お坊さんの袈裟は破れるか?

【お知らせ】本日、HPを少々更新いたしました。ご笑覧頂ければ幸いです。
http://ujimaccya69.hp.infoseek.co.jp/



【本日の境内】
昨日に比べてたった一日で紅葉がすすんだ印象を受ける。


本堂脇の望楼にて(右端の人物は本日の本堂当番のおばあちゃん)


早朝の三重塔

本堂に続く石段より望む三重塔




知り合いのご住職とお話していたら、こんな質問を受けた

「ぶろぐ坊さん、輪袈裟は破れると思いますか?」

この方は毎朝、NHK連続テレビ小説「てっぱん」をご覧になっている。
主人公は尾道出身で、尾道での一場面のこと。
喧嘩が起って仲裁に入ったのがお坊さんだったという。
喧嘩に巻き込まれてもみくちゃにされたお坊さんがこう叫んだのだという。

「袈裟が破れるっ!」

お坊さんは有髪(「うはつ」髪を剃っていないこと)だったので浄土真宗のお坊さんという設定なのではないかとのこと。
浄土真宗のお坊さんは有髪なので、俳優さんが演じる時は浄土真宗という設定にしておけば髪を剃る必要がないのであろう。

ちなみにこのお坊さんを演じたのは尾美としのり氏。

尾道を舞台にした「転校生」が有名なのでそのあたりを意識した配役なのかもしれない。NHKの芸の細かさである。

問題は尾美氏のかけていたのが輪袈裟だったというのである。
普通、袈裟と呼ばれるのは一枚の布状になっていて右肩を出すようにしてはおる。

一方、輪袈裟というのは重ねた生地を細い紐でつないだ構造で、ネックレスのように首にかける。

したがって袈裟は「着ける」というが輪袈裟は「掛ける」という表現がぴったりくる。

普通の袈裟なら一枚の布なので破れるという感覚が分かるが、生地を畳んだ輪袈裟が引っ張られて破れるという気はしない。むしろ細い紐状の部分が引っかかったりした拍子に切れるというのがお坊さんの悩みの種ではないだろうか。
だから
「輪袈裟の場合は『破れる』というより『切れる』のほうがいいですね」

といって二人で大笑いした。
本職の感覚というのは面白い。


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