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2016-09-23

[]面白かったけど、こうなりたいとは思わない/『総理』(山口敬之01:34

総理

総理

永田町取材を通じて安倍首相麻生副総理と近い関係を築いた著者が、第一安倍政権終焉や第二次政権の成立、消費税や対米外交をめぐる意思決定過程をリアルに描き出した本です。注意力散漫な私がほぼ息継ぎなしに読み切れるほどには、興味深い逸話ややりとりが数多く紹介されています。ただ、「オレは安倍さん麻生さんとこんなに仲良しで、直々に呼んでもらってあんなこともこんなことも教えてもらったし、安倍さん総裁に返り咲いたのにもオレが一枚も二枚も噛んでるんだぜ。菅さんにもそう言われたし」と嬉しげに自慢されても、私はそれを手放しに賞賛する気持ちにはなれませんでした。その違和感が頭をもたげた最たる部分は、総裁選立候補しようとした野田聖子氏を引き合いに「総理たるにはしっかりした国家観や覚悟が不可欠」(安倍首相にはそれがある)などと論じた箇所でした。続けて「秘密保護法安保法、原発再稼働など、不人気政策を推し進めても支持率が下がらないのは、安倍首相の本気度が評価されているからで、現況で他に代わる存在がないからだ」などとしているので須賀、これが果たしてジャーナリストを称する人間の主張なのかと驚く半面、消極的安倍政権が支持されている状況を(皮肉にも?)うまく表現しているような気がしました。

一言で言ってしまうと、国家観がはっきりしていれば、その中身は何でもいいのか?ということです。著者は先述したような論点の是非については全く議論せず、むしろ「リベラル派が党派的に反発しているだけだ」と言いたげな態度です。中身は問わないが、本気度がある。それで十分なら、ヒトラーだって著者のお眼鏡にかなうということなのでしょうか。

この本では、安倍首相麻生副総理が実は非常に魅力的な人物である、ということが頻りに描かれていますが、その点について(推測も込めて)否定するものではありません*1。ただ、田中角栄の名を出すまでもなく、有力政治家ともなるような人間人間的魅力にも恵まれているケースが多く、多分この2人が特別だ、という印象は持たない方がいいだろうと思います。加えて著者は「アベ政治を許さない」と連呼する面々に、私の言葉で言わせてもらえば「アベ本人やアベ政治をもっと内在的に理解せよ」と促すので須賀、逆に言えば、政策の中身を論じずに国家観と覚悟の有無だけで総理の器と称揚するのはジャーナリストによる内在的理解であるとは私はみなしません。すでに亡くなっている人を持ち出すのはやや格好悪いですけど、これを筑紫哲也が読んだら「君は安倍麻生使い走りじゃないか」と言うのが目に見えている気がします。

大した特ダネを書けなかった記者の僻みかもしれませんが、こうなりたいとは思わないです。

*1:元首相時代安倍晋三さんと一度だけ接したこともありま須賀、ここに出ているようにユーモアあるやり取りの上手な方という印象を持ちました

2016-09-21

[]『銃・病原菌・鉄』(ジャレド・ダイアモンド14:42

なぜスペインインカ帝国を征服し、その逆ではなかったのか?人類歴史はなぜ大陸によってこんなに違うのか?その問いに、約13000年前からの人類史を辿りながら答えようとした本です。それこそ直接的には、スペイン側だけが「銃・病原菌・鉄」を持っていたからだ、と答えても間違いにはならないので須賀、じゃあそれをインカ側だけが持つことにならなかったのはなぜかを問うていきます。

この本で著者は、考古学はもちろん、生物学言語学分子生物学といった幅広い学問領域を行き来しながら分析・立論を進め、その違いが人間ではなく、環境の違いによるものであることを示していきます。具体的には、ユーラシア大陸(特にメソポタミア)には栽培化しやすい植物家畜化しやすい動物が多く、食料生産が始まることで人口増とのスパイラルが起こったことや、東西方向に長いユーラシア大陸の方が同緯度(似た気候)沿いに技術動植物が広がりやすかったこと、そもそも大きい大陸の方が技術革新が生まれやすかった(広がりやすかった)ことなどを挙げて、技術進歩し、多くの病原菌への耐性がある文化が育つ要因は、南米よりユーラシアの方が大きかったと結論づけています。

かいつまんでこれだけ言われてもさもありなんという感じかもしれませんが、この本のすごいところはそれを広大な視野で、かつ具体的に論じていることだと思います。往々にしてスケールの大きな話は抽象的・観念的になり、具体的な議論は(射程は長くても)それ自体は小さな話に終わってしまいがちであるのに対して、この本ではそれらを両取りしてしまったかのようです。ただ著者も認めているように、ではなぜ山田長政ではなく、鄭和でもなくピサロだったのかという疑問に対しては、まだまだ深堀する余地があったように思います。

この本は「ゼロ年代の50冊」の第1位に選ばれるなど当時の世界ベストセラーで、2016年の秋に読んでしれっとレビューすべき本ではなかったかもしれません(笑) 事実分子生物学の分野ではこの本の記述を覆す成果がすでに得られているようです(現生人類にネアンデルタール人の遺伝的影響が刻まれている、など)。まあそれでも、13000年の人類史を語った本としての価値は当面色褪せることはないと思いますし、ますますはびこるようになった人種主義の足下をしっかりとさらっていくという意味においては、残念なことに「今こそ読むべき本」になっているのかもしれません。

2016-09-11

[]親子の2016年8月読書「月間賞」&長男言行録(2歳2カ月)/「吾輩はパパじゃない」 22:04

私はこれ。

日本政府未来を担う子供たちに対して、この問題についてますます思考停止の態度をとるように仕向けていま須賀、まっさら気持ちでこういう本を読んで、結論ありきではなくて筋道立ててものごとを考えてみる態度を涵養する方がよっぽど世のため人のためになると私は思います。

長男はこちら。

吾輩は猫である (声にだすことばえほん)

吾輩は猫である (声にだすことばえほん)

どちらかというと(?)私の趣味丸出しで須賀、私がこれまで出会った中で一番人に薦めたい本を、身近な人に薦めてみました。最近は細君が長男を近くの図書館に連れて行って、気に入った絵本を借りて読んでいるので、絵本を買い与えられたという経験も彼にとっては珍しいことになりつつあるようで、「パパが買ってくれたんだよ」と思い出す度によく言ってくれているようです。そこで彼が私に言ったセリフ、というのが面白かったので、そちらの紹介も兼ねてしまおう、というのが今回の趣旨です。曰く、

「わがはいはねこである。パパじゃない」

「パパが買ってくれた」のくだりと混ざっちゃったんですかね、面白いです。親の願望による勝手な解釈が含まれることも承知の上で言うと、自分の大好きなお話に関心を持ってくれるのは、本当にうれしいことです。

2016-09-09

[]目的合理性のある核実験13:48

北朝鮮が5回目の核実験か=豊渓里付近人工地震波―日米韓情報収集急ぐ

ソウル時事】日本気象庁などによると、北朝鮮核実験場がある北東部の豊渓里付近日本時間9日午前9時半ごろ、マグニチュード(M)5.3の人工地震波が検知された。

震源の深さはゼロ。日米韓などの関係当局は、北朝鮮が5回目の核実験を強行した可能性があるとみて、情報収集分析を急いでいる。

菅義偉官房長官観測された揺れについて「北朝鮮核実験に伴い発生した可能性がある」と述べた。韓国政府当局者も同様の見方を示した。安倍晋三首相国民に対する的確な情報提供米韓中ロをはじめとする関係国との連携を指示。日米韓国連安全保障理事会問題を提起し、対応を求める方針だ。

