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四丁目でCan蛙

2014-03-21

NHKスペシャル「メルトダウン File.4 放射能”大量放出”の真相」(その3)

| 17:38 | NHKスペシャル「メルトダウン File.4 放射能”大量放出”の真相」(その3) - 四丁目でCan蛙 を含むブックマーク NHKスペシャル「メルトダウン File.4 放射能”大量放出”の真相」(その3) - 四丁目でCan蛙 のブックマークコメント

f:id:cangael:20140319185551j:image:left語り:ドーナツ型をした格納容器の下の部分にはベントの際、放射性物質の放出を抑える機能が備えられている。

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サプチャンと呼ばれる圧力抑制室です。溜められた水がフィルターの役割を果たします。圧力を抜く際蒸気を水にくぐらせることで放射性物質の量を0.1%、1000分の1にまで減らすことが出来るとされてきました。

専門家と共にイタリアの巨大実験施設を訪ねた。

先ずサプチャンがどのような仕組みで放射性物質の放出を0.1%まで抑えるのか実験で確かめます。

サプチャンに見立てた高さ3mの水槽、上から伸びる配管が蒸気を送り込む。

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ミラノ工科大学マルコリコッティ教授(原子力工学専門家)「こうした実験は原発安全性を考える上で非常に重要です」

f:id:cangael:20140319190819j:image:leftサプチャンの水温は低く保たれている。格納容器から吹きこむ高温の蒸気は泡となり直ぐに消えてしまう。ハイスピードカメラで見ると蒸気は冷やされると一瞬で熱を奪われ水に変わる。そのため泡が消えたように見えるのです。

格納容器の蒸気が水に変わる瞬間、蒸気の中にあった放射性物質は水の中に捉えられます。

ところが事故当時、1号機のサプチャンでは異常事態が発生していたのではないかと専門家は指摘する。

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エネルギー総合工学研究所/内藤政則部長(原発の事故分析の専門家)「上の部分の温度が上がって下の部分の音頭が上がらないという温度成層化が現れるでしょう。サプレッションプール(サプチャン)の温度はかなり上がっていたと考えられます」

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事故の際、サプチャンには格納容器とは別のラインから高温の蒸気が流れ込んでいたとみられる。この結果温度成層化という現象が起き水の上の方が沸騰状態となっていた可能性が高いというのです。

成層化が起きるとサプチャンの放射性物質を取り除く効果にどのような変化が現れるのか、水を沸騰させて先ほどと同じ量の蒸気を吹き込んで実験してみます。

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すると様相が一変、蒸気が大量の泡となって、そのまま水面まで上昇していって蒸気の中に含まれていた放射性物質も水に取り込まれることなく一瞬に放出されてしまいます。

解析の結果、水温が低い場合は放射性物質の放出量を0.1%にまで減らせていたものが、沸騰するとおよそ50%、半分も放出されてしまう可能性があることがわかった。

今回の事故は大量放出を防ぐ最後の切り札とされてきたベントを検証する必要性をつきつけたのです。

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事故の教訓は生かされるのか? 福島第1原発と同じ型の原発を持つ6社にアンケート調査を行った。東京電力など3社は新たに設置するフィルターの装置で対応できるとしている。残る3社も新たな装置を取り付けることにしているが詳しい性能については検討中または回答を差し控えるとしています。


しかし専門家は今回明らかになった高い放射線量はサプチャンの水温上昇だけでは説明しきれない可能性もあると指摘します。

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エネルギー総合工学研究所/内田俊介特任研究員(水中の化学物質の挙動の専門家)「あれほど汚い水、実際にはいろんなもの(化学物質)が入っている水、こういう状態を想定して(放射性物質の)挙動を考えていたのだろうか」

 

語り:メルトダウンした原子炉は様々な化学物質が発生しています。その種類や量によっても放射性物質の放出量に違いがでるのではないかという。事故の検証は充分なのか、原発の安全対策を審査する原子力規制委員会に問いました。

 

原子力規制委員会/更田豊志委員「安全を考える上で一番怖いのは見落としがあること、”欠け”があること。ただし、どうしても”欠け”は必ずあって(事故の)想定にしても十全になるように出来るだけの努力をしたつもりでも、そこで終わりではなくて継続的な改善、それから”欠け”を探す努力は常に続けていかなければならない」

吉田キャスター放射性物質の大量放出は様々な弱点を・(?)、事前の予想や対策を超える形で起きていました。放射性物質の封じ込めがいかに難しいか、事故が起きて初めて分かることがいかにたくさんあるかを示しています。さらに未だに解明されていない問題が多く残されているのも事実です

