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2013-12-29

話数単位で選ぶ、2013年TVアニメ10選

前回に続いての今年の便乗振り返り企画です。


<ルール>

・2013年1月1日〜12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。

・1作品につき上限1話。

・思いついた順に掲載。順位は付けない。



<10選リスト>

・『ラブライブ!』#8「やりたいことは」

・『京騒戯画』#10「今日を騒がしく戯れ生きる人々の漫画映画」

・『ドキドキ!プリキュア』第44話「ジコチューの罠! マナのいないクリスマス!」

・『GJ部』第3話『GJ線上のキョロ』

・『絶対防衛レヴィアタン』第3話「絶対奥までイッちゃうもん!」

・『君のいる町』第6話「オレの本心。」

・『あいうら』第7話「天谷家」

・『ステラ女学院高等科C3部』Game 10「戦友ハ皆、消エ行クモノ也。」

・『RDG レッドデータガール』第5章「はじめてのお化粧」

・『有頂天家族』第6話「紅葉狩り」

<次点>

・『帰宅部活動記録』#11「帰宅の零 花の名前/帰宅の三十五 校則の縛り/帰宅の三十六 終わりよければ、すべてよし」

・『探検ドリランド -1000年の真宝-』第9話(通期第72話)「ハニワパニック!」



<各話選評>


・『ラブライブ!』#8「やりたいことは」

脚本:花田十輝/絵コンテ・演出・ライブパート演出:京極尚彦/演出:臼井文明/ライブパート演出:河野亜矢子/作画監督:愛敬由紀子、豊田暁子

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正直、個人的には2013年の、というだけでなく10年代の中のベストエピソードのひとつ、と言えるほど気に入っています。

大筋については下記の記事でがっつり書いたので、よろしければお目通しいただければと思います。

穂乃果と絵里の対比、扉や窓を使った絵里の心象の見せ方、BGMと映像の同期、廊下の場面などでのカット割り、

1stPVのシーンを決定的な瞬間としてしっかり間をとって見せる編集、9人での活動を凝縮したドラマパートを含んだライブの演出など、

絵里の目線に視聴者を引き込み、決定的な瞬間に立ち会わせる映像体験を、様々な技術を結集して作り出しているのが素晴らしかったです。


・『京騒戯画』#10「今日を騒がしく戯れ生きる人々の漫画映画」

脚本:やまもとみちよ、松本理恵、東堂いづみ/絵コンテ・演出:松本理恵/絵コンテ:貝澤幸男/作画監督:林祐己

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『GJ部』と並ぶ、今年の最終回オブ最終回でした。

非常にスケールの大きな話ながらいち家族を描くドラマ、あるいはいち家族のドラマを壮大に描く作風をやり切っていたのが良かった。

変則的なカット割りでテンポをしっかりコントロールする松本理恵さんの演出は、

会話に間を置くことで「家族が会話している感じ」をしっかり出していたのも印象的でした。

松本さんが業界に進むきっかけになった細田守さんを思わせる高天ヶ原の世界観というサプライズなど、

今の松本さんや林さん達の全てが込められた良い最終回だったと感じます。

全編通してあった「落ちるもの」のモチーフが、落ちてくるコトや彼女の涙へとつながっていくのもとても良かったです。

時間があれば全体を通してもっとしっかり書きたいなと思う作品ですね。


・『ドキドキ!プリキュア』第44話「ジコチューの罠! マナのいないクリスマス!」

脚本:高橋ナツコ/絵コンテ:藪木凛/演出:鈴木裕介/作画監督:山岡直子

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同じ高橋ナツコさん脚本の第10話から続くような、他者を認め信じる六花の見せ方から、