核実験と確認されれば、今年1月6日に「水爆」と主張する実験実施して以来。核実験により核爆弾の小型化が一層進めば、弾頭に核を搭載した「核ミサイル」の脅威が現実化しかねない。朝鮮半島情勢は再び緊迫し、国際社会の反発が強まるのは必至だ。日米韓はさらなる圧力強化を図る見通しで、中国の対応が焦点になりそうだ。

北朝鮮には、米次期政権をにらみ、「核保有国」の地位を既成事実化させるとともに、9日の建国68周年に合わせ、国威発揚を図る狙いもあるとみられる。

(9月9日時事通信)

またしてもやってくれました。今日の私の仕事もこれで決まりでしょう(笑)

よく父親に比べて金正恩委員長予測不能だとかクレイジーだとか言われるようで須賀、少なくとも今回の核実験は、それなりの目的合理性を目指した行動と見做してよいと思います。

まずは国内の引き締めです。世界各国にある北レスの従業員のみならず、駐英公使までもが亡命してしまうというのは「社会的エリートが離反している」という意味において危機的な状況です。これを核実験による国威発揚でつなぎとめる・引き締めるという狙いは大いにあるでしょう。この日は朝鮮民主主義人民共和国建国記念日であり、実験を行った時間も現地時間でほぼ9月9日午前9時である*1という点を見ても、国内向けアピール意味合いは強いと思われます。

国際政治的にも、ややこしいタイミングを突いてきています。東アジアで大きな国際会議が続き、北朝鮮に対して厳しい態度が示された直後に当てつけるかのように強行した、というのももちろんあるでしょう。しかし、より大きなポイントは、米中関係を中心とした六カ国協議参加国間の関係が不安定化している点にあると思います。昨今、北朝鮮ミサイルに備えるとして韓国配備されようとしているTHAAD問題で、良好だった中韓関係が一気に悪化しており、東シナ海南シナ海問題も合わせてこれまでになく日米韓と中ロが対峙する様相が強まっています。どうせやるなら、周辺国の足並みが乱れているタイミングでやった方が後々の影響も小さいだろう。実際、安保理も含めて一致した行動をとりやすい環境ではありませんし、中国の出方次第ではありま須賀、その中国を含めて、各国ともに頭を抱えるタイミングではあるでしょう。

ただ、先述のようにアメリカ韓国THAAD配備しようとしている(少なくとも表向きの)理由はまさしく北朝鮮ミサイル核兵器を積んで撃ち込んでくるかもしれないからであって、今回どう出るかはともかく、配備に反対する中国北朝鮮への怒りを溜め込むことは間違いありません。その意味では、タコ自分の足を喰っているようにも見えなくはないわけで須賀、今回の挙が本当に目的合理的なものであったかどうかは、より長期的なスパンで思い知ることになるのでしょう。

*1:冗談で言っているように聞こえるかもしれませんが、この国はそういう数字合わせが大好きです。平壌にある体制宣伝的なモニュメントはだいたい何らかの数字にちなんで設計されています

2016-08-21

[]『世界の名前』(岩波書店辞典編集部) 12:32

世界の名前 (岩波新書)

世界の名前 (岩波新書)

世界各地の名前に関する100の短いエッセイを集めた本です。地域アプローチの仕方(執筆者の専門分野)もさまざまで、思わずへえと声を出してしまいそうな話も多く収録されています。

しかも、それゆえにてんでバラバラな情報が散在しているのかといえばさにあらず。(1)マクドナルドの「マック(Mc)」、オマリーの「オ(O')」、ビンラディンの「ビン」など、父親の名前を少し変えた父称を名乗る場合*1や、それに由来する姓が広く見られる。(2)人の移動の少なかった中世農村などではほとんどの人が姓を持たず、彼らは都市化近代国家化が進んでから姓を持つようになった(その際に父称を姓とする人も多かった)。(3)特に上の子が夭折した場合に、超自然的な存在が生まれた子をさらっていかないように(=死なずに成長するように)それらの目を引かないような縁起の悪い名前を付ける―などなど、国や民族言語集団を超えて共通する歴史慣行も少なからずあり、それを一般化するのがこの本の目的ではないで生姜、興味をそそられる点ではあります。

私が人名に関心を持つようになった最大のきっかけは、自分(と細君)が一人の人間の名前を付けたことだったと思います。当時は、そして今もその責任の大きさに高揚を含んだプレッシャーのようなものを感じるので須賀、アフリカの名付けについて紹介したあるエッセーは、そうした気負いめいたものを上手く「中和」してくれた気がします。

アフリカ人の名前の大きな特徴の一つに、名は体を表さないということがある。われわれはついつい、名にあやかってとか、名は体を表すと考えがちであるが、アフリカ人自分の名前は自分とは関係ないことを知っている。それはお父さんやお母さんの考えであって、自分とは関係ないことなのだ。

他の村人の揶揄に対する父親の心情(「彼らを放っておけ」)や、妻の行いを暗に責めるメッセージ(「それら*2は腹の中で死ぬ」)を子供の名前にする例もある、という日本語での名付けの感覚からすればかなり極端な話に続く一節なので、やや表現が強いで須賀、この指摘は一面の真理を衝いていると感じました。私は長男の名前について、名付けた人間としての自信は持っていま須賀、当の本人はこれぐらいの認識でもいいのかな、と思っていたりもします。

*1父親の名前そのものを名乗る場合も

*2:妻の悪行を指す

2016-08-20 済州島旅行記四日目・リゾート満喫

済州島を飛び立つ飛行機の窓から望む漢

[][][]路線バスで巡る韓国済州島with2歳児〜四日目・リゾートホテル帰国 12:36

リゾートホテルをしゃぶり尽くす?

豪華朝食を食べ過ぎて…

最終日の起床は午前8時。寝たいだけ寝て、朝食へ向かいます。ビュッフェの会場がこちら。

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うはwwww何これwwwww

一回りして、何がどこにあるのか確かめるだけでも大変な広さとバリエーション。味もどれも満足でしたが、焼きたてのクロワッサンとかワッフルとか、洋食系が印象に残りました*1

午前10時。お腹が膨れすぎたので少し散歩に出掛けます。

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庭の方から見たホテル建物です。

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少し歩けば、中文のビーチも見下ろせます。身も蓋もない言い方をすれば、あそこまで降りて行きたくないがために大枚をはたいたわけです。

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米韓日韓首脳会談の会見場、となっていますね。ということは、日韓では1996年にハシリューこと橋本龍太郎首相と金泳三大統領2004年には小泉純一郎首相盧武鉉大統領がここに立ったわけです。書きながら気付いたので須賀、今では名前を挙げた4人のうち3人までもが鬼籍に入られたのですね。1996年といえば初代ポケモンが発売され、ブームになっていた時期です。それこそカイリューに「ハシリュー」というニックネームをつけて遊んでいたのが懐かしいです。折しも今夏、ポケモンGOが死者が出るほどの騒ぎになりましたが、私もカイリューまで進化させられた暁には、また「ハシリュー」という名前をつけてあげたいと思っています…本題とほぼ関係ないことで感慨に浸ってすみません。

プールで粘る日本人家族

雨の心配もなんのその。日差しがガンガン照りつけてきましたので、さっさと水遊びに行きましょう。チェックアウト後も午後3時まではプールを利用できるとのことだったので、部屋を片付け荷物を預け、再びプールへ。ちょうどその3時に空港に向かう直通バスが出るとのことで、それまで遊びつくす腹積もりです。同じようなことを考えている人が多いかな?なんて話しながら向かったので須賀、意外とそうでもありませんでした。

