独自形状により強度や環境にも配慮した土砂災害対策用えん堤

日鉄住金建材は2010年1月8日、土砂災害を防止するえん堤「鋼製スリットえん堤T型」を発表した。集中豪雨、ゲリラ豪雨により発生する土石流やがけ崩れの被害拡大を防ぐほか、独特な形状により河川への負担、影響を極力なくすように努めた製品。

川の流れを遮断しないスリットを採用した点が特徴。平面的な格子状のため、従来のコンクリート型えん堤に比べて無害な土砂を流すことが可能。魚などの生物や小動物の往来を可能にするほか、下流域の川床低下や海岸線の後退といった間接被害を抑える効果も併せ持つ。

「T字型」により他社のえん堤にないメリットも備える。設置する底部と左右のコンクリートに力が分散する3面支持構造により、一部の部材が破損したとしても全体の倒壊につながらない安全な仕組みになっている。部材が破損しても左右のコンクリートから容易に抜き差しできる構造のため、部分的な補修が可能。迅速に復旧できるように配慮した。使用する鋼材量を節約できるといったコストメリットもある。

同社ではすでに提供を開始している「鋼製スリットえん堤B型」と併売し、防災関連の主力商品として販売していく考えだ。


日鐵住金建材
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