2011-02-15
八海山と懐石料理
「ライバルはシャンパンとかビールなんです。100回でも、こういうのを開きます!」と八海山ロサンゼルス駐在の黒澤久美子さん。彼女と、「バレンタイン懐石ディナー」を企画した酒ソムリエの新川智慈子さんの元気ぶりには頭が下がる。
バレンタインデーを前に、NYの老舗ホテル、キタノにある「白梅」レストランで、懐石と八海山を楽しむイベントが、週末の2日間に渡って開かれた。
(智慈子さん、左、と久美子さん、写真Morgan Freeman)
東京にいてもなかなかいただけない、あるいは接することがない懐石に、数種類の八海山をふんだんにふるまい、しかも、的確な語彙でお酒やお料理の説明がさりげなく入る。久美子さんと智慈子さんは、大島紬などの着物姿。
バレンタインにちなんで、Kissにひっかけてキスの梅香揚げ。天国に一番近いといわれるニューカレドニアから来たエンジェル・シュリンプの海老次郎煮と、くすっとするような演出もあり、また、目でも楽しめる美しい盛りつけ。
正直言って、私にとってはニューヨークに来てから、一番満足の行く、しかも印象に残るお食事の一つだった。なぜだろうか。やはり、お料理の工夫に込められた、あるいは久美子さん、智慈子さんのもてなしの姿勢だったのではないだろうか。
高いお料理をいただいても、ただ出されるだけでは、印象に残らない。
30人のお客は誰もが、キタノの小島恭之副総支配人や久美子さんたちにお礼を言って、去って行ったし、満足しきった笑顔も印象に残った。
当日午後に到着したという純米吟醸の生酒をきんきんに冷やした一杯は、飲んだ途端に、どこのテーブルからもため息や「うーん」とうなる声が漏れた。たったおちょこ一杯で、これだけインパクトのあるものを紹介できるのも、八海山の伝統につちかわれたものだろう。
しかし、久美子さんはこういうイベントをあと100回やって、ビールやワインを凌駕したいのだと言う。社長さんも100回やれ、とおっしゃっているという。久美子さんはつい最近、ラスベガスのコスモポリタン・ホテルの客室ミニバーに八海山を入れるのにも成功した。すごいがんばりだ。
願わくば、日本の酒造業界がみなで団結して、日本酒を真に知ってもらえる日を一日でも早く達成できたら、と思う。
2011-02-11
タイムズスクエアで思ったこと
「県域免許って、だめじゃない! そんなものがあっては、革命どころか変革も起きない」
零下5度のタイムズスクエアに立っていて、突然気がついてしまった。
ムバラク大統領が会見し、退任を表明するかもしれないというCNNの報道をみながら、ニューヨーク・タイムズ本社ビルに向かう。今週開かれているSocial Media Weekのイベント「リアルタイム報道とは何か」に参加するため。
午後2時から始まり、3時にはムバラクが会見と報道されていたため、正面のスクリーンにはエジプト関連のTwitterが、刻々と映されている。
「ソーシャルメディアが何か、というと、発言することができなかった人たちが、発言を聞いてもらえるということ。弱い立場の人たちが、存在する場所ができるということ」
「水がどんなに小さな穴も見つけて流れて行くように、人々が知りたいと思っていることは必ず、どこからか穴を見つけて、知りたいと思う人のところに伝わっていく」
言論の自由がなかったエジプトやチュニジアの人々が、ソーシャル・メディアにどっと流れた理由が分かりやすく説明された。
もちろん、チュニジアで焼身自殺した人のビデオがYouTubeにあったわけではない。でも、彼の友人や追悼の人々が、少しずつ集まって、その中にほんの少しだけソーシャル・メディアを使っている人がいて、また少しずつ、チュニジア国内、そして世界に、「なぜ焼身自殺しなくてはならなかったのか」ということが伝わり、いつかはデモになって、大統領を退任、亡命に追い込んだ。
イベントの後、エジプトのムバラク大統領が退任すれば、必ずタイムズスクエアで、誰かが思いを語ってくれるだろうと思い、タイムズスクエアへ。アルジャジーラテレビをiPhoneで見て会見を待ちながら、突然思ってしまった。