お昼ご飯はプールサイドでいただきました。「トンカス」、即ち韓国トンカツですね。親は朝のおかげでそんなに空腹感はなかったので須賀、2歳児にそういうペース配分を強いるのは気の毒ですので、ここは割り切って27000ウォン(!)のそれを注文しました。ええ、おいしかったですよ(涙目)

そんな時間もあっという間に過ぎていきます。最後に名残を惜しんで、長男を連れてプールを一回りしてから出ようとしたら、案の定(?)「プールで遊ぶ。行かない」とグズり始めました。「最後にちょっとだけ」とプールに注意を向けさせてしまったのが裏目に出ましたね。ごめんね、今回ばかりは時間を延ばしてあげられないんだ、だって今日の夜はもう、韓国のおうち*2じゃなくて、日本のおうちでねんねするんだよ―。

さすがに何とかつじつまを合わせて乗ったホテル運行無料シャトルバス。もうすぐ空港かな、と車窓を見やると、本当に偶然に、またこの建物が目に入ります。

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何かの因縁を感じたというより、わずか30時間ほど前までいたはずなのに、そしてただ2泊しただけなのに懐かしい気持ちに襲われた私。こう言うと双方に怒られてしまうのかもしれませんが、分相応不相応というのはやはり、厳然としてある気ような気がしました。「韓国のおうち、バイバイ」。

糸冬

あとがき

いつにも増して面白げのない家族旅行を、いつにも増して面白げなく書いてしまいました。そういう言い訳ばっかりしていてもなんなので、まとめっぽいことをいくつか。

済州島は、私が想像していたより断然面白いところでした。観光地としては、後半に訪ねた南部リゾートの印象が強いで須賀、初日にしたような街歩きも十分楽しめます。そして今回は二日目の万丈窟くらいでしたけれども、自然が織りなす景勝地も多くあります。歴史文化や人々の暮らしを感じる街歩き、大自然の美しさを感じるトレッキングリゾートでの優雅バカンス―。凡そ海外旅行に興味のある人は、そのどれか一つには関心を持てるのではないでしょうか。

その中で、個人的には最も縁遠かった最後の要素について言うと、大金を払っただけの質の高さはあっただろうと思います。ただ、そういうランクホテルに泊まる人にはそれなりの振る舞いが期待されるという部分はあり、プールサイドで食べた「トンカス」はソウルの街中の3倍を優に超える値段でしたし、別の家族がつまんでいたチキン&チップスは、見間違えでなければ5000円以上でした。その意味で、日本から来た貧乏性家族済州島の高級リゾートホテルをしゃぶり尽くした、と本人たちは思っていたとしても、実態としてはその逆なのかもしれません。

あと、何となく表題に使った路線バスで須賀、これもまた意外と充実していて助かりました。街歩きができた満足感、みたいなことも書きましたが、それには安易にカーチャーターとかしないで、極力地元の人たちが使う手段でうろつけた、という部分も大きいかと思います。いえ、別にカーチャーター否定しているわけではありませんし、実際私達もバリではお願いした経験がありますけど、そこはもう、考え方の違いなのかなと思います。高い飛行機代とホテル代を払って観光に来ているのに、現地での移動費用だけケチって時間をロスするのは非効率かつ非合理的である、という主張は理屈としては一貫していると思いますけど、現地の人がどんな風に移動しているのか、突き詰めれば、そこにはどんな人たちが住んでいるのかを、訪ねた場所に分け入って体感するというのも旅行の醍醐味である、と言えばそれはそれで間違っていないハズです。まあ、スポットだけ見て回りたい人は、東京マンションソファーに座ってガイドブックとか旅番組を眺めてれば?と思わなくもありませんが。

ちなみに、路線バスを使うのに韓国語ができる必要はないと考えま須賀(私でも乗れた)、車内のスクリーンで降車する停留所を確認できるよう、ハングルの字の異同は識別できた方が好ましい*3と思います。ハングルという文字合理的にできているのでそんなに難しくないと思いますけどね。あと、現地のどこかしかで路線図を手に入れられると分かりやすいです。

最後に、一つ忘れていたことを追記します。この済州島は、北朝鮮金正恩委員長祖父出身地でもあります。彼の父方の祖父は言うまでもなく金日成なわけで須賀、母である高容姫(高英姫)の父・高京沢はこの島で生まれ、戦前大阪に渡ったのだそうです。詳細は『女が動かす北朝鮮(五味洋治)に譲りま須賀、あわててめくったこの本に書かれている地名パソコンで叩くと、済州市街地から万丈窟に行くときに通ったバス停周辺の地図が表示されます。そこに、彼らの一族、つまりは金正恩の母方の先祖を祀る墓石があったのだそうです。そもそも「高」という姓は済州島に多いそうで、もっとそもそもを言えば初日に行った三姓穴の3神人は、高、良、夫という姓であったとされ、それゆえあの場所はつのの神人が生まれただったわけです…帰って来てから気付くようでは遅いですねww

 

そろそろ終わりにしましょう。毎度ながら、こんなくだらない文章を最後まで読んでくださった方(いるとすれば)と旅先でお世話になった方々、行く先々で母のたくましさを示してくれた細君、そして何より、とどまることを知らない親のわがままに付き合ってくれた長男に、深く御礼申し上げます。次の機会を考える頃には、「本人の希望」も言えるようになっているでしょうから、それ踏まえて検討させていただきますよ!(笑)

(2016年9月3日午前3時半、自宅書斎にて)

*1日常生活においてパンをほとんど食べない私がそれを褒めるというのはよほどのことです

*2:本人がそう呼んでいました

*3地図なりガイドブックに書かれた地名と、画面に出てくる地名が同じであるかどうかは自分で分かった方が安全

2016-08-19 済州島旅行記三日目・南部リゾート

西帰浦の海を泳ぐ魚たち

[][][]路線バスで巡る韓国済州島with2歳児〜三日目・西帰浦潜水艦中文リゾート 15:38

潜水艦で海中散歩

情弱バスターミナル

この日は午前6時過ぎに起床。朝食と身支度を済ませて、お世話になった宿を午前8時半にチェックアウトします。あと1泊は日本海に面した南部で過ごそうという算段で、今日はまず、西帰浦を目指します。

ほどなく昨日も乗り継いだ市外バスターミナルに降り立ち、西帰浦行きの切符を求めます(3300ウォン)。西帰浦は昨日の時計の喩えで言えば6時ぐらいの位置にあり、ここからは島を南北縦断する路線が利用できます。それも漢拏山から見て東寄りのルートと西寄りのルートがあり、それぞれで券売所の窓口も違ったようなので須賀、西寄りルートの窓口しか稼働していない様子でしたので、そちらで9時12分発を押さえることにしました*1

バスは定刻通り発車。西寄りということで、今来た新済州方面に向かうだろうことくらいは想像していたので須賀、あれよあれよという間に見慣れた景色の方へ。そしてあろうことか、1時間前にチェックアウトしたばかりのホテルの目の前にあるバス停に停車したのでした。そこから情報強者の皆様が乗り込んでくる様は、細君と苦笑いをしながら眺めているしかありませんでしたねww まあ、この局面で市外バスターミナルを経由するというのは最も安全確実で分かりやすい方法ではあったと思うので須賀、昨日細君がやったようにフロントで聞いておく方が全く合理的でありました。

西帰浦徐福伝説

気を取り直して先に進みましょう。バスは漢拏山を左手に見ながら南へ。

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昨日とは打って変わって、高地らしくもある景色を抜けていきます。

