お盆に考えるべきこと

 お盆はご先祖様が帰ってくる時期とされています。忙しい現代社会にあっても、お盆くらいはゆっくりとご先祖様に日頃の感謝を捧げたいものです。近年は死んだら終わりと考える人も増加しているようです。死んだら無になるという考えは古代からありましたが、主流になることはありませんでした。しかし、今後は主流の考えになっていくのかもしれません。死んだら無になり何も残らず終わりになるというのは恐ろしいものです。


 どうせ死んだら終わりという発想は生を無気力なものにしたり、刹那的・享楽的な生き方に流されたりします。命が連続しているのだと考えることができるからこそ、来世のことも考え現世を堅実に生きることができるのです。命の連続とは頭で理解することではなく、祈りによって体得することだと思うのです。自らのご先祖様を意識できるからこそ、いずれはご先祖様の列に加わることができると思えるのです。ご先祖様や命のつながりを意識できない人にとっては、命の連続性を考えることはできません。


 日本には様々な伝統行事があります。それらは古臭いしきたりではなく、それぞれに大切な意味があります。その意味を理解しようとはせず、切り捨てていくことは自分自身を切り捨てていくようなものです。最後には何も残らなくなってしまいます。日本人は精神的にとても豊かな民族でした。それは表面的なものに囚われず、目に見えないものを大切にしてきたからです。これからも日本人の豊かな感性や精神性を祈りと共に伝承していきたいものです。



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