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サンリオ・ショップ、イスラエル出店基本情報

2012年05月03日

ハローキティ、パレスチナ人追放を祝う

昨年(2011年)、サンリオは、イスラエルの二つの町(ギヴアタイムとリション・レツィオン)に「ハローキティ・ストア」をオープン。
心あるキティ―・ファンは、キティがアパルトヘイト政策の宣伝に利用されることを懸念し、このことに抗議してきました。
以下は、現地ハローキティ・ストアのフェイスブック上の今年の独立記念日(4月25日)の投稿
コメントは、ヘブライ語で「独立記念日、おめでとう!」

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この日、イスラエルのNGO「ゾフロット」は、「イスラエル独立」によって故郷を追放された約80万人のパレスチナ人の帰還権をもとめる街頭アピールをしようとしましたが、警察によって阻止され、3名の活動家が逮捕されました。

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2011年12月31日

「ハローキティ・ストア」イスラエル進出の背景を考える(10)

パレスチナの平和を考える会のニュースレター『ミフターフ』30号(2011年8月発行)に掲載された記事(著者・役重善洋)を転載します。一部、修正・追加をしています。(→連載第1回

〜「イスラエルの春」と反原発デモ、そして連帯運動の課題

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この7月末から始まっている「イスラエルの春」と呼ばれる大規模な大衆行動は、これまでに述べてきたようなイスラエル経済の構造的危機を背景としたものである。新しい住宅法の成立に反対するフェイスブック上での呼びかけが起爆剤となり、8月6日には30万人規模のデモが行われ、テルアビブ中心部のロスチャイルド通りや各都市の公園などが、何千人もの市民の張ったテントによって占拠される状況が今も続いている。彼等は、住宅価格や物価の高騰、教育機会の不平等、財閥と政府の癒着などの是正を要求し、イスラエルのネオリベラル路線の修正を求めている。

この規模の抗議行動は、おそらく1982年のピース・ナウによるレバノン戦争反対のデモ以来のことだと思われる。しかし、シオニスト左派のイデオロギーを中核にした当時のデモと比べ、今回のデモは、エジプト革命のときと同様、中心的な指導組織もなく、掲げられている要求内容にも相当の幅がある。一方で、軍事費削減にまで踏み込んだ主張もあれば、他方で、入植地の住宅の拡充を呼びかける右派まで紛れ込んでいるという。いずれにせよ、経済政策批判を中心とした大規模抗議行動という点においては、イスラエル史上初めての出来事だと言える。これまで、イスラエルにおける経済要求に関わる抗議行動といえば、パレスチナ系市民やミズラヒームによるものが多く、比較的簡単に鎮圧あるいは懐柔されてしまっていたが、今回のデモには、「中間層」の代表であるアシュケナジームが大量に参加しており、ここに、イスラエル経済の危機の深さとシオニズム・イデオロギーのもってきた社会統合機能の低下を見ることができる。

とりわけ、ミズラヒームに代表される低所得層のユダヤ人が、これまで、リクード党政権のネオリベラル政策の犠牲者でありながら、その排外的ナショナリズムのプロパガンダに追随し、同党をはじめとした右派政党の大きな票田となってきたことを考えると、反ネオリベラリズムが今回のデモの一つの結節点となっているということは、重要な意味を持つ。

現地からの様々なレポートに目を通す限り(たとえばオルタナティヴ情報センターのこの記事など)、デモのなかで、パレスチナ問題への言及はほとんどなく、参加者達が掲げる「Power to the People」「Social Justice」といったスローガンが、パレスチナ人との連帯につながる可能性は、現状において極めて低いと言わざるを得ない。しかし、少なくともその経済的要求は、パレスチナ人の解放闘争と根底においてつながっているのである。

こうした状況は、やはり80年代以降、アメリカとの同盟関係のなかで経済自由化を進め、とりわけ小泉改革によってネオリベラリズム路線を明確にしてきた日本の姿を思い起こさせずにはいられない。日本における階級的矛盾の一つのねじれた表現として、「在日特権を許さない市民の会」のようなヘイトクライム集団の登場を位置付けることは十分可能であろう。「在特会」は、「キリストの幕屋」を含むところの旧来の右翼が推進してきた「新しい歴史教科書をつくる会」などの排外的歴史認識を忠実に引き継ぎながらも、何ら根拠のない「在日特権」という妄想的表現にこだわっているところに一つの特徴がある。それは、既存の社会構造のなかで「損をさせられている」という彼ら自身のルサンチマンでもあり、また、そうした漠然とした社会的不公平感の中に、民族排外主義拡大の潜在的な資源を見出しているのだと言える。

残念ながら日本では、新自由主義政策に対する大衆的な闘いは「イスラエルの春」の段階にさえも至っていないが、3・11以降、各地で精力的に取り組まれている脱原発デモのなかに、それと共通した性格を見出すことは難しくない。ツイッター等のSNSを通じて、初めてデモに参加するという若者も少なくなく、ヴィジュアル的にも、確実に以前のデモとは異なり、脱原発を中心に据えつつも、創出された「解放空間」そのものを楽しむという要素が大きくなっている。デモはまじめに頑張って、その後、飲み屋でリフレッシュ、解放されるという伝統的サラリーマン・モデルとは若干異なる。現在の脱原発デモは、ネオリベラリズムによって鼓舞されてきた、個人を抑圧し、差別と格差を拡大再生産する成長モデルに対して根底的な異議申し立てを表現していると見ることは可能であろう。しかし、そうした社会矛盾に対する新しい抗議の表現形態において、原発の利権構造の背景に厳としてある、核武装を望む排外的ナショナリズムという次元にまで迫ることができるのか、という課題はやはり付いて回らざるを得ない。

パレスチナ解放闘争が世界に向かって呼びかけている「連帯」を日本においてかたちにするということは、論理的にも倫理的にも日本社会の根底的な変革という課題を含まざるを得ないのである。

「ハローキティ・ストア」イスラエル進出の背景を考える(9)

パレスチナの平和を考える会のニュースレター『ミフターフ』30号(2011年8月発行)に掲載された記事(著者・役重善洋)を転載します。一部、修正・追加をしています。(→連載第1回

〜イスラエル軍需産業の日本進出とサンリオ

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もちろん右翼の政治連合だけで、現在のイスラエルの危機を脱することは不可能である。もともと小さい国内市場は「中間層」の縮小によって、ますます収縮し、対外貿易では、その6割から7割を占める欧米諸国がやはり厳しい経済状況にあるなか、イスラエルは必死でアジア諸国との経済関係を深めようとしている。特に来年は、日・イ国交開始60周年ということもあり、イスラエルは積極攻勢に出ている。

こうした動きにおいても、日本のキリスト教シオニストは大きな役割を果たしている。エルアル航空の成田直行便就航に向けた動きを全面的に支援しているのは、「キリストの幕屋」や「日健総本社」などの日本人シオニストである。たとえば、「エルアル航空ファンクラブ」というブログは彼らが運営あるいは支援しているものと推測される。また、この3月末には、イスラエル軍が約60名の医療隊を東北の南三陸町派遣し、2週間にわたり活動したが、これを日本側で熱心にバックアップしたのは、アメリカ系のキリスト教シオニスト団体であるブリッジ・フォー・ピースの日本支部である。ブリッジ・フォー・ピースは、入植地のインフラ援助などのイスラエル支援を行っており、こうした活動のために日本支部は毎月10万ドル以上をアメリカ本部に送金してきた(ブリッジ・フォー・ピースのサイトに掲載されていた原文はその後削除された)。

