Hatena::ブログ(Diary)

小野俊介 サル的日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2017-03-10

カラスは進化する。 サルは劣化する。

つい最近の新聞にこんな記事が載ったよね。 読まれた人も多いはず。

カラス、都会を去る ツバメスズメも減少

(前略)・・・ 都内の繁華街では、生ゴミをあさるカラス社会問題になった。 だが最近では、我が物顔で振る舞うカラスの姿をほとんど見かけない。


この記事を書いた記者って、いったいどこのトーキョーに住んでるのかね、と家人と二人でひとしきり大笑い。 

朝6時頃の渋谷を歩いてごらんよ。 それはもう、凄まじい数のカラスがゴミを漁っておるぞ。 本当に恐ろしいよ。 何十羽の群れが一斉に歩行者を威嚇して大声を上げて飛びかかってくるのである。 52歳のオッサンでも怖くて歩道を歩けず、わざわざ車道に逃げたほどだ。 それがわずか3日前の話。

とはいえ、誤解しないで頂きたいのだが、私はカラスは好きである。(注 1) 黒光りする美しい羽根。 賢そうで愛嬌のある顔。 飼えるものなら飼いたいのだが、法律で禁止されているのね。

(注 1) 私はあらゆる動物を好きである。 昆虫も好きだし、植物も好き。 嫌いなのは人間だけ。 あいつら、性根が醜いから。

先日、スイスジュネーブに出張に行った時に (サル的なヒトがジョージ・クルーニーになった回ね → サル的日記 番外編 in Geneva - 小野俊介 サル的日記)、ちょっと面白い経験をしたのである。

会議場となった由緒ある建物は、これまた由緒ありそうな大きな庭園の中にあったのだ。 広大な芝生があって、そこにぽつりぽつりと邸宅がある風景を思い描いてください。 で、その広い芝生の中に会議場まで続く一応舗装された細い一本道。 午後2時。 晴天である。

「うーん、これで仕事が無ければもっといいのだが」 などと思いつつ、トコトコと一本道を歩くサル的なヒト。 と、突然、目の前3メートルくらいのところに何か小石のようなものが落ちてきたのである。 カツンっという乾いた音を立てて降って来た茶色い物体は、クルミの実。

「・・・ん? 広場のど真ん中にいるのに、なぜクルミが降ってくるのだ?」 と思ってたら ・・・ そう、皆さんの想像どおり。 カラスが一羽、私から少し離れたところに舞い降りてきた。 渋谷にいるヤツよりも少し小振り。 そいつがジッとこちらの様子をうかがっている。

おおっ、あれだっ! 前にニュースで見たアレだ。 カラスって賢いので、クルミを高いところから落として割って食べるのよ。 さらに賢い奴は、いちいち高いところからクルミを落とすのは効率が悪いので、車道にクルミを置いて、自動車に割らせるらしい。 内輪差・外輪差を踏まえてクルミを置く位置を調整するという賢さである。

スイスカラスもニポンのカラスも賢いなぁ。 ニポンの製薬業界人 (産官学すべて) はカラスの爪の垢を煎じて飲んだ方がいいよね」 などと呟きながら、まだ割れていないクルミの横を通り過ぎたのである。 頑張れよ、カラス君。 会議場までは、まだあと数百メートルはあるので歩を早める。

その数秒後。 驚くべきことが起きた。 私の前にまたもやコーンと落ちてきたクルミ。 振り返ったらさっきのクルミが消えているから、あのクルミだ。 傷がついているが、まだ割れてない。 またもや少し離れたところに降りてきて、私とクルミをじっと見ているカラス

お気づきですね。 そう、こいつはおそらく普通の賢いカラスからさらに進化しているのである。  人間にクルミを割らせようとしてる のよ。 こっちも科学者の端くれだから仮説を検証しないと気が済まない。(注 2) 革靴の踵でクルミを踏みつける。 割れない。 結構固いぞ。 もう一回。 少しジャンプして ・・・ ベキッ。 今度は割れた。 さらに何回か踏みつけて、少し細かくしてやる。

