04月08日(土)
■[私的翻訳][ダルフール] チャドへの民族粛清の拡大 ニューヨークタイムズ
http://select.nytimes.com/search/restricted/article?res=F50D14FD34550C738EDDAA0894DE404482#
Spreading Genocide to Chad
March 20, 2006
ホロコーストのあと、もう二度とジェノサイドの発生を傍観しないと世界中が誓った。ボスニア、カンボジアそしてルワンダは、その約束がどれほど空疎なものであったかを示している。民族全体への殺戮を止めさせるための行動を起こすにあたり、世界中の国家が情けない程無力であることを、ダルフール問題は我々に再認識させた。
そして今、スーダンで数十万人のアフリカ人が殺害されてもまだ十分ではないかのように、スーダン政府がダルフールの黒人を「粛清」するよう資金を提供しているアラブ系兵団がお隣のチャドまで国境を跨いで移動してきている。わが同僚のニコラス・クリストフ記者が、ジャンジャウィード(アラブ兵団に与えられた名称)がチャドの村で激しい憎悪を破裂させ、「黒人奴隷」といったお決まりの人種蔑称を叫びながら、侵略、殺害、レイプを行っている様子をリポートしている。
クリストフ記者は、この無法地帯に自ら潜入しようとする数少ないジャーナリストの一人である。彼はNBCの番組「Today」のAnn Curryを今月の旅に同行させ、チャドのスーダン国境沿いの商業地Koloyについて記事を書いた。Koloyでは村人はいまにも虐殺されそうであるのをただ成す術もなく待っているだけなのである。彼らを助ける者はだれもいない。チャド政府はほんの一握りの兵団を送りこんだが、マシンガンを抱えた500人以上のジャンジャウィード兵と対峙すると知って兵士達は逃げ出してしまった。危険のため、外交官は訪れようともしない。国連の援助団体も同様である。ただ唯一、国境なき医師団のみがKoloyに行き、クリストフ記者のリポートにあるように、「勇敢な医師達の車列を週に3日送り込んで、犠牲者から銃弾を取り除く処置をしている」。
本当に我々にできることはこれだけなのだろうか?国連はダルフールの大虐殺を世界最大の人道に対する危機と評したが、国連自身はそれを阻止することに全く無力であることを体現し続けている。安全保障委員会では、中国がスーダンを庇い、一方ヨーロッパはずっと無関心を貫いてきた。
そのような中、アメリカはブッシュ政府が少し歩を進めてきた。国務副長官Robert Zoellickは、国連に、お粗末なほど無力な現地のアフリカユニオン平和維持軍に国連の平和維持軍を派遣し補強させるよう働きかけていると発表した。アメリカはまた、国連軍に対し、専門家からなる調査部隊と航空支援を提供するべきである。スーダン政府は多国籍平和維持軍を嫌っていて、スーダン首都で反対デモを行わせることまでしたが、デモ参加者はスーダンの軍人ではないかと疑わせるものであった。
アフリカユニオンの兵士は最大限の努力をしてきたが、彼らはまず、物資がお粗末であり、そしてまた人数も少ない(フランスと同じ面積あたりたったの7000人である)。彼らは情報収集能力も十分ではなく軍備も乏しい。これこそが膠着状態の要因であり、膠着状態こそが、粛清されるのを待つだけの村人を苦しめるのである。
記事以上
無断転載禁
- 殺人鬼がうろつき、毒が拡散する場所―チャド
- http://d.hatena.ne.jp/cameracamera/20060324
- レイプと殺人を待つだけの村
- http://d.hatena.ne.jp/cameracamera/20060325
- アフリカの野蛮なLebensraum
- http://d.hatena.ne.jp/cameracamera/20060326
- 傍観者たちの沈黙
- http://d.hatena.ne.jp/cameracamera/20060328
それ以前のレポート、記事については以下のダルフール関連記事一覧をごらんください。
http://d.hatena.ne.jp/cameracamera/searchdiary?word=%2a%5b%A5%C0%A5%EB%A5%D5%A1%BC%A5%EB%5d