イスラエル軍需産業の日本進出も警戒が必要である。2006年にはイスラエルの軍需企業最大手イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ社が、三井物産合弁会社を作っている。報道されているのは、民間機部門に関する事業提携であるが、日本の軍需産業トップである三菱重工との提携を模索しているともある。また、三菱重工は、今回事故を起こした福島第一原発等にも多くのプラント設備を納入している原発企業でもあるが、その福島第一原発における対テロのセキュリティ・システムを2010年に納入したのが、イスラエルのマグナー社であることが分かっている。マグナー社は、国際法違反の隔離壁などに設置する赤外線センサーをイスラエル軍に納入している。

しかし、占領や戦争に依存する軍需関連の経済交流だけでも、やはり、広範で、安定した2国間関係を築くのには限界がある。よりソフトな分野の経済関係や文化・学術交流によってイスラエルのブランド・イメージをアップし、イスラエル経済の反人道的・犯罪的側面を隠す必要があるのである。

2008年、海外ライセンス事業を拡大するために幹部に抜擢され、サンリオ米国法人のCOO(最高業務執行責任者)と欧州法人のMD(最高業務執行責任者)を担っている鳩山玲人氏は、第二次インティファーダに対する弾圧が凄惨を極めていた2002年〜03年頃、当時働いていたエイベックス・ネットワークにおいて、イスラエルと共同でソフト開発事業を行い、同国を複数回訪問している。2003年4月に開催され、彼が講師を務めたビジネス講座の案内文には、無邪気にも「(イスラエルとの)2国間開発を世界情勢にもめげずおこなう」と書かれている。そのときの経験や人脈が今回のイスラエル出店において活かされていることは間違いない。ネオリベラリズムの波に乗ったハローキティは、イスラエルのパレスチナ人虐殺を隠ぺいする「イチジクの葉」になるべくしてなったのだと言える。

「ハローキティ・ストア」イスラエル進出の背景を考える(8)

パレスチナの平和を考える会のニュースレター『ミフターフ』30号(2011年8月発行)に掲載された記事(著者・役重善洋)を転載します。一部、修正・追加をしています。(→連載第1回

〜イスラエルがつなぐグローバル・ウルトラ・ナショナリズム

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しかしながら、ナチズムへの忌避感が強いヨーロッパにおいては、排外主義の傾向が年々強まってはいるものの、それに対する反発も根強く、排外的右翼と政権との癒着はアメリカほどには見られない。ナショナリズムの世俗的性格が強いことも一因であろう。

ところが、最近、ヨーロッパの極右が、伝統的な反ユダヤ主義を修正し、イスラエルの政治家との交流を始めており、このことが、ヨーロッパにおける極右の「ノーマライゼーション」につながる可能性がある。昨年12月には、オランダの自由党党首ヘルト・ウィルダースがイスラエルを訪ね、極右政党「イスラエル我が家」の党首でもあるリーバーマン外相と会談、ヨルダンが唯一のパレスチナ国家であるべきだ、と述べている。さらに同月、ベルギーやスウェーデン、オーストリアの極右政党の指導者もイスラエルのヤド・ヴァシェーム(ホロコースト記念館)やナブルス近郊の入植地ハル・バラカを訪ね、入植地建設の支持を表明している。左翼やリベラリストから強い批判を受けているヨーロッパ右翼の移民排撃の主張とシオニズムのパレスチナ人追放の主張とが、反イスラーム・ナショナリズムを軸に連合し、国際的な孤立を回避しようとしているのである。

ヨーロッパにおけるこうした動きが、ブレイヴィクを強く刺激していたことは間違いない。彼は「マニフェスト」のなかで、「すべての反シオニスト、すべての文化的マルクス主義者/多文化主義者に対し、イスラエルとともに、我々のシオニストの兄弟達とともに闘おう」と呼びかけているのである。

ちなみに同じ年の5月には、日本の極右政治家、西村眞吾前衆議院議員が、日本の代表的キリスト教シオニスト・宗教民族派である「キリストの幕屋」の幹部、神藤燿の案内と通訳で、イスラエルに10日間にもわたり滞在し、建国記念式典などに参加している。彼は自身のブログ上で「今こそユダヤ人を見習い、民族が興った地への愛と、そこで形成された民族のアイデンティティーへの誇りを忘れてはならない」と述べ、シオニズムへの強い共感を綴っている。「拉致議連」幹事長でもある西村は、同じブログで、イスラエル大使から「何故、長年にわたって被害者を放置しているのか」と問い詰められたことを明かしている。ここでイスラエル大使が気にかけているのは、もちろん、拉致被害者のことではなく、日本人の反北朝鮮感情の「不十分さ」である。

この時期、ちょうど西村と入れ替わるように、来日していたリーバーマン副首相は、「イランとシリアは、核・ミサイル開発能力を持つ北朝鮮から重要な支援を受けている」と主張し、北朝鮮、シリア、イランの「悪の枢軸」に対する国際包囲網づくりで連携するよう日本政府に求めている。

このように、イスラエルは、各国における排外主義の動きを煽り、また宗教右翼や極右ナショナリストと連携することによって、ガザ虐殺後のBDSキャンペーンの広がりのなかで強く懸念されている国際的孤立からの脱却を図ろうとしているのである。

「ハローキティ・ストア」イスラエル進出の背景を考える(7)

パレスチナの平和を考える会のニュースレター『ミフターフ』30号(2011年8月発行)に掲載された記事(著者・役重善洋)を転載します。一部、修正・追加をしています。(→連載第1回

オスロ虐殺とイスラエルの関係

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多くの場合、ネオリベラリズム政策が、各国社会にもたらす経済的矛盾は、かつての福祉国家政策を支えた社会主義勢力の復権をもたらすのではなく、むしろ排外的ナショナリズムの方向へと転嫁されている。ネオリベラリズムがウルトラ・ナショナリズムと手を組むという現象は、先にも述べた通り、イスラエルに限った話ではない。

7月22日にノルウェーの首都オスロで起きた虐殺事件もそうした流れのなかで捉えることが可能であろう。北欧はその社会民主主義政策で有名であるが、国営企業の部分的民営化など、確実に新自由主義政策を取り込みつつあり、その煽りを受けた低賃金・低熟練労働者のかなりの部分が極右政党の進歩党に流れているという

その進歩党に一時所属しながら、排外主義の程度が生ぬるいとして脱退した人物が、今回の虐殺事件の実行犯であった。反イスラーム主義者でキリスト教シオニストのアンネシュ・ブレイヴィクは、オスロ中心街で爆弾テロを実行し、さらに郊外のウトヤ島で青少年キャンプを行っていた与党労働党の参加者に向って銃を乱射、計76名を殺害した。ブレイヴィクが犯行直前にネット上で公開した1500ページを超える「マニフェスト」では、ヨーロッパにおけるムスリム移民の増加がイスラームの侵略と捉えられ、ノルウェーの多文化主義にもとづく移民受け入れ政策が強く批判されていた。そして、そのイスラームの侵略に対して最前線で闘っているのがイスラエルであるとして、強力な排外的ナショナリズムを維持しているシオニズムに対する強い支持が表明されていたのである。

アメリカの宗教右派ネオコンによる書物からの引用に溢れた「マニフェスト」に著されたブレイヴィクの思想は、ヨーロッパ中心主義的な民族排外主義をベースとしつつも、イスラエルやアメリカの「対テロ戦争」のターミノロジーを多用したグローバルな「聖戦」イデオロギーであった。

この「聖戦」の具体的対象とされたノルウェー労働党青年運動は、同国の多文化主義政策や、先述した政府年金基金の資本引上げなど、イスラエルの占領政策に対する先進的な取組みを主導する役割を果たしていた。虐殺の2日前には、ノルウェー外相が、ウトヤ島のキャンプを訪ね、青年運動の若者達からBDSキャンペーンへの支持を求められた際に「パレスチナ人は自分自身の国家を持つべきであり、占領は終わらせるべきであり、隔離壁は撤去されなければならない。そして、それは今すぐに実現されるべきだ」と宣言していたのである。

