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カフェバグダッド・リブロ

2005-03-17

[]イラン売春告発映画

3月17日付朝日新聞国際面で、イラン売春問題を扱った2作品が国内で発禁となったという話題を取り上げている。一つは、「桜桃の味」でカンヌ映画祭グランプリを受賞している巨匠アッバス・キアロスタミ監督の「10話」と、もうひとつは、保守派ジャーナリストマスードデフナマキ監督の「貧困と売春」。

興味深いのは、現イスラム共和国体制に対する立場が多分かなり異なるこの2人が、売春というイラン国内の社会矛盾を取り上げたことだ。キアロスタミは、もちろん、自分から口に出しては言わないが、現体制の「表現の不自由」に不満があるはずだ。キアロスタミは、かつて、イスラム教が禁じる自殺に関する映画(といっても主人公は最終的に自殺を思いとどまる筋だが)を撮って、当局のひんしゅくを買っている。「不自由だからこそ、高い芸術が生み出せる」といった現体制をなかば認める趣旨の発言も過去にあったと思うが、それは、ある種の皮肉だ。

一方、朝日新聞記事によると、デフナマキ氏は、かつて体制派政治組織「ヒズボラ指導者だったバリバリ体制派だったが、今は、「現状に目をふさぐ体制を厳しく批判」(朝日記事)しているのだそうだ。

知人のイランジャーナリストが先日、「今や、国内に革命体制存続を願っている人は、ごくわずか」と言っていたが、現体制への幻滅の大きさは、対極の側からこうした映画が出現したことにも現れているのかも知れない。

ちなみにこちらは、本館で書いたイラン映画についての拙文

http://www.doblog.com/weblog/myblog/13743/1063838#1063838