2011年07月14日
(東京)ミーダーン〈パレスチナ・対話のための広場〉他3団体 イスラエルにおける「ハローキティの店」開店に関する質問状
東京を中心に活動するミーダーン〈パレスチナ・対話のための広場〉、チェチェン・ニュース、アジア太平洋資料センター、核とミサイル防衛にNO! キャンペーンの4団体が連名で、イスラエルにおける「ハローキティの店」開店に関する質問状を7月9日付で送付しました。
==============
株式会社サンリオ 代表取締役社長
辻 信太郎様
私たちは、イスラエルによるパレスチナの軍事占領とパレスチナ人抑圧に反対し、イスラエル/パレスチナの地で生きるすべての民族が対等に共存することを願い求める日本の市民です。
このたび私たちは、インターネット・サイト「ynet news」などにより、イスラエルで「ハローキティの店」がオープンするとの報道を目にしました。すでにイスラエルにはサンリオのキャラクターを用いた商品は流通しているようですが、御社の商品を扱う店舗がオープンするということは、影響力の点でこれまでにない大きな意味を持つかと思います。
私たちの中には、子どもの頃にサンリオ商品を愛用しており、自らの子ども時代の思い出の一部として、その記憶を大切にもち続けている人もいます。3月11日の震災後、東北地方への支援物資の中には、きっとたくさんのサンリオのキャラクター商品が入っていたことでしょう。御社の開発してきたキャラクターや、それらに関わるストーリーは、子どもたちの夢やあこがれを代弁する存在であり、世代や性別を越えて多くの人たちの共感を得ていると思います。
その御社が、パレスチナの地を軍事力で支配し、子どもを含む多くの民間人を殺害し続けているイスラエルの企業と提携し、かの地での市場開拓を目指すことについては、私たちにとって衝撃であり、たいへんな違和感を覚えております。サンリオもまた「儲かりさえすればいい」という利益至上主義に立つのかと残念な気持ちになりますし、今後は「キティちゃん」を目にしても「キキ・ララ」に再会しても心がときめくことはないでしょう。日本を含め、国際社会の多くの市民たちが、サンリオに対して幻滅していくことを考えると、このたびの判断が御社に「利益」をもたらすことはあり得ないことを、御社にお伝えしたいと思います。
さて、イスラエルにおける「ハローキティの店」オープンに関して御社が何らの情報も開示されていないなかで、確認させて頂きたい点も多々あります。つきましてはご多忙のところたいへん恐縮ですが、以下の各項目につき、ご回答を頂けますよう、お願い申し上げます。市民・消費者の声に対し、誠意をもってお答え頂けるものと信じております。
1.イスラエルは1967年以来パレスチナを軍事占領し、パレスチナ人の人権侵害を続けており、ヨルダン川西岸地区における「分離壁」建設に関しては、国際司法裁判所から「占領地での分離壁建設は違反であり、中止・撤去すべき」との勧告的意見を言い渡されています。私たちはこのような事実から、イスラエルへの資本投下のみならず、日本企業のイスラエル企業との一切の提携、協力関係を認め難いと考えております。イスラエルの企業の利益は税としてイスラエル政府に還元され、占領地の維持を含むイスラエルの軍事予算として使われるからです。この点につき、御社のお考えをお聞かせ頂ければと思います。
2. イスラエルは2008年12月27日から3週間あまりにわたり、パレスチナのガザ地区を大規模侵攻し、18歳未満の子ども313人を含む、1400人あまりのパレスチナ人を殺害しました。イスラエルはこの攻撃について一切謝罪を行っておらず、イスラエルがパレスチナを軍事占領し続けている以上、このようなことがいつまた起こらないとも限りません(比較的小規模な軍事侵攻やパレスチナ人の殺害は頻繁に起きています)。このような国に御社が出店をされることは、子どもたちに愛され親しまれるキャラクターを数多く作り出してきた御社のイメージを大きく傷つけ、御社の企業活動への信頼を損なうものだと思います。この点につき、御社のお考えをお聞かせ頂ければと思います。