(注 2) いや、これが仮説の検証ではないことくらい僕でも分かっているから、情緒を欠いたくだらない突っ込みはしないように。

で、カラスの方をみると ・・・ ソワソワしながら、こっちを見てる。 「もうお前の仕事は済んだのだから、早く立ち去れよ」 ってな感じ。 クルミから離れて歩き出すと、早速やって来て、クルミをついばみ始めたのであった。

たぶん、このあたりを散歩している地元の人たちや観光客の多くが、今回の僕がとったような行動を取ることを、カラス君は経験的に知っているのであろう。 みんな、面白がってクルミを割ってやるのね。 クルミの中身を奪おうとするほど空腹のかわいそうな人間はジュネーブにはあまりいなさそうだから、その意味でも安心だ。

カラスからすると、「サルってさ、なぜだか分からないけど、目の前にクルミがあると本能的に踏みつけるんだぜ。 高い空に舞い上がって、固い道路の上にクルミを上手に落とすのは難しいし、面倒くさいよね。 だから、あいつらの行動を利用すればいいのよ。 サルの目の前にポトリと落とすだけ。 サルってさ、バカだけど、道具としては使えるよね」 って感じか。 今回の件も、もしカラス界に動物行動学会があるならば、きっとこんなタイトルで報告されていることだろう。

「ケース報告: ニポン由来のサルによる本能的クルミ踏み行動について: 脚部の使い方に関するスイス由来ザルとの相違点に着目した分析」

*****

ここ数週間、仕事が多すぎ。 疲れすぎて、夜眠れない。 今私が抱えている仕事って、誰とも相談ができない性質のものが多くて、本当にストレスフルである。 何千億円、何百億円を動かす (正確には 「自分が動かしていると勘違いしている(笑)」) 企業の人たちは、桁が何桁も小さい大学の仕事を鼻で笑っているのかもしれんが、ストレスの大きさはプロジェクトの金額の多寡じゃないからな。

医薬品業界・医療業界・役人業界・学問業界、 「自分の役に立つかどうか」 で人の価値を判断するヤツらばかりの、いずれ劣らず不愉快な業界である。 「お、このサル、利用価値がありそうだぞ」 と思えば、気持ち悪い愛想笑いを浮かべてすり寄ってくるが、実は役に立たない (サル的なヒトが世間的な意味で利用価値があるわけがなかろうに) ことが分かると、手のひら返し。 会っても視線すら合わせなくなる。 私の関係する (した) 業界、そんなおっさん・おばさんばかりである。

そんな奴らに迎合するのは人生の無駄だから、こっちだって相手にしない。 私は、ただひたすら 「知」 を求め、「知」 を同志や若者と共有し、楽しみたいのだ。 だから何をやるにもたいてい一人ぼっちになる。

「相談できる人は誰一人いません。 助けてくれる人も、愚痴を聞いてくれる人も、誰一人いません。 誰もあなたのやることに干渉もしませんし、興味も持ちません。 すべてあなた一人です。 だから、あなたが一人で決めてください。 その責任もあなた一人でとってください」 なんて職場環境で仕事している会社員、いる? それってもはや自営業だ。 いや、従業員ゼロという制約があるのだから自営業ですらないのか。

状況のあまりの理不尽さが頭に来たので、現代意味論の教科書の中でも思いっきりややこしいのを読んで憂さを晴らすことにする。 ヘトヘトになれば眠れるだろうし。 内包タイプ理論から始まるモンタギュー意味論の本。 読むこと数十分。 頭の中でラムダ計算が踊って、夜通しうなされた(笑) 結局のところ、夜は眠れないのである。

2017-02-24

英語ではお漏らしもできない


ちっきしょーっ! \(*`∧´)/ ムッキー!!

わっかんねえんだよ! 
アデルの言ってることが、何一つ、分かんねぇんだよ!

何回聞いても 「マジ、ちびっちゃったわ ( I shit myself )」 が聞き取れねーんだよ!

ばっかやろー!


