~私の好きなもの、好きなこと、興味のあることをあれこれと綴るブログです~

小児救急を廃止した病院


うちの一家は、ありがたいことにめったに病気をしない。子供たちが熱を出すのも年に1、2回ってところ。
おそらく、サルバドールのこの気候がずいぶん功を奏しているんでしょうな。常夏とはいえそれほど暑すぎず、湿度も蒸し蒸しってほどでもなく適度で。体調を崩しにくい気候のような気がします。
(思えばサンパウロは寒く、乾燥していた…雨も多かったなぁ、と思う。)



そんな我が家だけれど、いきなりコイが高熱を出した。本当に突然に。
子供はたいてい夜になると熱を出すけど、コイもそうだった。寝るころになってなんとなくだるそうだから額を触ったら、こここれは熱いぞ!
とりあえず熱さましの薬(チレノール)を飲ませたらすぐに熱はひいて、良く寝ていたので、まぁ今夜は病院に連れて行くまでもないか…と。



翌朝、薬が切れたのか、また熱が上がっていた。学校は休ませることにして、家で静養させ、ちょうどその日はお手伝いさんがうちに来る日だったので、私が歯医者で外出している間はお留守番させた。
熱はあるけど元気だし。



お昼過ぎに帰宅してみたら、コイはなんとなくぐったりしている。熱を測ったらほとんど40度!
そりゃぐったりもするよね…。
これは大変、もしかしてデンギ熱とかだったら大変大変!!
すぐにタクシーで小児救急のある病院へと向かった。これまで2回ほど利用したことがある、我が家が加入している民間医療保険が適用される総合病院である。24時間の小児救急があり、予約なしでいつでも行けて、それほど混んでいないから気に入っていたのよね。
タクシーで15分ほどだし。



そしたら。
なんと。
「6月30日をもちまして、当院では小児救急の受付をやめました」ですってよ。
なんてこと!!!



じゃあ他に保険適用の病院を紹介してよ、と言うと、隣町(空港より向こうのラウロ・ジ・フレイタス!)まで行かないと…とか言うし。
この受付の男性、きっと保険のことよく知らないんだな…と思い、病院敷地内にある別の事務所に行って聞くと、
「あなたの保険はサンパウロ発行になっているから、適用される病院が少ないはず。保険事務所に電話して確認しなさい」と。
あぁ面倒くさいな、もう…。
コイは相変わらず赤い顔してぐったりしているし。早く病院に連れて行きたいのに、こんなところで足止めくらうなんて。
(まぁ、まだ熱程度だからいいようなものの、これが命に関わるような状況だったらホントにどーすんのよっ!!!)


仕方なく自分の携帯電話で保険事務所に電話して、該当する病院を教えてもらった。
ナザレーという地区にあるらしい。ナザレーってどこよ〜(涙)聞いたことも行ったこともないよー。
とりあえず住所をメモって、タクシーに乗る…ぜぃぜぃ。


ナザレーは、セントロの上の方(?)だった。車で通ったことはあるかも。病院がいくつか建っている、病院地区のような感じだった。
案内された病院はこれまた広くて(サンタ・イザベラ病院と言う)、小児救急の窓口を探すのにまた右往左往…人に聞いてもみんな適当なことしか言わないし(みんな自分に関係するセクションの位置しか知らなかったりするもんねぇ、病院って)。


やっとたどりついたらものすごい子供の数!!!いったい何時間待ち???


取り急ぎ窓口で登録をする。まずはこの手続きが必要よね、どの病院でもね。
身分証明書と保険証を提出し、保護者の住所や電話番号を告げてサインする…というものなんだけど、これがまた。
窓口のおばさん、「ブラジルの出生証明書が必要なんだけど」の一点張りである。
ええと、コイは日本で生まれているので、ブラジルの出生証明書ってものは持ってないんですけど。


「それでも病院のきまりなので、出生証明書の提示がないと受け付けられません。」
「きまりなんですから仕方ないんですよ。」


…はー?
じゃあ外国人はこの病院での医療を受けられないって言うのかい!!!
きーーー!!!
それはおかしいんじゃないの?保険証だって持ってるんだよ!!!
と、吠えてみた。
するとおばさん、困った顔で、隣の主任風のおじさんに相談。おじさん、ふむふむとうなずき、
「じゃあ、パスポートを提出して下さい」と来た。


…はー?
パスポート???
だれが病院に行くのにパスポートなんて持ち歩きますか?!


だーかーら、ここに写真付きの外国人登録証があるでしょうよ?!いつもこれで身分証明してますよ、これがRG(ブラジル人身分証明)の代わりとしていつも通用しますけどそれでも何か???



と念を押すと。
あぁ、そうですね、これで大丈夫でしょう…。だって。
ぜぃぜぃ。
なんて疲れるやりとりなのかしら。一刻も早く待機者リストに載りたいのにー。ぶーぶー。
たぶん、外国生まれの子供なんて扱ったことがないんだろうねぇ。
それにしてもさ、ひどいよね。出生証明書の一点張りだなんて。本当に緊急状態の患者が運ばれてきてもなお、そんな悠長なこと言ってるのかしら、この国の救急病院は…。


さて、それから待つこと2時間。
2時間。
長すぎ。


優しくて若い女医さんにみてもらい、のどが赤くはれているけど他には特に気になる症状がないから、37.5分を超えたら熱さまし薬を飲んで様子を見なさい、と。
いつもの診察結果である。
3日後にもまだ熱が続くようなら、再診しますから、と。これもいつもの診察結果である。


コイによると、クラスメートの半分が風邪で学校を休んでいるとのこと。コイもその流行感冒に乗っかったわけね。大変な病気じゃなくて良かったけど、それにしても疲れる一日だった。
サンパウロのサンタ・カタリーナとかサバラが恋しくなっちゃったよ。


病院の外観はクラシカルでなかなかなんだけどなぁ。サンタ・イザベル…