アメリカの評論家マックス・ブルーメンタールは、オスロ虐殺を単なる猟奇的事件として見るのは誤りであり、アメリカの反イスラーム主義者が同様の事件を起こさないのは、自国の軍隊が中東でイスラム教徒を虐殺するのを目撃しているので、わざわざ自らの手を汚す必要がないからに過ぎない、と喝破している

さらに、ブルーメンタールは、2010年の中間選挙の際、反イスラーム主義者の共和党員イラリオ・パンターノの選挙戦の中で、2004年にイラクで従軍中であった彼が非武装の民間人二人を猟奇的に殺害していたという告発がされたとき、逆に、そのことが追い風となって、ティーパーティなどの熱心な支持を得たという事例を挙げ、虐殺を支持する人々と実際にそれを実行する人間のメンタリティの同一性を見事に指摘している。

こうしたアメリカにおける、人命を軽視した軍事的反イスラーム主義は、イスラエルが自身の占領政策の「国際的正当性」を確保するための絶好の材料となるため、イスラエルは、様々なチャンネルを通じて「イスラームの脅威」(最近ではイランの脅威)をアメリカ社会・政府に対して煽り続けている。そのことが、イデオロギー的影響にとどまらず、具体的政策にも及んでいることは、ミアシャイマー、ウォルトの『イスラエル・ロビー』などを通じて明らかになりつつある。たとえば、イスラエルは第二次インティファーダに対する弾圧に際し、一般市民の殺害を「付随的損害」Collateral Damageとして正当化し、「テロリスト」と市民の区別を敢えて取らないという原理を採用したが、その論理は、9・11以降、アメリカが展開した「反テロ戦争」においてもそっくりそのまま使われることとなったのである。もしもブレイヴィクが病んでいるのだとすれば、その病の根は、イスラエル軍と米軍、そしてその支持者達(日本は米軍のもっとも気前の良い支援国である)の精神にあると言うべきである。

「ハローキティ・ストア」イスラエル進出の背景を考える(6)

パレスチナの平和を考える会のニュースレター『ミフターフ』30号(2011年8月発行)に掲載された記事(著者・役重善洋)を転載します。一部、修正・追加をしています。(→連載第1回

〜サンリオのイスラエル出店が失敗する可能性のきわめて高い理由

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サンリオ幹部が、イスラエルは「経済危機を生き抜いた」と評価した状況の背景には、占領の代価を占領地あるいはイスラエル領内のパレスチナ人に払わせるだけでは間に合わず、イスラエルのユダヤ人低〜中所得者層までをも踏み台にするという、ネタニヤフ政権の民族差別と階級差別にもとづく極めて近視眼的な経済政策がある。在日イスラエル大使館が立ち上げている経済部専用のウェブサイトでは、一貫してイスラエル経済の「好況」が伝えてられているが、占領地に関わる言及はもちろん一切ない。日本の経済紙が好んで取り上げるイスラエル経済に関する記事も、やはり同様の論調で、占領地を明確に含んでいるイスラエル経済圏に、パレスチナ人は存在していないかのような記事がほとんどである。

それらの記事が無視しているもう一つの重要なイスラエルの現実は、「中間層の消滅」と言われる事態である。イスラエル経済の最底辺には、被占領地のパレスチナ人が位置づけられ、イスラエル領内においても、下層から上層に向かって、大雑把にみて、イスラエル国籍をもつパレスチナ人や移民労働者、ミズラヒームと呼ばれる東洋系ユダヤ人、そしてヨーロッパ系ユダヤ人(アシュケナジーム)の順で民族的に階層化された社会構造がある。1980年代までは、非ユダヤ人を排除するかたちでユダヤ人市民に対する比較的安定した社会保障政策が取られてきたが、その後のネオリベラル政策は、イスラエル中間層のマジョリティを占めていたヨーロッパ系ユダヤ人においても多くの「脱落者」を生み出し、より少数の特権階級(政府と癒着した財閥や、運の良いベンチャー・ビジネスの成功者)への資本の集中という状況が生じたのである。その結果、1988年に33%だった「中間層」(世帯収入中央値の75%〜125%の世帯が占める割合)は、2010年には25%にまで縮小した。この傾向は、貧困層の増加と確実に結びついている。2008年の政府統計では、「貧困層」(収入中央値の60%以下の人口が占める割合)は、EU平均の16%に対し、イスラエルでは29%にも上る。

オスロ・プロセスは、占領の矛盾を「和平」の名の下で覆い隠すことによって、イスラエル経済の民営化・グローバル化を円滑に進めることを可能にしたといえる。しかし、そのオスロ・プロセスが完全に行き詰まっている現在、状況は大きく異なる。ネタニヤフ首相が唱える「経済的和平」を信じ、支持する階層が、パレスチナ人のなかに存在しないことはもちろんのこと、イスラエル人のなかでもごく少数の特権階級に限られつつある。

そうしたなか、テルアビブ近郊のギヴアタイムという、ヨーロッパ系ユダヤ人が大半を占める町に、「中間層」をターゲットとして出店したと考えられる「ハローキティ・ストア」が商業的に成功する展望は、決して明るいものではない。サンリオは、2001年にも「ハローキティ・ストア」をテルアビブの高級ショッピングモールに出店しているが、わずか数年で事業に失敗している。イェディオット・アハロノット紙の記事では、フランチャイズ契約した現地企業との協力関係の失敗がその原因として述べられているが、実際には、前年から勃発していた第二次インティファーダを原因とするイスラエル経済の失速(2001年と02年はマイナス成長)が実質的な原因であることは明らかである。サンリオが商機だと考えた現在のイスラエルにおいて、自爆攻撃こそなくなったとはいえ、経済的な矛盾は、さらに深刻の度を増しているのである。

「ハローキティ・ストア」イスラエル進出の背景を考える(5)

パレスチナの平和を考える会のニュースレター『ミフターフ』30号(2011年8月発行)に掲載された記事(著者・役重善洋)を転載します。一部、修正・追加をしています。(→連載第1回

〜イスラエル経済の危機とパレスチナ占領


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さらに指摘すべきことは、こうしたイスラエル経済のグローバル化が、資源小国で対外貿易依存度が非常に高いイスラエル経済をますます不安定なものとしているということである。イスラエルの輸出入総額は、対GDP比でいずれも日本の約2.7倍に上る。

リーマン・ショックおよび「ガザ戦争」の影響を大きく受けた2009年度のイスラエルの経済状況を見ると、対外直接投資84%減、対内直接投資65%減、輸出22%減、輸入27%減という危機的状況が見て取れる。こうした数字は、翌年に大きく改善され、良品計画もサンリオも、イスラエルがこの危機をうまく乗り越えたという評価に基づいてイスラエル出店に動いた訳であるが、これは非常に甘い評価だと言わざるを得ない。

イスラエルは、この間の経済危機に対し、法人税の減税などの景気刺激策で対応し、表面上の経済指標を取り繕うことに成功しているが(2010年度の経済成長率は4.6%、前年は0.8%)、それは、パレスチナ人の生活のみならず、イスラエル国内の一般の人びとの生活水準までをも犠牲にした「経済成長」である。何よりも、イスラエル経済の危機は、一時的な要因で説明できるものではなく、占領構造と深く結びついた構造的なものだということをまず理解する必要がある。

