「ラーメンおまち!あっ・・・へへっ・・・。」

今日、初めて入るラーメン屋にて、注文を取られたあと椅子に腰を下ろした途端にしまった!と思った。
別に金を忘れたとか、うっかりしていて下半身を露出していた、なんてことではなく、
自分の注文について眉間にしわを寄せたのである。
私は別にラーメン通ではないし、ことさらに食について一家言あるなんてこともないのだが、
ここいらへんのメニューの選び方には機転というか、とんちというか、そんな何かが必要である、と自分で勝手に判断している。


今は東京なんかに行くと、我が出ているラーメン屋が多くて、(それがしゃくに障る人もいるのだろうが)私は結構安心できる。
というのも、店が何を食わせたいか、あるいは何を売りにしているかがパッと見て分かるからであり、
うちは醤油にこだわってるので、しょうゆラーメンしかおいてません!となれば、
醤油にもラーメンにも、いち素人の私はヘヘーッ、とそこの店に身を任せられるし、
仮にそのラーメンがまずかったなら、ほかのメニューも疑問符が付けられる上、一応人に聞かれたときも
「これこれがおいしいっていう触れ込みだったが私の口には合わなかった」と伝えられるからだ。
しかし、私の近所というのはそんなに都会でもないし、もっと言えばラーメン屋とはいえ、
そんなにラーメンが売れてなかったりする店の方が多い、
挙句、どれがうまいかなんてのは、その場その場であたりをつけなきゃいけないため、これがまた骨が折れる作業なのだ。


で、話は今日の"しまった!"に戻るが、自分がマヌケ面の頭ボンヤリで行った上、その機転をあんまり利かせずに
水を持ってきた店員に"ああ・・・メニューがあるなら、それはそれで良いか・・・味が選べるようだし、こってりしたトンコツでいいや"
と「らーめん、とんこつで」と頼んで席に着いたところで発見した以下の文句。
メニューの下に「わが店自慢のつけ麺!」と・・・この時点で私の中では一失点、
世界のイチローだったらこの時点でキレてるところだが、さらに周りの客のどんぶりを見渡すと、味は醤油味ばかり・・・。
この時点で私の負け(あくまで個人的な決まり、否、妄言であるから、一般的には意味不明)なのだが、
はい、お待ち、と差し出されたラーメンはすごく普通の味なのであった。
まずいでもうまいでもなく普通、しかも魚ダシなのでやっぱり醤油で正解・・・。
挙句、金を払って帰るところで入ってきた団体客のほとんどがつけ麺なのであった。
これでは知人に評判を聞かれても堂々と普通でした、とは答えにくいし、
かといって、もう一回行った上につけ麺が、ごく普通の味だったとしたら嫌だしなぁ、なんて思いながら
家路に着くのである。下半身は露出せずに。