2012-01-28
客は「来ない」「買わない」が当たり前
店に客が来ない。
来ても買わない。
それを嘆く店主をよく見かけます。
でも、客はその店のことばかり考えているわけではありません。
その店で買わなければならないと決めているわけではありません。
あなた自身、自分の行動を見たらそうでしょう。
毎日、いろんな情報に囲まれて生活している。
何となく街やSCに出かけてみる。
入ってみたくなる店を見つけたら入ってみる。
面白そうな商品や店員の共感する提案と出会ったら、「買う」という行動に結びつく。
それらの出会いがなかったら、どこの店にも入らないで、何も買わないで帰ってくる。
ということは、客との出会いの場をつくる努力をしないと、来店もしてくれないし、買ってもくれない。
客は「来ない」「買わない」が当たり前だということ。
商売は、そこから始るのではないでしょうか。
2010-12-03
「面白看板製作所」を開設しました。
人は「元気な処」「面白い処」に集まります。
最近、どこの街も人通りが少ないのが残念です。
不況のせいはもちろんありますが、それでも集まるところには集まっています。
自分の街を見ても、以前と比べてどの店も元気がなくなったし、店の外観や看板が年々チープでつまらないものばかり。
まわりが面白くなくなった反動なのか、私の会社の前を通る人の反応がスゴイのです。
「何これ〜」とか「スゴ〜い」とか「きゃ〜、かわいい」とか。
会社の建物を見て、しばらく立ち止まったり、敷地の中に入って興味深く眺めている人。
その反応を毎日見ていると、この仕事の重大な意義を痛感します。
世の中の看板が「実用性」と「低コスト」重視になり、インクジェットとLED看板が反乱する今日。
人々の気持ちの高まりもなく、消費意欲も冷え込んでいくのを痛切に感じます。
私の会社は、一般の看板屋さんがつくるような普通の看板は一切作っておりません。
基本的には看板材料は使用せず、デザインが決まってからどんな材料を使うかを検討します。
面白くなければ、看板の効果も役割も期待できません。
面白いから、目にとまる。
面白いから、お店に興味を持つ。
看板の役割は、人の心をキャッチすることです。
そのことを、もっともっと多くの人に知ってもらいたい。
そんな看板が街を楽しく彩る。
そんなことを期待して、「面白看板制作所」のサイトを立ち上げました。
ぜひご覧ください。
「面白看板製作所」はこちらからどうぞ!
2010-05-11
安売りは麻薬
カバのアングル |
日本中が安売りムードです。
ユニクロ、ニトリ、すき家、ヤマダ電機・・・枚挙にいとまがありません。
しかも、とどまることを知りません。
「安売り」を企業の使命、企業のコンセプトとして積極的に行っているのならば、とりあえず是としましょう。
大半の企業は、「生き残るため」「仕方なく」安売りに走っているのが現状だと思います。
安売り競争に一旦入ってしまったら、もう泥沼です。
抜け出せません。
しかも、どこまで下げても終わりのない底なしの沼です。
リーグ戦(総当たり勝ち残り線)のゲームと同じ。
チャンピオンだけしか生き残れないのです。
最後まで勝ち残る自信がなければ、絶対に参戦してはいけません。
万が一チャンピオンになって生き残っても、買ってくれていた客も弱り果てて来なくなって結局は行き詰まり。
もうひとつ、安売りには落とし穴があります。
他社が絶対に対抗できないような極端な安値をつけたとします。
通常「相場が1,000円」の商品を「信じられない100円」とか。
その瞬間だけは客が殺到し、大成功のように見えます。
でも、次にまた100円で売っても消費者はもう飛びつきません。
もう、消費者にとって相場が100円になってしまっているのです。
どうやら今の日本人は経済感覚が完全にマヒしているようです。
自分の収入だけは相場に厳しいくせに、高いコストのかかっている商品やサービスが「0円」で売られても何の疑問も感じなくなってしまった。
