Flinthook(フリントフック)

Flinthookというゲームをプレイしたので、それについて書きます。


http://store.steampowered.com/app/401710/Flinthook/
http://www.flinthook.com/


Steamにて4月19日から1480円で配信中。
PS4とXboxOneでも出てるようですが、私がプレイしたのはSteam版。
カナダのインディーゲームスタジオTribute Gamesの最新作!
……ということで、最新のインディーゲームなわけですよ。


で、まあゲーム内容はと言いますと……うーん、
ゲームを構成する要素が多すぎて、何から書いたらいいものか。
ここまでリッチなゲームをやったのは久しぶりです。


基本的には、ランダムに生成されるマップをクリアしていく
ローグライクな2Dアクションゲームです。
個人的にはマップがランダムってだけで
ローグライクって言っちゃうのはちょっとどうなのかなと
思うんですが、公式がそう名乗ってるので仕方ない。


ひとつのマップは多数の部屋で構成されており、
この部屋同士のつながりが毎回ランダム、というのが主なローグライク要素。
部屋内部の地形自体は、豊富なバリエーションと
敵・トラップの配置の違いがあるものの、自動生成ではなく、
決まったものの中から選ばれてるようです。


で、敵を倒しつつ部屋を踏破していき、
少し大きめの宝箱がある部屋にたどり着いて
「ゴーストジェム」を手に入れればそのマップはクリア。
マップをいくつかクリアして規定数のゴーストジェムを集めれば
ボス戦に挑むことができ、ボスを倒せばそのステージはクリア、
というのが基本的な流れ。


メインのストーリーは4つのステージで構成されています。
ストーリーには関わらないステージとして、
ひたすらマップをクリアし続けるエンドレスモード「ムゲンリャクダツ」や
日替わり・週替わりのチャレンジマップもあります。


死ぬかステージクリアするかで選択画面に戻ってくると、
プレイ内容に応じて経験値を得てレベルアップし、
店でアイテムを買うためのコインも手に入ります。


このゲームではレベルアップしてもそれだけで能力値が
上がるわけではなく、代わりに新たな装備が手に入ります。
レベルアップで手に入る装備や店で購入できる能力で
HPや武器の性能をアップさせ、自キャラを強化して
クリアできるまでステージに突撃を繰り返す、
という感じのゲームになってます。


アクションについて。
タイトルにも「フック」とついてるように、
フックショットを背景のフックに引っかけて高速で飛び回れる
フックアクションがこのゲームのウリ。


左スティックで移動と照準の操作。
Aボタンでジャンプ。ロックマンX式の壁蹴りも可能。
Xで照準方向に弾を撃って攻撃。
Yでサブ武器を投げる。サブ武器は一発しか持てない。
BでNPCに話しかけたりアイテムを拾ったり。
RTで照準方向にフックショットを打ち出す。
LTでクロノベルト発動。少しの時間全ての動きが
スローになります。弾避けや空中での狙い撃ちなどに。


以上がチュートリアル直後から使える基本操作。
それに加えて、一度本編プレイ後に店に入ると
LBで自キャラの固定ができる能力がもらえます。
自キャラを動かさずに全方位に撃つためのアクションで、
魂斗羅とかでおなじみの操作ですね。
あとはゲームを進めていくと2段ジャンプとかダッシュとかも
手に入りますが、その辺は装備スロットを
大きく占有しちゃう装備なので、自分は使わなかったな……。


上記はXbox用パッドでの操作ですが、
キーボード&マウスでも操作できるみたいです。
XInput非対応のパッドはにはたぶん対応してない。


そんなわけで、Xboxパッドのボタンをほぼ全部使うのが
さすが最新のアクションといったところかな。
グラフィックはドット絵、ジャンルは2Dアクションという
ともすればクラシカルなゲームと捉えられそうな見た目ながら、
その内容はしっかり2017年のゲームとして考えられた作りに
なっていると感じました。


で、グッドエンディングを見て、
各ステージのハードモードもクリアするまでやりました。
感想としては、基本的には面白いゲームだけど、
ちょっと褒められない点も多いかなー、と言ったところ。


まず一番気になったのは一部のトラップの視認性の悪さ。
踏むと刃が飛び出る床があるんですが、これが
「普通の床に数ドットの厚みの蓋が乗ってるだけ」という、
そりゃ分からんわ!っていう感じの見た目で、
慣れないうちは毎回食らいます。ほとんど不意打ちに近い。