・・・ となぜか激怒しているサル的なヒト。 そうなのである。 私は、留学経験者であるにもかかわらず、英語が聞き取れない。 最近、頭と耳が悪くなってきて、ますますそのことを明確に自覚するようになった。

読者の中には英語が得意な人も苦手な人もおられようが、ある程度のレベルに達したヒトでも、どこかに弱点があるでしょ? 「こういう外人は苦手なんだよなぁ」 といったタイプがあるでしょ? 私の場合は、次のような状況での英語がまったくダメである。 たぶん、私に同意してくれる日本人が 680万人くらいはいるはずだ。

(1) 若いにーちゃん・ねーちゃんの早口英語
(2) イギリス人の英語
(3) テレカン・スカイプの英語
(4) インド人の話す英語

十代前半から二十代くらいの若い native のにーちゃん・ねーちゃんの早口英語は、もう絶望的なくらい聞き取れない。 あいつらには惻隠の情とかが無いから、英語が聞き取れないかわいそうなアジア人のおじさんに配慮なんかまったくしないからな。 like, .., like, ... と文をズタズタにするのも許せん。 

ちなみに、それよりもずっと若いチビッ子の英語は聞き取れるのである。 昔ボストンに住んでいたころ、娘のお誕生日パーティに来た Anne (ぇぁん と発音する)が、' You forgot something really important ! ' とケーキの登場が遅いことを早口で抗議しに来たのだが、そういう英語は分かるのである。 Nursery School での子供の会話、お母さんたちの会話はたいてい分かったぞ、どうだっ ・・・ って、あんた、大学の先生がそんなレベルで威張ってどうすんだ。

もう一つ、私が決定的にダメなのがイギリス英語。 なんか音がプスプスと漏れているというか、炸裂音だらけというか、母音が短いというか。 これも昔、ハーバードの女性教授の講義が聞き取れず (最初は、彼女の話しているのが英語とすら認識できなかった)、「このヒト、きっと英語の苦手なフランス人なんだろうな」 と思ったら、その先生は大英帝国のご出身であると講義の後で教えられて、ショックを受けたことがあったっけ。

(1)と(2)が合わさると、それはもう地獄の沙汰である。 そして、それがアデルなのだ。 皆さん、アデルさんは知ってるよね?

25

25

先月号の English Journal にアデルのインタビューの音声があったので、久しぶりに英語を refurbish してやろうと思って聞いてみたら ・・・ まったく聞き取れない。 冗談抜きで一言も聞き取れない。 英語であることすら分からない。 「アタシさ、もう漏らしそうになったのよ、アハハ」 なんてことを楽しそうにベラベラしゃべっているのだが、文中に shit myself が存在していることが 100回くらい聞いても (ホントに聞いたのよ) まったく分からない。 この絶望感。 お、オラ、イギリスに行ったら、うんち漏らす資格すらないサルなのか ・・・

(3)のテレカン、スカイプの苦手な人はたくさんいるはず。 音が悪いととたんにダメになる。 テレカンの何時間か、各国からの参加者が何を話しているのかほぼまったく分からないままに参加を強いられ、最初と最後だけ挨拶をさせられるのって、相当に屈辱的ですよね。 死にたくなるよね。 製薬業界にいる米国人や英国人は、この屈辱感を味わうことなく一生を終えるのだから、これを特権と呼ばずしてなんと呼ぶ。 あんたら外人さんも夏目漱石センセイくらいは読んで、日本語が分からない屈辱感を味わってみろってーの。 小野センセのサル的日記でもいいぞ。

(4)のインド人の英語も音の区切りがつかないし、早いし、大変である。 でも、むろんこうした印象をあまりに一般化してはいけないこともよく分かっている。 かつての友人にインド人の医師がいたのだが、彼の話す英語は、日本人英語よりも私の耳にやさしかったし、また、忍耐強くこっちの話も聞いてくれるので、会話が弾んだものである。

CNN英語、ABCやNBCのニュース英語は完璧に聞けるのに、日常会話がまったく聞き取れない僕のようなサル的なニポン人って、実は相当に多いらしい。 TOEFLTOEIC といったお行儀のよい英語テストではほぼ満点をたたき出せるのに、アデルの英語は一言も聞き取れない。

いや、だからどうにかしてくれ、と泣き言を言っても仕方がないのだが、まぁ同病相憐れむってことで。

*****

いやはや、今月は忙しかった。 大学の講義、企業の無料出張講義、大学の用務、学生の論文直し、投稿、飲み会、歯医者、月刊薬事の新連載の原稿書き、そして来るべき新年度レギュラーコースの企画と準備。

