2008-01-18 逆子になってしまったら・・・
今日は、帝王切開の理由で多い「逆子(骨盤位)」についてのお話です。
私の勤めている助産所で、逆子のママにお話しする内容を少しアレンジしました。
家庭出産を目指すママも逆子になる方は結構いらっしゃいますが、この『逆子対策』をお話すると、
「逆子を直さないと、家庭出産できない!絶対に直さなきゃ!!」と気合いが入るせいか、9割以上はちゃんと直りますよ〜(笑)。
やっぱり、ママとパパの気合い(思い)は大切なんですね。
どうして逆子になってしまうの?
逆子になる医学的な原因は、まだよくわかっていませんが・・・主に次のようなことが言われています。
ママが仕事や上の子の用事などで忙しくて無理をしてしまったり・・・
すると、「ダメだよ!!」と赤ちゃんが逆子になる場合が多いです。
たとえ忙しくても、「あなたを気にしているのよ」という気持ちを赤ちゃんと自分(母)の体に向けることが大事です。
- ママの心が不安定なので逆子になっている。
上の子どもを叱ったり、パパと喧嘩したりして、ママの気持ちがイライラすると、
それが赤ちゃんに通じて逆子になる事があります。
- 赤ちゃんが本来頭を置くべき子宮口が快適でないので、逆子になっている。
切迫の時や前置胎盤の時には逆子になっている事が多いです。
- お腹がいつも張っていると赤ちゃんの動きが制限されているため、逆子の状態から反転できない。
切迫流早産の時には、逆子になりやすく、また直りにくいです。
なぜ逆子を直したほうがいいの?
妊娠中の問題
逆子の場合は、足のつま先や膝、つまり小さくてとがった部分で子宮口付近を圧迫しやすく、破水しやすいリスクがあります。また、お腹も張りやすくなります。
また、子宮口付近で破水した場合、頭が下になっていれば、赤ちゃんの頭で栓をするような形になりますが、逆子だと羊水がどんどん流れ出しやすく、このときに隙間から臍帯が赤ちゃんよりも先に出てきてしまう「臍帯脱出」になる可能性が通常よりも高いことが言われています。「臍帯脱出」は、へその緒につながれた胎児が窒息してしまう、非常に危険な状態です。
出産に関する問題
まず、逆子の出産はリスクが高いので家庭出産や助産院での出産はできません。(日本助産師会の助産所業務ガイドラインより)
逆子の赤ちゃんを経膣分娩で出産する場合、赤ちゃんの体で一番大きい頭の部分が最後に出てくるので
頭蓋内出血や新生児仮死の危険性が高くなります。その際に、頭と産道で臍帯を挟んでしまい、酸素不足になりやすいために、頭の娩出に時間がかかると新生児の状態が悪くなってしまう危険性があります。
また、胎児の腕や肩が出てくるときに、鎖骨や上腕骨などの骨折がおこってしまったり、上腕神経叢(ジョウワンシンケイソウ)麻痺といって 肩や腕、手指の神経麻痺をおこしてしまう危険性も高くなります。
ですから、赤ちゃんが逆子の場合、現在はほぼ帝王切開術による出産になってしまいます。
帝王切開術の弊害
赤ちゃんの問題
経膣分娩(下からのお産)の場合では、産道を通る過程で、赤ちゃんの胸が圧迫され締めつけられることで肺の中の羊水が口から吐き出され、空っぽになった肺に十分な空気をとりこめるようになります。しかし帝王切開の場合、赤ちゃんは浸かっている羊水の中からいきなり拾い上げられるため、肺の中の羊水を吐き出すことができず、人為的に肺呼吸を開始させられます。そのため吸引をするのですが、経膣分娩ほど完全に取り除くことはできず、いくらか羊水が肺の中に残ってしまうようです。異常として、「新生児一過性多呼吸」という状態に陥ることがあります。
母親の問題
帝王切開術後は、必ず傷が残り、美容上の問題となります。(人によってはケロイド体質のため傷がはっきりと太く残る方もあります。)
また、ほとんどの方が次の赤ちゃんも帝王切開での出産をすることになります。また、3人くらいまでしか赤ちゃんを産むことができません。
(つまり、癒着が激しくなるので、お腹を切るのは3回くらいまでが限度です。)
帝王切開という、子宮に対する侵襲を行うことで、傷の癒着の問題も発生します。
