プリンセス・トヨトミ(万城目学・文芸春秋)
映画「プリンセス トヨトミ」が酷かったので,今まで我慢していた小説「プリンセス・トヨトミ」を購入して読了.普通の人達が隠している秘密をうまく描き,さらに最後にどんでん返しも用意されていて,なかなか面白かった.
映画で登場人物の男女を入れ替えるのは「チーム・バチスタの栄光」でもよくあることだが,今回に限れば映画で鳥居忠と旭ゲーンズブールを入れ替えたのは大失敗だった.結局映画には以下のような問題があるのだ.
- 鳥居忠の「ミラクル鳥居」っぷりがほとんど削除されたので,なぜ「ミラクル」なのかがわからない.映画では,代わりに綾瀬はるかの爆食シーンばかりが強調されていた.
- わざわざ真田大輔が性同一性障害という設定にした理由がなくなってしまった.これはものすごい重要だったのに….
- 旭ゲーンズブールを男にしたことにより,大阪の男と女のそれぞれの秘密がものすごく単純化・陳腐化してしまった.
- 橋場茶子がプリンセスであることを示す場面がほとんど削除されてしまった.
やっぱり,相沢友子はストーリー物はダメだと思う….