オルタナティヴ情報センターのシル・ヘヴェルが詳しく分析しているように、パレスチナの軍事占領は、イスラエル経済に大きな負担となっており(軍事予算はGDP比でアメリカの約1.5倍)、その埋め合わせをしているのが、アメリカからの年間30億ドル以上の軍事援助、兵器貿易(輸出総額の約10%を占める)、軍需産業をベースにしたハイテク産業の活性化、パレスチナ経済の破壊による占領地の独占市場化、広大なパレスチナ人の土地の収奪、パレスチナ人を最下層に置いた階層化された低賃金労働力といった、占領によって得られる利益である。2008-09年のガザ虐殺でさえ、イスラエルの軍需産業およびその周辺産業に対する特需によって、一時的にはイスラエル経済に貢献した側面がある。しかし、イスラエル経済全体を見渡したとき、そうした軍事占領に伴う利益がそのコストをカバーしているとは到底言えない。

イスラエルの花形産業として称賛されているハイテク部門に関して言えば、限られた経済エリートによって担われているものであって、決してイスラエル経済の全体を代表するものとはなっていない。2010年度のハイテク産業における平均賃金18,000シェケル(約40万円)に対し、イスラエルの労働者の75%は、その3分の1の6,000シェケル(約13万円)以下の賃金しか受け取っていない。政府は、この分野での国際競争力を維持するために、さまざまな優遇措置を取っているが、それは、ネオリベラル政策による格差拡大に輪をかけるものでしかないのである。

軍需産業は、当面イスラエル経済の牽引力となり続けるしかないと考えられるが、それは、まさにパレスチナ人に対する占領・虐殺政策の継続を前提条件とする。イスラエルの兵器輸出は、自らが煽り続けている「対テロ戦争」の継続によって支えられているからである。

しかし、そのことは一方で、隔離壁建設に象徴される、莫大な占領経費の膨張をも意味し、経済のグローバル化に際して重要なイスラエル経済の信用性やイスラエル商品のブランド・イメージに対する決定的なマイナス要因にもなる。もちろん、国際的BDSキャンペーンのさらなる市民社会への浸透をもたらすことにもなる。しかも、防衛予算の2割を支えるアメリカからの軍事援助がこれまで通り継続される見通しはますます不透明になっている。

「ハローキティ・ストア」イスラエル進出の背景を考える(4)

パレスチナの平和を考える会のニュースレター『ミフターフ』30号(2011年8月発行)に掲載された記事(著者・役重善洋)を転載します。一部、修正・追加をしています。(→連載第1回

〜イスラエル経済のグローバル化とBDSキャンペーンの拡大


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多国籍企業のイスラエル進出と並び、ネオリベ路線のもう一つの「落とし子」は、イスラエル企業の寡占化と海外進出である。1980年代から進められていた国有企業の民営化・リストラは、少数財閥への資本の集中をもたらし、これらの巨大企業グループが海外投資を盛んに行うようになった。

このようなイスラエル経済の状況は、占領構造そのものの、一部の特権層による民営化とグローバル化をもたらしつつある。このことによって、イスラエルのアパルトヘイト体制は、国際的なBDSキャンペーンに対し、より脆弱な性格を帯びるようになったといえる。

たとえば、イスラエル財閥の一つレヴ・レヴィエヴ・グループの傘下企業で、入植地の建設や開発事業を多く手がけていたアフリカ・イスラエル社は、昨年秋、入植地における事業から完全に手を引くと宣言した。その背景には、レヴ・レヴィエヴ・ダイヤモンド社など、広く海外展開していた同グループの事業に対して取り組まれた広範なボイコット運動があった。

軍需産業の民営化においてもそうした脆弱性を垣間見ることができる。90年代に民営化され、2000年にフェダーマン・グループ傘下に収まったエルビット社は、欧米各国に支社をもつ世界でも最大規模の兵器企業であるが、2009年9月、これに対しノルウェー財務省は、同国の年金基金の投資対象からエルビット・システムズ社を、その占領地における活動を理由に外す決定を明らかにした。その後、デンマーク、スウェーデン、オランダといった「多文化主義」を国是に掲げる国々において、年金基金や銀行、生命保険会社などによるエルビット・システムズ社からの資本引き揚げの決定が続いたのである。

兵器の輸出入や空港でのセキュリティ等において、イスラエル軍と密接な協力関係をもつエルアル航空も、やはり民営化の結果、2005年には、ボロヴィッチ・グループ傘下に入っているが、実は、このグループには、サンリオが2006年にライセンス契約しているLDI社も入っているのである(「ハローキティ・ストア」を経営することとなるのは別企業)。LDI社の親会社であるマパル・コミュニケーション社の共同設立者の二人はエルアル航空の役員でもある。そして、エルアル航空の現CEOは、レバノン侵略戦争を指揮し、戦争犯罪に問われている元イスラエル空軍司令官エリエゼル・シュケディ氏なのである。サンリオのイスラエル参入が占領への加担だということは、単なる抽象論ではない。そこに「バイバイ・キティ・キャンペーン」の意味がある。

イスラエル経済の民営化・寡占化・グローバル化は、多くのイスラエル企業や、イスラエルに進出している多国籍企業に否が応でも占領ビジネスの一端を担わせることとなってしまっており、そのことが国際的なBDSキャンペーンを拡大させる土壌を生んでいる。上述したイスラエル政府のボイコット運動に対する過剰反応はこうした状況への表層的対応だと言える。

「ハローキティ・ストア」イスラエル進出の背景を考える(3)

パレスチナの平和を考える会のニュースレター『ミフターフ』30号(2011年8月発行)に掲載された記事(著者・役重善洋)を転載します。一部、修正・追加をしています。(→連載第1回

〜イスラエルにおけるネオリベラリズムとウルトラ・ナショナリズム

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しかし、このような暴力的・抑圧的なアパルトヘイト国家に、「ブランド・イメージ」が勝負のサンリオがあえて進出したのはなぜだろうか? サンリオ幹部が、「ストップ無印良品キャンペーン」の経緯を知らなかったはずはない。これを理解するには、もう一つのイスラエルの「顔」がどれだけよく日本社会(特に経済界)に浸透しているかを、よく認識する必要がある。それは、「IT大国」「ユダヤ資本に支えられた国」といった経済強国イスラエルのイメージである。

無印良品が2010年4月にイスラエル出店を発表したときの理由は、「イスラエルは・・・ハイテク、再生可能エネルギー、化学・医薬品産業での成長が著しい国です。・・・2008年秋以降の世界経済不況の影響下でもわずかながら成長しており、2010年は復調の兆しが見えることからも出店の価値は十分あると判断」とされている。

同様に、サンリオのヨーロッパ支社の社長であるロベルト・ランチ氏と、創業者・現社長である辻信太郎氏の息子で現副社長の辻邦彦氏は、出店に向けた現地視察の際、「イスラエルは、国際的な金融危機リーマン・ショック)をうまく生き抜いた数少ない国の一つです」「小国という限界をもちながらも、イスラエル市場は大きな潜在力を持っています」と述べており、上述のイメージの浸透力の強さを物語っている。

しかし、事はそう単純ではない。イスラエルが世界市場に積極的に参入するようになったのは、せいぜい1980年代半ば以降、とりわけ、ネオリベラリズム路線を明確に打ち出した現イスラエル首相ネタニヤフが、最初の首相を務めた1990年代後半のことである。80年代半ばに深刻な経済危機に直面するまでのイスラエルの経済政策は、基本的に「大きな政府」路線であり、その背景には、労資協調・軍事優先路線の下、パレスチナ人排除・民族国家建設に邁進してきた労働党のイニシアチブがあった。この社会主義シオニズムにおける民族排外主義を維持・強化しつつ、市場原理主義への経済政策転換を強力に推し進めたのが、アメリカで高等教育(MITスローン経営大学院卒業)を受けたリクード党首ネタニヤフであった。

ネタニヤフは、一方で、国内外の宗教右派勢力(国内のユダヤ教原理主義やアメリカのキリスト教シオニストなど)の支援を梃子として入植地拡大などの対パレスチナ強硬路線を推し進め、他方で、国有企業の民営化や外資導入など、イスラエル経済の自由化を積極的に進めた。イスラエル建国50周年となる1998年、ネタニヤフ首相が、ネスレやダノン、モトローラといった名だたる多国籍企業に対し、イスラエルへの経済的貢献を讃える「ジュビリー賞」を授与したのも、このようなネオリベラル政策の一環であった。

