ファビアン、セトロビアン・ノア

バレエ ノアは高崎で瀬山紀子が主宰するバレエ団。今回ファビアン・プリオヴィエ振付けによる舞台が埼玉芸術劇場で行なわれたが、素晴らしかった
ファビアンはラララ・ヒューマンステップスを経てピナ・バウシュの元で七年活躍したダンサー。ジョセフ・ナジの「遊ASOBU」でナジの代役を務めた実力派。瀬山亜津咲とのつながりで、ノアで教えている
最初はファビアンのソロ「エディー」。体の動きはさすがに凄い
そして振付作品の「紙ひこうき」は高校生ら11人によるダンス。オブジェのように並んだ黒い物体が次第に動きジャンプスーツの少女が制服となると、白い仮面の上に化粧していく。ひきつける展開は次第にピナの手法、コント的コラージュと印象的な群舞になる。しかし少女たちのいじめや生活のリアリティが重なり、見応えがある
さまざまなモチーフが登場するが、それが女子高生の等身大の生となり、魅力的だ
ここまで見せる舞台を高校生たちが作るとは予想しなかった。雨の中、埼玉に行った甲斐があった
少し削ぎ落とせば、東京で再演もありだろう

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