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2015-05-03

マンスリー・ブリコメンド(2015年5月)


5月のマンスリー・ブリコメンドです。

こんにちは。マンスリー・ブリコメンドのコンセプトをこちらに書きました。今の時代に、演劇をおすすめすることについての、私の所信表明です。ぜひご一読を。(落)



今月のブリコメンド&メンバー紹介

落 雅季子(おち・まきこ)

1983年生まれ。BricolaQドラマトゥルク。劇評を書きながら各地で『演劇クエスト』製作に携わる。「こりっち舞台芸術まつり!2014春」審査員など。 @


鈴木励滋(すずき・れいじ)

1973年3月群馬県高崎市生まれ。地域作業所カプカプ(http://kapukapu.org/hikarigaoka/)所長を務めつつ、演劇やダンスの批評も書く。『生きるための試行 エイブル・アートの実験』(フィルムアート社)や劇団ハイバイのツアーパンフに寄稿。 @
■5月の鈴木励滋&茶河鯛一出没警報・注意報


茶河鯛一(ちゃが・たいち)

東京都杉並区生まれ、八王子市在住。小劇場を観たり、近年はよくわからないながらコンテンポラリーダンスも観たりしています。名前についてはスルー推奨。(主に)観劇予定ブログ→ http://hachiojitheater.seesaa.net/ @
■5月の鈴木励滋&茶河鯛一出没警報・注意報






5月の鈴木励滋茶河鯛一出没警報・注意報

※警報は★、注意報は☆、それ以外は▼になっています。





f:id:bricolaq:20150408224411j:image:medium
4月29日(水)〜5月10日(日)
ぬいぐるみハンタープロデュース
「すべての犬は天国へ行く」
http://www.nuigurumihunter.com/
王子小劇場(王子)




5月1日(金)〜5日(火)
ナカゴー特別劇場「堀船の友人/牛泥棒」
http://nakagoo.com/
ムーブ町屋 ハイビジョンルーム(京成町屋・都電町屋)
「牛泥棒」初演で替えがきかないキーパーソンを演じた清水葉月が今回は不在。どう変えてくるのか。(茶河)




5月1日(金)〜6日(水)
「現代演劇ポスター展」
http://www.hikarie.jp/event/detail.php?id=2099
ヒカリエホール ホールA(渋谷)




5月1日(金)〜24日(日)
「幕が上がる」
http://www.parco-play.com/web/play/makugaagaru/
Zeppブルーシアター(六本木)




5月2日(土)〜6日(水)
ふじのくに⇄せかい演劇祭2015
「例えば朝9時には誰がルーム51の角を曲がってくるか知っていたとする」
http://spac.or.jp/the-corner-of-room51.html
東静岡 池田地区周辺
“様々な土地で滞在型製作を重ね、サイトスペシフィックな創作活動を続けてきた演劇ユニット「鳥公園」の西尾佳織と、建築・設計やイベント等を手がける静岡のユニークな会社「大と小とレフ」がタッグを組んで、かつてない、街そのものを舞台にした演劇作品に挑戦する。”楽しみしかない。(茶河)




5月3日(日)〜6日(水)
劇団コープス
「ひつじ」
http://www.geigeki.jp/performance/theater092/
東京芸術劇場 ロワー広場(池袋)
子供がたくさん集まれば集まるほど一緒に観る大人も幸せになる作品。(茶河)




5月3日(日)〜6日(水)
渡辺源四郎商店
「海峡の7姉妹〜青函連絡船物語〜」
http://www.nabegen.com/
ザ・スズナリ(下北沢)




5月3日(日)〜12日(火)
うさぎストライプ
「いないかもしれない」2部作
http://usagistripe.com/
こまばアゴラ劇場(駒場東大前)




5月7日(木)〜10日(日)
青年団+大阪大学ロボット演劇プロジェクト
アンドロイド版「変身」
http://www.seinendan.org/play/2015/03/4316
早稲田小劇場どらま館(早稲田)