宿泊予定の中文エリアを通過して、2002年サッカー日韓W杯の試合も行われたスタジアムをチラ見。

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10時半ごろに西帰浦市バスターミナルに到着します。

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ここから目的地の港までは2キロほど。時間的問題もあり、もともとタクシーを使うつもりではいたので須賀、なにぶん宿を出てそのままの状態でここまで来ていますので、スーツケースやらベビーカーやらは抱えたままです。できればここいらで手放したかったので須賀、ターミナルのロッカーは使えず、事務所のおじさんもけんもほろろの塩対応だったので、大通りまで引きずっていってタクシーに乗っけることになりました。乗ってしまえば港はすぐそこ。料金は2900ウォンでした。

話は逸れま須賀、この西帰浦という地名の由来は何だろうと思って調べてみたら、徐福伝説にまつわるという説もあるんですね。それによると、始皇帝に甘い話を持ちかけの命を受けた徐福不老不死の薬を探しに漢拏山を訪れた後、西っていったそうで、その際に船を停泊させた海岸()であったことからその名がついたのだとか。今回は訪ねませんでしたが、徐福が字を刻んだとされている滝の岸壁の近くには「徐福展示館」もあるそうですよ。

アワビ踊り食い

さてさて、こうして辿り着いた西帰浦の港。お目当ては潜水艦です。動物園やふれあい牧場ではか〜な〜り怖がるのに、水族館ではいつも楽しそうな長男に、本当の海で泳ぐ魚を見せてあげようオレたちも潜水艦乗ったことないし、それを口実に行っちゃおうぜ、という趣旨でございます。11時の便に乗れるくらいの時間には到着したので須賀、予約していなかったので2時間待ちとのこと。人気なんですね。懸案の荷物も快く預かってくれましたので、ちょっと戻ったところにある天地淵瀑布に行こうかとも考えたので須賀、無理をしても仕方がないと昼食&周辺散策くらいにとどめておきました。

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橋からの景色もよかったですね。

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昼食はちょっと歩いた先で、海鮮チゲアワビお粥

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チゲの上に乗っているアワビさんは出てきた時点では元気に(?)うにゅうにゅ動いていて、店員さんからも「しゃぶしゃぶして食べて」と言われていたので須賀、さすがに見た目的に無理だったので暫く石川五右衛門状態にしてから頂きました。そういう体験もできたことを含めていいお昼ご飯でしたが(特にお粥は非常に美味でした)、何度も言いますけど34000ウォンとはこれまたなかなかの観光地価格でいらっしゃいました。

海底4万ミリメートル

そして待ちに待った潜水艦。まずはこんな船に乗って沖合へ。

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この時点で「日本の方ですか?」とスタッフから声を掛けられ、その後は片言ながら日本語で案内してくれるようになりました。数分行って、潜水艦に乗り換えます。

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潜水艦ではまさかの「外国人優先搭乗」がなされ、日本人(私達ともう1家族)→中国人韓国人の順で乗り込んでいきます。

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席はその時点でスタッフに案内されたので須賀、これがまた運転席の真後ろです。外国人誘客のための戦略、ということなのでしょうか。

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出航した潜水艦は、10メートルずつ深度を上げ、水深40メートルの海底まで潜っていきます。

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写真下の赤いランプが深さを示しています。

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餌をまく(?)ダイバーさんに多くの魚が集まっています。

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どうやっているのか分かりませんが、ハート形の気泡を放っていました。

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うっすらと見えるのは難破船だそうです。

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水深39.41メートル。海底に到着。

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サンゴです。潜水艦からの照明で照らされています。

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小さい魚もいますね。長男言葉通りじっと見入っていました。

潜水艦はここで浮上。また船に乗り換えてターミナルに戻ってくるまで1時間半弱の海中散歩でしたが、本当にあっという間でした。

予想外のホスピタリティ

時刻は午後2時20分。今日のところは、ここから宿へ向かいましょうか。

行きと逆のルートを辿って、途中の「中文観光団地入口」バス停で降りれば近くまでいけることは分かっていたので須賀、朝の例もあったので、預かってもらっていた荷物を引き取りがてらホテルまでの交通手段を聞いてみることにしました。すると…

女性タクシーを呼ぶんですか?」

私達「いえ、バスで行きたいんですけど」

女性「そうですか、ちょっと待ってください…直通のバスもありますので、最寄りのバス停まで送りますよ」

私達「えっ?ありがとうございます!」

間もなく現れたスタッフの男性が運転するワゴンに乗って、坂の上のバス停まで移動することができました。想像だにしなかった厚意に感謝感激の私達。細君は「マイカー以外で来る人もそういなかったんだろうね」と冷静な分析披露していましたが、荷物のことから始まって、勝手の分からない外国人である私達への対応も的確かつ丁寧でしたし、それも特定の誰かが優しかったわけではなく、全体としてそれが行われている感じでした。大人1人56500ウォンと聞くと決して安くはないのかもしれませんが、15年ほど前まで沖縄運行していた潜水艦「もぐりん」は倍以上の値段だったようですし、もぐりん以降、国内観光潜水艦はなさそうでもありますので、非常にいい体験を快適にすることができたなあと思っています。済州島に来ることがあったら、是非乗ってみることをおススメします。

分不相応な豪華リゾートホテル

ホテルプール付き」www

46分発の600番バスで宿へ(2000ウォン)。乗車時間は30分ほどでしたが、長男はすぐに熟睡。抱っこして降ろしても目を覚ましませんでした。最近昼寝でも眠りが深いんですよね。時間も長くなりました。寝付きも目覚めも悪いというのは父親似の悪い傾向ですw

そんなこんなでホテルに到着。今日の宿は、こちらです!

http://www.shilla.net/jeju/index.do

済州新羅ホテル済州島指折りの「超」が付く高級ホテルで、日韓首脳会談の会場にもなりました。記憶の限りでは、こんなホテル泊まったことないです(笑) もちろん1泊のみで須賀、これまでの2泊分の宿代を余裕で上回るお値段でした。

なんでこんなことをしたかというと、長男プールで遊ばせてあげたかった、というのがありました。これまでに行ったバリ、バンコクホテルプール付きでしたし、保育園でも外出先としても、プールは結構好きなようです。加えて天候の問題というのもあり、この日と帰国予定の翌日は一時雨の予報にもなっていました。そういう日は、外を出歩くよりホテルプールで遊んでいる方がよいでしょう。しかし、済州島プール付きの宿というとなかなか手頃なところがないらしく*2、であれば1・2日目は予定より少し安く泊まって、最終日に奮発してしまおう。そんな話を、旅行前に晩酌をしながら決めたのでした。

テラス優雅に缶ビール

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バスを降り、壮麗な雰囲気の入り口をくぐると、まずはチェックインしにフロント…ではなく、待合室に通されます。何かやり取りをしたのか家族の会話を聞いてそう判断したのか忘れましたが、応対した男性が別のスタッフに「日本の方です」と小声で囁いて以降、用向きは日本語ペラペラスタッフが対応してくれました。

そして、待合室がこれ。

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予約者である細君の予約名とパスポートとで苗字が違っていたため、若干手間取ってはいましたが*3、こちらは出されたジュースを飲みながらのんびり待っています。そしてお部屋にご案内。ダブルベッドに長男爆睡している写真しかないのでうpはしませんが、急な空室でもできたのか、ダブル+シングルのお部屋にグレードアップされていました。テラスからはこんな景色

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ここで悪い大人たちは、長男が起きる気配がないのをいいことに、冷蔵庫に冷えていた缶ビールをいただいたのでした(ルームサービスを呼ぶ勇気はない)。

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ちなみに冷蔵庫の上には、こんな方々が鎮座しておられました。

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<480>

ヘネシーX.Oというと、今は亡き金正日総書記お気に入りですね。そもそも洋酒相場観があるわけでもありませんが、目が飛び出るようなお値段だったのでもちろん手はつけませんでした。

