アートは心のためにある:UBSアートコレクションより

caltec2008-04-04



六本木アークヒルズにある森美術館にて「アートは心のためにある:UBSアートコレクションより」展を見る。


感想を一言で言うと「かなり良かった」。UBSとはスイスに拠点を置く金融機関で、その金融機関が美術品を蒐集し、かつオフィスにそれらの作品を実際に飾っているという。社員へのアート溢れる環境の提供という意味もあるだろし、美術品を蒐集していくという、投資の意味もあるだろうし、またメセナとしての企業活動の意味もあると思う。


森美術館のHPによると、、

スイスに拠点を置く金融機関UBSの現代美術コレクションは、1950年代以降のアメリカ、ヨーロッパの絵画と1990年代以降のヨーロッパを中心とした写真作品を中核に、近年はアジアや中南米の作品にも視野を広げ、よりグローバルな企業コレクションとして拡大しつつあります。本展では1000点以上におよぶコレクションから、「1.ポートレイトから身体へ」、「2.造られた世界」、「3.ランドスケープから宇宙へ」という3つのテーマで作品を選び、それぞれの作品やアーティストのアイディアが世界とどのように繋がっているかを探ります。


企業が蒐集する現代アートということで、ある程度ネームバリューのある作家の、しかも優れた作品が蒐集されているのだな、というのが今回実際に作品を見ての印象だ。それは、出品アーティスト名を見てもわかる。

出品アーティスト
荒木経惟、アルフレッド・ジェンセン、アレックス・カッツ、アリギエロ・ボエッティ、アンディ・ウォーホル
アンドレアス・グルスキー、イ・ブル、ヴィヤ・セルミンス、ウォルター・ニーダーマーヤー、エドワード・ルシェ、エルズワース・ケリー、オスカル・ムニョス、オラファー・エリアソン、オリヴォ・バルビエーリ、
カンディダ・ヘーファー、キキ・スミス、ギュンター・フェルク、ギリェルモ・クイトカ、ゲイリー・ヒューム、ゲルハルト・リヒター
サラ・モリス、サンドロ・ギア、ジャン=ミシェル・バスキア、シュテファン・バルケンホール、ジュリアン・オピー、ジョナサン・ボロフスキー、ジョン・カリン、ジョン・バルデッサリ、ショーン・スカリー、シンディ・ジャーマン、杉本博司、スーザン・ローゼンバーグ、
ダグ・ホール、ダレン・アーモンド、チェン・ジエレン、チャック・クロース、デミアン・ハースト、チン・ガ、ツァオ・フェイ、トーマス・シュトゥルート、トーマス・フレヒトナー、トーマス・ルフ、トニー・クラッグ、
畠山直哉 、フィッシュリ&ヴァイス、フィリップ・ガストンブライス・マーデン、フレッド・トマセッリ、フランチェスコ・クレメンテ、
マイケル・クレイグ=マーティン、マーク・フランシス、マッシモ・ヴィターリ、宮本隆司森村泰昌
リチャード・アーシュワーガー、リチャード・ハミルトンルシアン・フロイド、ロイ・リキテンスタイン
|陳 界仁、|琴 、|曹 斐、


現代アート好きな人なら一度は名前を聞いた人ばかりだと思う。実際、僕がここ数年見てきた現代アートの展覧会で作品を目にしたアーティストだらけだった。 現代アートというと、作品から感じられる「美しさ」「(見たときの)居心地の良さ」「潔さ」みたいなものだけではなく、作品そのものの評価から離れ、作家の持つ思想やスタンス、表現方法が評価されることが多いのだが、今回の展示作品は「アート作品として」鑑賞され得べき作品が大半で、多くの人に見て現代アートに触れてもらいたいと感じる展覧会だった。


企画力  :★★☆☆☆
展示方法 :★★★★☆
作品充実度:★★★★☆
満足度  :★★★★☆


ちなみに、今まで観た展覧会の中で、セレクションのテイストが似ていたのが下記の展覧会
エッセンシャル・ペインティング展 1990年以降のアメリカとヨーロッパの絵画@国立国際美術館
ドイツ写真の現在@東京国立近代美術館