90年代後半以降、イスラエルは、国内外の宗教右翼と経済エリートという、反左翼を共通項としつつも、階級的にもイデオロギー的にも決して一枚岩とはいえない勢力の連携を通じて、冷戦後の世界秩序のなかでのイスラエルの生き残り戦略を模索したのだといえる。そして、その戦略は、9・11以降のアメリカを中心とする「国際社会」の「反テロ」を基調とした中東政策と見事なまでに合致・一体化することとなった。つまり、90年代後半から見られたイスラエルにおけるネオリベラリズムとウルトラ・ナショナリズムの連携という状況は、9・11以降の「国際社会」の姿を先取りしたものであったということもできるのである。

しかし、そのつけは、現在、パレスチナ問題の行き詰まりと深く絡み合った、イスラエル経済の危機というかたちで噴出しつつある。以下、サンリオのイスラエル進出が、倫理的な問題にとどまらず、イスラエルの経済状況の認識という戦略的観点においても、いかに拙速なものであったかについて明らかにし、「バイバイ・キティ・キャンペーン」を始めとした、日本におけるパレスチナ連帯運動の課題について整理してみたい。

「ハローキティ・ストア」イスラエル進出の背景を考える(2)

パレスチナの平和を考える会のニュースレター『ミフターフ』30号(2011年8月発行)に掲載された記事(著者・役重善洋)を転載します。一部、修正・追加をしています。(→連載第1回

〜イスラエルによる市民運動攻撃とバイバイ・キティ・キャンペーン

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ボイコット運動に対するイスラエルの過剰反応は、国内にとどまらず、海外の運動にもその標的を広げている。今年3月21日のハアレツ紙によれば、イスラエル軍は、海外でイスラエルに対する「正当性剥奪」を目的とする活動をしている団体を監視し、情報収集するための部局を設立したという。イスラエルが、そうした活動を行ってきたことは、すでによく知られていることではあるが、そうした活動の対象が、幅広い市民運動にまで広げられ、強化されていることは、6月末から7月初頭にかけて国際的に取り組まれた「フロティッラ供廚よび「ウェルカム・トゥ・パレスタイン・キャンペーン」が、実に「手際良く」阻止されたことにも現われている。

「フロティッラ供廚蓮∪こ20カ国から数百人の平和活動家、著名人、ジャーナリストが10隻の船に乗ってガザ入港を目指す予定だった。しかし、出航前の船のスクリューやエンジンが何者かによって破壊されたり、ギリシャからの出航許可が出ないなど、様々な妨害が行われ、結局フランス籍のヨット1隻のみが出航に成功したものの、公海上でイスラエル軍によって拿捕されてしまった。

「ウェルカム〜」は、フランスを中心とした世界各国の市民約600名が、7月6日、ベングリオン空港で、訪問先を「パレスチナ」と記して入国し、彼らを招待したパレスチナの市民グループと交流するというプロジェクトだった。しかし、イスラエルが事前にインターネット上などから収集した数百人の参加予定者の情報リストを各航空会社に通知したことで、彼等の多くが、テルアビブ行きの便への搭乗を拒否され、リストから漏れた数十名のほとんどは、ベングリオン空港で拘束され、強制送還された。

欧米を中心とした連帯運動とイスラエルとの攻防が繰り広げられているとき、日本では「ハローキティ・ストア」のイスラエル出店に憤る有志によって、「バイバイ・キティ・キャンペーン」が立ち上げられた。日本におけるBDSキャンペーンに関しては、イスラエル大使館の元広報部職員で現在も大使館と深いつながりを持っていると考えられる人物が、キリスト教シオニスト団体「キリストの幕屋」系の出版社の月刊誌に、パレスチナの平和を考える会が行ってきたキャンペーンについて詳しく紹介し、「まるで、中世のヨーロッパ」だと、反シオニズム反ユダヤ主義に読み替える古典的レトリックを用いて糾弾している(滝川義人「ボイコットは繰り返す」『みるとす』111号, 2010.8.)。原発震災が深刻な状況を脱していない現在、「バイバイ・キティ・キャンペーン」は、まだ大きな波及力を獲得できているとはいえないが、それでもイスラエルの監視対象とされていることは間違いない。

「ハローキティ・ストア」イスラエル進出の背景を考える(1)

パレスチナの平和を考える会のニュースレター『ミフターフ』30号(2011年8月発行)に掲載された記事(著者・役重善洋)を転載します。一部、修正・追加をしています。

〜ハローキティのイスラエル進出と「反ボイコット法」

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ガザ虐殺以降、国際的に急速な広がりを見せている対イスラエルBDS(ボイコット・資本引き揚げ・経済制裁)キャンペーンの一環として、昨年、当会が全力を挙げて取り組んだ「ストップ無印良品キャンペーン」は、約7ヶ月の取り組みの末、イスラエル出店中止という具体的成果を獲得することができた。しかし、今年2月になり、今度はサンリオがイスラエルに「ハローキティ・ストア」を2012年度中に出店するというニュースがイスラエル紙「イェディオット・アハロノット」(英語版)によって報じられた。

当時はちょうどアラブ革命に注目が集まり、3・11以降の原発震災もあったため、「ストップ無印」のときのような迅速な動きを取れずにいたところ、6月2日、同じイスラエル紙のヘブライ語版で、なんと同月末までに「ハローキティ・ストア」の出店を計画していることが報じられた

事態の急転に驚いた私達は、サンリオ宛の公開質問書を6月13日に送付し、出店計画の再考を促した。さらに、出店中止を求める声は、イギリスアメリカイスラエル東京の運動団体や活動家からも上げられ、サンリオの軽挙に対する包囲網は国際的に広がるかに見えた。

しかし、サンリオは、私達の公開質問書に対するかたちばかりの回答を6月末日付で送付した後、7月3日、テルアビブ近郊のギヴアタイムに「ハローキティ・ストア」の1号店を出店した。これに対し、私達は「抗議と要請」を7月16日に送付したが、いまだサンリオからの回答はない。

サンリオによるイスラエル出店強行の直後、7月11日には「反ボイコット法」がイスラエル国会で可決し、即日発効した。この法律によれば、イスラエルに対するボイコットを呼びかける個人・団体は損害賠償の対象となり、NGOは、免税措置や助成金の対象から外され、企業は公的事業から排除されることとなる。

サンリオのイスラエル出店に反対を表明したイスラエルのグループ「Boycott from Within」は、ただちに抗議声明を発表し、あらためて、イスラエル公演を予定している海外アーティストへのボイコットの呼びかけを行っている。

この法律のボイコットの定義には、入植地との経済関係を意図的に避けることも含まれている。したがって、サンリオと契約している現地企業を含め、あらゆるイスラエル企業は、国家によって国際法違反を奨励されることとなり、潜在的アパルトヘイト企業にならざるを得ないのである。このことは、これまでイスラエル・ボイコットに取り組む運動団体のなかで議論されてきた、入植地ボイコットと全面的ボイコットとの区別を実質的に無意味にするものでもある。

2011年07月22日

Youtubeでもバイバイ・キティ・キャンペーン!?