そんなことをしている間に、午後4時半過ぎに。昼寝が長すぎると夜に眠ってくれないので、長男にもそろそろ起きてもらいます。

親子でプール。そしてまた…

日差しも落ち着いてきましたので、お楽しみのプールに行きましょうか。道中にはこんな部屋も。

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ガキはここで遊んでろ、ということでしょうか。近くに託児スペースのようなところもありました。

そしてプールです。

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正面奥から屋内にもつながっています。左奥はジャグジープール。37〜38℃で、半ば子供用みたいになっていました。プールの水温が低いと子供が嫌がったりするので、かなり重宝しました。一番奥にはテレビモニターもあって、リオ五輪の中継をやってましたっけ。リオ五輪の全期間を通じて、テレビ中継を見たのはこの時だけでした。ま、興味ないか。

1時間ちょっと遊んで、6時過ぎには「明日も来ようね」と引き揚げます。長男更衣室で足を滑らせて後頭部を打ってしまい、様子はいつも通りだったので須賀しばらく不安でした。どう痛むとか、気持ち悪いといったことまでは本人がまだ表現できないので、海外では特に、こちらが気をつけてあげなければいけませんね。

部屋に戻ったあとは流れでお願いします流れでシャワーを浴びさせ、午後7時に外へ。さすがにホテル内のレストランに入る勇気はありませんでしたので、近くのホテル併設の店で、プルコギ冷麺をいただきました。それでも53000ウォンとか高杉晋作なので須賀、出た判断は正しかったかと。味も上品な感じでおいしかったです。コンビニで買い物をして部屋へ。

子供を寝かせた後は、再びテラス飲み。

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金曜日の夜であることと関係があるのかどうか分かりませんが、プールサイドではジャズの生演奏が続いています。そんな中でビールを楽しむのは優雅と言えばそうなんで須賀、それに先立って幼児を寝かせる上ではちょっと気にはなりました。

よくよく考えてみるまでもなく、これが済州島最後の夜です。とはいえ買ってきたビールもそこまでの量はありませんで、11時ごろには大人しく就寝しました。

*1ターミナルに着いたのが9時ちょうどくらいだったのでタイミング的にはベストでしたが、より漢拏山の近くを走る東寄りを通ってみたかったんですけどね

*2:宿探しは細君に一任していました、ありがとね

*3:細君がパスポート取得後に結婚して姓が変わったからなんで須賀、韓国では結婚しても別姓のままなので齟齬(?)が生じたものと思われます

2016-08-18 済州島旅行記二日目・東部洞窟探検

内部も起伏に富んだ万丈窟

[][][]路線バスで巡る韓国済州島with2歳児〜二日目・万丈窟探検 12:05

世界遺産洞窟探検

バスを乗り継ぎ…

2日目は細君の発案で、洞窟探検に出かけます。

朝食や身支度を終えて、午前9時45分ごろ出発。島の北東部にある万丈窟を目指します。済州島は楕円形なので時計に例えるとやや距離感にズレが出ま須賀、漢拏山を中心に新済州・旧済州という市街地が0時、万丈窟は2時の方角にあります。そういう場所同士をつなぐのが市外バスです。縦横無尽というほどではありませんが、時計回り反時計回りに島を一周する路線南北縦断する路線など充実しています。今回は時計回り路線に乗って、万丈窟を目指すことにしました。

最寄りのバス停から市内バスに乗り、市外バスに乗り換えます。昨日通ったバスターミナルで乗り換えるのが安全策ではあったで生姜、細君があらかじめホテルのフロントで聞いておいてくれたバス停で、ということにしました。

そこから1時間弱、車窓を眺めて過ごします。

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この通りきれいな海も望め、海水浴場もあるので私達のような観光客も多かったで須賀、地元のおじいちゃんおばあちゃんも結構乗り降りしていましたね。運賃2300ウォンとこれまたお手頃です。

11時半前に「万丈窟入口」バス停に到着。ただ万丈窟はこの海沿いのバス停から2〜3キロほど山側にありますので、何らかの方法で移動しなければなりません。バスを降り、さあどうしようかと思案する間もなくタクシーが滑り込んできます。

運転手「歩くと1時間かかるよ。4000ウォンでどう?」

1時間はかからないでしょうけど、外も結構な暑さでしたので乗ることにしました。ちなみに万丈窟そのものまで行くバスもなくはないので須賀*1、本数が少なすぎて使い勝手が悪そうでした。

車で行けば5分もかかりません。降りる間際になって「万丈窟の後どこに行くんだ(乗っていかないか)?」という売り込みも受けましたが、「バスで新済州に帰ります」という拙く、にべもない返答に戦意喪失したご様子でした。

片道1?、子供は抱っこ

万丈窟は、溶岩の噴出に伴って出来た世界的にも大規模な洞窟で、世界遺産及び世界ジオパークの構成資産にもなっています。全長7キロほどあるそうで須賀、観光客も1キロは見学できるようになっています。

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こんなところから入っていくので須賀、この辺りで既に冷気が身を纏います。

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この辺の写り具合は、やはりiPhone6一眼レフの地力の差が出たでしょうか。

一番奥のものは溶岩石柱と言うのだそうで、母親子供を抱いている姿に似ているということでしたがどうでしょうか。ちなみにうちの長男殿は、あれやこれやと理由をつけて*2道中の半分以上抱っこや肩車でしたけどね。

昼食は洞窟を出たところの食堂でいただきました。ビビンバ冷麺という私としては韓国料理の2大スタンダードとでも呼ぶべき料理*3をいただいたので須賀、合わせて17000ウォンは高いと思います。ソウルの街中の食堂だと3分の2くらいの値段な気がしましたね。思うに、いわゆる「観光地価格」というのは日本よりはっきりしているんじゃないでしょうか。

来た道を戻る

昼食を終えて、午後2時。再び済州市街地に戻るべく、まずは洞窟近くのバス停に向かいます。そこにはまた無論タクシー運転手がいて、行きと同額で乗らないかと売り込んでいたので須賀、ここまで来るバスがあると知った以上は簡単タクシーのお客になりたくもありませんので、ちょっとリサーチを試みます。若い男性2人がバス停のベンチに座っていたので「新済州に行くバスが来ますか?」と聞いたところ、彼らは困った様子でノーリアクション。すぐに判明したところによると彼らは日本語話者で、5人で乗り合って万丈窟入口のバス停まで戻りました。

帰りは逆向きのバスに乗って市外バスターミナルへ。

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明日も使うだろうからということで、ちょっと様子を見てきました。

明るいうちから焼肉ビール

そこから乗り換えて午後4時ごろ、一度宿に戻ります。そしてお腹がすいたころに再び出撃。新済州の中心部を散策します。

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やはり午後6時頃だとこのくらいの混み具合なんで須賀、ここは一つ、混む前に買い物を済ませてしまってゆっくりお肉をいただく、という作戦で行きましょうか。

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最後にこれら全部を混ぜたチャーハンを作っていただいたので須賀、それが一番美味で印象的でした。

「女」

そして帰りの道中に出会った光景。

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麻布

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按摩

マッサージ

男性専用

もっぱら男性

 

趣旨は大体想像つくんで須賀、「もっぱら」って何?(笑)

