2005-11-18
■[雑誌]クーリエ・ジャポン
本日発売の講談社の新雑誌「クーリエ・ジャポン」創刊号。世界各国のメディアの記事を翻訳紹介するスタイルで、フランスで20万部の売り上げを誇る「クーリエ・インテルナショナル」の日本語版だという。
「日本の既存メディアが伝えきれないさまざまな情報」(古賀編集長)を伝えようというこの雑誌の趣旨には、賛同したい。
それで、アラブ。アラブ世界からの唯一の長めの記事としては、シリアの会社が発売する「フッラ」人形がアラブ湾岸諸国を中心に大ヒットしているとの記事が71頁に掲載されている。アラブ圏の新聞「アル・ハヤート」からの翻訳だ。
この「フッラ」人形に関する記事、青森県の東奥日報ウェブ版にすでに掲載されている。
「既存メディア」共同通信が配信したものだ。栃木県の下野新聞にも、雑誌発売前に掲載されたようだ。どちらの記事が面白いかは、判断の分かれるところだ。「その国のメディアならではの視点で書かれた記事、あるいは他の日本メディアが伝えていない記事というのが、掲載の基準になります」(11/11付編集長ブログ中、スタッフの富倉氏)と言い切るからには、既存メディアが視線をあまり向けない本当に新鮮なニュースを伝えてほしいものだ。
また、この記事、アル・ハヤートのアラビア語を翻訳したものなのか、フランス語クーリエからの翻訳なのか、が気になる。名前などのアラビア語表記は、日本の既存メディアのスタイルを踏襲しているようにも思える。例えばアル・ハヤト。アラビア語の発音により近づけるとしたら、「アル・ハヤート」か「アル・ハヤー」だろう。「ハーレツ」は、「ハ・アレツ」、「アル・マジャラ」は、「アル・マジャッラ」だ。現地発にこだわるならば、その辺も含めて、記事が書かれた言語をしっかり意識していく必要があるだろう。「既存メディアが伝えきれない」ものを提供する、と強調するならば、既存メディアの用語使い、クーリエ・ジャポンの言葉遣いを無検証に流用することには慎重になったほうがいい。それこそ、「フランスだけが世界ではない」と言われかねない。すなわち、クーリエ・ジャポンが懸念する米国経由で日本に入ってくる国際報道の二の舞になりかねない。
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