母子ともの問題として、産後、母と子どもが同じ時間をすぐに過ごすことができません。
帝王切開は局所麻酔(腰椎麻酔や硬膜外麻酔)で行うことが多いので、たいていはママが赤ちゃんの産声を聞いたり、
生まれたばかりの赤ちゃんの顔を見ることができますし、
希望すれば、手術後に可能な限り早く赤ちゃんを連れてきてくれたり、おっぱいをあげるお手伝いをしてくれる病院もありますが、
やはり経膣分娩後と同じように赤ちゃんと一緒というのは難しいです。
逆子の直しかた
赤ちゃんがお腹の中で回りやすい妊娠28週くらいまでに、ぜひ逆子を直しておきたいですね。
もし、28週過ぎても、あきらめずに頑張ってみてください!(中には、お産の直前に直っていた、なんてこともあります。)
- 頭を下にするように両親でお腹に手を当てて良く話しかける。
ご家族みんなで、ママのお腹にいる赤ちゃんに「頭が上だと出てくる時大変だよ、危ないよ、だから頭を下にしようね」
「生まれた瞬間からずっとお母さんのそばにいられるようにね。」とよく話しかけてあげてください。
ママだけが話しかけても、効果は半減です。パパも一緒になって一生懸命話しかけてあげる事が、とても重要です。
パパは、ママのお腹の肌に直接手のひらを当てて、毎日、気持ちを込めて優しく話しかけてあげてください。
- 早寝早起きを心がける。
夜更かしでは逆子は治りません。午後11時には就寝しましょう。
- 冷えから身を守ること。
- 明るく楽しい気持ちを保つようにする。
ママの気持ちがイライラしていたりギスギスしていたり・・・精神的ストレスを抱えていると、逆子になりやすく、また逆子がなかなか治りません。ゆったりとしているのがベストです!
これにはパパの協力が必要不可欠です。妊娠〜産後1ヶ月までは、ママはお姫様です。そしてパパはナイト役。妊娠中・産後はホルモンの影響でイライラしやすいママなので、大きく温かく見守ってあげてくださいね。
そして、ママもパパに感謝の気持ちを忘れずに!
禁!例えば・・・
- 夫婦喧嘩
- ミステリー番組
- 推理小説
- 嫌なニュース
- 嫁姑の不仲
- 上の子を叱ってばかりいる。
- 三陰交と至陰の刺激
両足の「三陰交」「至陰」というツボを刺激します。
「三陰交」は、両足の内側にあり、くるぶしから上に、手の指4本分あたりにあります。自分の指で押してみて、最も痛いと感じるところがそうです。
「至陰」ツボは足の小指のつめの横(外側)にあります。
円皮針を貼ったり、市販のお灸で刺激したりして自分で刺激してもいいですし、鍼灸院に行ってみるのもいいですね。
- 逆子体操
お腹が張ったり、つらかったりしない範囲で行ってくださいね。
- 赤ちゃんの背中がある方を上にして寝る。
赤ちゃんの背中が右側だったら、左を向いて横になる、赤ちゃんの背中が左側だったら、右を向いて横になります。
- 合掌合蹠法
- 逆立ち
壁際で壁にお尻をつけ、足を壁に立てかけて、仰向けに寝ます。
そのまま腰を浮かせ、腰の下にクッションや座布団を入れて腰を支えます。
本当の逆立ちではありませんが、わかりやすいのでこの姿勢を「逆立ち」と言っています。
- 膝胸位
四つんばいになり、顔と胸を床につけて、お尻はできるだけ高く上げます。 5〜15分間、この姿勢のまま静止し、最後に赤ちゃんの背中が上になるよう、横向きに寝ます。
詳しくは、http://homepage3.nifty.com/tokotoko/sakago.htm
http://www.midoru-hippy.com/newpage92.htmlにも載っていますよ〜
- 秋から冬にかけて行うと効果あり。(気持ちいいですよ〜)
- 寝る前に熱いお湯でしぼったフェイスタオルで8〜10分目を温める。
- 起床後両足浴を6分行う。
- 足が赤くなっていなければ、赤くなっていない方の足浴をもう2分行う。
赤ちゃんにとって、なるべくストレスの少ない出産をすることは、両親が赤ちゃんにしてあげられる最大のお仕事です。
もし万が一、あらゆる方法で努力しても逆子が治らない場合は、赤ちゃんにとって逆子の方が心地いいのかもしれませんね(胎盤や臍帯の位置などの関係で)。