無料出張講義を受けていただいた代々木あたりのG社の皆さん、品川あたりのDS社の皆さん、10回の講義お疲れ様でした。 どうですか、面白かったですか? 私の講義の質が高いか低いかは皆さんに判断してもらうしかないのだが、「医薬品を軸に据えて、倫理経済学ゲーム理論論理学数学、歴史、哲学言語学統計学といった 『リベラルアーツ (教養)』 の入口を、いい塩梅のレベルできちんと紹介できる」 講師は、日本にはそう多くはいないと思います。 自画自賛(笑)

業界系のシンポやれぎゅら○りーさいえんす関係の学会で繰り広げられる、製薬業界やお上のスタンスについての押しつけがましい講演に飽きてしまったり、嫌気がさしている方々。 私の講義は、業界の常識やお上の政策を学ぶことなんぞ前提にも目的にもしていないから、面白いよ。 にもかかわらず、薬の研究開発、承認審査、市販後の安全性、(いわゆる)リスクベネフィット評価の例示が豊富だから、仕事の役に立ちますよ。 たぶん。

あとね、いまどき珍しく、完全無料だよ。 謝金、礼金寄付金の類は一切いただきません。 あ、でも、私にも養うべき家族がいるので、行き帰りの地下鉄の料金だけはよろしくね。 出張講義だから、私が皆さんのオフィスまで直接行きますよ。 大阪、地方でもOKですよ。

れぎゅらと○ーさいえんすなどといった浮ついた流行 fad ではなく、ちゃんとした正統的学問の価値を一人でも多くのヒトに分かって頂くための、いわば知の伝道師になりたいのです。 伝道師が謝金取ったらいかんよな。 だから当然、無料。

興味のある方は、お気軽に大学の私の研究室 (ホームページにアドレスあります) に直接コンタクトしてくださいね。 お待ちしてますよ。

2017-02-05

サル的な日常もよかろう

へへへ。 先日の金曜日のお昼は豪勢だったぞ。 庶民よ、聞いて驚くな。 830円の海鮮8種盛り丼。 赤門前のいつもの海鮮丼屋さんで。

・・・ こら、そこの君。 「またその海鮮丼屋かよ。 こいつ、他に昼メシ食いに行くところはねーのか?」 などと呟いておるな。 失礼なことゆーな! 他にも生協食堂と長崎ちゃんぽんリンガーハットという行きつけがある。

その海鮮丼屋では530円の大トロあぶりサーモン丼と決めているのだが、どうせ残り数十年しかない人生だ。 たまには豪勢なモノを食ってもよかろうと大奮発したわけである。 

マグロ赤身、漬けマグロ、サーモン、イカ、エビ、エンガワ、シメサバ、そしてネギトロ酢飯の上でキラキラと輝いておる。 これを至福、眼福と言わずとしてなんと言うのだ。

ワサビをたっぷり混ぜた醤油をドボドボと大量にかけて、ワシャワシャと口中にかきこめば ・・・ ほら、脳内にあふれだすエンドルフィン! 食べている間の記憶がホントにトンでいるんだよなぁ、自分。

52年もの波乱万丈の人生においてサル的なヒトが証明した定理を一つ紹介しておこう。

海鮮丼に関するサル的定理)
東大赤門前の海鮮丼屋の海鮮8種盛り丼の美味さを仮に数値で100%と表現したとき、この世界には120%を超える美味さの料理は存在しない。 

私だって超高級料亭で超高価な美味いモノを食ったことはある。 世界の高級レストランと称するところでメシを食ったこともある。 でもね、結論としてそれらの高級料理の旨さは、海鮮8種盛り丼の旨さの120%を超えることは決してなかったと今なら断言できる。 ちなみにこの定理は論理学手法のタブローによっても、フィッチスタイルの演繹によっても証明されているのね。 これ、試験によく出るから。

というわけで、食事に関しては今後830円以上の金を支払う気はもうまったく無い。 食い物に関してはもうこれ以上何の欲も無いのだ。 鴨長明の境地に近づいている自分。 なんと素晴らしい。