3. 現在イスラエル国会では、イスラエルに対する国際的なボイコットに対処することを目的とした「反ボイコット法案」が審議されています。これが法律として成立すると、イスラエル企業が入植地への製品販売を拒否した場合、処罰の対象となります。したがって法案が通過した場合、イスラエルにおける御社の提携企業が今後、軍事占領地内にある入植地に向けた業務展開を行う可能性も十分考えられますが、こうした現地事情についての調査はされているのかどうか、教えてください。
4.ここで言う入植地は、その建設自体が国際法違反であり、これは日本政府も認めるところです。したがって、御社がイスラエル企業と提携することは、入植地での経済活動という国際法違反の行為に対し、御社が直接協力することにつながります。このことは御社のコンプライアンス憲章にある「国内外の法令や社会規範及び会社規程を遵守」することと矛盾しますが、どうお考えになりますか。
5.また、イスラエルでの同法案の成立のいかんにかかわらず、既存の入植地の撤去の意思を示さないばかりか、入植地建設を続行するイスラエル企業との提携を行うこと自体、「世界中がみんな“なかよく”」との御社の理念とは相容れないと思います。「世界中がみんな“なかよく”」とは、少なくとも犯罪行為に目をつぶって誰とでもやみくもに「なかよく」することを目指すものではないはずですし、もしも御社がその理念を具体化しようとするのであれば、イスラエルの占領政策によって被害を被っているパレスチナの人々、とりわけパレスチナの子どもたちにまず目が向けられるべきでしょう。この点につき、御社のお考えをお聞かせください。
日本の企業がイスラエルに出店することは、その企業のイスラエルへの友好的な姿勢を示すだけでなく、現地において「日本はイスラエルに友好的である」というメッセージとして機能します。イスラエルにおいて今後オープンする「ハローキティの店」の運営形態がどのようなものであれ(御社のフランチャイズ店であれ、単なる卸売り先であれ)、このような機能を果たしてしまうこと自体は変わりありません。イスラエルによる相次ぐ暴力に反対する日本の市民として、そのような関係に巻き込まれることに対し、私たちははかり知れない精神的苦痛を感じます。どうか私たちの懸念を真摯に受け止め、十分ご検討の上ご回答頂けますよう、よろしく申し上げます。
2011年7月9日
ミーダーン〈パレスチナ・対話のための広場〉 チェチェン・ニュース
アジア太平洋資料センター 核とミサイル防衛にNO! キャンペーン
(イスラエル)BOYCOTT! グループ イスラエル市民からの要請
イスラエル国内でBDSキャンペーンに取り組む「BOYCOTT!」グループからもサンリオ宛に要請文が送られています。
2011年7月4日
株式会社サンリオ代表取締役および役員の皆様
イスラエル市民からの要請
――無印良品を見習い、アパルトヘイト国家イスラエルにハローキティ・ストアを出店しないでください!
拝啓
私たちはイスラエル市民によって構成されているグループです。私たちは、イスラエルの諸政策への抗議として行われているパレスチナ市民社会からのボイコット・資本引揚げ・経済制裁(BDS)の呼びかけを支持しています。私たちは、貴社がイスラエルのフランチャイズ企業リーダー・ブランズと提携してギヴアタイムにハローキティ・ストアを出店し、さらに他のイスラエルの町にも出店するという決定をされたことについて、大変残念なことだと考えています。貴社のこの決定は、イスラエルが何百もの国連決議を無視して、パレスチナ人に対する残虐な占領とアパルトヘイト政策を強化している、まさにそのただ中でなされています。
イスラエルに出店することがイスラエルのアパルトヘイト政策を利すると考える大きな理由のひとつは非常に単純なものです:イスラエルの軍事占領下で暮らしているパレスチナ人達は、貴社が出店を計画されている町の中に入ることさえも許されていないのです!