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f:id:cangael:20140319203208j:image:left事故の後原子力施設の新しい規制基準が作られ、今、全国の48の原発のうち17の原発原子力規制委員会安全審査を受けています。

福島第1原発の事故を二度と繰り返してはいけない、そのためには多くの課題を置き去りにしたまま検証を止めることが決してあってはなりません。事故の教訓が本当の意味で踏まえられているのか? これほどの影響を及ぼした事故の検証がまだ道半ばであることを忘れず問い続けていくことが求められていると思います

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◎番組スタッフの皆さんに敬意を表し、シリーズ次回作を期待しています。

◎この番組視聴後の管直人元首相の感想:「NHK番組と原発政策に関する欧州視察 」(http://blogos.com/article/82474/

NHKスペシャル「メルトダウン File.4 放射能”大量放出”の真相」(その2)

| 07:10 | NHKスペシャル「メルトダウン File.4 放射能”大量放出”の真相」(その2) - 四丁目でCan蛙 を含むブックマーク NHKスペシャル「メルトダウン File.4 放射能”大量放出”の真相」(その2) - 四丁目でCan蛙 のブックマークコメント

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語り:今も帰還を阻む高濃度の放射能汚染. 格納容器に放射性物質を封じ込めることがいかに困難か2号機が突きつけた重い現実です。

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吉田キャスター深刻な汚染を決定づけた2号機からの放射性物質の大量放出. これまで目を向けてこなかった非常用の冷却装置がいわば落とし穴になってベントが出来なくなり格納容器から直接漏れ出していた事態を引き起こしていた恐れが出てきました。放射性物質を封じ込める最後の砦とされてきた格納容器. どこが破損して漏れたのか? 調査が行われていますが大量放出した2号機については具体的に分っていません。

調査で手がかりが得られているのは1号機. ベントには成功しましたが真っ先に冷却機能を失って一気にメルトダウン. 格納容器が壊れて放射性物質が大量に放出されました。最新の調査結果を専門家と解析すると格納容器の意外な弱点が浮かび上がってきました。f:id:cangael:20140319154120j:image:left語り:放射性物質を封じ込める最後の砦である格納容器は

何処が壊れていたのか具体的な場所を探る調査が始まっています。

先ず調べるのは、最初にメルトダウンした1号機。

格納容器周辺は放射線量が高いため遠隔で操作するボートを使う。

このボートを汚染水が溜まっている格納容器のすぐ外側に投入、

装載したカメラが格納容器の損傷個所を探ります。

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そして、カメラがとらえたのは、格納容器周辺の配管から漏れだす汚染水。この奥のどこかに損傷個所があることを示している。映像を見た専門家は流出する汚染水の量から、格納容器が予想よりも深刻な状況にあるのではないかと指摘した。

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法政大学/宮野廣客員教授原発メーカー元幹部)「どこかに穴が開いている。コチラ側に漏れがないのであれば、ここではなくて、このどこかで」。

汚染水が漏れていた場所を辿るとコンクリートに覆われた格納容器の下の部分に行きつきます。そこは壊れにくいと考えられていた場所だった。専門家と共にさらに詳細な分析を行うことに。損傷が疑われる場所は、今、直接確かめることはできない。

入手した格納容器の図面とメルトダウンシミュレーション結果を基に解析する。

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エネルギー総合工学研究所/内藤正則部長(原発の事故分析の専門家)「口が開いている部分が一ヵ所. ここから溶けた核燃料が出てきている。それで我々の計算だと、この解けた物は壁にくっついていない。」

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語り:シミュレーションではメルトダウンした核燃料は原子炉の下のコンクリート部分に噴き出した. あふれ出した核燃料は格納容器の壁に向かって流れて行くが、しかし、壁からおよそ1mのところで止まった。直接触れていないにもかかわらず壁が破壊されることがあるのか?