*****

今、JASAC天下り問題とも絡んで火を噴いてますね。 ご愁傷さまです。 でも J○SRAC 問題、他人事ではないのである。

サル的なヒト、実は昨年からある月刊雑誌の短いコラムの連載を担当している。 「薬がらみのネタをお願いします」 との依頼なので、臨床試験や保険制度がらみの小話を書いているのである。 むろん筆者が私なので、お行儀のよい大学の先生が書くようなことは絶対に書かない。 私が取り上げるのは 「医学薬学専門家と称する人たちの常識や医薬品業界人の慣習が、いかに根拠不明で危ういか?」 といった感じの話である。  すみませんね、担当の I さん。 「薬は指示された用法どおり飲みましょうね、患者の皆さん」 といったことを本当は書いてほしいんでしょうけど、原稿を頼んだ相手が悪かったのだ。 運が悪かったとあきらめてください。

で、今月は 「臨床試験で出てくる結果の平均値なんて意味不明よ」 という話を書くことにしたのである。 だって、平均値が現れる 「平均人」 なんてこの世界には存在しないんだもの (そうでしょ?)。 実は、そのような仮想人の 「意味」 って哲学の重要な問題で、何千年もの議論があるのよ。 そんなややこしい背景などつゆ知らず、平均人にいい加減な 「意味」 を勝手に持たせてしまうのが薬の専門家たちである。 困ったもんだ。

さて、原稿の方針は決まったが、問題は書き出しである。 短いコラムの命は導入部分。 最初の段落でいかに読者の心をつかむかが勝負である。 「うーむ。 平均値、平均点 ・・・か。 学校の試験の平均点って65点くらいだったかなぁ ・・・ 
(゜∀゜) ピーン! あ! あれだ!」

ほれ、バスボンシャンプーのおねえさん、松本ちえこちゃんの名曲 「恋人試験」。 あの有名な歌詞がつかみには良かろうと、例のサビのところの歌詞をサラサラと冒頭に書いて、「いやー、昭和世代には懐かしいっすなぁ」 などと能天気な原稿に仕上げ、担当の I さん (女性) に送ったのである。 

そしたら I さんからメールがすぐに帰ってきた。 「小野センセ、確かにあの曲は私たち昭和世代には超懐かしいのですが、それはさておき、歌詞をそのまま使うとあの JASRA○ にお金を払わないといけなくなるんですよ。 至急書き直してください!」 との厳しいお達しが。

ガーン。 そ、そうなのか。 知らなんだ。 52年間そんなことも知らずに生きてきた無知なサル的なヒト。

というわけで、次のような文章に書き直したのであった。 これなら大丈夫なのだろうな。

「恋人試験」 (松本ちえこ) の要旨

問1 (配点50点)
アタシの顔・身体のパーツで魅力的と思われる部位を次の選択肢から選べ。
(a) 耳介 (b) 口唇 (c) 小さい瞳 (d) 乳房 (e) 頸部 (f) 丸い鼻翼

問2 (配点50点)
アタシと同伴して行きたい場所とその理由を述べよ。
(a) 山間部 (b) 湖畔 (c) 牧場 (d) 広場 (e) 飲み屋 (f) ディスコ

なお試験の結果については次のとおり取り扱うものとする。

    0点の人: 許さない (○`ε´○)プンプン!!

  100点の人: 大嫌い  m(´・(エ)・`)m大キライ

   65点の人: 好き  (*´−`*)スキ


・・・。 あの歌って、こんなに情緒のない感じだったっけ? ていうか、この試験でわざと65点取るのって至難の業だぞ。 彼氏でも無理だろ、これ。 一体どう解答すればいいんだ?