0円ビジネスの弊害です。
今の日本では、例えどんなに安売りしても、効果があるのはその瞬間だけで、その次の瞬間にはもう当たり前になってしまい、安売りのインパクトは継続しないのです。
このまま安売り競争を続けていくと、企業は減り、雇用も給与も減り、限りなく縮んでいく。
日本の消滅です。
まずは安売りという麻薬を断ち切ること。
そのためには人と同じ土俵に入らないこと。
独自のビジネス領域、独自の商品や技術の開発。
つまり、それぞれの企業がオンリーワンを目指すことだと思います。
2010-05-09
オンリーワンのすすめ
カバのアングル |
ちょっと前にSMAPの「世界にひとつだけの花」がヒットし、卒業式などでもよく歌われました。
日本中で「オンリーワン」という言葉が飛び交っています。
経営セミナーなどに行くと経営コンサルタントの先生が「これからはオンリーワンをめざせ」と講義しますが、具体的な話しになるとちっとも「オンリーワン」ではありません。
最近の耳タコ言葉「エコ」と同じ、本質の抜けた一過性の流行語を念仏のように唱えているに過ぎません。
今の日本人で「エコ」の本質を真剣に考えている人がどれだけいるでしょうか。
単にエコ家電のエコポイントやエコカー割引に湧いているだけで、エコ意識が高まっているとは思えません。
「オンリーワン」も同じこと。
企業間の同質化による価格競争を抜け出すには「オンリーワン」をめざさなければいけないことは、たいていの経営者は知っているはずです。
でも具体的にはどうしていいかわからず、結局は同質化から抜け出せないでもがいている。
最近の若い人たちを見ても同じです。
個性個性と言いながら、周りと同じことばかりやっている。
個性どころか皆「金太郎飴」です。
偏差値教育、画一的なマニュアル教育の弊害ですね。
しかも、情報化社会の波に飲み込まれている。
外国とりわけヨーロッパでは人と違いを大切にするのに対し、日本人はどうも人との違いを不安がるようです。
だから、どんなにヤバい状況下でも人と同じであることに安心を覚える。
周りがそうだから自分もそれでいい。
変な国民性です。
「皆ががんばるから私もがんばる」国民全員がこぞって一生懸命に働き、世界一勤勉とまで言われるほどがんばりました。
でもここから先は、人と同じことをやってはいけないのです。
では、現実的に具体的にオンリーワンを実践するにはどうすればいいのかです。
残念ながら日本の従来の教育ではまったく教えてくれていません。
ならばオンリーワンを実践している人や企業を見つけて、見様見まねで身に付けていくしかありません。
私は、24、5年前から「オンリーワン」をめざし始めました。
「定年のない職業で一生現役で働きたい」と10年間勤めた会社を辞めた36歳の時からです。
その後、「花王ノンライバル経営」という本と出会ってピンとくるものがありました。
その頃私はVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)の仕事をしていて、家電や化粧品、食品メーカーを相手に「売り方提案」をしていました。
花王が入浴剤「バブ」を新発売する時のことです。
入浴剤といえばそれまでは津村順天堂のバスクリンがトップで、ダントツでした。
そんな市場に参入する花王の戦略がすごく勉強になりました。
津村順天堂とはまったく異なる市場の入浴剤をめざしたのです。
どっちも同じ入浴剤だから異なる市場なんてあり得ない、と普通の人は考えます。
それは従来の考え方、固定観念です。
津村順天堂は「肩こりリューマチにバスクリン」。
つまり、中高年者がターゲットです。
それに対して、花王は「美しい肌にバブ」。
つまり、若い女性がターゲットなのです。
発売後、バブは大ヒット。
同じ入浴剤でありながら、まったく新しい市場をつくったのです。
私はサンヨー電機の独身家電「it's」のVMDにも参加しました。
従来の家電の概念を超えた「家電はインテリア」というコンセプトです。