金属など構造物の耐久性を調査している専門家)「これ2000℃を超えるような高い温度ですからドライウェル(格納容器)の壁は、輻射熱で温度が上がる。温度が上がった時にドライウェルが構造的にもつかどうか・・・」。

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鋼鉄製の格納容器の厚さは24ミリ. その周りを覆うコンクリートの形や材質などを踏まえ核燃料から出る熱の影響を探ると、最後の砦とされてきた格納容器の壁は600℃近くまで上昇. 赤で示した格納容器の金属部分は外側に向かって膨張する。外側のコンクリート部分に一部材質の異なる部分があり、継ぎ目の部分に大きな力がかかる。そこが耐え切れず破壊されるという結果がでた。

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「元々温度がここまで高くなることは想定していない。こういった炭素鋼とかの金属ですと熱膨張が妨げられない」「従来、想定していなかった。あまりにもデブリ(溶けた核燃料)がドライウェルの壁近くまで出て来てしまったという今回の事故の事例では、持たない. という結論になりました、ということですね」

語り:これまで漏れやすいのは配管のつなぎ目や蓋の部分だとみられてきました。今回の結果は核燃料が壁に直接ふれなくても、その熱によって破壊されるという新たな弱点を示しています。

事故の当事者である東京電力はこの結果をどう受け止めるのか?

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東京電力/姉川尚史常務(安全対策の責任者)「溶融炉心(溶けた燃料)が格納容器に出れば、いろんなところにひずみが生じて、その結果リークタイト(漏れが生じる)可能性があります。それはその通りだと思います。少なくともフクシマで大きな漏洩(ろうえい)が起こったところについては手だてをする、それ以外についても高温の溶融燃料が落ちてきたことによって劣化しそうなところに目配りして、それをどうやって防ぐかを考える、かなり高温に耐えるような材料でカバーするとか、やれることはまだまだあると思っていますので、そういう対策をする、と思ってます。」

語り:水素爆発を起こした3号機. そして最も大量の放射性物質を放出した2号機の格納容器の調査はこれからです。

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吉田キャスター原発の北西5キロあまり、福島県双葉町上羽鳥(かみはとり)に来ています。周辺に放射線量の高い場所があるため立入が厳しく制限されているため、このように防護服を着用します。今回私たちは原発の外でも放射性物質の放出の真相を知るうえで貴重な手がかかりを見つけました。放射線量を測定するモニタリングポストです。

f:id:cangael:20140319170242j:image:right実はここで記録されていたデータは気付かれないまま3年の間眠っていたんです。データを見ていくと1号機の水素爆発より前にかなりの放射性物質の放出があったことがわかりました。これは1号機のベントのタイミングと重なっています。浮かび上がってきたのは今の原発の安全対策に警鐘を鳴らす新たな事実です。f:id:cangael:20140319170924j:image:left

語り:3年間眠っていたモニタリンポストのデータ. そこには20秒おきの放射線量地震発生から3日間にわたって記録されていた。データを解析すると、これまで明らかになっていなかった深刻な放射能汚染の実態が浮かび上がってきました。

地震発生から丸1日が経った3月12日午後2時40分. 急激に上昇した放射線量がピークに。およそ4.6msv/時。この状態が続けば一般の人の一年間の許容量をわずか15分で超えてしまう高い値です。

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この放射線量が観測されたころ、福島第1原発で何が起きていたのか? 3月12日午後2時01分. 排気塔から出る白い煙. 格納容器の圧力を抜く1号機のベントです。その後原発敷地内でも放射線量が上昇していたことが判りました。

東電元運転員「やっぱり異常に高い値だったのは覚えています。降り切れている所もあれば、指示計が。(建屋の)外の状況がどれだけ酷いものか推測できた」

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事故による放射性物質の広がりを研究してきた茅野政道さんです。

ベントが行われた午後2時に放射性物質が放出された場合、どのように汚染が広がるか計算したシミュレーションの結果です。

放出された放射性物質は北西に向かって移動し上羽鳥を通過、午後2時40分の放射線量は上羽鳥で観測されたデータと一致しました。

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日本原子力研究開発機構茅野政道部門長(放射性物質拡散専門家)「今回の14時のベント開始からすぐに(セシウムが)放出されていることが判ってくる。セシウムとか粒子状の物質がどれくらいの割合かは分らないが、そういったものが出ていることは確か。」

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しかし、1号機のベント前、東京電力放射性物質の放出は問題ないレベルだと説明していました。

東京電力/小森明生常務(当時)「原子炉の下に水がありまして、そこを通してベントをすると放射性物質が仮にあったとしてもかなり低いレベルに抑えられるという手順をとる。」

(つづく)

 