いずれにせよ、JASAC に従うと名曲がこんなふうに無残になってしまうことだけは分かったのである。(注 1)

(注 1) 結局、原稿はもっと穏当な表現に書き換えました。 念のため。

*****

というようなバカ話で今日の記事は終わり。 最近ちょっと忙しくて更新の頻度が減っていてごめんなさいね。 その割には読者数がほとんど減っていないのが、実はちょっと嬉しかったりするのです。 みなさん、どうもね。

これからも仕事の合間や通勤時間に人生や仕事に虚しさをふと感じたら、ポチっとブログ名をクリックしてください。 あとね、まわりのみんなにもっとこのブログ勧めてもよいのよ。 遠慮しないで。 大丈夫、このブログを勧めたくらいで変人扱いされることはないから ・・・ たぶん (笑)。

2017-01-29

ニポンの業界人はトランプさんと似ている件

すまんすまん。 ブログをだいぶほったらかしにしてしまいましたよ。 別に何ということもない日々を生きております。 イライラのタネは絶えぬが、それが日常なのだと思えばどうということはない。 アメリカ様の大統領が完全にアレな人だが、あんなのを選ぶとどういうことになるかをジッと観察する壮大な社会実験をやっていると思えばよかろう。 4年後には、誰が次の大統領になっても世界中の皆が確実に幸せになるのだから、確実に値上がりする株を買ったと思えばよいのである。

そう長くもない人生なのだから、無駄なことはできるだけしない、という方針で最近は生きている。

頭のつくりが根本的に歪んだ人とは口をきかない。 何を語っても話が通じないのだから。 賢い人であっても、他人を見下した態度しかとれないヤツ (大学にたくさんいますね) とは接点を持たない。 目の前の人を不愉快にしていることに無自覚なヤツは、やはりバカなのだ。 会議と称するものにはできるだけ出席しない。 だってニポンの会議って、ぬいぐるみのリラックマに 「おの しゅんすけ クン」 と名札を付けて座らせておけばそれですむ会議がほとんどなんだもん。 出席者 (たとえば私) が発言しないことが期待されている会議になんぞ出る必要はない。

となると、ろくに読者もいない無駄なブログも書かない ・・・ のが一貫した生き方なのだろうが、多少の無駄は心のゆとり。 ヨシとしよう(笑)。

*****

最近の学会誌や業界紙で見かける医薬品業界人 (産学官すべて) の書いた日本語のひどさに、うんざりしている。 ほんと、ひどいぞ。 まともな学識・良識を持っていることが疑われるレベルである。

たとえば、こんな文章、よく見かけるでしょ?

(日米の医薬品の保険適用について)
・・・ 日本では、医療の提供の平等が重視されるため、承認された薬剤はすべて保険償還されることになっている。 ・・・

・・・。 医療の提供の平等ってなんだろう? 意味不明。 たぶん、システムの中で同一の保険点数 (お上が設定した取引価格) を使っていることを 「平等」 とでも思っているのかな? そんなもの 「平等」 とは関係ないぞ。 このヒトの頭の中では、承認した薬剤のいくつかを保険償還しないのは 「平等」 じゃないのか。 共産主義にしても変である。  

こういう主張も多いよね。

(薬価改定に関して)
薬価の改定を頻回に行うと、企業は高い薬価を設定する。 簡単に値段が下がるのであれば普通に考えてそうする。 このような薬価改定の仕組みでは、製薬企業の新薬を開発する意欲・研究費が失われる。 日本再興戦略で創薬分野は成長産業に位置づけられていることとも反する。 ・・・

言っていることは確かにそれらしいが、ちょっと待って。 今のニポンの医薬品産業は (トランプさんが望んでいるような) 鎖国の中にあるのかね? ニポン国内からの利益だけを会社の金庫の中で保管してあって、その一万円札に 「研究開発用」 と書き込んであって、その書き込みがある一万円札をニポン人向けの薬の研究開発にしか使わない製薬企業がニポンにはあるのだろうかね。

オプジーボなどの新薬について)
日本人が発見した新薬のシーズなら、日本企業が育てるべきだ。 それが流出して、外国の人たちによって製品化されるのは恥ずかしい。

・・・ いや、全然恥ずかしくもないし、異常でもない。 化合物や抗体にもし口があったら、「オレ、別にニポン人じゃないし」 って言うと思うよ。 医薬品業界って、どうしてこんなふうな国粋主義者のような主張が大好きなのだろう。

もっとも、ニポン政府の「○カ年戦略」 などの序文がたいてい 「医薬品医療機器について、ニポンは輸入超過で、けしからん」(注 1) などという根本的に意味不明でバカげた文章で始まっているから、どうにもならないのだけどね。 ほれ、これってトランプさんの主張そっくりでしょ?

