ラオスに来ました。ビエンチャンでカウンターパートとの打合せなどの業務を済ませて、3日前から農村に入っています。ここでは果樹の剪定講習会や、試験樹の生育調査などをしています。今日は農村のさらに山の方に入り、傾斜部の見学などをしてきました。夜は、剪定講習会をやってくれた技術専門職員と、傾斜部を案内してくれた研究員と一緒に夕食を取りました。たらふく食べていっぱい喋って、とっても満足な夜でした。
今日の写真は、「マークンゲオ」というラオスでよく見るフルーツの樹と、その果実を採るアシスタントのウェル君。「マークンゲオ」の樹は、葉はロンガンに、果皮はライチに、種子はランブータンに似ているという、面白い果実です。味は酸味が強く果肉も少ないのですが、暑い中作業をした後に食べるととっても美味しく感じます。経済栽培はされておらず、こうして家の裏に1本だけ植えているのをよく見かけます。樹も高いので、果実を採るのも一苦労です。でも、これが自然の在り方なのかなぁとも思います。樹は高く、果実も十分高い位置に成らます。だから、人間の手が届かない位置になっている果実は、鳥や動物が食べる分として残るんですよね。それにこの樹は、2〜3年ごとくらいにしか実を着けません。樹としては、こうして時々実を成らせて、人間や動物たちに少しずつ食べてもらって種子を落としてもらえれば、自然界で十分に生き残れるんですよね。そう思うと、果樹園で完全に人間の支配下に置かれて低樹高栽培されているマンゴーやドリアンは、少し気の毒な気もします。

今週の月曜日からチャンタブリに来ています。最近このブログは、「外国出張日記」のようになりつつあります・・・。

チャンタブリは今、ドリアンのシーズンを迎えています。さっき街の食堂で晩ご飯を食べていた時、やたらとドリアンの匂いがするなぁーと思ったら、斜め前のおじさんが、カオニヤオドリアン(ココナツミルク味の餅米にドリアン果肉とココナツミルクをかけて食べるデザート)をもりもり食べてました(笑)チャンタブリの町中が「ドリアンカフェ」と化す季節です(笑)

さて、写真のピックアップ車。荷台にはドリアンを載せているのですが、荷台をのぞき込む男が2人。実はこの交差点を曲がったところにドリアン市場があり、この車の運転手(たいていは農家本人ですが)は、そこに収穫物を売りに来てるんですね。市場は多数のブースに区切られていて、それぞれ違う業者が入っています。収穫物を持ち込んだ農家がどの業者に売り込むかは、値段次第です。が、市場の敷地に入る前から、こうして交渉を仕掛けてくる業者も多いのです。この男達はその業者の関係者。ドリアンを載せた車が交差点で信号待ちにひっかかろうものなら、こうして業者達がわらわらと集まり、いきなり値段交渉が始まるのです。信号待ちの間に売り手が決まってしまうパターンもあります。あれまー、って感じです。こういう売り方は、道路脇でも見られます。市場でブースの契約をしていない業者や、地方から自家用トラックで買い付けに来ている小規模業者などは、道ばたでこのような交渉を繰り広げます。この季節、ピックアップ車には道路脇から熱いまなざしが送られ、行く先々でモテモテの気分になります(笑)。

九州の特急列車って、ななつ星だけじゃないんですね。昼休みに九州列車のウェブサイトを見ていたら、どれもカッコ良くて、いつか乗ってみたい!って思いました。そして「SL人吉」を「SLじんきち」と読んで、大笑いされた私。うちの研究室では、一日に一回は何らかの話で大爆笑して(大笑いされて?)います(笑)