グラフィックが結構ごちゃごちゃしてるというか、
背景が凝ってる上に壊せる樽やら壺やらがそこら中に置いてあるので、
上記の他にも小さいトゲ系のトラップは埋もれちゃって、
食らって初めて気づくことも多く。
新しい部屋に入ったらじっくり部屋内を見回して
トラップ配置を把握……なんてやってたらテンポが悪いし、
敵キャラの方々がそれを許してくれないことが多い。


その辺も不満ですかね。
敵やトラップの組み合わせによっては、ノーダメージで
切り抜けるのが極端に難しくなってる部屋がたまにあるし、
部屋に入った直後に敵が突っ込んでくる、
みたいな配置にも何度か出くわしました。
そもそもフックアクションで飛び回るのが気持ちいいシステムなのに、
敵やトラップがひしめき合ってるような部屋が多くて……。
自由に飛び回ることが困難な場面の方が多いです。
自分が下手なだけなのかな?


あとは「たちこめるキリ」と「クラクラトーション」が
ちょっとどうかと思ったなー……。
説明すると、マップ選択時には一度に複数のマップが提示されて、
そこから選択してプレイ開始する形式でして、
マップ名の下にはそのマップの属性というか、
どんな部屋やギミックがあるかがあらかじめ表示されて、
それを参考にプレイするマップを選ぶシステムなのですが……。


このマップ属性についてほとんど説明がないのは
プレイするうちに理解できてくるのでまあいいんですが、
属性のうち「たちこめるキリ」は終始画面に霧がかかっているマップで、
「クラクラトーション」は画面が終始ゆらゆら揺れているマップで、
この2つはただただ画面が見づらくなるだけで
さすがに面白味に欠けると思うんですがどうなのよ、と。


こういう、ただ画面が見づらくなるだけの仕掛けって
他のアクションゲームでもたまにありますが、
私は全然面白いと思わないんですよね。
こういうのにはそろそろ滅びてほしいんですが、
なくならないところを見ると、面白いと感じる人も
結構いるってことなのかな……。
あくまで私個人の意見ということで。


不満点いろいろ書きましたが、再度言っておくと、
基本的には面白いゲームだと思います。
もうちょっと快適に飛び回れるような
調整になってれば尚良かったなー、という感じ。


ストーリーについても少し触れておきますか。
ネット上の記事などでは、宇宙に眠るお宝がどうの、
禁断の財宝に触れてしまって云々というストーリーが書かれてますが、
実際のゲーム内ではそういったことは語られません。
少なくとも最初は。
ゲーム中のデモは一切のテキストなしに進行し、
物語の細かいところは限定的にしか明らかにされません。
しかし、各キャラの背景やゲーム内世界の歴史には
多くのバックストーリーが設定されており、
それらはゲーム中の部屋の一つとして出現する
「ライブラリアス」の部屋で本のページを取得することで
少しづつ明らかになっていきます。


つまりはこのゲーム、ストーリーが収集要素になってるんですね。
これはなるほどなー、と感心しました。
そういうストーリーテリングのやりかたがあったのか、と。
私は基本レトロゲーマーなので存じ上げないんですが、
最近のゲームでは割とメジャーな手法だったりするのかな?


さて最後に攻略についてひとつだけ。
グッドエンドへの行き方。グッドエンドに行くには、
最低3回ほど「幽霊船」のマップに行く必要があります。


幽霊船は条件を満たすと出現する隠しマップになっていて、
「呪われた者だけが幽霊船に行ける」とゲーム中でヒントも
出されますが、私はそれだけではピンと来ずに結局
ネット上の情報に頼ったので、同じような人のために
幽霊船の出し方をここに書いておきます。


方法は上記の通り呪われればいいんですが、
一度呪いを受けるだけではダメで、一回のプレイで
3回呪いを受ける必要があります。
呪いは経験値増加などの特典と引き換えに
HP減少などのマイナス効果を得るもので、
3回もかかるとさすがに難しくなりますが、
幽霊船クリアまで頑張りましょう。


ちなみに、マップ属性でいうと
「アクマの手先」「しつぼうのサンクチュアリ
「みじん切り部屋」の3つが確実に呪いを受けられる部屋です。
他に「ギャンブリンガー」の部屋も確率で呪いが得られます。
幽霊船に行きたい場合はこの4つがあるマップを
優先的に選択していきましょう。


そんなところでしょうか。長い記事になりましたが、
インディーゲームとはいえ最初に書いた通りかなりリッチなゲームで、
私は40時間くらい遊びましたがコレクション要素が埋まってないし、
実績も全37個中獲得したのは25個。
アクションゲームとしては長く遊べる作品なのではないでしょうか。
さすがに実績をコンプするまでやる気はしないので、
私はそろそろ区切りとします。
いいゲームだった。