5月7日(木)〜11日(月)
ドキュントメント
「となり街の知らない踊り子」
http://docuntment.com/
STスポット(横浜)
“演劇界の異才 山本卓卓(範宙遊泳)とダンス界の異彩 北尾亘(Baobab)が演劇÷ダンスでポップかつ偏執的に描く旅”
(茶河)




5月8日(金)〜10日(日)
ドドド・モリ
「しらふ獣」
http://dododomori.blog24.fc2.com/
シャトー2F(武蔵小金井




5月9日(土)〜17日(日)
月刊「根本宗子」
「もっと超越した所へ」
http://ameblo.jp/buroguha-nikkande/
ザ・スズナリ(下北沢)




5月10日(日)〜31日(日)
イキウメ
「聖地X」
http://www.ikiume.jp/
シアタートラム(三軒茶屋)
2010年初演の『プランクトンの踊り場』を大幅ブラッシュアップとか。(茶河)




5月10日(日)
相模大野タウンアンサンブル
http://hall-net.or.jp/01greenhall/townensemble/
相模大野駅前〜相模女子大学グリーンホール(相模大野)
森下真樹や遠田誠が相模大野駅前で何ぞやるらしい。(茶河)




5月11日(月)〜24日(日)
夜想曲集」
http://www.gingeki.jp/performance/index.php?date=201505#294
天王洲 銀河劇場(天王洲アイル)




5月12日(火)〜17日(日)
ENBUゼミナール CINESTAGE vol.1
「アジェについて」
https://enbuzemi.co.jp/
新宿ゴールデン街劇場(新宿三丁目/新宿)
映画監督の今泉力哉が初めて演劇をつくる。
前田司郎との対談で演劇制作について語っている。(励滋)
http://subpokke.net/archives/4094




5月14日(木)〜17日(日)
「食用人間 1号2号4号」
http://shockyou124.com/
駅前劇場(下北沢)
本多力、川上友里、田村健太郎による三人芝居。3号はどうした。(茶河)




5月15日(金)〜17日(日)
BATIK
「レパートリーズ vol.1」
https://www.facebook.com/events/919892788032415/
森下スタジオ(森下)
「SIDE B」「6 Marimbas Counterpoint」「アウラ」の三演目。黒田は踊らない模様。(励滋)




5月15日(金)〜18日(月)
かえるP
「COLOR BABAR」
http://kaeruppp.weebly.com/
こまばアゴラ劇場(駒場東大前)




5月16日(日)〜6月14日(日)
ままごと
「わが星」
http://www.mamagoto.org/
三鷹市芸術文化センター 星のホール(三鷹)
ゼロ年代演劇、最後のマスターピースにしてクラシック”のコピーに偽りないはず。(茶河)



5月17日(日)
東京ドイツ文化センター 朗読とディスカッション
「フィリップ・レーレ戯曲『もの(Das Ding)』綿の一生の物語」
http://www.goethe.de/ins/jp/ja/tok/ver.cfm?fuseaction=events.detail&event_id=20504844
東京ドイツ文化センター図書館 2階(青山一丁目)
“日本語訳の一部を俳優がリーディング形式で紹介”らしいのだが、その俳優というのが武谷公雄、酒井和哉、稲継美保の三人! 全篇やっていただきたい。(励滋)




5月20日(水)〜24日(日)
くちびるの会
「盗賊と花嫁」
http://www.goethe.de/ins/jp/ja/tok/ver.cfm?fuseaction=events.detail&event_id=20504844
http://kuchibirunokai.jp/
SPACE 雑遊(新宿三丁目/新宿)
坂口安吾の「桜の森の満開の下」をもとにしているとのこと。(励滋)




5月21日(木)〜27日(水)
KAKUTA
「ひとよ」
http://www.kakuta.tv/
ザ・スズナリ(下北沢)
2011年初演はKAKUTAの近作では一番の傑作だと思う。
(茶河)