ユーチューブで「No Kitty 4 Israel」というチャンネルが立ち上げられ、反響を呼んでいます!
http://www.youtube.com/user/NoKitty4Israel

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パレスチナの平和を考える会、サンリオに「抗議と要請」を送付

ハローキティ・ストアのイスラエル出店について、6月13日に公開質問書を送付していたパレスチナの平和を考える会は、サンリオからの回答出店強行を受け、7月16日に下記の抗議と要請を送付しました。




株式会社サンリオ 代表取締役 辻信太郎 様
cc President of Sanrio GmbH, Roberto Ranzi


イスラエル出店に関するサンリオからの回答と出店強行についての抗議と要請


フェイスブックで得た現地情報によれば、去る7月3日、貴社は、多くの反対の声を無視して、テルアヴィヴ近郊のギヴアタイム・モールへの「ハローキティ・ストア」出店を強行されました。貴社が、アパルトヘイト国家イスラエルから利潤を得るという選択を敢えておこない、パレスチナ人たちが呼びかけるBDSキャンペーンに対決する姿勢を示されされたことについて、私たちはパレスチナにおける公正な平和を願う市民団体として、深い失望と抗議の意を表明します。

しかも、貴社は、私たちが6月13日付でお送りした公開質問書に対し、同月29日付の回答を送付されましたが、その中で、イスラエルにおける新たな店舗が「サンリオの直営でもフランチャイズでもなく、資本関係もない卸売先の運営」であることを理由に、「サンリオが回答する立場にない質問」もあるとして、質問書の具体的内容についてはほとんど一切答えられませんでした。

しかしながら、イスラエルのイェディオット・アハロノット紙が今年2月18日に報じた記事によれば、イスラエルを訪問していた貴社の副社長・辻邦彦氏と100%出資の子会社サンリオ・ゲーエムベーハーの社長ロベルト・リンチ氏は、同紙記者に「イスラエルの市場は大きな潜在力をもっている」と答え、二種類ある「ハローキティ・ストア」の店舗形式のどちらが適当か決めるために、出店候補地の視察までされています。

つまり、今回の出店は、海外事業拡大方針のなかで貴社が利潤を求めて主体的に決定されたことであり、また現地企業との契約に際し、店舗の経営様式等についての詳細な取決めをされていることも常識的に推測できることです。「卸売先の運営」であることを理由に貴社がその説明責任を逃れようとすることは非常に不誠実な対応だと言わざるを得ません。

新たな店舗がイスラエルのアパルトヘイト政策に加担する可能性があるとの指摘を各方面から受けているのであれば、貴社の責任においてしっかりと調査し、もし、そうした可能性があると判明すれば、店舗の撤退も含め、国際法に違反しないための方策を検討すべきであるし、そうした可能性がないということであれば、そのことを消費者・国際社会に対してしっかりと説明すべきです。

アラブ・イスラーム地域にも積極的に進出されている貴社が、当該地域において最もセンシティブな問題の一つであるイスラエルのパレスチナ人抑圧に加担している可能性があるということは、グローバル企業として、また上場企業としての社会的信用に関わる問題です。

また、私達の質問書には、貴社が2006年頃にライセンス契約をされているLDI社に関わるものもありましたが、そのことについては全くお答えいただけていません。LDI社の親会社であるマパル・コミュニケーションズ社のトップ二人は、エルアル航空の幹部でもあり、両社は、同系列資本の下で経営されています。エルアル航空は、イスラエル軍と連携して兵器の輸出入に携わるなど、同国の戦争犯罪に深く関与している企業であり、現CEOは、元イスラエル空軍司令官のエリエゼル・シュケディ氏で、第二次レバノン侵略戦争の際の住民虐殺に責任を負う人物として知られています。

この事実は、貴社が私達の質問に正面から答えないまま、イスラエル出店を強行されたことと併せて考えると、貴社が、実はイスラエルのアパルトヘイト政策を積極的に容認されているのではないかという疑いを抱かせるに十分なものです。上述したイェディオット・アハロノット紙の記事および6月25日に報道された同紙の記事では、「ハローキティ・ストア」のイスラエル出店が、ユダヤ人のパレスチナ入植を意味する「アリヤー」という言葉で表現されています。パレスチナの植民地化、パレスチナ難民の帰還拒否とセットとなった人種主義的概念としての「アリヤー」の実行主体にハローキティがなったとするこれらの記事の表現は、貴社の意図がどのようなものであれ、イスラエルにおいてすでにハローキティが「ユダヤ人だけのための国家」という人種主義的虚構を下支えするキャラクターとして受け入れられようとしていることを示すものです。

私達は、貴社が、「広く社会とのコミュニケーションを図る」、「国内外の法令や社会規範及び会社規程を遵守」する(サンリオ・コンプライアンス憲章)との方針に基づき、再度、今回のイスラエル出店が、パレスチナ占領にあらゆる意味において関与・加担していないことを明らかにされることを要請します。その際、前回送らせていただいた質問書の各項目について、具体的なお答をいただければと思います。もし、それができないのであれば、国際人権法と国際人道法の理念に基づき、即刻、今回の出店に関する現地企業リーダー・ブランズ社との契約を破棄されることを要請させていただきます。

なお、貴社は、私達の質問書に対しては、ほとんど具体的な回答をされていなかったにも関わらず、当会ウェブサイトに掲載していた、私達の主張のささやかな視覚的表現(占領に加担するのをいやがるハローキティ)についてだけは、いち早く著作権法に基づく削除を要求してこられました。当会は、貴社から、イスラエル出店問題の本質に正面から向き合った、より誠実な回答を頂けることを期待し、当該個所を削除したことを付記させていただきます。

また、余計なお節介かもしれませんが、当会以外の国内外の諸団体・個人から送られた質問書に対し、貴社は、まったく回答をされていないというように聞いています。もしそうだとすれば、“世界中を「仲良し」でいっぱいにしたい”という理念を標榜して海外事業をさらに広く展開されようとしている多国籍企業としては、世界中の市民・消費者の声を著しく軽視した「手抜き」の態度であると思わざるを得ません。善処されますよう、希望します。


2011年7月16日(土)パレスチナの平和を考える会

2011年07月15日

サンリオ、市民の声を無視してついにイスラエル出店を強行!

f:id:byebye-hellokitty:20110714184152j:image:w360:rightアパルトヘイト推進マスコットになったハローキティ
多くの反対の声にも関わらず、サンリオが「ハローキティ・ストア」のイスラエル出店を去る7月3日に強行したことがわかりました。これは、出店を請け負う現地企業リーダーブランズ社がフェイスブックを通じて公開している情報から判明したものです(店内の様子)。ハローキティは、ついにアパルトヘイト推進マスコットになってしまいました。

もちろん、サンリオには、イスラエルから撤退することでパレスチナ人抑圧に加担することをやめるという選択肢が今も残されています。ぜひ、サンリオに「ハローキティ・ストア」のイスラエルからの撤退を要請してください。

サンリオは、「広く社会とのコミュニケーションを図る」ことを宣言している企業なので、かならず、丁寧に皆さんの声に応えてくれるはずです:サンリオ・コンプライアンス宣言

抗議先

株式会社サンリオ 広報・IR室 広報課
TEL: 03-3779-8110 FAX: 03-3779-8426

Email: web-info@sanrio.de
(イスラエル出店の業務を直接担っているヨーロッパ・オフィスのメール・アドレスです。日本語でも読んでもらえるとのことです)

お近くのサンリオ・ショップを調べる

抗議文(案)

アパルトヘイト国家イスラエルへの出店に抗議します。イスラエルにおける経済活動から利益を得ることは、パレスチナ人抑圧から利益を得ることになります。すぐに「ハローキティ・ストア」を撤退させて下さい。それまでは、ハローキティをはじめ、サンリオ・ブランドの商品をボイコットします。

サンリオのイスラエル出店計画に憤慨する声

2011年07月14日

(東京)ミーダーン〈パレスチナ・対話のための広場〉他3団体 イスラエルにおける「ハローキティの店」開店に関する質問状

東京を中心に活動するミーダーン〈パレスチナ・対話のための広場〉チェチェン・ニュースアジア太平洋資料センター核とミサイル防衛にNO! キャンペーンの4団体が連名で、イスラエルにおける「ハローキティの店」開店に関する質問状を7月9日付で送付しました。