そんな彼女がレジーナに働きかけて、レジーナも思わず本音を叫んでしまう、という作劇が良かったですね。

ダイヤモンドがレジーナに向かう時は少しずつ間を詰めていく形な一方、

ハートはいきなりレジーナのパーソナルスペースに入っていくという、各キャラの行動の違いがさらっと描かれてるのも面白かったです。

その告白のくだりはプリキュアとレジーナの視線が徐々に合う見せ方も面白く、その後の去り際のレジーナの目線も強調されます。

去り際の彼女のつぶやきもまた彼女のイノセントさが現れていて良かった。その場面に間を作るのも良いですね。


・『GJ部』第3話『GJ線上のキョロ』

脚本:子安秀明/絵コンテ:三原武憲/演出:江口大輔/作画監督:長田伸二、嶋田和晃

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上述した通り、『GJ部』は最終回も素晴らしいのですが、個人的にこちらの初期で惹かれたエピソードを。

キョロが見習い部員にランクアップしたり、からかいすぎて拗ねてしまったりと、

男子と女子に微妙な距離感があるということをしっかり拾って見せている辺りの面白さが本作の特徴の一つだと思うので、選出しました。

第8話とともに、制作進行の梅原翔太さんの人脈で野中正幸さん*1を始め、若手の動かし屋アニメーターが揃っており、

日常芝居の小気味いい動きの作画を堪能できる話数というのも魅力ですね。

暑くてスカートをばさばさと扇ぐ恵の、欲望に勝てない描写も印象的です。

実在するブランド名などをそのまま出せる作品でもあり、日テレなのにタイガースを応援するキャラが出てくるのも本作の特色ですね。


・『絶対防衛レヴィアタン』第3話「絶対奥までイッちゃうもん!」

脚本:雑破業/絵コンテ:別所誠人/演出:池田重隆/作画監督:牛島勇二、服部憲知

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八谷賢一監督と井出安軌さんのまじぽかコンビに、雑破さんが合流するという盤石の布陣でのコメディが楽しかったです。

あまり反省の気配のないレヴィアタンの「反省」など、案外いい性格したキャラの見せ方も流石の良さ。

白眉なのが、終盤の寝る前のシーンです。レヴィアタンがシロップの質問に、本音をこぼす場面ですね。

1カットの間を置いて、彼女の顔が映らないカットでその本音が出てくる、という見せ方による情感がとても良かったです。

八谷監督の会話の間を使った見せ方が発揮されていたと感じました。


・『君のいる町』第6話「オレの本心。」

脚本:吉田玲子/絵コンテ:山内重保/演出:藤瀬順一/作画監督:市川慶一、長田絵里

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過去の思い出を振りきれない青大や柚希のドラマが、山内重保さんの独特なテンポと幻想的な雰囲気と合致した作品でした。

このエピソードは特に、先の長くない恭輔との短い期間を嘘のない親友として過ごそうとする、青大の決意という、

ドラマと演出での時間の流れというテーマでの合致度が強くて面白かったです。

恭輔と柚希の過去も、青大と柚希の過去もどちらも柚希を笑顔にさせようとする男達が描かれており、

それが現在の三人の関係に表れているという作劇の妙が良かったですね。


・『あいうら』第7話「天谷家」

脚本・絵コンテ・演出:中村亮介/作画監督:菊池愛

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中村亮介監督の徹底したレイアウトやジャンプカット、間の作り方を堪能できる作品でした。

この前の回からある、人の部屋でゲームをする奏香達のカットや、上記の両端の画像のカットなど、

少し円を描くような歪みの入った広角のパースを美術で作っているのが目を引きます。

年上三人娘の傍若無人ぶりに、幼なじみながら姉のように振る舞う彩生と見せていき、

ラストで彩生が奏香に「ダメな姉」と一言いうのが印象的でした。

姉のように振る舞うけれど姉ではない彩生の、羨望のような感情を感じられるのが良かったですね。


・『ステラ女学院高等科C3部』Game 10「戦友ハ皆、消エ行クモノ也。」

脚本:加賀未恵/絵コンテ:岩畑剛一/演出:新子太一/星野玲香

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ステラ女学院から明星女学院の部に移ったゆらが、強さを求めれば求めるほど認められなくなっていく作劇を描いたエピソードです。

