世界選手権

caltec2008-03-23



男子シングルも女子シングルと同様、最終グループの演技がミスが多く、混戦模様となった気がします。そんな中、男子はミスなくプログラムをきちんと仕上げた選手が最終的に勝つ展開になりました。高橋選手と同様、もったいないことをしたなあ、と思ったのは。ジュベール選手。前3人の失敗の演技を見てプログラム構成内容を変え、高難度のジャンプを敢えて飛ばない選択にしたことが結果としては、去年よりも1つ下の銀メダル。攻めのプログラムでジャンプを成功していれば、彼の胸には違う色のメダルがかかっていたかもしれません。。。


滑走順の怖さというか、競技場の魔物というか、いい意味でも悪い意味でも、いろいろと考えさせられることが多かった男子シングルでした。

世界フィギュア:高橋は4位、メダル逃がす バトル初優勝


【イエーテボリ(スウェーデン)来住哲司】


フィギュアスケートの世界選手権は最終日の22日、当地のスカンジノービアムで男子フリーがあり、ショートプログラム(SP)3位の高橋大輔(関大)は計220.11点で4位にとどまり、メダルを逃した。


高橋は日本男子初の優勝を狙っていたが、2度目の4回転ジャンプ後の着氷時に転倒するなど2度のミスが響き、前回の銀に続く2年連続のメダル獲得もならなかった。


日本の今大会メダルは、女子で初優勝した浅田真央(愛知・中京大中京高)の金1個。


SP1位のジェフリー・バトル(カナダ)が計245.17点で初優勝した。2位はブライアン・ジュベール(フランス)、3位はジョニー・ウェア(米国)。小塚崇彦トヨタ自動車)は205.15点で8位、南里康晴中村学園大)は179.88点で19位だった。来年の次回大会の日本男子出場枠は3。


高橋大輔 


2回のジャンプのミスが悔しい。あとのスケートで自分の良さを出せなかったので、悔いが残る。プレッシャーは感じていなかったが、自分自身、メダルが欲しくて執着していた。ただ、調子が悪くて緊張感はあった。


小塚崇彦 


(ジャンプで2度転倒も、トリプルアクセル−3回転トーループに初成功)2度こけたのはすごく悔しい。世界選手権はそんな簡単にはいかないと思った。


南里康晴 


(フリー、合計得点とも自己ベスト)トリプルアクセル(3回転半)が2度入ったのは満足だが、ループやサルコウの失敗は気の緩みが出た。(初出場だが)プレッシャーもなく、伸び伸び楽しめた。


◇最終調整に失敗?


一体、どうしてしまったのか。逆転での金メダルを狙った高橋がフリーで崩れ、メダルまで逃した。


午前の公式練習で失敗が目立った4回転トーループは、最初こそ決まったものの、次は転倒。さらにトリプルアクセル(3回転半)からの3連続ジャンプは最初に手をついた。苦手だったスピンは三つで最高難度のレベル4と認定され、表現力などを示すプログラム構成点で高得点を挙げた。だが、「世界選手権で金メダルを狙う」という目標には遠く及ばない演技だった。


昨季以降、心身ともたくましくなり、2月の4大陸選手権で合計264.41点の世界歴代最高得点をマーク。今回の敗因は精神面より、最終調整がうまくいかなかったことだ。前日のSPはトリプルアクセルで着氷が乱れ「練習用リンクと氷の感じが違った」と戸惑った。


伊東秀仁・日本スケート連盟フィギュア強化部長は「本番のリンクは柔らかく、練習用リンクは表面だけが柔らかく下が硬い」と指摘していた。今大会前に靴も新調したが、これも微妙な感覚を狂わせたかもしれない。


「女子に負けないように頑張りたい」と誓っていた高橋だが、前回を下回る結果に終わった。この悔しさは、来年勝つまで忘れられない。


【来住哲司】


毎日新聞 2008年3月23日 1時12分 (最終更新時間 3月23日 1時22分)


高橋選手、惜しかったです。最後のトリプルルッツ+ダブルトゥループが、結果として3つめのコンビネーションとなり、得点対象外のジャンプに。 最終的には僅差での4位。点差が1.7点くらいなので、もったいないです。トリプルルッツのみにしておけば、いや、ジャンプがダブルになっても、銅メダルでした。 コンビネーションを飛びすぎて得点対象外となり、その結果、総合4位、というのは、一昨年の織田選手と同じ現象。。 もったいないです。 4回転、トリプルアクセルともにコンビネーションにならなかったため、ルッツをコンビネーションにしましたが、とっさの機転が仇となったというか。。。


ただ、今回の高橋選手は明らかに「金」を狙って大会に臨んでいたはずです。4回転の転倒、トリプルアクセルの着氷が崩れた時点で「金は難しい」ことを察したわけで、銀でも銅でも、満足は出来ていなかったと思います。メダル獲得を目標にした昨年と比べ、周りが高橋選手を見る目も、金メダル候補であることは確か。


そういう意味では、既にメダルは取っている分、銅メダルを取りこぼしたことによるショックはそれほど大きいものではないのかもしれません。 そりゃあ、ショックには違いないと思うのですが、金メダルではなければ、3位でも4位でもショックであることには変わりないので、大きく悩むほどではないのかなあ、と。目指すのは世界の頂点であって、メダル獲得については、「やっちまったぜい」と思うくらいのものであってほしいなあ、とファンとしては思う訳です。

フィギュアスケート:スッテン大輔…メダル逃げたぁ


高橋はメダルにも届かなかった。フィギュアスケートの世界選手権最終日は22日、イエーテボリのスカンジノービアムで男子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)で首位に1・70点差の3位につけ、日本男子初の金メダルを目指した高橋大輔(22=関大)は、ジャンプで2度の転倒をし、フリー6位の139・71点、合計は220・11点で4位に終わった。フリー1位の163・07点でSPからの首位を守ったジェフリー・バトル(25=カナダ)が初優勝を果たした。


演技を終えると、高橋は腰に手を当てて首をかしげた。氷を降りると目が赤く染まる。「2つのジャンプでミスしたのが凄く悔しい。自分の演技ができなかった。すべてにおいて納得いかないです」とうつむいた。


冒頭の4回転トーループには成功した。だが、続く4回転−2回転のコンビネーションの4回転でバランスを崩して手をついた。コンビネーションにするはずだった中盤のトリプルアクセルでも転倒。得点源のジャンプを2つ失敗し、逆転圏内で迎えたフリーで本来の演技はできなかった。


調子は明らかに落ちていた。高橋はオランダでの合宿を経て、1週間前にイエーテボリ入り。大会中に会場入りする男子選手も多い中、氷に慣れることを優先した。しかし「試合までが長く、集中するのが難しかった」。選択は裏目に出た。


会場入りした当初、絶好調だったジャンプは、徐々に成功率が落ち、フリー当日の午前練習では4回転ジャンプすべてに失敗した。モロゾフ・コーチには「4回転を1回にしよう」と指示されたが「逃げたくなかった」と4回転2回に挑戦。だが、不安を抱えたままでは難しかった。


8位と惨敗したトリノ五輪での失意からはい上がり、昨年は日本男子歴代最高の銀メダルを獲得した。今年2月の四大陸選手権ではフリー、合計ともに世界最高をマークして優勝した。大会前は公式会見に呼ばれ、地元紙「プンクト」では「日本男子初の王者が誕生するかもしれない」と大きく特集されるほど周囲の期待も高まっていた。日本男子初の金メダルの快挙。浅田真央中京大中京高)とのアベック優勝…。すべての夢は来年以降に持ち越された。


スポーツニッポン 2008年3月23日