今日の午後、私のこれまでの経歴や業績を書類にまとめる作業をしてました。作業しながら、私は色々な人に支えられながらここまで来ることができたんだと、改めて思いました。これまでは、仕事として研究する中で、何かと制限があってやりたいことができなかったり、順調に進んでいたはずのものを中止せざるを得なかったり(そんな経験誰でもしてることとは思いますが)、そういう「できなかったこと」を、理由を付けて正当化しようとしていました。周りには同情してくれる人もいましたが、けれど今日、「何をやってきたか」「どういう環境だったか」ということを整理していたら、自分が「持っていたもの」や「与えられていた環境」というのは確実にあったんだという事がよく分かりました。そんな状況だったのに「できなかった」のは、結局、自分の責任なんですよね。「アレが無いからできなかった」ではなくて、「こんな環境があったのに、できなかった」なんです。いや違う、「こんな環境があったから、こういうことができた」と言うように心がけるべきですね。ないものを数えるよりも、あるものを数えながら生きる方が、きっとワクワクした人生になるはず!竹内まりやの受け売りです(笑)、「幸せものさし」は私の好きな歌のひとつです。

さて、今日の写真はマンゴスチンです。バンコクの空港で売られていました。・・・が!空港で売るにしては、見かけが悪すぎます・・・。ガクは茶色く枯れちゃってるし、果皮もアザミウマの食害痕でバリバリに。これで250バーツ(約780円)かぁ。本来のマンゴスチンのシーズンよりも2ヶ月も早い時期なので、しょうがないんでしょうけれども。だったら、もっとキレイなやつが出るシーズンになってから売ろうよー、マンゴスチンを始めて食べる外国人だっているんだしさー

昨日、所内のパートさんに、タイで買ってきたドリアンのお菓子をお裾分けしました。果肉を甘露煮みたいに煮たお菓子なのですが、彼女たちにとって珍しかったようで、戸惑いながらも喜んでくれました(笑)。彼女たちの部屋の研究員は私のことを、「あの人はドリアンのことを愛してるからねぇ」と言ってるそうです(笑)えぇ、その通り。愛してるんです(笑)
昨日ドリアンの花の写真を載せましたが、あれを見たとき本当に気持ちがざわつきましたね。まるで、昔の恋人に再会したような(笑)なので今回の滞在中、ランブータンの実験の合間に足繁くドリアンほ場に通ってました。以前は好きなだけドリアンと向き合って実験していたんですけどね。色々と都合があり、今はドリアンから少し離れて仕事をしています。今は、あの頃のことを思い出しながら、あの頃取ったデータで論文を書いて過ごしています。でも、ドリアンの花に出会えたら、ひとつだけ、どうしても確かめたいことがあったんです。・・・・・・。私がドリアンの話をし出すと、「何の話をしてたんだっけ?」と時々言われます(笑)

ドリアンの話をしたので、今日はその果実の写真を載せましょう。といっても、これは去年、市場で撮ったものなんですけどね。今年のシーズンはこれからですが、今年タイでは11月〜1月に寒波が押し寄せ、その影響で3月(シーズン出だし)のドリアンは不作なんだそうです。なんとか収穫の見込みがある農家では、中間業者との間で出荷価格100バーツ(約310円)/kgで売約済みの人も居るのだとか。通常は40〜50バーツ/kgほどで「良し」とされている中で、これはものすごい金額です。そしてこれは「農家が出荷する価格」ですからね。皆さん、今年のドリアン(とくに早出し)は高いですよ〜!

今日は日曜日でした。そしてもう夜。あぁ、もう日曜が終わってしまう・・・
といっても、特別なにをしたわけでもない日曜だったのですが(笑)。強いて言えば、宿舎のゴミ捨て場の掃除をしたくらいですかねぇ。
うちのゴミ捨て場はいつも汚いんです。分別せずに出している人が居るようなんですよね。うちの宿舎の住民だか、外から捨てに来ている人が居るんだかは分かりませんが。とにかく常に汚いんですよ。で、たまに掃除してるんです。定期的にやってるわけではないので、一向にきれいにはならないですけどね(笑)
今日の写真は、ドリアンの花です。先月チャンタブリに行ったとき、満開でした。タイは今年ものすごく寒くて、花芽が着いては落ち、着いては落ちを繰り返して、開花がものすごく遅れたようです。いつもは12月か1月頃がドリアンの開花期なのに、2月中旬に満開の花を見ました。久しぶりにドリアンの開花を見て、心がざわつきました(笑)

