血統(2)

今日移動中にちょっと時間が空いたので本屋に避暑しに逃げこんだんですよ。で、久々に音楽雑誌を立ち読みしたんですけど、知らぬ間にエアロスミスだのMr.BIGだのが復活してるんですね。あとメイデンとかスコーピオンズとかがいまだに元気。
自分が小学生の頃は「ロックの人は怖い人。ヘビメタなら破壊力倍増。」くらいの感覚だったんですけど、今見るとこの人達みんな「真面目で性格良さそう。」という感想しかない。皮肉ではなく良い意味でね。



ところで小島太一騎手がTwitterで「騎手寮の廊下に木刀が落ちている」という事を画像付で報告しているのですが・・・
美浦トレセンの騎手寮で木刀発見しちゃまずいだろ!!。持ち主は多分最近再婚した人だよ(笑)。それでも太一は「誰か銀魂のコスプレでもするのかな?」と期待通り過ぎるコメント。さすがだ。


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さて昨日の続きです。
昨日は「血統の大まかな分類」を書いたんですけど、一般的な血統予想家の方が観たら「こいつは血統の事を何も理解していない。」という判断をすると思います。
何故か。
一般的には血統の「大系統」というと
ノーザンダンサー
ターントゥ系
ナスルーラ
ネイティブダンサー系
その他零細血統
という分け方をするからです。


血統の教科書を作る事が目的なら、まずこの分類を書くのが筋でしょう。「血統検定」みたいな資格があるとしたら、合格するためには初歩中の初歩の知識と言えると思います。
でも、ミスプロ以外のネイティブダンサー系は「ヨーロッパ型」か「その他スピード血統」に組み込む方が実践的だし、「ナスルーラ」という区分けで血統傾向を探る事なんてほとんどないですからね。例外的に新潟直線はバクシンオーもブラッシンググルームもボストンハーバーも全部「ナスルーラ」という区切りで好走するんですけど、ほとんどの場合はナスルーラノーザンダンサーの中で「ヨーロッパ型」と「アメリカ型」、それ以外の個別な特長があるバクシンオーやボストンハーバー、という区分けをするからです。
どの種牡馬がヨーロッパ型なのかアメリカ型なのかわからない・・・
こればっかりは名前を良く目にする種牡馬は片っ端からググって行くしかないのではないでしょうか。「ダンシングブレーヴって言う名前良く目にするなあ→なるほど。凱旋門賞を勝っているのか。これはつまりヨーロッパなんだな」みたいに。Winning Postみたいな競走馬育成シミュレーションゲームをやると覚えが早いです。これくらいは「知らなかった過去の名馬の事を知る事ができて楽しい!」くらいに思える人じゃないと、血統予想は向かないと思います。


さらに今日はもう一つ。
一般的に「血統予想」という場合、それはそのまま「父系」の事を言います。「今の馬場はやたらにグレイソブリンが来ている」等と言う場合は、父方の先祖を辿って行って「Grey Sovereign 」という名前が出てくる馬全てが対象になります。血統表に関してはnetkeiba等を観るのが手っ取り早いでしょう。
さらに、母父=要するに母馬がどの系統かも対象にする場合があります。ノーザンテーストのように母父に入った時の方が効力を発揮する場合も有ります。


ところが、ここ数年、具体的に言うとサンデーサイレンスがいなくなって以降父と母父だけでは血統予想の効力がなくなってきています。そもそもITの進化で、「2010年小倉第1回開催3週目の好走馬の種牡馬傾向」なんてものは小学生でも詳細にデータを手に入れられる時代です。


そこで、この2年程で私は血統へのアプローチにマイナーチェンジを施しまして、「父母父」の比重をぐんと上げました。まあ父母父は父の重要な構成要素になる訳で「父の傾向」と「父母父の傾向」は似ている部分が当然出てくるんですけど、「父母父」の方が一世代上な分傾向のデータが桁違いに多いわけで、まだサンプル数の少ない若い種牡馬の産駒の傾向を予測するには圧倒的に効力を発揮します。
例えば、今年の春何度も書いた(A)「阪神芝1400はノーザンダンサー系が強い。とりわけダンチヒ特注」という傾向。このコースで(B)グラスワンダー産駒(父母父ダンチヒ系)が良く好走するというデータは、ちょっと調べれば誰もが手に入れられる訳ですが、A,Bを合わせて考えると、どうやら父母父のダンチヒが効力を発揮してグラスワンダー産駒が阪神1400で好走するのだなと推測が成り立つ。そうなると、まだサンプル数の少ないニューイングランド産駒やアグネスデジタル産駒(いずれも父母父ダンチヒ系)もこのコースで強いのではないの?という買い方ができる。さらに「母父にダンチヒが入るとこのコースに向くのなら、母父ダンチヒ系のアイアムカミノマゴも向くんじゃないの?」という理由で阪神牝馬Sで買う事ができる。という事になるわけです。そうなるとまだまだ産駒デビューが先のディープスカイ産駒もこのコース強いのかなあと推測ができる。もちろんダンチヒ直系のロックオブジブラルタル産駒なんかもいけそうですよね。


こんな感じで、一般的な「血統」の区別とこのブログでの区別は食い違う事が多々あります。たとえば、サンデー系の種牡馬は「サンデー」でまとめる事に最早弊害が出ているくらい多岐に渡ってしまっているので、基本的には「父母父」で区別します。前述のニューイングランドは「(サンデーで強化された)ダンチヒ」としてますし、ダンスインザダークは「ヨーロッパ型」としています。