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株式会社サンリオ 代表取締役社長
辻 信太郎様

私たちは、イスラエルによるパレスチナの軍事占領とパレスチナ人抑圧に反対し、イスラエル/パレスチナの地で生きるすべての民族が対等に共存することを願い求める日本の市民です。
このたび私たちは、インターネット・サイト「ynet news」などにより、イスラエルで「ハローキティの店」がオープンするとの報道を目にしました。すでにイスラエルにはサンリオのキャラクターを用いた商品は流通しているようですが、御社の商品を扱う店舗がオープンするということは、影響力の点でこれまでにない大きな意味を持つかと思います。
私たちの中には、子どもの頃にサンリオ商品を愛用しており、自らの子ども時代の思い出の一部として、その記憶を大切にもち続けている人もいます。3月11日の震災後、東北地方への支援物資の中には、きっとたくさんのサンリオのキャラクター商品が入っていたことでしょう。御社の開発してきたキャラクターや、それらに関わるストーリーは、子どもたちの夢やあこがれを代弁する存在であり、世代や性別を越えて多くの人たちの共感を得ていると思います。
その御社が、パレスチナの地を軍事力で支配し、子どもを含む多くの民間人を殺害し続けているイスラエルの企業と提携し、かの地での市場開拓を目指すことについては、私たちにとって衝撃であり、たいへんな違和感を覚えております。サンリオもまた「儲かりさえすればいい」という利益至上主義に立つのかと残念な気持ちになりますし、今後は「キティちゃん」を目にしても「キキ・ララ」に再会しても心がときめくことはないでしょう。日本を含め、国際社会の多くの市民たちが、サンリオに対して幻滅していくことを考えると、このたびの判断が御社に「利益」をもたらすことはあり得ないことを、御社にお伝えしたいと思います。

さて、イスラエルにおける「ハローキティの店」オープンに関して御社が何らの情報も開示されていないなかで、確認させて頂きたい点も多々あります。つきましてはご多忙のところたいへん恐縮ですが、以下の各項目につき、ご回答を頂けますよう、お願い申し上げます。市民・消費者の声に対し、誠意をもってお答え頂けるものと信じております。

1.イスラエルは1967年以来パレスチナを軍事占領し、パレスチナ人の人権侵害を続けており、ヨルダン川西岸地区における「分離壁」建設に関しては、国際司法裁判所から「占領地での分離壁建設は違反であり、中止・撤去すべき」との勧告的意見を言い渡されています。私たちはこのような事実から、イスラエルへの資本投下のみならず、日本企業のイスラエル企業との一切の提携、協力関係を認め難いと考えております。イスラエルの企業の利益は税としてイスラエル政府に還元され、占領地の維持を含むイスラエルの軍事予算として使われるからです。この点につき、御社のお考えをお聞かせ頂ければと思います。

2. イスラエルは2008年12月27日から3週間あまりにわたり、パレスチナのガザ地区を大規模侵攻し、18歳未満の子ども313人を含む、1400人あまりのパレスチナ人を殺害しました。イスラエルはこの攻撃について一切謝罪を行っておらず、イスラエルがパレスチナを軍事占領し続けている以上、このようなことがいつまた起こらないとも限りません(比較的小規模な軍事侵攻やパレスチナ人の殺害は頻繁に起きています)。このような国に御社が出店をされることは、子どもたちに愛され親しまれるキャラクターを数多く作り出してきた御社のイメージを大きく傷つけ、御社の企業活動への信頼を損なうものだと思います。この点につき、御社のお考えをお聞かせ頂ければと思います。

3. 現在イスラエル国会では、イスラエルに対する国際的なボイコットに対処することを目的とした「反ボイコット法案」が審議されています。これが法律として成立すると、イスラエル企業が入植地への製品販売を拒否した場合、処罰の対象となります。したがって法案が通過した場合、イスラエルにおける御社の提携企業が今後、軍事占領地内にある入植地に向けた業務展開を行う可能性も十分考えられますが、こうした現地事情についての調査はされているのかどうか、教えてください。

4.ここで言う入植地は、その建設自体が国際法違反であり、これは日本政府も認めるところです。したがって、御社がイスラエル企業と提携することは、入植地での経済活動という国際法違反の行為に対し、御社が直接協力することにつながります。このことは御社のコンプライアンス憲章にある「国内外の法令や社会規範及び会社規程を遵守」することと矛盾しますが、どうお考えになりますか。

5.また、イスラエルでの同法案の成立のいかんにかかわらず、既存の入植地の撤去の意思を示さないばかりか、入植地建設を続行するイスラエル企業との提携を行うこと自体、「世界中がみんな“なかよく”」との御社の理念とは相容れないと思います。「世界中がみんな“なかよく”」とは、少なくとも犯罪行為に目をつぶって誰とでもやみくもに「なかよく」することを目指すものではないはずですし、もしも御社がその理念を具体化しようとするのであれば、イスラエルの占領政策によって被害を被っているパレスチナの人々、とりわけパレスチナの子どもたちにまず目が向けられるべきでしょう。この点につき、御社のお考えをお聞かせください。

日本の企業がイスラエルに出店することは、その企業のイスラエルへの友好的な姿勢を示すだけでなく、現地において「日本はイスラエルに友好的である」というメッセージとして機能します。イスラエルにおいて今後オープンする「ハローキティの店」の運営形態がどのようなものであれ(御社のフランチャイズ店であれ、単なる卸売り先であれ)、このような機能を果たしてしまうこと自体は変わりありません。イスラエルによる相次ぐ暴力に反対する日本の市民として、そのような関係に巻き込まれることに対し、私たちははかり知れない精神的苦痛を感じます。どうか私たちの懸念を真摯に受け止め、十分ご検討の上ご回答頂けますよう、よろしく申し上げます。
                                       2011年7月9日                                 
ミーダーン〈パレスチナ・対話のための広場〉  チェチェン・ニュース
アジア太平洋資料センター    核とミサイル防衛にNO! キャンペーン

(イスラエル)BOYCOTT! グループ イスラエル市民からの要請

イスラエル国内でBDSキャンペーンに取り組む「BOYCOTT!」グループからもサンリオ宛に要請文が送られています。



2011年7月4日
株式会社サンリオ代表取締役および役員の皆様

イスラエル市民からの要請
――無印良品を見習い、アパルトヘイト国家イスラエルにハローキティ・ストアを出店しないでください!

拝啓

私たちはイスラエル市民によって構成されているグループです。私たちは、イスラエルの諸政策への抗議として行われているパレスチナ市民社会からのボイコット・資本引揚げ・経済制裁(BDS)の呼びかけを支持しています。私たちは、貴社がイスラエルのフランチャイズ企業リーダー・ブランズと提携してギヴアタイムにハローキティ・ストアを出店し、さらに他のイスラエルの町にも出店するという決定をされたことについて、大変残念なことだと考えています。貴社のこの決定は、イスラエルが何百もの国連決議を無視して、パレスチナ人に対する残虐な占領とアパルトヘイト政策を強化している、まさにそのただ中でなされています。

イスラエルに出店することがイスラエルのアパルトヘイト政策を利すると考える大きな理由のひとつは非常に単純なものです:イスラエルの軍事占領下で暮らしているパレスチナ人達は、貴社が出店を計画されている町の中に入ることさえも許されていないのです!