ホテルに戻ったのは午後8時ごろ。この日は一緒にシャワーを浴び、明日に備えて眠りにつきました。

*1:フロントではそちらを薦められたそうです

*2:まあそれなりに理由をつける様は評価に値するが

*3:好物なだけ

2016-08-17 済州島旅行記一日目・済州島へ

魚介類が並ぶ東門市場

[][][]路線バスで巡る韓国済州島with2歳児〜一日目・済州市内観光 13:31

0日目まで

ちょっと休暇を

8月17〜20日の4日間、家族韓国済州島(チェジュ島)に行ってまいりました。

そもそもと言えば「参院選も終わったし、細君の休み中にちょっと打ち上げをしようよ」的な感覚で、せっかくなら国外に逃げようかというレベルの話でしかなかったので、これまでと同じ土俵でどこに行ってどうしたなどと書くのも気が引けたので須賀、まあ家族の記録という意味でも、一応何らかのものは書き残しておこうと思い、パソコンに向かうことにしました。そんな調子だったので、行き先も多少の紆余曲折がありました。できれば涼しいところにという共通了解もあり、細君がウラジオストク、私がサハリンを推した経過もあったので須賀、お互いピンと来なかったということなのでしょうか、結局「韓国ハワイ」とも呼ばれる南の島*1を目指すことになったのでした。

今回も、細君と長男(2歳2カ月)の3人で出掛けます。いつもと変わった点としては、一眼レフカメラを持っていかず、iPhone6代用したということくらいでしょうか。ですのでここに載せる写真も、全てiPhoneで撮ったものです。一眼レフは持ち歩くのに不便だというのが表向きの理由ではありましたが、もともと写真は撮るのも撮られるのも苦手で、そこまでの愛着やこだわりはなかった、というのが実情に近いのかもしれません。

0日目

いつものように仕事をして、日付の回る前くらいに帰宅。毎度ながら浅い眠りにつきました。

済州市内で街歩き

早速タクシー(笑)

家族早起きして空港へ。長男は、お気に入り電車に乗れて朝からご満悦です。済州島済州国際空港に降り立ったのは午後1時前。

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トルハルバン(済州島の守り神)がお出迎えです。2泊お世話になるBestwestern.com, the World's Biggest Hotel Family.のある新済州(済州市の新市街)まではそう遠くないはずなので須賀、細君が強硬に主張したためここはタクシーに乗ることに。大丈夫です、ちゃんと路線バスには乗りますから(笑)

私が海外タクシーに乗りたくないのは、バンコクにいたような悪意のあるドライバーに引っ掛かるリスクが高く、また運悪くそういうのに遭遇してしまった場合、見ず知らずの土地言葉も十分に伝わらない相手に対してできることはかなり限られているからなので須賀、今度の運転手さんは人のよさそうなおじさんで、長男をあやしてくれさえしました。料金は4700ウォン。メーターを立てて、相場通りの値段でした(当たり前か)。

済州島発祥の地

スタバも併設されているホテルにチェックインしたのが1時45分ごろ。荷物を置いてオンドル部屋でちょっと休憩したら、市内観光に出かけましょう。

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宿近くの銀行両替*2してからバス停へ。来たバス運転手さんに、最初の目的地である三姓穴に行くか確かめた上で乗車しました。まあ、こここそタクシーに乗らざるを得ないかと待っていたら先にバスが来たので、聞いてみたら目的地まで行くと言われた、という方が実情に近いんですけどねw

ちなみにこの時はちゃんと理解できていなかったので須賀、済州島バス停には「○○方面を通る△番のバスが□分後に来る」というのを表示する電光掲示板があって、その情報をしっかり活用できれば割と簡単に乗りこなせます。市内バスは一律1200ウォンとお手頃です。

バスは今来た空港を経由して*3北東へ。「光陽」なるバス停で降りたのが3時半ごろでした。このバスは確かに旧済州(旧市街)を通り、三姓穴方面に向かう路線だったので須賀、直接「三姓穴バス停」に停まるわけではなかったらしく*4、ちょっと乗り過ごすような形になってしまいました。

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路地にある商店街をちょっと右往左往しつつ、入口を発見。

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この三姓穴というのは、済州島の人々の祖先という3人の神人が生まれた場所とされており、「済州道の人々の伝説的な発祥地」と紹介されています。その意味では、済州島観光のスタート地点として相応しいのかもしれません。ちなみにその3人(?)は狩猟生活を送っていたところ、東にある碧浪国から3人の姫が五穀の種と家畜を持ってやってきたといい、それぞれが結婚して生まれた子孫たちが農耕を営み始めた、とされています。学者によっては、この「碧浪国」が日本にあったとの説を唱える人もいるそうです。

さてさて、早速入場しましょう。

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右側に映り込んでいるのは長男の後姿なので須賀、彼は恐らく三姓穴に向かって頭を垂れているわけではありません。この旅行で初めて気づいたので須賀、写真に写ってやるまいとわざと撮影者に背を向けているのです。あと、そっぽを向かずともわざと目を瞑ったりもします。私が一時期、特に写真を撮られるのが嫌だったのは、自分ですらあまり見たいとは思えない自分の容姿を切り取って保存されるのが苦痛だったからに他ならないので須賀、彼の場合はどうやらそうした過剰な自意識作用ではなさそうで、親の意向に背くことでふざけて遊んでいるような感じです。とても楽しそうにそっぽを向くのでむしろそっちの方が面白いくらいです。

朝鮮「始祖神話」における林のイメージ

…話が逸れてしまいましたね。敷地内はちょっとした林のようになっています。

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こういう林の中から始祖が生まれてくるという話は、どこかで聞いたことがありますね。新羅王の祖が生まれたという慶州の鶏林も似たような雰囲気の場所でした。ここから先は想像で須賀、北朝鮮の2代目が白頭山密営*5で生まれたという「神話」も、もしかしたら創作段階でこうした故事を踏まえたのかもしれません*6し、その点がどうであれ、朝鮮半島の人々の林に対する無意識的なイメージ創作ないしは流布に作用している可能性は十分あると思います。

そしてこちらが、そのものズバリの三姓穴です。

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立ち入れるギリギリのところからiPhoneを掲げても、一番底の部分はうまく撮影できませんでした。何かびっくりするようなものが置かれていたりはしなさそうですけれども、人々にとって不可知(視)な部分があるということは、そこに神秘性を纏わせるのにプラスに働くのだろうとは想像しました。

この場所自体もちょっとした公園のようになっており、長男も楽しそうに歩きまわっていましたが、彼として真に遊びたいのはこういう公園でしょう。

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ここはたまたま通りかかっただけの場所なので須賀、長男が興味を示したのでしばらく遊んでいました。親の興味だけで連れ回す免罪符のようなものです。この後も、保育園やら公園やらでこの種の遊具にはよく出くわしました。

「藤田監督を知らない?あなたたち、本当に日本人?」

そこから、旧済州の中心部にある島内最古の建造物・観徳亭を目指します。せこいショートカットをしようとして細い路地に入りこもうとすると、背の高い中年くらいの男性が声を掛けてきます。「どこへ行くんですか?」という英語だったでしょうか。私が「観徳亭」と間違った発音韓国語で返答すると、こっちですよと案内してくれます。

おじさん「Where are you from?」

私達「Japan

おじさん「えっ、じゃあ日本語で話してくれればいいじゃないですか。中国から来た人なのかと思いましたよ」

おじさんの口から急に流暢な日本語が出できて驚く私達。おじさんは続けます。

「私も10年くらい日本に住んでいたんですよ。観徳亭の近くまで一緒に行きましょう。子供はだっこしてあげますよ」

会ったばかりの男性に抱きあげられた長男はちょっとびっくりした様子でしたが、おじさんは構わず道案内をしながら話し続けます。

「10年前くらいまでは日本人が多かったんですけどね。最近は中国人ばっかりで」

「私の親戚が東京の△駅の☆という焼肉屋をやっていてね、在日韓国人なんですけど。それで自分板前の修業をしていたんですよ」

「こっちにいると日本語を使う機会がなくて。今でもどうしてこんなに下手な日本語しか出てこないんだろうって、悔しくなりますよ」

日本にいた時、神宮球場巨人戦を見に行って、原辰徳ホームランボール自分の席の間近まで来たんですよね、あれには感動したね。長嶋茂雄の前の監督の時だったな。誰だか知らないの?あなたたち、本当に日本人?」

