「平和のイメージを捨て去ることは日本にとって大きな損失」(重信メイ)

今日24日は49年ぶりに復活したという祇園祭の後祭り(あとまつり)です。
昨日はその後祭りの宵山NHKが特別番組で、鉾に飾られている緞通の謎解きをしていました。
学生時代の友人の京都のマンションに泊めていただいて祇園祭宵山を体験させてもらったのは2年前。鯉山のベルギー製タペストリーの謎は、その後の新たな謎解きで興味がありました。機会があればまとめてみたいと思います。右の写真は我が家の月鉾。下の山鉾の写真はNHK、昨夜の宵山の画面から。
さて、昨日は戦争のお話だったので今日は平和についての珍しい方のお話です。

マガジン9条」が更新されていました。
この人に聞きたい」は重信メイさんでした。
そしてこの写真です。本当に美しい人ですね。
重信房子、そう、あの日本赤軍の最高幹部で海外にわたり、その後1974年のハーグ事件で国際指名手配、逃亡を続け、2000年、偽造パスポートで日本に入国したところを、かねて日本赤軍支援者を監視してきた大阪府警公安第3課によって発見され、逮捕され有罪となり、懲役20年の刑を受けた重信 房子(1945年9月28日 - )の娘さんです。
重信房子、伝説の人、私と一つ違い、1973年生まれの娘さんも私の次男の一つ下。同じような年齢で青春時代を生きて同じような年頃の子どもがいて・・・・・・・・!?!。
◎「特別な1日」さんの7月14日のブログでは、メイさんも取り上げられている映画「革命の子どもたち」もタイトルの一つになっています。映画が終わった後は重信メイさんのトークショーがありそれにも参加されています。
SPYBOYさんのこのブログを先に読んでいて、この映画のことも知っていたので、マガジン9条のインタビュー記事もよく理解できました。
先に「特別な1日」さんの重信メイさんの紹介文をコピーしますと:(SPYBOYさんのブログでも重信メイさんの美しさに触れておられます)

●こ、これは可愛い- - -


・・・・・それとは対照的なのが重信メイだ。彼女は母親の活動を積極的に肯定はしないまでも理解はしている。そして『今はメディアも多様化しており、権力側が一方的に情報を独占していた当時とは違う。だから自分は母とは違うやり方で戦っていきたい。』という。                       


日本赤軍が根拠地をパレスチナへ移した後、重信メイパレスチナ人の父との間で生まれ、そこで育った。イスラエルの暗殺を恐れて、幼少の時から偽名で育ち、いろいろな家庭を転々とする暮らしだったという。イスラエルの連中は何の罪のない子供まで狙っていたわけだ。実際 彼女の周りにはイスラエルの手紙爆弾で大けがをした人もいたという。国家が個人に対してテロをやるって、どうなってるんだ(怒)。彼女が母と一緒に暮らせたのは中学生くらいまでの実質6年間くらいだそうだ。

                                            

彼女はレバノンの大学へ進んだが、イスラエルに誘拐される恐れも出てきたので日本へ帰国した、そうだ。子供の時から死線を潜り抜けて生きてきたからなのか、柔らかな口調で明快に話す人だ。その中に凛とした強さを感じる。

◎映画について詳しくはコチラで:http://d.hatena.ne.jp/SPYBOY/20140714/1405334332

では、予備知識をもらって、早速マガジン9条のインタビューから端折ってコピーです。
重信メイさんの現在の肩書は「ジャーナリスト・プロデューサー」となっています。詳しくはコチラ:http://www.magazine9.jp/article/konohito/13565/(トップの写真もこちらからです)

   重信メイさんに聞いた「平和」のイメージを捨て去ることは  日本にとって大きな損失



現在、東京・神奈川などで公開中の映画『革命の子どもたち』は、日本とドイツ、国は違えどともに「革命家」として生きた2人の女性、そしてそのそれぞれの娘たちという、2組の親子の姿を追ったドキュメンタリー。かつて日本赤軍のリーダーを務めた重信房子さんの娘で、現在はジャーナリストとして活躍する重信メイさんも、映画の中で自身の子ども時代を振り返っています。「母と娘の関係」が大きなテーマとなっている映画をメイさんはどう見たのか。そして、28歳で初めて訪れた祖国・日本の今をどう見ているのか。お話を伺いました。

「平和主義」のイメージという財産を売り払おうとしている日本

編集部
 さて、メイさんご自身は、2001年に日本国籍を取得してレバノンから来日されました。そこから13年の間に、日本社会も大きく変わったと思います。今の日本の状況について、どんなことを感じておられますか。

重信
 二つ、気になっていることがあります。一つは原発の問題です。
 3年前に福島であんな大きな事故があったにもかかわらず、日本政府は発電手段は原発しかないような姿勢を変えようともせず、もとどおり自分たちの「居心地のいいところ」に戻ろうとしています。本当なら、あのようなことがあったので、もう何があっても違うエネルギー源の開発や浸透のために投資しようとする方向に行くべきだと思うのですが。国民のことを考えず、自分たちのことだけを優先に考えて動いているようにしか見えません。
 ただ、一つだけいい面があったとすれば、一般の日本の国民の間に問題意識が高まったことです原発事故以前、日本国民はマスメディアや政府が言うことをそのまま鵜呑みにして信用してしまう人が多かったと思うのですが、あの事故が起こったことによって、そして政府が放射能の危険性についてなど、さまざまな嘘をついていたことが明らかになる中で、「政府の言うことが必ずしも正しいわけではない」という認識が広がりましたよね。そう考える国民が多いということは、今後は政府が国民を簡単にだませなくなったということ。その意味では、一つの希望になっているかなという気がします。

編集部
 なるほど。もう一つは何ですか?

