「研究不正再発防止のための提言書」の公表

「研究不正再発防止のための提言書」の公表について | 理化学研究所
http://www.riken.jp/pr/topics/2014/20140612_2/


News見て、「解体」がセンセーショナルで、突っ走り気味では?と思ったけど、全部読んでみると、真摯な内容も多かったように思う。

解体は無理だと思うんだけど、ようするに、管理者を総入れ替えしてガチでCDBを、理研を立て直せってのを強く言いたかったってことかなぁ。
解体についても「有期職員・研究員の雇用を確保した上で次の組織に移行」という現実を見た提言になってるとは思った。

不作為と自覚の欠如ということで、竹市先生も結構厳しく追求されている。
僕は、研究・論文の責任というのは研究者とラボが持つべきものだし、実際の生命科学の論文は出版時点で普通そうなっているのだから、研究所や学部レベルの組織の長が問われるべきことではないのではないかなぁと思う。
思うが、オボさんの採用プロセス含めてという一連の責任となると、ことここに至っては仕方ないか。

責任は、ラボ単位(総責任者はPI)で行うべきだと思うけど、薬品管理や廃棄など、不正以外にも研究機関が守るべきコンプライアンスをちゃんと果たそうと思うと、ラボ単位ではなく研究所単位での仕組みが必要なので、その点では、上の方が意欲を見せないといけないというのは、確か。
担当理事や定年制の担当職員が足りないというしてきも、色んな大学を含め、専門性のある職員不足は深刻な、構造的な問題だと思うので、良い指摘に思う。

この提言書で良いなぁと思ったのは、
「規制の強化と現場でのタスクの増加に終わるのではなく、研究現場の活力を損なうことのない合理的な対策であることが必要」
「研究者にとって、たんなる規制の強化とタスクの増加となるのではなく、「一定の手順に沿って普通に研究を進めていれば、とくに意識せずとも望ましいデータ管理の条件が満たされている」というような仕組みを構築することが重要である。」
という、研究現場のことも考えてくれてることで、このことは他の機関でも是非推進して頂きたいと。

締めくくりが、朝永振一郎で、単に潰しにかかっているわけではなく、あくまで日本を引っ張っていく理研の「立て直し」を志向する提言書なのだろうなぁと、思いました。
じゃないと、困るのですが。
実際、どうなのかは、関係者に聴いてみないと、わからんだろうなぁ。



結びの文章はコレ

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研究不正行為は科学者コミュニティの自律的な行動により解明され解決される、という社会の信頼の上に、科学者の自由は保障されるものである。自由な発想が許される科学者(研究者)の楽園(*1)を構築すべく、理研が日本のリーダーとして範を示すことが期待される。