5月21日(木)〜30日(土)
elePHANTMoon
「爛れ、至る。」
http://www.elephant-moon.com/
こまばアゴラ劇場(駒場東大前)




5月21日(木)〜30日(土)
岩井秀人×快快
「再生」
http://www.kaat.jp/d/saisei
KAAT(日本大通り
上半期最大の話題作。実は現代口語演劇という多田脚本、代表作『て』で別視点から同じ流れを鮮やかに繰り返してみせた岩井演出、脱退以来久々に集まるex.快快の役者たち。(茶河)



5月21日(木)〜31日(日)
20歳の国
「花園Z」
http://20nokuni.wix.com/hanazonoz
すみだパークスタジオ倉(錦糸町)
この時期に2バージョン上演って…。悩ましさが増す。(茶河)




5月22日(金)〜24日(日)
日本女子体育大学ダンス・プロデュース研究部
「ぴちぴちちゃぷちゃぷらんらんらん'15−熱き想い−」
http://asahiartsquare.org/ja/schedule/post/1319/
アサヒ アートスクエア(浅草)
伊藤キム、平原慎太郎、村本すみれが振付する3作品を上演。(茶河)




5月22日(金)〜31日(日)
ブス会*
「女のみち2012 再演」
http://busukai.com/
東京芸術劇場 シアターイースト(池袋)




5月22日(金)〜6月2日(火)
クロムモリブデン
「七人のふたり」
http://crome.jp/
赤坂RED/THEATER(赤坂見附)




5月23日(土)〜24日(日)
GRINDER-MAN
「MORE MORE」
http://grinder-man.com/info/20150427/more-more
二子玉川ライズ(二子玉川)
“二子玉川ライズの空間に広く展開するツアー型パフォーマンス作品”とか。(茶河)




5月28日(木)〜29日(金)
ダンス・リンク・リング vol.10

http://as-factory.jp/cn27/pg271.html
せんがわ劇場(仙川)
木原浩太・鈴木ユキオ・山中冴晶による新作。(茶河)




5月29日(金)〜30日(土)
リクウズルーム
「Artistic Realization〜飛び発つ貴方にさよならが言えなくて〜」

http://reqoo-zoo-room.jp/
ラ・グロット(駒込)




5月29日(金)〜31日(日)
なかないで、毒きのこちゃん
「夢みるあの子はまだおうちでロンリーガール。」
http://dokukinoko.weebly.com/
https://twitter.com/sasameeee/status/594154539747414016
https://twitter.com/sasameeee/status/594157368159514625
FIZZ(高円寺)
気になっていたけれど観られていない劇団が高円寺の古着屋(?!)で公演をするというので興味が湧いたが、ホームページには何も情報が載っていない。ので、せめて古着屋の情報を。(励滋)
http://fizz.ocnk.net/page/5




5月29日(金)〜6月2日(火)
MCR
「死んだらさすがに愛しく思え」
http://www.mc-r.com/
ザ・スズナリ(下北沢)



5月29日(金)〜6月3日(水)
日本のラジオ
「カナリヤ」
http://nihonnorazio.blog.shinobi.jp/
新宿眼科画廊 スペース地下(新宿三丁目)




5月29日(金)〜6月7日(日)
城山羊の会
「仲直りするために果物を」
http://shiroyaginokai.com/
東京芸術劇場 シアターウエスト(池袋)




5月29日(金)〜6月29日(月)
日本総合悲劇協会
「不倫探偵〜最期の過ち〜」
http://otonakeikaku.jp/furin2015/
本多劇場(下北沢)

マンスリー・ブリコメンド 新コンセプト(2015年5月)