重信
 やはり、憲法改正憲法解釈をめぐる問題です。日本がもっともっと戦争にかかわっていく、そういう方向に行ってしまいそうな気がして非常に不安ですね。
 今まで日本という国は、国際社会の中で――日本政府はそれをまったく評価していないみたいですが――非常にニュートラルな、平穏で平和的で、安心感を持って接することのできる国という捉え方をされていたのです。それは憲法9条があったから。特にアフガニスタンイラクでの戦争の前は、少なくとも表面上は「戦争にはかかわっていない」ように見えていた。その平和主義的なイメージは、日本の、日本国民の大きな財産だったと思うのです。
 それなのに、今の日本政府がやろうとしているのは、その財産を売り払って、かわりに「強くて力を持っている国」のようなイメージを買おうとしているようなもの。私は日本にとってそれは絶対に損だと思っています
編集部
 特にメイさんがおられたアラブ世界では、日本のイメージは非常にいいと聞きますね。

重信
 アラブの人たちは本当に、日本が好きだし日本人のことを尊敬していますよ。日本がかつて戦争に負けて、しかも原爆を落とされた上に、アメリカに占領までされた、その歴史を大国に踏みにじられてきた自分たちの立場に重ね合わせているのです。でも日本は、焼け野原から立ち上がって、戦争を放棄して平和を選択し、経済的な発展を遂げた。それに対してとても尊敬の念があって、「見習いたい」と思ってくれているのです。その気持ちを踏みにじってなくさないでほしい、と思うのですが…。
編集部
 そのイメージが変わってきたのは、やはりイラク戦争あたりからですか?

重信
 私の周りではそうだと思います。もちろんゴラン高原アフガニスタン戦争など、それまでにも自衛隊は海外で活動していましたが、イラクはかなり国際的に「目立つ」形で行ってしまったので…。いくら軍事的には参加しないとは言っても、軍にしか見えない自衛隊が、軍服を着て行っているわけですから、やっぱり「軍事介入」として受け取られますよね。





戦争に参加すれば、それは必ず自分たちに返ってくる

編集部
 さらに、安倍政権はこれまで憲法上許されないとされていた集団的自衛権の行使を容認し、自衛隊が海外でも武力行使できるようにして、アメリカなどの戦争にいっそう積極的に踏み込もうとしています。
重信
 これまで禁止されていた武器輸出の解禁にも踏み切りましたよね憲法そのものは改正しないまま、事実上の「容認」状態をそうして少しずつつくっていこうとしているのでしょうが、それが世界の人々に広がってしまったら、日本の「平和」イメージは崩れてしまいます
 以前は、どんな紛争の中にいる人も、日本人は敵ではない、どちら側にも立っていない「中立」だと見られている部分がありました。それが、このまま行けば「ああ、日本人はアメリカ側なのだ」「敵側についている国なのだ」と見られるようになってしまう可能性が高い。もちろん、ちゃんと知識があれば、日本人の中でもそうした政府の動きに反対している人は多いと分かるでしょうが、そこまで見てくれるとは限らない――というか、見てくれないことがほとんどでしょう。政府と国民はひとくくりに見られるからです。
 イラク戦争のときの人質事件や、アルジェリアでの人質拘束事件も、日本がそうして徐々に「平和主義のイメージ」を捨ててきたことの結果という面があると私は思っています。日本政府はもちろんそうは認めないでしょうが、この政治判断の結果、日本人の犠牲者が増えてしまうでしょう。

編集部
 「9条が日本の安全を守るんだ」ということを言うと、「平和ボケだ」と言われたりすることがありますが、日本よりもはるかに「戦争」が身近にある中東で育たれたメイさんがそうおっしゃると、説得力があります。

重信
 戦争というのは、実際に人が死んで、傷つくということ。また食糧が手に入らないとか、爆撃を避けて何週間も地下室で過ごさなきゃいけないとか、普通の日常生活ができなくなることです。いいことは一つもないし、今戦争のまっただ中にいる人だって、戦いたくて戦場にいるわけではない。
 もし、日本が集団的自衛権を行使して、海外での戦争に参加していくようになったら、日本の本土にもいつか「戦争がやってくる」ときが来ます。アメリカは過去に世界各地の戦争、紛争に参加し続けたけれど、その結果が9・11のNY同時多発テロ事件でしたよね。戦争に参加するということは、自分たちに敵対する気持ちを持つ相手をつくるということです。それは必ずいつかブーメランのように自分たちのところに戻ってきてしまうのではないでしょうか戦争というものを、戦争に関与するということを、軽く見てはいけない。そう思います。

◎「shuueiのメモ」さんで福島の今を:
◆「【福島第1原発の現状】タンク増設、90万トン確保へ 綱渡り続く汚染水対策」共同通信)2014/07/21 14:05(http://d.hatena.ne.jp/shuuei/20140724/1406146618)
放射性物質、飛散量は最大1兆ベクレル 東電推定」2014年7月23日23時04分 朝日新聞http://d.hatena.ne.jp/shuuei/20140724/1406142882