caguirofie

哲学いろいろ

#65

全体のもくじ→2004-12-07 - caguirofie041207

第二部 踏み出しの地点

§13 M.パンゲ《自死の日本史》 f

§13−4(つづき)

自分たちのほうも 犠牲をこうむっているという言い分をつくりあげる。犠牲者を思うことこそが 人間の自由でありその持続であると思いこむ。犠牲者という表現には 広く 福祉の充実ということも入っており この仕事をしているなら われわれは自由な人間であるという安心が得られるという寸法のようである。実際には その重荷と思っているもの(自由=同感人出発点)を 投げ出したのである。
この内実は つきつめていくと 自分たち自身が 生と死との自由を持つ存在として 犠牲者になっているしその犠牲を引き受けているという自負を意味する。これを もっぱらの心理起動力とするのである。そうして生きる。つまり無効にだから 死んでいる。

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