ビル&メリンダ・ゲイツ財団「収益を上げながら貧困と戦う」

ビル&メリンダ・ゲイツ財団のレポートを紹介させていただきます。


Fighting poverty, profitably(PDFファイル)


「持続可能でインクルーシブな金融システムを築くために支払いの経済を変革する」とのサブタイトルが付されております。

113ページと長いレポートで、構成は以下の通りです。後半にはReading listも掲載されています。


1. 支払いシステム:概観
2. 口座:安全で手頃な支払いを構築する
3. 現金入出金:支払いシステムへのアクセスを築く
4. 決済:支払人と受取人をつなぐ
5. 近隣事項:ユーザーとの関係を通じて収入を生じさせる


章のタイトルである口座(account)・現金入出金(CICO)・決済(transactions)・近隣事項(adjacencies)は支払いビジネスの中核となる要素であり、これらの頭文字をとったACTAが、セグメントの組み合わせで収益を達成するためのフレームワークとして設定されています(p. 10)。


最後の近隣事項は、少々わかりづらいのですが、前の3つの要素に関連のあるトピックという程度の意味で使われております。83ページ以降の記述が参考になると思われます。

93ページには、金融サービス以外の(non-financial service)6つの近隣事項が整理されています。


開発途上国で金融機関が当座預金を運営するのにかかる費用の内訳です(p. 29)。

レポートを通じて、実務に対する目配りが行き届いていると感じました。