絵コンテを担当された岩畑剛一さんによる、青い色の強調、光と影のコントラストを用いた構図がそれを引き立てていたのが良かった。

黒ゴマの使い方や、電車内での赤い夕陽の光が妨げられ、幻影が現れる見せ方など、

追い詰められるゆらの心象を鮮烈に描いていたのがとても印象的でした。


・『RDG レッドデータガール』第5章「はじめてのお化粧」

脚本:横手美智子/絵コンテ・演出:古川知宏/作画監督:大東百合恵、長谷川亨雄、宮下雄次、大導寺美穂、川口千里

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宗田三兄弟と関わり、徐々に自分の殻を破り始める泉水子を、『輪るピングドラム』などに参加された古川さんが演出したエピソード。

雪政の語る大人の情勢や穂高の暗躍など、周囲の動きが活発で情報量が多いところを、

上手くさばいて前述の泉水子の心情をしっかりと拾って見せる演出が見事でした。

PANがひとつひとつ細やかで、フィルムに流れがあって、その分見せたい場面での真横の構図などが際立つ良いコンテだと思いました。

Cパートの深行が泉水子を意識するという決定的な場面の、泉水子の振り向きをしっかり見せるのも流石ですね。


・『有頂天家族』第6話「紅葉狩り」

脚本:菅正太郎/絵コンテ:吉原正行/演出:倉川英揚/作画監督:大東百合恵

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ベテラン凄腕アニメーターの井上俊之さんが作画監督と原画で参加した第3話も良いのですが、この回のレイアウトの円熟は白眉でした。

憂いを帯びた弁天、そんな彼女を見つめる矢三郎と淀川それぞれの情感を、

木によるフレームや微妙なカメラアングルでしっかりと拾っていったのがとても良かったです。

矢三郎と淀川の会話劇をカメラアングルの選択で丁寧に見せていくのも妙でした。

最後の月を見て泣く弁天をさらに井戸の中から見上げるという絵も非常に印象的でしたね。


<次点選評>


・『帰宅部活動記録』#11「帰宅の零 花の名前/帰宅の三十五 校則の縛り/帰宅の三十六 終わりよければ、すべてよし」

脚本:雑破業/絵コンテ:ウシロシンジ/演出:矢野孝典/作画監督:山本真嗣、菊池聡延、青木昭仁、森田実、興石暁、吉本拓二

OP/EDベストでも選出したOPのように、最終回前に前日譚に逆行するのが上手い、と思ったエピソードでした。

ちょうどOPのカットにあるような桜の頭アップがあったり、帰宅する牡丹を桜が引き止めたりと、OP演出を上手く引き継いでいた印象です。

ウシロシンジさんの編集の力もあり、EDで第1話冒頭につながるのも良いですね。

最終回前に最終回のためのネタを自ら潰しまくり、最終回は小ネタを詰め込んだ構成にするという雑破さんの離れ業もお見事でした。


・『探検ドリランド -1000年の真宝-』第9話(通期第72話)「ハニワパニック!」

脚本:伊藤睦美/絵コンテ・演出:土田豊/作画監督:直井正博

前の話でレギュラーキャラが離脱したのに、突然ハニワ中毒のハルカがハニワと出会って狂喜乱舞するというこの話が来る構成がまず凄いw

土田豊さんの、まくし立てたり間をとったりとテンポのコントロールを効かせて見せるコメディ演出と、

ハルカ役の日笠陽子さんのやたら上手い歌まで披露するコメディエンヌぶりの組み合わせはとにかく強力でした。


以上です。

今年はやはり、『ラブライブ!』や『GJ部』、『京騒戯画』、『C3部』などを始め、

初TVシリーズ監督を務める若手演出家の方々の個性や力が際立った一年だったなと感じます。

『ラブライブ!』や『GJ部』には、編集などの行程による間のとり方などがもたらす効果の強さを教えてもらい、

そういった意味でも自分にとって実りの多い年になったと思っています。

評論やレビューといった形で同人誌に誘っていただく機会も増えたので、この学んだことをもっと自分でも活かしていきたいですね。


・今までの10選

*1:上記の1枚目の部分が担当かなと思われますがいかに。

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