私「僕はタイガースファンなので知りません」

一方的に話し続けられたわけではありませんが、久々の日本語での会話を楽しんでいるんだなということがよく伝わってきます(笑)

一大リゾート地の負の歴史

彼の話の中にもありましたが、いわゆる在日コリアンの中で、この済州島ルーツを持つ人は多いとされています。以下、全てWikipedia先生依拠しま須賀、2010年本籍地別構成では、「済州特別自治道」は慶尚南道(153000人)、慶尚北道(113000人)に続く約89000人で、全体の15.6%を占めています。慶尚南道慶尚北道人口が320万人、270万人前後であるのに対し、「済州特別自治道」は約55万人*7に過ぎず、その割合特筆すべきものです。そこにはこの島の悲しい歴史が関係しているとされています。南北朝鮮の成立期、韓国(南朝鮮)が共産主義者粛清などを名目に、島民の5人に1人にあたる約6万人を虐殺する事態が起こっており(「済州島四・三事件」)、その被害に遭うことを恐れて日本に逃げた人たちが多くいるのだそうです。しかも、済州島朝鮮王朝時代に流刑地でもあったことから、在日コリアンの中でも「罪人の子孫」などといういわれなき差別を受けることもあるのだとか。今ではリゾート地の印象が強い済州島で須賀、人々が辿ってきた歴史は濃い陰翳を帯びています。

済州市民の台所

おじさんとは観徳亭の向かいで握手して別れ、ちょこっと見学します。

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1448年に兵士の訓練のために建てられたのだそうです。隣接地には復元された済州官衙がありま須賀、時計を見ればもう5時。割愛させていただきました。ここから中心街を東に歩きます。

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北側には海が望めます。

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並行する通りには新しい店が。

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一方こちらは、「ミレニアムタワー」と地下街です。観光名所が点在する旧済州も、商業的には苦戦を強いられているということなのでしょうか。

しばらく歩くと、港へと続く山地川が見えてきます。

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その上流側に広がるのが「済州市民の台所」東門市場です。

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柑橘類や土産物、

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魚介類を売る店がズラリ。魚屋に併設された刺身食堂もあったので須賀、まだ長男には刺身を食べさせていないので屋台料理のお店に。

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まあこれだと済州島らしさはほぼ感じられませんが、妻子ともに韓国で初めての食事だったのでこのくらいからでよかったのではないでしょうか。もちろんおいしかったですよ。8500ウォン也。期せずして安上がりな夕飯にもなりました。

熟睡する長男を抱えて

それからお土産やちょっとした日用品などを買って、市場前バス停へ向かいます。

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沖縄本島より西にありながら時差はないので、午後7時を過ぎてもこの明るさです。

バス停に着いて、電光掲示板を眺めながら「どのバスに乗ればいいのかな?」なんてやっていると、地元の人であろうおばあちゃんが「新済州は100番よ」と教えてくれます。それくらいならなんとか聞き取れたのでお礼を言うと、韓国語が通じると思ったのか、いろいろと話しかけてくれます。

おばあちゃん「その子は何歳なの?」

私「2歳です」

おばあちゃん「3歳かと思ったわ。どこから来たの」

私「日本です」

続けておばあちゃんは「日本から済州島に来るのは云々」というようなことを言っていましたが、恥ずかしながら私のリスニング能力でついていけるのはこの辺りまで。それを察したおばあちゃんは、私達に話しかけてきた別のおばちゃんを「あの人たちは日本人だから韓国語は分からないよ」と制したりもしていました。

バスは、今度は市外バスターミナルを経由して新済州へ。ただ宿の前には停まってくれなかったので、熟睡中の長男を抱いてしばらく歩いて帰りました。

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他の場所でも1〜2度見かけましたが、大紀元時報無料で配られています。調べたところによると、大紀元時報在外中国人向けの新聞で、法輪功迫害問題などで中国共産党に対してかなり批判的な論調を貫いているのだとか。それを(日頃は中国共産党の影響下にあるメディアに触れている)中国人観光が多い済州島に置く、というのはなかなか攻撃的な名案(笑)ですね。

宿には8時半前に着。何だかんだいって、初日から歩きまわりましたね。長男のシャワーは明朝に回して、今日は寝ることにしましょう。

*1:といっても緯度的には福岡と同じくらいです

*21円→10.77ウォンというレートでした

*3:ほら、タクシーに乗らなくても行けたじゃん

*4:厳密に言うと、そもそもそんなバス停があるのかは分かりませんでした

*5:もちろん山林の中

*6:さらに余談で須賀、この三姓穴は韓国南端済州島にある韓国最高峰・漢拏山の麓にあります。そのため、日本で言うところの「北海道から沖縄まで」に対応する表現として「白頭山から漢拏山まで」という言い回し存在するそうで、こじつけ臭くもありま須賀、白頭山と漢拏山がある種の対応関係にあるとは言い得るかもしれません

*7:いずれも00年代

2016-08-16

[][]ハワイ行ってきます!? 05:52

…と言っても、「韓国ハワイ」ですけどね(笑)

あちこち回るような旅行は多分しません。3泊4日、のんびりしてくる予定です。

2016-08-13

[]『竹島』(池内敏)/『国際法』(酒井啓亘、寺谷広司、西村弓、浜本正太郎) 12:37

こちらは竹島問題について、主に歴史学観点から日韓双方の主張を検討した本です。著者によると、特に21世紀に入ってから史料検討が進み、かなりの事柄を学術的に判断できるようになったとのことで、本書ではそうした知見をもとに双方の言い分を次々と破っていきます。韓国側が現在の竹島であると主張する「于山島」は史料によっててんでばらばらな島を指している、江戸幕府元禄期の朝鮮王朝との交渉で鬱陵島と一緒に竹島実質的放棄している、明治政府ですら1877年には両島を「我が国と関係ない」と結論付けている、とはいえ1900年大韓帝国側が管轄を宣言した「石島」が「独島」であるという主張もこじつけに近い―など。

そうなってくると両政府の主張はメッタ打ちにされてしまうわけで須賀、では著者として竹島領有権問題をどう結論付けているかというと、「日本側・韓国側の主張には、どちらかが一方的に有利だというほどの大きな格差はない。あえて言えば、竹島日本領にしたとする公文書日本側にはあるが、韓国側にはそうした類の公文書がない、というところだろうか」と、言ってしまえば「両方とも負け」に近い判断を下しています。

国際法

国際法

ここでこちらを参照してみましょう。参照、というより1カ月とかかけてまた通読したんですけど*1(笑)、関連する項目で最も強調されていたのは、「領域権原の相対的有効性」という観点だったように思います。ざっくり言うと、これがあったら一本勝ちというような白黒の付きやすいものではなく、双方の主張のうちどちらがより優位かを相対的評価していく―「A国の主張も一理あるけどB国の方が妥当だな」という風に決めていく過程なのです。『竹島』における著者のスタンスはこれに適ったものと見做せ、まあ「どちらも弱いですね」と言っているわけですけど、私が読んだ感想としては、政府の言い分がどうかはともかくとして、日本側にやや分があるのではないかと考えています。

