だったかと思われた直後にまさかの坂東さん、は単純にリベンジ目的のみだったから足して2で割るプラスアルファ(変態成分)。3巻書き下ろしから影の薄い不良神父の立場がねぇ……直ぐに思い出せる限りでは、人間が魔女を殺しまくり魔女も人間を殺しまくるこの作品にあって「人間が人間を殺す」貴重な役目を果たしているのだが、さらりと黒服に全部持ってかれそうでならず。

 かすかな希望としては、全機密を開示されていた筈の彼でさえ孵卵など知らない情報があることや現所長代理の小野寺のやりよう及び高千穂の大願云々。そこに彼の信じる正義と食い違いがあった場合、協力はしてくれずとも共闘くらいには持っていけやしないかという希望的観測。さしあたってはマキナのおじさんことレン君がどれだけ情報を持ってる(あるいは内部スパイから情報を得ている)か、あるいは高千穂ヴィンガルフの今後アクションを黒服がどう見定めてくれるかってあたり。少なくとも今の彼は、イチジクあるいは美樹女史みたいに「魔女は生きているだけで有害であり皆殺しにするべき」というスタンスを取ってはいない(それもまた彼の信じる大義に基づく⇒復讐は別にして魔女の生存が利益に繋がる?)から、もしも孵卵抑制の情報を得られたならこちらに流してくれる可能性がないでもないでもなくもなくも……(頭グルグル)。


 一方、佳奈&姉上について。まぁ、姉上は見たまんまのギャグなので、ああ、裸族は肉食系だなあ!!と笑っとくとして、佳奈はさりげに思い詰めているよねぇ。ここで姉妹対面をオッケーしていたら孵卵イベントが起きてしまったような気もするし、判断的には間違って無いと思うんだが、これ、裏を返すと、姉妹対面が叶った矢先に、佳奈が孵卵するって展開は、かなり現実味を帯びてきたような。今まで良太が腑抜けてた印象が強かったけど、今週は、佳奈をそれとなく気遣ったりちょっとだけ印象が良くなった気がする。

 というか、さりげにこれ、佳奈フラグ立ってないか??w寧子さんとか、よく見ると、良太を無茶苦茶嫌ったままの目で見てるコマとかあるし、佳奈の悩みを聞いているうちに……って流れの予感がしてどうもこう。第一部から、対等な立場の良き理解者という関係な二人なんだが、二人のひそひそ話は、ちょっと意味深に見えた。まぁ、小鳥と行った天体観測会後の二人のやり取りを、形を変えて再現しているシーンのようにも思えるんだがw

 いよいよ、長年謎だった、変態紳士こと黒服の本名が、ついに初公開か、と思いきや!!
隣のページで首をボキッ!とヘシ折られて、速攻で死体になってるモブ操縦士さんが!!アイエエエ!?黒服!?黒服ナンデ!?コワイ!!
 しれっと尾行して背後に回りこみ、お前はどこの特殊部隊だ!? コマンドサンボの使い手だったのか、黒服!?という手際の良さで鮮やかに首の骨をへし折って殺害する、バリバリの武闘派っぷりを
見せる上級研究員様。何だお前は……っていうか、お前、そういうキャラだったのか!?(滝汗

なんだこのダークヒーローっぷりw

 なんと佳奈姉は、黒服のことを恋人だと思っていた!!どのタイミングで好きになったのかは知らないが、佳奈姉が黒服に抱いた恋心は本物のようで、V機関が襲撃するかもしれないというのに戻ってくることを仄かに期待しているほどのはまり込みよう。裸族の時点でちょっと変な人だなあと思っていたけど、高屋とか黒服にも負けない変態ぶりだったとは。元々、佳奈を探すためにV機関のことを秘密裏に調べていたというのに、どうして大きく脱線するのやら。たんの漫画でここまで面倒臭い女性が今までいただろか?多分いない。

仲間がヘリで美樹さんを迎えにやってきたそのとき、黒服が仲間を瞬殺!上級研究員すげぇなw
狙いは神族の受精卵らしい。今まで宇宙人の受精卵と言われていた物のことだよな!?
黒服はそれを奪還してどうする気なのか?
大いなる大儀とやらのためにヴィンガルフに返したいなのか、
それを手土産にヴィンガルフに復帰したいのか、それとも他に理由があるのか?
というか、じつは受精卵はもう1コ育ってるんだがw


―――はたして黒服さんが、いかにもこっからヘクセンヤクトの根城に乗り込むぜ! なノリの一方で(そもそも受精卵を奪還したとして何処に持ってくつもりなのか)前回トンでもない誤解を助長増幅されたカズミちゃん様がその挙句に今回放置プレー状態なのが只管に不穏極まる。しかし何事も無かったかのように振舞われても逆に怖い。心情的にも孵卵促進的な意味でも……。

 先日降って沸いたマキナが寧子さんにコナかけて執着みせた時点で、天文台が勢力闘争の真空地帯になるのは不可能くさい一方で、あくまで良太は「魔女達を生き延びさせ守ることが大事」というスタンスを久々に発露(奈波の死亡直後や真子がアンチマターをブチかまして街が吹っ飛んだのを目の当たりにした時には若干揺らぎが生じてたような気はするが)。しかしながらその望みを叶えるための材料はヴィンガルフの中枢たる小野寺が握っている。また黒服あたりがブン奪ってくるのを待つにしても、良太自身が自分の感情にケリをつけないことには主にカズミの精神状態が不安定極まる。
 元より腕力や魔法で戦うことなく知略で助ける型で、昨今それすらどうにもならん状況ばかりとなり、ある意味それを補わんとばかりに高屋に次いで黒服がアクティブ化。それでも、彼らにはできなくて良太だから良太にしかできないことがある……黒服が「活躍」している間に、そこらへん何とかならないものかなあ……などと考えていたら間に合わないフラグに思えてあばばばばば。ちょっくら脳内彼女さん、尻を蹴っ飛ばしてやってくれませんか切実にお願いしたいです。