西岸地区における移動制限は、ギヴアタイム(あるいはテルアヴィヴ)における「普通のビジネス」とパレスチナ被占領地におけるアパルトヘイトとのあいだに見られる際立った差異を示す一例に過ぎません。イスラエルによるパレスチナ人に対する人権侵害は、そうした不正を遙かに超えたものです:
パレスチナの村々に対して毎晩のように行われている暴力的な侵攻、11歳の子供さえ対象とする系統的な逮捕・拘束、非暴力のデモ参加者の殺害――これらは、バラバラに行われている残虐行為ではありません。これらは、ひとつの抑圧システムとして機能しており、いかなる批判や改善を求める国際機関による勧告によっても実質的に変わることはなかったのです。
イスラエルによる人権侵害は、国連、あるいは、アムネスティ・インターナショナルやオクスファムなど、高く評価されている人権団体によって立証されており、国際的な司法機関によって違法であると認定されています。イスラエルに対する確固とした具体的圧力の必要は、ガザ地区における「封鎖の即時無条件かつ完全な解除」をもとめた、21の人権団体による最近のレポートのなかでも強調されていることです。ガザにおいてイスラエルは生活物資の搬入に対して「熟慮された制限」と呼ばれる政策を行っています。そこでは、住民たちを栄養失調寸前の状態に留め置くために、搬入される食糧の量が数学的手法によって計算され、必要とされる物資の量に対し、平均して3分の1以下しか許可されていないのです。
イスラエルは、国際社会によってもはや容認されてはならない人種主義や民族浄化を実行し、また、合法化しています。かつて南アフリカに対して必要とされたときと同様、イスラエルに諸政策に対して国際的な圧力をかけることが強く必要とされています。昨年、日本企業の株式会社良品計画が、私たちの要請、そして世界中からの要請を聞き入れ、イスラエルに出店しないことを決めたとき、うれしく思いました。
かつて、南アフリカが国連の経済制裁下にあったとき、日本企業は同国の企業と広範なビジネスを行い、その誤った行為は厳しい批判にさらされました。私たちは、貴社がアパルトヘイト国家イスラエルにチェーン店をもつ最初の日本企業になることによって、不名誉を被ることにならないよう心から願っています。
そして何よりも、人間としての基本的権利と尊厳を得るために闘っているパレスチナ人達の声をどうか聞いてください。彼等は、人種差別・占領・アパルトヘイトについてイスラエルが何ら処罰の対象とされないという歴史を終わらせることを要求しているのです。
私たちは、貴社がイスラエルにハローキティ・ストアを出店する計画を再考されることを強く要請します!
この件について、貴社からの返信をお待ちしています。
敬具
イリス・バル
ロニー・バルカン
コニー・ハクバース
イリス・ヘフェツ
シル・ヘヴェル
ヤエル・カフン
リアド・カントロウィッチ
アッサフ・キンツェル
レラ・マザリ
エド・メディクス
ドロシー・ナオル博士
オフェル・ネイマン
ジョナサン・ポラック
レネン・ラズ
ヨナタン・シャピラ
ヨナタン・スタンツァック
エイナト・ワイツマン
英語原文
http://boycottisrael.info/content/sanrio-please-follow-muji-and-refrain-opening-hello-kitty-stores-apartheid-israel
(アメリカ合州国)アンナ・バルツァーさん ハローキティ・ストア出店中止を求める要請書
以下の文章は、アメリカでパレスチナ連帯運動に取り組んでおられ、2010年11月には日本にも来日されたアンナ・バルツァーさんからサンリオ宛に送られた要請書です。
2011年6月21日
辻信太郎様/株式会社サンリオ御中
イスラエル/パレスチナにおけるすべての人々に自由と平等が保障されるべきだと信じる一人のユダヤ系アメリカ人として、私は、「ハローキティ・ストア」をイスラエルにつくらないよう、貴社に要請します。
イスラエルは、多くの手段を通じてパレスチナの人々の基本的人権を侵害しています。
- 西岸地区のパレスチナ人は、人種隔離された道路や法システム、日々の暴力や嫌がらせによって特徴づけられる残虐な軍事占領の下で生活しています。非暴力的な民衆抵抗の指導者を含め、何千人ものパレスチナ人の人権活動家が裁判もないまま投獄されています。イスラエルの違法な入植地や「壁」によって、土地は奪われ、パレスチナの農民や家族達は、学校や職場、病院に行くことができず、生活必需品を得ることもできずにいます。西岸地区は、いくつもの「バンツースタン」に分断されてしまっています。
- ガザ地区のパレスチナ人は、イスラエルによる封鎖の下で生活しています。国連パレスチナ難民救済機関のスポークスマンであるクリス・ガンネスによると、ガザの封鎖は、「何十万人もの、本来生産的であるはずの人々を絶対的な貧困に追いやり、絶望的な生活に陥れている」のです。国際法に違反するかたちで、イスラエルは、ガザの市民、女性や子供達に対し、白リン弾やアメリカ製の兵器を系統的に使用しています。そして、何千人もの人々を殺害し、学校や病院、水道などの基本的インフラを破壊しています。
- イスラエル領内に暮らすパレスチナ人は、非ユダヤ人市民として、ユダヤ人市民との平等を否定するアパルトヘイト・システムの下で暮らしています。イスラエルのアパルトヘイト法は、[非ユダヤ人市民に対して]土地所有や居住、就労、結婚において、制限を課しており、それは、[かつてのアメリカにおける]ジム・クロウ法に様々な点で類似したものです。