2011年7月に始まったこのマンスリー・ブリコメンドも、私が2013年4月に管理人に入ってから早2年です。「ブリコメンド」とは、ブリコラージュ(寄せ集めてものをつくる手仕事)とリコメンド(推薦する)を掛け合わせた、初代管理人藤原ちからの造語です。私もこの名前が好きだし、これを引き継いでいきたいと思っています。

でも、この2015年に演劇をおすすめするということは、2011年とは違った覚悟がいることかもしれません。

このブリコメンドが始まった当時、小劇場演劇は、次々と若い才能の飛び出す勢いのあるジャンルとして注目されていました。斬新な手法で注目を集め、シンデレラストーリーの階段を駆けのぼっていった人たちもいます。このコーナーがつくられた動機には、そうした人々をバックアップして、より多くの人に彼ら/彼女らを知ってもらいたいというものが含まれていました。

ゼロ年代の終わりから2010年代のごく初期まで、プライベートな記憶の描写や、それを扱う作り手の繊細な手つき、言語センスの乱反射は、そのきらめきで多くの人を魅了しました。彼らは、記憶やそれに準ずる身近な問題意識をまず先鋭化させ、手法を確立することで、より大きな世界を相手取るような作品をつくっていく――かに見えました。

でも革命は起きませんでした。今のところ私はそう思います。乱反射していたセンスの彫琢は、いまだ発展途上です。

少しずつ、小劇場をめぐる風景が変わっているのをここ数年、感じてきました。かつて私も審査員を務めた「CoRich舞台芸術まつり!」は、参加団体100を超える一大イベントでしたが、2015年は残念ながら開催されませんでした。経営上の理由ではありますが、小劇場演劇が活性化している状態であればそんなことはないか、少なくとも中止に異議を唱える人たちがもっと現れたはずです。F/T公募プログラムの優秀作品を決めるF/Tアワードは、2012年も13年も海外勢が受賞し、日本の若手たちは苦杯を舐めました。若手演出家の登竜門のひとつと言われる利賀演劇人コンクール2014にいたっては「該当者無し」という寂しい結果です。岸田國士戯曲賞の受賞者も、近年は若手ではなくベテランが続いています。

演劇の人気が落ちたわけではないことはわかっています。人気を集め続けるカリスマ的な演出家もいるし、ジャニーズの舞台や2.5次元ミュージカルなどもかつてない隆盛を極めています。でもそれは、観客の欲望によって舞台芸術が消費されていくということと紙一重です。演劇が、カタルシスの材料になる状況を私はとても危惧しています。目の前で、生きた俳優が動いている感動と興奮に飲み込まれるのはたやすい(プロパガンダや洗脳への悪用は、演劇には向いているでしょう)。演劇を、ただの感動の確認と自己慰撫のための道具に貶めることを、どうして私が許せるでしょうか。

それでも私は、そしてブリコメンド執筆者たちは、劇場に通います。ですが、新しい人を発掘し、ここにすばらしい人がいるから見て見てと叫ぶようなおすすめはもうしたくありません。もちろん、若い人の作品を観に行くことをあきらめるという意味ではないのです。ブリコメンド執筆者は、みな愛情深く、演劇のことも作家のことも観客のことも大切に思っています。誰かがすばらしい作品をつくれば賛辞は惜しみません。でもそれは、惰性や手癖でつくられた作品を厳しく見つめるという意味でもあるのです。

長くなりました。

お芝居を久しぶりに観たいけれどどういうのがいいかしら? とか、来週は何をやってるんだっけ? というように、お芝居が初めてではない人には、マンスリー・ブリコメンドのカレンダーはとても役立つでしょう。小劇場はなかなか行ったことがなくて……という人にも取っ付きやすいラインナップを目指しますので、ぜひ毎月見に来てください。

このページでお芝居を選んだあなたが、新しい価値観に出会ったり、作品のアイディアに大いに笑ったりして、昨日よりも豊かな気持ちで今日を生きることができますように。



2015.5.3
マンスリー・ブリコメンド2代目管理人 落 雅季子