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December 01(Sat), 2012 進学か、就職か このエントリーを含むブックマーク

皆様こんばんは。就活したことない Advent Calendar 2012 - Adventarの第一弾を担当することになりましたcaesar_wanya、通称椀屋です。今回はこの「就活したことないリスト」の名前にもなっているように、進学するか、就職するかということについて書いてみたいと思います。


博士課程に進学するかということは、修士で研究生活がそこそこうまくいっている人は一度は考えることになると思います。将来研究を続けたければいずれPh.D.を取ることになるでしょうし、博士課程3年間で思うように研究をするということは、研究というものが何かわかってきた学生にとっては、非常に魅力的に映るのです。あと、博士って響きがかっこいいじゃないですか。


博士課程に進学するか就職するか、一体どちらが良いのでしょうか?

結論から言えば、答えは当人の価値観による、としか言いようがないと思うのですが。


就活したことないAdvent Calendarの記事としてはアレですが、僕はM1からM2にかけて就活はしましたし、内定も頂きました。その上で博士に行く事を選択した者の意見として読んで頂けると良いと思います。あと、筆者の分野はコンピュータサイエンスですので、その点についても差し引いて下さい。工学部ならそれなりに一般化できる内容かもしれませんが、その他の学部の博士課程についてはまた異なった事情があるでしょう。


まず、僕は進学か就職かを選択する際に、進学、就職それぞれのメリット・デメリットを考えるということをせずに、進学候補(今の研究室)と就活先(僕の場合は3つ)を並べ、その中で何が一番良いかということを考えるということをしました。3社は2社が企業研究所、1社がエンジニア採用でした。

まず、エンジニア採用の会社が最初になくなりました。採用面接で落ちたわけですが、エンジニアの方と実際に面接で話をして、自分がやりたいことと異なるというのがわかったのは大きいと思います。逆に、自分に思いがけない適性がある場合もありますので、進路の候補を絞っている人(特に博士や研究職に絞っている人)も他の業種を受けてみるというのはお勧めします。

次に、企業研究所1社が不採用になりました。ここにはインターンに行っていたこともあって、候補4つの中では実は一番志望度が高かったのですが、人事面接で落ちました。まあ、会社のカラーに合っていなかったのと、他に優秀な人がいたんだろうと思います。

もう一社の企業研究所からは内定を頂きました。ここで最後に残った選択肢として、この会社に就職するか進学するかというのが残ったわけです。


そもそも、僕は修士に入る段階で大学・研究室を変えています。これにはいくつか要員があって、

  • 前の研究室でやっていたことは前の研究室のメインストリームではなかった。
  • 今の研究がしたく、今のボスが第一人者だった。
  • 前のボスが退官間近で、博士まで行くと期間が足りなかった。

というのがあります。つまり、博士に進学する可能性を前提として置きつつ研究室を変更しているわけです。今のボスにも博士進学の可能性を伝えつつ、就活をしていました。DC1も書いて出しています(落ちましたが)。

ここでそれなりに長い時間悩みましたが、最終的に進学を決意したトリガーとなったのは、4月の国際会議論文投稿に挑戦し、ボスの指導を受けつつ一応投稿まで漕ぎ着けたことだと思います(これも落ちましたが)。論文を書くために頑張っている中で自分のやりたかったことに近づいているという感覚が得られましたし、ボスの指導で自分の能力が日々伸びていることを実感した期間でもありました。

それと同時に、こうしたやりたいことをやっている感覚と、この成長が企業で得られるかということが急に不安になりました。今思えば、企業に入ったとしてもそれはそれで得られるものがあったはずなのですが、博士課程で得られる3年の伸びしろと、企業で得られる3年の伸びしろは、博士課程の方が大きいに違いないと思ったのが、一番の理由です。


こうした僕の経験から、今から進学か就職を迷っている学生さんにアドバイスできることとしては(そういえばまさに今日から就活解禁ですね)、

  • 企業インターンには(できれば1ヶ月以上の長期)行った方が良い
  • 就活は、博士が第一志望でも何社かは受けることを勧める
  • 進学前に国際会議(誰でも通るものではなく、それなりに採択率の低いもの)には挑戦した方が良い

という3点でしょうか。

個人個人で一番大切にしたい価値観は異なりますし、環境によってその価値観が充足されるか確認するためには、実際にその環境を体験することが重要だと思います。大学にいて企業のことはわかりませんし、それを知るための場として、インターンや就職活動は重要でしょう。また、博士を取得する上で、国際会議というのはやはり避けられないものですから、その体験を(最低査読まででも)してみるというのも重要だと思います。


博士に進学するデメリットとしては、

  1. お金がかかる(3年の学費+生活費をどうするか)
  2. お金はたぶんあんまり稼げない(お金を稼ぎたいなら修士で就職した方が良い)
  3. 行ったからって確実に取れるとは限らない

といったところでしょうか。僕の場合、1はボスがRAを割り当てて下さったおかげで、学生支援機構の貸与と合わせて生活の目処が立ちました。2は、日本でお金を稼ぎたいと思っているなら本当に。3は、ボスの教育実績や人柄、指導と自分の能力、ボスとの相性を客観的に計ることが大切と思います。 多分多くの人が悩むのは1ですが、2、3も大事ですよ。

博士は修士と異なり、求められる努力すれば確実に取れるものではありませんし、自分にそれが取れる能力があるかを見極める必要もあります。また、自分がその指導教官の元できちんと博士を取れるかということについても、見極める必要あるでしょう。加えて、指導教員にも博士を取るに値する人物であるとアピールし、それを指導教員に認めてもらうことも重要です(博士に行きたいと言っている人が全員進学している研究室は、それはそれで不安になります)。

それらを承知した上で就職か進学かを迷っている方がおられれば、上記の僕の経験のように博士と企業を疑似体験して、どちらが自分の大切にしたい価値観を充足できるかというのを考えることをお勧めします。

ここではお金の話をあまりしませんでしたが、こうしたことを客観的に精査した上で博士に進学するのであれば、お金の問題もある程度自然に解決されていくのではないかというのが僕の意見です。

こんな記事でも、今迷っている方の一助になれば幸いです。

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