- 何百万人ものパレスチナ人のムスリム、そしてクリスチャンは、1948年のイスラエル建国の際に彼らの家族が故郷から避難、あるいは追放されて以来、難民生活を強いられています。イスラエルは、彼らがただユダヤ人でなはいというだけの理由で、これらの難民たちが、自分の家や土地に帰還するという、国際的に認められた権利を否定し続けています。
イスラエルへの出店は、イスラエルのアパルトヘイト政策を正当なものとする印象を与えるものです。
アパルトヘイト時代の南アフリカの場合と同じように、世界中の個人や組織が、イスラエルに対して、アパルトヘイト国家と「通常のビジネス」を行うことはできないということを示すことは、決定的に重要なことです。
ありがとうございます。
アンナ・バルツァー
【原文】
Dear Shintaro Tsuji and Sanrio Company, Ltd.,
As a Jewish American who believes in freedom and equal rights for all people of Israel/Palestine, I urge you not to open a Helly Kitty store in Israel. Israel is violating the fundamental human rights of the Palestinian people in a myriad of ways:
- Palestinians in the West Bank live under a brutal military occupation characterized by segregated roads and legal systems, daily violence, and humiliation. Thousands of Palestinian human rights activists, including leaders of the nonviolent popular struggle, have been imprisoned, many without charge or trial. Israel’s illegal settlements and Wall confiscate land and separate Palestinian farmers and families from their schools, jobs, hospitals, and livelihoods, dividing the West Bank into Bantustans.
- Palestinians in the Gaza Strip live under an Israeli blockade that “deliberately impoverishes … and condemns hundreds of thousands of potentially productive people to a life of destitution,” according to Chris Gunness, spokesperson for UN Relief and Works Agency. Contrary to international law, Israel has systematically employed white phosphorous and U.S. weapons against civilian men, women, and children in Gaza, killing thousands and destroying basic infrastructure such as schools, hospitals, and water sources.
- As non-Jewish citizens, Palestinians inside Israel live under an apartheid system that denies them equal rights to their Jewish counterparts. Israel’s apartheid laws restrict land ownership, housing, employment, and marriage, in many ways resembling Jim Crow.
- Millions of Palestinian Muslims and Christians live in exile since their families fled or were expelled in 1948 during Israel’s creation. Israel has denied these refugees their internationally-recognized right to return to their homes and lands, simply because they are not Jewish.
Opening a store in Israel would lend an air of legitimacy to Israel's apartheid policies.
As was the case with Apartheid South Africa, it's critical that individuals and organizations around the world show Israel that there can be NO "business as usual" with an apartheid state.
Thank you,
Anna Baltzer


