ドラマ:働きマン

caltec2007-10-17



日本テレ水9の新ドラマは安野モヨコの同名漫画が原作の「働きマン」。主人公松方弘子を菅野美穂が演じると聞いて、「菅野が松方?ミスキャストでは?」と思っていたのだが、第一回放送を見て、その思いは間違いだったとわかった。菅野は菅野なのだが、同時に松方でもあったのだ。特に「男スイッチ」入ったあとの菅野は松方そのもの。菅野、やっぱり上手いわ。


毎回変わった演出をする水9の枠だが(かつては流行の商品説明をドラマと同時にしていたりもした。これは商品宣伝でドラマを作った同局の深夜放送の演出方法をプライムタイムに取り入れた結果だと思う)、今回の「働きマン」では、登場人物がカメラに向かって(つまり視聴者に向かって)急に語りかけるという、CMなどで見られる手法をとっている点が面白い。それも主人公だけではなく、様々な登場人物が語りかけるのだが、初回放送では、彼ら登場人物の置かれた状況説明や、心境説明の場面でこの手法が多用されていた。


他には主人公松方のモノローグで綴られるシーンも結構多いのだが、この手法が取られるシーンは松方の揺れる心の葛藤を表すときや、落ち込んだときなどに使われ、視聴者(特に女性)を主人公の気持ちにシンパシーを感じるような、そういう効果をもたらしているように思える。このモノローグの後、松方が意思決定をしたり、何かを見出すことが多かったりするので。これにより視聴者も松方と共に「自分探し」や「決断」をし、一回り成長した、と感じさせる、そんな作りになっているように思った。上手いつくりだ。


主人公の松方を演じる菅野美穂だけではなく、周りを固めるキャストも(個人的に)ほぼ満足のいく布陣で、「働きマン」の世界を十分堪能できるキャスティングになっているように感じた。原作と見た目は違うキャストもいるが、演じているその姿を見ると、これはこれでありだ、と納得させられた。


あとは速水もこみち演じる新人編集者の田中と、津田寛治演じるカメラマン菅原とのやりとりが、ドラマではどう描かれていくのか、が非常に楽しみでもある。第一回放送の政治家の秘書役の夏木マリの演技も良かった。彼女は全編を通じて出演する役はそんなにないが、ゲスト出演として登場し、その場で与えられた役目をきっちりと果たす、いい女優であると思う。「医龍」の亀頭女医役でもいい味出しているし、「肩ごしの恋人」でも冴えない中年女性を実に冴えない感じで演じていてすごく良かった。


 <主要キャスト>
  松方弘子 :菅野美穂
  田中邦男 :速水もこみち
  渚マユ  :平山あや
  菅原文哉 :津田寛治
  成田君男 :沢村一樹
  梅宮龍彦 :伊武雅刀
  小林明久 :荒川良々


あと、どうでもいいことかもしれないが「働きマン」のタイトルロゴ、「ウルトラマン」のロゴと似てないですか?


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