まず、第二次世界大戦に敗れた日本が、旧植民地放棄するなどして国際社会に復帰することを国際法上画したサンフランシスコ平和条約において、竹島日本領として扱われていることは明確です(「放棄する島に竹島も入れるべきだ」という韓国側の主張は却下されています)。また、その際出されたラスク書簡が前提とする1905年日本編入についても、先述の「石島」が竹島意味しないなら竹島はどの国家領域にも帰属しない*2無主地」とせざるを得ず、決定方式を含めて形式的には無主地先占が成り立つとは一応言えるのではないでしょうか。まあ著者が言うように、編入のきっかけとなった貸し下げ願いの提出者も最初は韓国領だと思っていたくらい微妙な部分ではあり、事前・事後ともに韓国側に通告しなかった点などはやり口として不誠実ですし、編入自体日露戦争中、日本韓国政府権限を次々に制約していく時期に行われた*3のは事実であり、そこも大きな問題ではあるんですけどね。

最後に付けた注の部分は不満で須賀、全体としては論理明快で分かりやすい本だと思います。実は実物を見たこともあったりなんかして、島の様子などもイメージしやすいというか、ちょっと懐かしかったです。

*1:細々とながら時間をかけて読んだのでこちら単独の感想も少し。論争的な部分をしっかり紹介してくれている点で「覚えるんじゃなくて理解してね」という執筆者意図にも資するなあと感じながら読み進めましたが、もっと言えば世界政府的なものが存在せず、さまざまな法を言わば有権的に解釈適用して遵守を義務付けるアクター存在しない以上、この教科書が、ということ以上に国際法という分野そのものがより論争的なものでもあるのでしょうね。法律の他の分野について、感覚的に述べるだけの素養はないんで須賀www

*2元禄以降領有権否定している日本側にも、この時点ではもちろん帰属していません。編入の閣議決定を読めば、「これから領有する」というスタンスが非常に明確です

*3:著者はこの論点について、主唱者に遠慮して深くは触れなかったとあとがきで述べています。それがその主唱者に対して誠実な態度なのかはよく分かりませんが、少なくとも読者に対しては不誠実な態度だと思います

2016-08-07

[]親子の2016年7月読書「月間賞」 00:21

長男はこれです。

ばすくん

ばすくん

都会を走る路線バス「ばすくん」を主人公とする、割とストーリー性のあるお話です。ばすくんの身に事件が起こると「なんで?」と驚いた様子で聞いてくるところから察するに、なんとなく話の筋を追うことはできているということなのでしょう。なんかちょっとこう、かわいそうというかクサい話です。

私はありません。なぜなら、この1カ月間で読み終えた本がなかったからです(爆)

[]長男言行録(2歳1カ月)/父親生活態度を注意するの巻 00:47

  • 「おみず、ジャーしたらダメだよ」

ある晴れた朝。私は長男ベビーカーに乗せて保育園に向かっていました。登園路の路面が濡れているのに気付いたのか、長男はこう聞いてきました。「あめ、ふってる?」

私はそう聞かれた理由を、上述のように路面の状態と結びつけて解釈しましたので、「雨は降ってないよ、お空を見てごらん。地面が濡れてるのは、誰かがお水をジャーってしたからじゃないかな?」と返事をしました。冒頭の一言は、それへの返答です。

誰かに最近、これまでに「〜しないでね」「〜しちゃダメだよ」と言われたことを結構意識するようになっていまして、よくそんなことを憶えているなあと感心する半面、2歳児をそう仕向けている片棒を担いでしまっていることには、少し申し訳なくも思っています。自分絶対、こんなに聞き分けが良くなかっただろうから。ちなみにこのセリフは、お風呂に入っている時、私に何度か言われたんだと思います。

加えて細君が言うには、アニメのあるシーンでテーブルに腰掛けて喋っていたてんどんまんに「テーブルにすわらない」と注意していたそうで、本当に結構、規範化されているようですね。そういや、風呂上がりに半裸で食卓につこうとしたら「パパ、シャツきる」って怒られたっけ(笑)

2016-07-22

[]ポケモンGO触ってみた/電車内はピカチュウを探す場所ではない 12:34

ポケモンGO配信されたので、早速触ってみました。子供の頃にハマった思い出深いゲームだから、という理由もなくはないで須賀、海外で騒ぎになりだしたのを見て、スマホ時代暮らし方・遊び方の一例として体感してみたくなったのです。

さて、まず最初のポケモン3匹を無視し続けてピカチュウをゲットし、ちょっと歩き回って電車にも乗ってみたので須賀、ちょっと電車の中でポケモンアイテムをゲットするのは難しそうですね。あえてやるなら駅の前後でしょうか。

歩いている時はともかく、電車の中ではメリット小さそうなので大人しく読書に戻りましょうかね(笑)

2016-07-10

[]これで安倍政権与党を勝たせたら、ますます国民なめられますよ 10:40

今回参院選についてはTwitterなどで何度か意見表明してきましたが、ごくごく簡単に一言。今日は、安保法成立後初の大型国政選挙期日です。違憲の疑いが強い法律を強行的に押し通すようなことをしても次の選挙で勝てるなら、安倍首相は今後も同じようなことを躊躇なくやるでしょう。

「こいつ*1は前*2トラウマを引きずっている。多少雑に扱っても、後で甘い言葉*3を囁いておけばいい。そうすれば結局、オレにすり寄ってくる。オレとは別れられないんだよ」

これって、完全になめられてませんか?

経済がどうでもいいとは言いません*4。ただ、事は「強大な権力を持つ日本国家がルールに基づいて運営されるかどうか」でありますので、どちらが大事かは自ずと定まってくると思います。

賛同いただける方もそうでない方も、ぜひ投票には行きましょう。遅まきながら、私からのお願いです。

*1国民

*2民主党政権

*3:「アベノミクスがうんたらかんたら」

*4与党経済政策の方が優れているとも思いませんが

2016-07-09

[]親子の2016年6月読書「月間賞」 11:19

長男はこちら。

この本に限らず、アンパンマン熱はかなりのものです。かつては家ではそんなに接触の機会を与えていたわけでもなかったのに、なんででしょうね?

ちなみに一昨日の夜のことでしたが、「同じキャラクターを探そう」というコーナーでわざと全然別のものを指差して遊んでいました。設問の意味理解し、かつふざけるということができるようになっているようです。

 

私は該当なし。読んで興味深い知識が得られたとか、価値のある仕事だと感じた本はもちろんありましたが、曲がりなりにも「月間賞」などと称して人にお薦めできる広がりがあったかというとちょっと違いますかね。

[]長男言行録(2歳0カ月) 13:30

長男が話せるようになったら、成長段階での彼の発言をどこかに書き留めておく」というのが父親になってからの夢だったので須賀、2歳を過ぎ、本人もかなりおしゃべりするようになってきましたので、先月分から記録に残していこうかと思います。成長した後にここを見つけられたら怒られるかもしれませんけどもw

  • 「なんで『うあー』はゴトンゴトンするの?」

抱っこで登園中に、電車が走っているのを見つけて。「うあー」というのは言わば彼の「固有語」で、最も早く使い始めた言葉の一つなんですけれども、大人が使う言葉が上手く言えない*1わけでも、いわゆる幼児語*2でもなさそうで、擬音語なのでしょうか、「電車」という言葉を知った今でも使うことがあります。

正直言ってそんなことを疑問に思ったことがなかったので、尋ねられた時はかなりたじろいでしまい、「えっと、車両がたくさんつながってるからじゃないかな?」と適当な答えになってしまったので須賀、電車ではなくレールの継ぎ目の問題みたいですね。次聞かれた時は、ちゃんとしたことを分かりやすく話してあげたいと思います。

子供は純粋無垢」というのは神話生姜大人よりは社会を覆う暗黙の了解支配されていないとは言えると思います。その意味で、長男言葉が私にもなにがしかの気付きを与えてくれるかもしれない。そんな邪*3な思いを胸に、毎月書き続けていければと思っています。

*1バナナを「ナンナ」と言うなど

*2:「ワンワン」「ブッブ」など

*3:タテジマは単独最下位に沈みました