西岸地区における移動制限は、ギヴアタイム(あるいはテルアヴィヴ)における「普通のビジネス」とパレスチナ被占領地におけるアパルトヘイトとのあいだに見られる際立った差異を示す一例に過ぎません。イスラエルによるパレスチナ人に対する人権侵害は、そうした不正を遙かに超えたものです:

パレスチナの村々に対して毎晩のように行われている暴力的な侵攻、11歳の子供さえ対象とする系統的な逮捕・拘束、非暴力のデモ参加者の殺害――これらは、バラバラに行われている残虐行為ではありません。これらは、ひとつの抑圧システムとして機能しており、いかなる批判や改善を求める国際機関による勧告によっても実質的に変わることはなかったのです。

イスラエルによる人権侵害は、国連、あるいは、アムネスティ・インターナショナルやオクスファムなど、高く評価されている人権団体によって立証されており、国際的な司法機関によって違法であると認定されています。イスラエルに対する確固とした具体的圧力の必要は、ガザ地区における「封鎖の即時無条件かつ完全な解除」をもとめた、21の人権団体による最近のレポートのなかでも強調されていることです。ガザにおいてイスラエルは生活物資の搬入に対して「熟慮された制限」と呼ばれる政策を行っています。そこでは、住民たちを栄養失調寸前の状態に留め置くために、搬入される食糧の量が数学的手法によって計算され、必要とされる物資の量に対し、平均して3分の1以下しか許可されていないのです。

イスラエルは、国際社会によってもはや容認されてはならない人種主義や民族浄化を実行し、また、合法化しています。かつて南アフリカに対して必要とされたときと同様、イスラエルに諸政策に対して国際的な圧力をかけることが強く必要とされています。昨年、日本企業の株式会社良品計画が、私たちの要請、そして世界中からの要請を聞き入れ、イスラエルに出店しないことを決めたとき、うれしく思いました。

かつて、南アフリカが国連の経済制裁下にあったとき、日本企業は同国の企業と広範なビジネスを行い、その誤った行為は厳しい批判にさらされました。私たちは、貴社がアパルトヘイト国家イスラエルにチェーン店をもつ最初の日本企業になることによって、不名誉を被ることにならないよう心から願っています。

そして何よりも、人間としての基本的権利と尊厳を得るために闘っているパレスチナ人達の声をどうか聞いてください。彼等は、人種差別・占領・アパルトヘイトについてイスラエルが何ら処罰の対象とされないという歴史を終わらせることを要求しているのです。

私たちは、貴社がイスラエルにハローキティ・ストアを出店する計画を再考されることを強く要請します!

この件について、貴社からの返信をお待ちしています。

敬具

イリス・バル
ロニー・バルカン
コニー・ハクバース
イリス・ヘフェツ
シル・ヘヴェル
ヤエル・カフン
リアド・カントロウィッチ
アッサフ・キンツェル
レラ・マザリ
エド・メディクス
ドロシー・ナオル博士
オフェル・ネイマン
ジョナサン・ポラック
レネン・ラズ
ヨナタン・シャピラ
ヨナタン・スタンツァック
エイナト・ワイツマン

英語原文
http://boycottisrael.info/content/sanrio-please-follow-muji-and-refrain-opening-hello-kitty-stores-apartheid-israel

(アメリカ合州国)アンナ・バルツァーさん ハローキティ・ストア出店中止を求める要請書

以下の文章は、アメリカでパレスチナ連帯運動に取り組んでおられ、2010年11月には日本にも来日されたアンナ・バルツァーさんからサンリオ宛に送られた要請書です。



2011年6月21日

辻信太郎様/株式会社サンリオ御中

イスラエル/パレスチナにおけるすべての人々に自由と平等が保障されるべきだと信じる一人のユダヤ系アメリカ人として、私は、「ハローキティ・ストア」をイスラエルにつくらないよう、貴社に要請します。

イスラエルは、多くの手段を通じてパレスチナの人々の基本的人権を侵害しています。

  • 西岸地区のパレスチナ人は、人種隔離された道路や法システム、日々の暴力や嫌がらせによって特徴づけられる残虐な軍事占領の下で生活しています。非暴力的な民衆抵抗の指導者を含め、何千人ものパレスチナ人の人権活動家が裁判もないまま投獄されています。イスラエルの違法な入植地や「壁」によって、土地は奪われ、パレスチナの農民や家族達は、学校や職場、病院に行くことができず、生活必需品を得ることもできずにいます。西岸地区は、いくつもの「バンツースタン」に分断されてしまっています。

  • ガザ地区のパレスチナ人は、イスラエルによる封鎖の下で生活しています。国連パレスチナ難民救済機関のスポークスマンであるクリス・ガンネスによると、ガザの封鎖は、「何十万人もの、本来生産的であるはずの人々を絶対的な貧困に追いやり、絶望的な生活に陥れている」のです。国際法に違反するかたちで、イスラエルは、ガザの市民、女性や子供達に対し、白リン弾やアメリカ製の兵器を系統的に使用しています。そして、何千人もの人々を殺害し、学校や病院、水道などの基本的インフラを破壊しています。

  • イスラエル領内に暮らすパレスチナ人は、非ユダヤ人市民として、ユダヤ人市民との平等を否定するアパルトヘイト・システムの下で暮らしています。イスラエルのアパルトヘイト法は、[非ユダヤ人市民に対して]土地所有や居住、就労、結婚において、制限を課しており、それは、[かつてのアメリカにおける]ジム・クロウ法に様々な点で類似したものです

  • 何百万人ものパレスチナ人のムスリム、そしてクリスチャンは、1948年のイスラエル建国の際に彼らの家族が故郷から避難、あるいは追放されて以来、難民生活を強いられています。イスラエルは、彼らがただユダヤ人でなはいというだけの理由で、これらの難民たちが、自分の家や土地に帰還するという、国際的に認められた権利を否定し続けています。


イスラエルへの出店は、イスラエルのアパルトヘイト政策を正当なものとする印象を与えるものです。

アパルトヘイト時代の南アフリカの場合と同じように、世界中の個人や組織が、イスラエルに対して、アパルトヘイト国家と「通常のビジネス」を行うことはできないということを示すことは、決定的に重要なことです。

ありがとうございます。

アンナ・バルツァー


【原文】

Dear Shintaro Tsuji and Sanrio Company, Ltd.,

As a Jewish American who believes in freedom and equal rights for all people of Israel/Palestine, I urge you not to open a Helly Kitty store in Israel. Israel is violating the fundamental human rights of the Palestinian people in a myriad of ways:

  • Palestinians in the West Bank live under a brutal military occupation characterized by segregated roads and legal systems, daily violence, and humiliation. Thousands of Palestinian human rights activists, including leaders of the nonviolent popular struggle, have been imprisoned, many without charge or trial. Israel’s illegal settlements and Wall confiscate land and separate Palestinian farmers and families from their schools, jobs, hospitals, and livelihoods, dividing the West Bank into Bantustans.

  • Palestinians in the Gaza Strip live under an Israeli blockade that “deliberately impoverishes … and condemns hundreds of thousands of potentially productive people to a life of destitution,” according to Chris Gunness, spokesperson for UN Relief and Works Agency. Contrary to international law, Israel has systematically employed white phosphorous and U.S. weapons against civilian men, women, and children in Gaza, killing thousands and destroying basic infrastructure such as schools, hospitals, and water sources.

  • As non-Jewish citizens, Palestinians inside Israel live under an apartheid system that denies them equal rights to their Jewish counterparts. Israel’s apartheid laws restrict land ownership, housing, employment, and marriage, in many ways resembling Jim Crow.

  • Millions of Palestinian Muslims and Christians live in exile since their families fled or were expelled in 1948 during Israel’s creation. Israel has denied these refugees their internationally-recognized right to return to their homes and lands, simply because they are not Jewish.

Opening a store in Israel would lend an air of legitimacy to Israel's apartheid policies.

As was the case with Apartheid South Africa, it's critical that individuals and organizations around the world show Israel that there can be NO "business as usual" with an apartheid state.

Thank you,

Anna Baltzer