これも大ヒットし、以来今でも続いているロングヒット商品です。
この二つの例から「コンセプトづくり」ということを学びました。
このように、同じように見える商品やサービスでも、コンセプトを変えればまったく違う土俵ができます。
市場が異なるわけですから、競争ではありません。
最近変わった旅行会社があることを知りました。
ワイバードという会社で、何とバードウォッチングツアー専門の旅行会社です。
旅行業界全体で「格安」「激安」が飛び交う中、あっぱれです。
ついでに、私が身近に見つけた成功例もご紹介しましょう。
町の社交ダンス場。
昔懐かしの歌声喫茶。
などなど。
いつもオンリーワンばかり追い求める私は、毎日のようにオンリーワンの事例と出会います。
ヒントは、ビッグなメジャー市場ではなく、小さな市場ならいくらでもあるということです。
マスコミやインターネットの情報に惑わされずに、自分を細めてまわりを見渡すことだと思います。
昔、寺山修司の「書を捨てよ、町へでよう」という本がありましたが、「TVやパソコン、携帯電話を捨てて、町を歩こう。人と会おう」です。
2010-01-30
新しいタイプの「手書き風立体文字」の制作
制作現場 |
都内のらーめん店「麺や雄」の立体文字の制作です。
持ち込まれたのはご覧のようなスミべたの文字原稿だけ。
これを手書き文字風な立体文字にして欲しいという依頼です。
従来のカルプ文字やチャネル文字ようのな厚板を文字の形に切り抜くだけの単純な加工ではありません。
角を丸めたり、カマボコ風にするだけでもダメです。
手書き文字を立体にするということは、筆圧による高低差を表現しなければなりません。
生の毛筆文字なら筆順や筆圧、かすれ、重なりなどが読み取れるのですが、平坦なベタ原稿から推測しなければならないので、作り手の感性に大きく左右されます。
新しいタイプの仕事は、私が自らやってみるようにしています。
どこに問題があるか、どんなトラブルが発生しやすいかなど、把握しておく必要があるからです。
まずは、文字の形にスタイロフォームを切り抜いて、山と谷を下書きしていきます。
筆の重なり部分の境界線も推測で下書きします。
あとは自分が文字を書く気分で鋸やカッター、ワイヤーブラシ、紙やすり、スポンジヤスリなどを使い分けて削っていきます。
文字の輪郭は正確に。
しかし、表面の表情は手書きのファジーさを出さなければいけないので、ちょっと緊張します。
はっきり言って初めてのトライです。
出来栄えとしては不安が残りますが、何とか格好にはなりました。
削り出し作業が終わる頃にようやく感覚がわかってきて、次回はここをこうしようとか、こうしたらもっと面白いものができるという工夫やアイデアがたくさん頭に浮かんできました。
あとは、屋外での耐久性と耐候性をつけるための硬質膜を表面にコーティングします。
コーティング材としては、積層用不飽和ポリエステル樹脂、硬質ウレタン樹脂、モルタル樹脂など、様々な種類の中から設置場所や求められる強度、予算などに応じて使い分けます。
ちなみに今回はセメント系保護材のライテックスを使用しました。
半日乾燥させたら研磨してまたコーティングして研磨します。
それを3回繰り返します。
結局、コーティング作業で2日間。
ライテックスを3回コーティングして研磨したら、下地処理用の専用シーラーを塗って、乾いたらシルバー塗装です。
今回は水性アクリル系塗料のシルバーを4回塗り重ねました。
まだまだ終わりではありません。
最後に、紫外線カット剤の入ったクリアを2回スプレーして完成。
制作を開始してから完成まで4日間かかりました。
今回は制作のみで、取付け施工はありませんでした。
で、後日設置後の様子を見に行きました。
心を込めて作った子供たち(立体文字)は、一際引き立って目に飛び込んできました。
看板としてお店のために1年でも長く活躍してくれることを祈りながら現場を後にしました。