日本は民主主義社会だけれども、ラジオやテレビの免許を各都道府県ごとに許可する県域免許があって、しかも放送内容をインターネットに流さないのでは、地方の人々の声というのは、県域内にとどまってしまう。もちろん、個人がブログなどで情報を発信できるが、きちんと取材ができて、信頼できる情報を流せるテレビ、ラジオ局によるコンテンツは、ニューヨークにはおろか、日本国内にさえ、伝わらないということになる。
エジプトで起きていることを、ニューヨークにいて、中東のニューステレビ局の放送をインターネットでチェックしながら、日本のことが深刻に心配になった。
もう一つの心配。イベント会場には、タイムズ、APなど大手メディアのソーシャル・メディア・エディターが続々と来ていた。日本のメディアのソーシャルへの遅れ。たとえ、取り組んでいたとしても、リンク先に原稿が全文載っていなかったりするわけだから、これも深刻だ。
2011-01-31
NYの若者が行く過激なパーティ
28日夜、ブルックリンにあるThe Labというイベント会場で開かれるパーティに向かった。立食でネクタイの人が集まるパーティではない。10代後半から20代前半のKidたちのダンスパーティだ。
現地に着くとすぐ、警官が何人か立っているのですぐに場所が分かった。零下2度。中に入って踊りたそうな若い警官が気の毒に雪の中で警備にあたっている。眉や鼻にピアスをした若者に混じって列に並ぶこと10分。やっと建物の中に入ると、なんと警察のバッジをした男性が、セキュリティを仕切っていた。
「VJ(ビジュアルジョッキー)の友達だから」というと、「OK,でもこれだけはやって」と言われて、女性の係員に送られて、空港と同じ体中を触る検査。ペットボトルの水を取り上げられた。こんなにきつい検査があるパーティは初めてだ。
受付でVJの友達だといって、チャージを払わないですむかと思ったが、「チャリティだから」と言われて15ドル支払い。さらに、友達のところに置けると思ったのでチェックインしたくなかったコートも一律3ドルでチェックインさせられた。
中は、ざっと見て600人ほどが踊りまくる倉庫。隣接する駐車場へも会場がつながっていて、外に出たとたんに強いweedのにおいがした。
やっとVJの友達を見つけ出すと、かなり緊張している。こういうパーティにはハンドバッグを持たないで、ポケットなどにメトロカードなどを入れてくるように常に言われていたが、今夜はこの前にディナーがあったので小さなハンドバッグを持っていた。「いつ盗られるか分からないから、そういうの持ってこないで。責任持てないよ」と険悪な雰囲気。
とりあえず、「15ドル取られたけど、何のチャリティ?」と尋ねると、「主催者の一人の彼女が亡くなって、彼女と家族のためのチャリティのパーティなんだ」
これも驚き。過去に、流れ弾に当たって亡くなった若者のためのチャリティパーティに行ったことがあるが、アイリッシュバーで30人ぐらい集まった程度。若者に人気の場所で、人気のDJを連れて来て、週末に行き場のない(高いクラブには行かれない)若者に案内すれば、ゆうに1000人は集まるという例だ。果たして全額遺族に行くかどうかは疑問だ。
今回のパーティは、同じVJに誘われていったパーティの中で、彼がぴりぴりしていたように一番危険な感じがした。今まではウィリアムズバーグなどで、圧倒的に黒人やヒスパニックが多いパーティだった。踊りは過激だったが、割とのどかな感じだった。
しかし、今晩のパーティは圧倒的に白人が多い。その分、親の所得があるせいか、マスクやぬいぐるみを来たり、女の子たちは下着とみまがうが、下着ではないブランドのパーティ用のコスチュームを着ていて、見た目はかなり派手だった。
しかし、妙な緊張感があった。黒人・ヒスパニックのパーティに比べると、みなが楽しんでいるというのではなく、床に座り込んでいる友達を囲んでいたり、リーダーのような一人がグループをまとめようとヒステリックになってしていたり、床に座り込んだり、泣いたり、寝込んだり、パニックになっている若者の姿が目立った。
