陳麻婆豆腐
今日は陳麻婆豆腐をつくった。1年ほど前、横浜のクイーンズスクエアで昼飯を食べに行った陳麻婆豆腐(★)という店で食べた麻婆豆腐の強烈な味わいを思い出したのだ。
これはなんというか、ふつうの中華料理店で出るものと全く違う。激辛マーボー。辛いという味はフツー唐辛子の辛さを思い浮かべるが、ここでは花山椒という香辛料をこれでもかと大量に使う。うなぎの蒲焼に使う山椒は、爽やかな香りとピリッとした刺激、舌に残るかすかな麻痺感覚がうなぎのしつこさを中和するように思うのだが、“陳”のは、まあ常識はずれ。旨みがさほどなく、辛さの刺激、ほとばしる体中の汗、味がほとんどわからなくなる、何かスポーツの後のような疲労感……。
ところが時間がたつと、あの味が思い出される。がしかし二度と食べたいとも思ってない、がしかしもう一度味わってもいいかも、…てんと何ともはがゆいマーボーなのだ。で、自宅で辛さを調整して作ってみようとネットで検索。するとあるのですね、陳マーボー。四川風ということで、中華のツボ! 玲舫's ぶろぐ(★)というページを発見。ざっと読み下したところ“なるほど”の組み立て。で作ってみた。うまかった!辛さは適度に調節できたし、この料理のキモとも言うべき炒める手順もおもしろいと思えた。
またやろう。思うにイタリアンもそうだが、ヘルシーとかダイエットとかとは僕は無縁。本格的がいいのだ、というのとも違う。どうしてこんなもの作るのか、どうしておいしいのか、自分はどんなものを気に入ることができるのか、どんどん知りたいのだ。ちなみにこのマーボー、むちゃくちゃ脂っぽかったし、それを辛さで押さえつけるというか、中華鍋の上で戦いを演じるような迫力があった。しかし火加減では微妙な調整しないとうまくならないことも経験上わかる気がする。すると何となくではあるがその国の、この料理を伝承してきた民族の価値観に触れたような気がする。