(注 1) これを言っているのが、その辺のお役人ではなく、クルーグマン先生だとかメリッツ先生だとかだったら話は別だが。

政府は、ニポンの海岸にも医薬品専用の国境の壁 border wall を造ったらよいと思うよ。 Made-in-Japan医薬品シーズと有能な人材は決して国外に逃亡しないように監視して、外国の有望なシーズと有能な人材 (注 2) だけが入ってくるような、妙に都合のよい選択透過性を備えた壁 ね。 大笑い。

(注 2) ただし、外国人は 「ニポン人の重要なポストを決して奪わず、威張りん坊ばかりのニポンザル社会の序列は乱さず、ニポン人のボスの言うことには常に従順に Yes と答え、ニポン人並の安月給と超過勤務と事務的雑用を受け容れる」 という条件を満たす有能なヒトだけ受け容れる、ってなところが本音だよね。 そんな外人さん、来るわけねーだろ。

*****

どこか異常なのは医薬品の世界だけではない。 名古屋闇サイト殺人事件 (ネットの闇サイトで集まった3人の凶漢が、縁もゆかりもない女性を殺害して、金をむしり取ろうとした事件)を皆さんは覚えているだろうか。 「一人殺しただけでは死刑にならない」 という量刑の常識があるニポンで、この野獣3人に厳刑を、という署名に私もサインをした記憶がある。

いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件

いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件

一審では 「2人死刑」 という判決が出たが、二審では、そのうちの一人が無期懲役に減刑されてしまった。 その二審判決での減刑の理屈 (の一部) がこれだそうだ。

・・・ 本件において、殺害の様態が残虐性を増したのは、被告人らが想像したよりも被害者が簡単に絶命しなかったため、殺害の手段を次々に変えた結果である、という側面があり、・・・


・・・。

被害者の女性が必死で生き延びようと頑張ったから、残虐な殺し方をしたのは仕方ないんだそうだ。 法曹界の頭の良い人たちの考える理屈はすごいものだね。

ふざけるな。

*****

「ニポンを取り戻す!」 「アメリカ第一!」 などと喚 (わめ) いている人たちは放っておけばよい。 僕たちはそんなにバカじゃない。 私たちが愛すべき人、守るべき人たちは、そんな薄っぺらいスローガンなんぞとは無関係に私たちのまわりにいて、誇りをもって日々を生きているのだから。 そうですよね、Sullenberger 機長。

D

「Sully」。 クリント・イーストウッド監督、トム・ハンクス主演とくれば、もう鉄板である。 円熟の技。 話の結末は分かっているのに、涙が止まらず。 この映画も、点数をつけるとすれば5億点だ。

2017-01-10

泣かない

最近どうも涙もろくて困っている。 正確には涙もろいなんてもんじゃない。 四六時中泣いているという表現が正しい。

特に危ないのが最近のNHKの番組である。 ほれ、読者の皆さんもよくご存知の番組があるでしょ。 あんたも泣いてるんでしょ? あれですよ、あれ。

ドキュメント72時間。

この番組が始まると、たいてい5分後くらいには目に涙がじんわり滲んでいる。 10分後くらいに鼻水が止まらなくなり、番組終了直前、松崎ナオさんの 「川べりの家」 が流れ始めるときには、ほぼ間違いなく号泣してるサル的なヒト。 それを気持ち悪そうに眺めている家人。

D

番組作成スタッフの中には、間違いなく、泣かせのプロがいるな。 それも達人レベル。 そう、たとえるならば、昭和を代表する名番組 『それは秘密です!!』 の司会者、桂小金治並みの ・・・ あ、小金治さんは泣く方だった。 すまん、間違えた。(注 1)

(注 1) 「ご対面コーナー」で、感動のあまりもらい泣きするから、「泣きの小金治」 と呼ばれたものである。 それにしても懐かしい。

昨年末12月29日には 「もう一度見たい72時間」として、2016年放送の新作36本の中から、視聴者の投票で選ばれた人気作ベスト10が一挙再放送されたのである。 素晴らしいぞ、NHK! 見直した。 最近の会長がちょっとアレな人だったから心配していたのだが、安心した。 この 「72時間」 だけで受信料の元は十分取れている。