もちろん、黒人・ヒスパニックの比率が高いほど犯罪率が増えるのは事実だが、白人が多いパーティのこの緊張感は何だろう、と思った。
友人のVJがあまりに神経質になっていたので、早めに切り上げた。
何のネタがあるかどうか分からずにちょっと様子を見に行っている、昔でいうと「ディスコ」パーティだが、何だか人種問題、経済、いろいろと根深い問題を反映しているような気がする。
2011-01-24
真似をすればいいのか
ラスベガスで開かれた家電見本市、コンシューマー・エレクトロニクス・ショー、CESについて、こんな記事を書いた。
http://jp.wsj.com/IT/node_169277
80年代に米国の家電メーカーを駆逐してしまった日本の家電メーカーは、技術革新で今も先を行っているが、勢いがなくなってきている。それに比べて韓国勢の勢いは、毎年みていて非常に目立つ。宣伝やプレゼンがへたな日本人に比べると、アグレッシブな韓国人、といったお国柄の違いもあるが、やや不安になる。
メーカー幹部は「日本は目の肥えた日本の消費者の需要に応じるために、熾烈な競争をしているが、それを超えて、(韓国勢のような)グローバルに汎用性のあるものも、作っていかないとダメだ」という。
それでも、日本のガラパゴス携帯は15年もたって、海外に出て行っていない。
韓国勢がやっているからグローバルに汎用性のあるものを、という「真似」のような発想もどうだろうか、と思う。
アメリカ人がどんなものを欲しがっているのか、中国人は、インド人は、と考えて製品開発をしているのだろうか。恐らく日本市場だけみていて、そういう仕組みがないのだろう。
同じことを、ラリー・ペイジが、グーグルCEOになるという記事をみても思った。フェイスブックに猛烈に追い上げられているから、SNSをやらなければ、というのではなくて、彼になら、フェイスブックとは違ったSNSが生み出せるはずだと思う。
2011-01-21
トップセールス
ニューヨーク日本商工会議所の新春討論会にて。「日本の若者が内向きなのは、どうしたらいいのか」というのが議題の一つで盛り上がった。年末からこの話題は、国内から海外に広がって、遠くニューヨークでも話し合われている。
一夜明けて、オバマ大統領がニューヨーク州のGEのタービン工場での演説をみて、「こういう明確な目標を与えてくれるリーダーがいたら、少しは違うのではないか」と思った。もちろん、それがすべてではないが。
オバマ氏は以下を強調し、工場の従業員から拍手喝采を浴びた。曰く、
「工場を見学したら、最先端の技術と最高の革新は、このアメリカで生み出されるということを再認識した」
「先日、中国の胡錦濤国家主席が来て、中国はどんどん輸出を進めると言っていた。それなら、アメリカも中国にどんどん最先端の製品を輸出して、経済をよみがえらせ、雇用を増やすんだ。一方向のトレードではないことを世界に知らしめる」
分かりやすい、と思った。具体案は何もないが、目標は明確だ。しかも、アメリカの製品を作っている従業員をいい気持ちにさせる。













SNSにいくつか参加していますが、イマイチピンときません。Quoraの内容は分かりませんが
人間は自分の知識や蘊蓄を披露して、人との繋がりを持とうとする欲望があります。
日本語ヴァージョンが出来たら参加してみたいものです。NYでのご活躍を期待して。
新潟 齋藤老生
2011年3月16日(水)10時51分配信 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版
http://news.nifty.com/cs/economy/economyalldetail/wsj-20110316-0316001/1.htm
この内容には全く同意できません。いまやるべきことは政府や東電の批判ではないはずです。
こんな内容の記事を載せるあなたの良識を疑います。