昨日石垣に戻ってきました。・・・が!大変な忘れ物をしてしまい、動揺しまくってました。野帳です。私にとって野帳は、何か思いついたらメモをしたり、顕微鏡観察するときはデータを書き込んだり、その日何をしたか天気はどうだったか、あらゆる事を書き込むアイテムです。その野帳を、どこかで無くしてしまったんです。パソコンと野帳と、無くして困るのはどっち?と聞かれたら、相当悩む末に多分「野帳」と答える。パソコンは最近バックアップ取ったし、書きかけの論文も・・・あぁ、それは無くなると困るなぁ・・・やっぱり「どっちも困る」だ(笑)。まぁ、とにかく大事なものなんです(やけ・笑)。鞄をひっくり返して探して、バンコク事務所の職員にも事務所中を探してもらい、そして、やっと見つかったのが今日です。
出国日の昼休みにサンドイッチを食べたコーヒーショップに忘れてたみたいです・・・(「そんな大事なものをそんな所に!?」という突っ込みはしないでください・笑)。ショップのおばちゃんと、「今日の便で日本に帰るのよー」なんて話をしたもんだから、捨てられててもおかしくなかったはず。それを取っておいてくれたおばちゃんに、感謝。私がメール送るたびに探してくれた事務職員さんに、感謝。ホントに良かったよ〜
以前、タイの友達と一緒に北海道旅行をしたときに、その中の1人がタクシーにデジカメを置き忘れたことがありました。彼女は泣く泣くタイに帰り、私も石垣に戻ってきたものですから、もう見つからないと思っていました。それでも一応は、と思って、北海道のタクシー協会なるところに電話で問い合わせて、交番に問い合わせて、警察にも問い合わせて、それで、なんと見つかったんですね。で、保管してくれていた警察の人に「石垣に帰ってきてしまったから取りに行くことができない」と言うと、郵送で送ってくれたんです。あれも奇跡のような出来事で、デジカメの持ち主はものすごく感激して、感謝の気持ちをどう表そうと考えた末、地元の神社にお供え物をしたらしいです(笑)その時の彼女の気持ちが、少し分かる気がしました。

今日の写真は、チャンタブリの道ばたで満開マンゴーの樹を見かけて写真を撮らせてもらったのですが、その家の隣に住むおばあちゃんちに吊されていた蜂のオブジェ。椰子の実や果梗を使って上手く作ってます!スズメバチの巣(空ですよ)も隣に吊されていて、なんだかキュートなおばあちゃんでした(^^)私が写真を撮っている間、おばあちゃんに話しかけ、気さくにお喋りしていたオンさんも素敵。

ランブータンの花です。


先週は、ランブータンの花に夢中でした。写真は雌花ですが、私が相手にしていたのは雄花の方です。雄花と格闘した1週間でした。1週間かけて、ようやく花粉の採り方のコツが分かりました(笑)せっかくランブータンの花のことが分かりかけたところですが、明日はもう帰国です。
天気が変な1週間でもありました。季節は乾季というのに、丸2日、雨がじゃんじゃん降りました。私が、外で電気配線を使うような実験をしてなくて良かった、と安心する一方で、ランブータンの人工授粉作業に追われているオンさんは落ち着かない様子でした。雨に降られた朝はがっかりし、作業が進まなかった2日間をしきりに「もったいない、もったいない」と言っていました。分かる、分かるよオンさん。土日であれ早朝であれ、時間にかかわらず花さえあれば仕事をするオンさん。彼女の仕事に対する姿勢や心配りに、私のここでの仕事も救われています。
明日はいよいよ帰国です!ブログを再開したのはほんの数日前ですが、実は3週間以上タイで過ごしてきました。今朝チャンタブリを発ってバンコクまで移動してきたのですが、出発前にどうしても行きたかった食堂で、ピックちゃんと一緒に朝食を食べました。その食堂のおじいさんと厨房に立つ娘さんは、とても親切で、ピックちゃんも私も親戚の子のように接してくれます。東日本大震災直後で行ったときは、「無事だったのね」と、料理の手を止めて両手を握ってくれたりしました。そんな愛おしい人たちがいるチャンタブリが好きです。また来ますよー!