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取材現場を離れて久しい新聞社員のブログ。 本の感想や旅行記(北朝鮮・竹島上陸など。最初の記事から飛べます)。

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『国際政治のなかの韓国現代史』(m9木宮正史)…と崔順実起訴

国際政治のなかの韓国現代史

国際政治のなかの韓国現代史

一度読んだ本ではありま須賀、直前に北朝鮮に関するものを読んだ流れや、実際に現地に行くことになっていたこともあり、おさらいしてみました。
韓国の政治・経済・(対北関係を中心とした)国際関係を構造的に捉えていて、理屈として分かりやすかったです。その一方、やや詰め込み過ぎな印象は受けましたけどね*1。あと、朴正熙自身が北朝鮮に対してある種の「平和な体制間競争」を呼び掛けていた点も踏まえれば、前回ほど「体制間競争」の考え方を批判的に見なくてもいいのかなという気はしました。
今まさに、彼の娘である朴槿恵大統領が諸々の疑惑で政治的窮地に陥り、先週末にはソウルで「1987年以来最大の抗議デモ」も開かれました。この本の議論の続きでいくと、大統領の裏で青瓦台を牛耳っている輩がいて、そいつの金銭的不正の片棒を大統領自身が担いでいる、となれば韓国社会で高まっている政治不信が極致に至るのはむしろ自然でしょう。しかしその一方で、期待に背いた政権に懲罰を与えるという意味で言えば、それこそ1987年以来初めて、選挙を待たない市民の直接的な政治参加が政権交代を生む可能性もあるわけです。大統領としては辞めれば訴追されることは目に見えているわけですから、簡単には慧めたりはしないでしょうけども、現在が韓国現代史における超重大局面であることは間違いなさそうです。

朴大統領も「共謀関係」…韓国検察、友人ら起訴
【ソウル=宮崎健雄】韓国検察は20日、朴槿恵(パククネ)大統領の友人、崔順実(チェスンシル)容疑者(60)の国政介入疑惑を巡り、崔容疑者と大統領府の前政策調整首席秘書官の安鍾範(アンジョンボム)容疑者(57)、前付属秘書官のチョン・ホソン容疑者の3人を職権乱用や公務上秘密漏えいなどの罪で起訴したと発表した。
検察幹部は記者会見で、朴氏も「いままで確保された証拠資料を根拠に、3容疑者の犯罪事実と関連して、相当部分が共謀関係にあると判断した」と述べ、引き続き捜査を進める意向を示した。今後、退陣圧力が強まるのは必至だ。ただ、検察幹部は「憲法の規定で大統領を起訴できない」とも述べた。(11月20日、読売新聞)

*1:もっと長々説明しても悪くなかったんじゃないの?という意味