サウンドクリエイターになるためには

世間は今、就職活動の時期の真っ最中ですね(たぶん)。
ということで、ゲーム会社のサウンドクリエイターを目指す方々向けに、僕の就活体験談をば。


僕は某ゲーム会社にサウンド制作職として昨年の4月に入社いたしました。
僕が採用試験を受けた会社(敬称略、順不同)は、N天堂、Kナミ、BダイNムコ、Sガ、K−エー、Cプコン、などです。


それぞれの会社を受けたときの記憶や、会社に入ってから噂で聞いた他社さんの採用状況の情報をもとに、それぞれの会社の攻略法みたいなのを一社ずつ適当に書いていきます。
独断と偏見もかなり含まれておりますので、参考にされる際は自己責任にてお願い致します。



●N天堂●
会社説明会での社長の講話がとにかく魅力的でした。
当時はWiiの情報が出たばかりの頃で、その可能性にかなり惹かれたものです。
ただ、勤務地に関して「東京支社か京都本社かのどちらに勤めるか自由に選べる」と説明を受けましたが、実際にはサウンド制作職は勤務地の選択はできないようです。ご注意を。
デモテープ審査は、音作りのクオリティーよりも「曲そのもの」の良し悪しを重視している印象。
デモテープ審査通過後の試験ではその場で作った曲を楽譜に書かせたりと、音楽理論面の素養も必要なため、感覚派のミュージシャンは苦戦を強いられそう。


●Kナミ●
デモテープ審査は、作曲能力、打ち込みの技術、ミックスの技術など、総合力を重視している印象。
既存のクラシック楽曲のアレンジ課題では、「シンセサイザーを使用すること」と書いてあるため、生楽器を使ってはいけないというように誤解されがち(実際に僕もシンセのみで作りました)ですが、「シンセサイザーのみで」と書いてあるわけではないので生楽器使用もOKなようです。
合否の結果は、忘れた頃に届きます。
「○○日以内に合否結果をお知らせいたします」というような説明を真に受けると見事に裏切られますのでご注意を。


●BダイNムコ●
審査基準はKナミと同じような感じでしょうか。
デモテープの「1曲目」の完成度をかなり重視するようです。
要するに1曲目でコケたら2曲目以降がいくら良かろうがその時点でアウトです。
楽曲の解説文などでのプレゼン能力も審査基準にしているとかしていないとか。


●Sガ●
毎年出される課題「きらきら星をアレンジして1分30秒の曲を作ってください」は、当然かもしれませんが本当に「1分30秒ジャスト」でなければなりません。仕事において作る曲の尺が決められているときは1秒の誤差も許されないからです。
自由課題曲が1曲のみという前提で「4曲のデモテープを作ってください」と書かれていますが、実際は自由課題曲は何曲入れてもいいようです(僕は知らなかったので1曲だけにしました)。
面接ではデモテープの曲について細かく聞かれます。
面接官全員がちゃんとデモテープを聴いてくれているというのは、意外と珍しいように思います。曲を聴いてくれているとやはり面接でもアピールしやすいです。


●Kーエー●
採用試験に関してはとにかく驚きの連続な会社。
最初の筆記試験は一般教養の他に、Kーエーの歴史や会社の仕組みに関する問題、そして最後のほうは「IQサプリ」的な問題と、盛りだくさん。
続くデモテープ課題は、約1週間で3曲を制作するというなかなかハードなもの(Kーエーの既存曲のアレンジが2曲、オリジナル1曲)。
ここも合否結果は忘れた頃にやって来ます。
デモテープ審査を無事通過して一次面接に行くと、なぜか目の前に会長と社長が現れます。
どうやらサウンドはデモテープ受かるといきなり最終面接となる場合があるようです。


●Cプコン●
まず職種別の筆記試験。サウンドは楽典、MIDI関連、機材関連の問題、効果音についての記述問題、等。
ほぼ満点を取れた気でいてもなぜか普通に不合格になります。
試験当日に提出するエントリーシートと、その場で書かされるアンケートが、かなり重要視されている印象。
筆記試験受かったら、面接を兼ねた曲の審査です。



こんな感じです。

あとは、すべての会社について言えることは以下のような感じです。


・とにかくジャンルに幅をもたせて引き出しの多さをアピール。
ゲームサウンドクリエイターという職業を考えれば言わずもがなでしょう。


・オーケストラ系の曲を1曲入れる。
仕事でなにかと作るor触れる機会が多いジャンルなので。


・オブリを入れてアレンジ能力のアピール。
たとえメロディーとコードアレンジが良くても、バッキングがただコードをジャカジャカ鳴らしてるだけのような単調な曲では、アレンジ能力が疑われます。
気の利いたオブリを入れることでかなりアレンジの印象が変わってきます。


・会社に合った曲調を考える。
会社によって、作るゲームの特性はかなり違います。あまり会社のイメージとかけ離れた曲を作るのは危険でしょう。


・早めに応募する。
採用する側も、良い人材は早めに確保しておきたいものだと思うので、なるべく早めに応募しましょう。


・面接やエントリーシートでは、自己アピールしつつも謙虚に。
サウンドクリエイターのような開発職は、現役の開発職の方々が採用の可否を決める場合が多いです。
なので、「この人と一緒に仕事したい」と思わせなければいけません。
ヘタに自信過剰気味で自慢のような自己アピールをしてしまうと、「実力は申し分ないけれど人間性の問題で不採用」ということになってしまいます。試験官の方々に嫌われないように、出来るかぎり謙虚な姿勢で臨みましょう。



…こんな感じでしょうか。


たとえば日本Fルコムなどは応募の締め切りはなく何度でもチャレンジできるようになっているので、たとえ不運にも全社落ちてしまったような方でも、チャンスはまだいくらでも残っています。

なのであきらめずに頑張ってくださいませ。


ちなみに、新卒採用でサウンドクリエイターを募集しているゲーム会社は以下のような感じです(かなり少ないです)。


任天堂
セガ
コーエー
コナミ
バンダイナムコ
カプコン
日本ファルコム
・アトラス
アイディアファクトリー
日本一ソフトウェア
インテリジェントシステムズ
・トーセ


等。


中途採用だともう少し多いですが、ほとんどの会社は中途採用の場合「実務経験1年以上」とかが応募の必要最低条件になっています。




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