ちなみにベスト10はこんな感じ。

第1位 長崎 お盆はド派手に花火屋で
第2位 ゆきゆき酷道439
第3位 四国 海だけの小さな駅で
第4位 冬・津軽 100円の温泉
第5位 囲碁の魔力に囚われて
第6位 京都 青春の鴨川デルタ
第7位 札幌 聖夜のバスターミナル
第7位 さらば!俺たちの船橋オート
第9位 福岡・中州 真夜中の保育園
第10位 真冬東京 その名は”はな子”


第9位の中洲保育園の回。 中州で働くおねいさんたちの子供たちの深夜保育。 夜12時を過ぎると目が覚めて、むっくりと起き上がっておかあさんが来るのを待っている男の子。 深夜勤務のおかあさんが上手に海苔で作ってくれたキャラ弁ミニオンズの顔がペロンと取れちゃって、シクシク泣き出すタカちゃん。 わかる、わかるぞ、タカちゃん、その気持ち。 お、オラも涙が止まらない。 

第2位の 「ゆきゆきて 酷道439」 も名作であった。 高知の山道、国道439号線をNHKの取材のおじさんを乗せた車でただただ走っていく回である。 カメラが過疎地、限界集落で暮らす人々の姿を淡々と切り取っていく。 後半に登場する85歳のおばあさん。 取材のおじさんが 「世の中はゴールデンウィークですね」 と尋ねたが、おばあさんにはゴールデンウィークの意味がよく分からない。 見ず知らずの取材クルーに、「これ、持っていきなさい。 気を付けてね」 と栄養ドリンクを2本、持たせようとするおばあさん。 あ、あれ? なぜ涙がでてくるんだろう。 

ゾウのはな子の回では、はな子に話しかけるおばあさんの姿に泣いた。 花やしきのジェットコースターの回では、病気のおじさんの笑顔に泣いた。 囲碁クラブの回では、帰る家もなく囲碁クラブで生活しているおっさんの姿に泣いた。 何年か前に放送された、秋田うどん自動販売機の回はもはや伝説になっている。 厳冬の屋外の自動販売機うどんをご馳走と言いながら、うれしそうに車で食べにくるカップルや子供連れ。 あんたら、いいなぁ。 僕らのような都会のネズミよりずっと豊かだ。

ふつうの人たちが、ふつうに暮らす姿を見ていると、涙が出るのである。 むろんそれは自分の姿そのもの。 鏡に映った自分の姿を見て、泣いている自分。 辛い人生送っているんだなぁ、自分。

前にも書いたが (これね → youtube に頼らない - 小野俊介 サル的日記サラメシ (NHK 月曜夜) でも涙が止まらない。 亡くなった人たちが愛した昼飯を紹介する 「あの人も昼を食べた」 のコーナー。 毎回毎回、もう号泣である。

昨年の小田さんの 「クリスマスの約束」 (の再放送) も大変だったなぁ。 小田さんの歌が素晴らしいのは当然として、問題はCM。 明治安田生命。 あんたら、視聴者そんなに泣かせてどうするんだ。 CMのたびに涙が止まらなくなり、家人に笑われる。

D

何を見ても涙が出てくるのは、じじいになったということだろうね。 笑わば笑え。 100年もすればあなたも私も、全員この世にはいないのだ ・・・ と、強がりを言ったら、また泣けてきた。

*****

泣かなくてもよい映画もしっかり見てきたのである。 「Don't Breathe」 本日のここまでの記事とのあまりの温度差に驚くがよい。

D

こいつには泣きどころが全くないから安心 (笑)。 ホラームービーらしいが、なんだかつまらない。 前評判の割には大したことなくて残念でしたよ。 ドキッとしたのはワンコが登場したシーンだけであった。 この映画、中学生くらいの子供には面白いのだろうが、オトナにはお勧めできません。

最近の映画はネタ・アイデアが枯渇している説に一票。