SPYBOYSPYBOY 2014/03/21 22:17 詳細な書き起こしありがとうございました。大変参考になりました。
日本の原発は頑丈な格納容器があるから大丈夫という話でしたが、格納容器に繋がっている配管やサブレッションプールがありますから格納容器が幾ら頑丈でも意味ない、と思っていました。やっぱるなあと言う感じです。当たり前ですよね。今さらながら原発の安全神話なんてものがいかにいい加減なものかと感じます。それなのにまだ、神話にしがみついている輩がいるのが信じられない。
で、尚且つ、きちんと事故の原因の究明すらできてないわけです。事故当時の総理大臣が私の知らないことがあった、と言ってるんですから(笑)、日本の原因究明態勢もいい加減極まりない。
もう一発事故が起きなきゃわからないんですかね、日本人は。もう一回起きたら日本は破産かもしれませんが。

cangaelcangael 2014/03/22 10:35 SPYBOYさん、コメントありがとうございます。
その頑丈な格納容器でさえ高熱で膨張してコンクリートの継ぎ目を破壊してしまうという、予測不能のこんなアブナイ発電所はいらないですね。事故そのものが起こらないときめつけていた「安全神話」の信者は、次々と発覚していた小さな事故はもみ消してマサに亡きものにしていた・・・怖い話ですね。
これだけの犠牲でも目が覚めに無い人たち・・・一体日本がどうなれば???と絶望的にもなりますが、その前に、各人やるべきことを・・・ですね。

2014-03-20

NHKスペシャル「メルトダウン File.4  放射能”大量放出”の真相」(その1)

| 08:59 | NHKスペシャル「メルトダウン File.4  放射能”大量放出”の真相」(その1) - 四丁目でCan蛙 を含むブックマーク NHKスペシャル「メルトダウン File.4  放射能”大量放出”の真相」(その1) - 四丁目でCan蛙 のブックマークコメント

3月16日(日)NHK総合 

メルトダウン File.4  放射能”大量放出”の真相」

f:id:cangael:20140319211716j:image(←NHKサイトのイラストから)

語り:世界最悪レベルとなった東京電力福島第1原発事故から3年.人々の暮らしを奪った大量の放射性物質はどのように放出されたのか今も明らかになっていない。

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先月、取材班は原発から35km離れた場所(福島県双葉町上羽鳥)で一つの手がかりを見つけた。地震の後止まっていたと思われていたモニタリングポスト.

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事故直後の詳細な放射線のデータが3年もの間気付かれることなく残っていた。データを解析すると新たな事実が浮かび上がった。地震の翌日から始まった放射性物質の大量放出. 新たなデータが示したのは、これまで考えれていたより早い時間帯に高濃度の放射性物質が放出されていた事実でした。

何重もの壁で守られていた原発に思わぬ死角があったと専門家は指摘する。さらに放射性物質を封じ込める最も重要な機能がどのように失われたのか.

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その詳細も明らかになってきた。

メルトダウンして溶け落ちた核燃料. この膨大な熱で最後の砦、格納容器が”破壊”されていた可能性が浮かび上がってきた。

400人を超す関係者への徹底取材を基に当時の様子を映像化. 独自の科学的な検証から事故の原因を追及してきたシリーズ.

今回は事故最大の謎. 放射能大量放出の謎に迫ります。


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吉田キャスター原発事故から3年. 福島県では今も13万5千人もの人たちが自宅を逃れて避難生活を送っています。

私が立っているこの場所も日中の立入りは出来ても暮らすことはできません。降り注いだ放射性物質の量が多かった地域は復興に向けて動き出すことさえままなりません。

まるで時間がとまったかのようです。

多くの人の暮らしを奪った放射性物質の大量放出. さまざまな事故調査が行われてきましたが、実は今も未解明な問題が数多くあり検証は充分とは言えません。

事故を振り返ってみます。震災発生の翌日. 最も早く冷却機能が失われた1号機がメルトダウン. 水素爆発を起こす。続いて2日後には3号機、3日後には2号機の動いていた冷却装置が止まりやはりメルトダウンしました。ここに放射性物質の放出量のグラフを重ねます。

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1号機と3号機の水素爆発の際に短いピークが見られます。しかし最も多く継続的に放射性物質が放出したとみられるのは爆発しなかった2号機です。2号機で一体何が起きていたのか。謎に包まれていた大量放出の真相が明らかになってきました。

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語り:原子炉が次々とメルトダウンし建屋の水素爆発を起こした1号機と3号機. しかし最も事態が深刻だったのは爆発を起こさなかった2号機でした。格納容器から放射性物質を大量に放出した2号機.配管のつなぎ目や蓋の部分から漏れたとみられている。

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残された汚染のデータを解析した画像です。

2号機からの放出は3月14〜15日にかけて、原発の北西部に高濃度の汚染をもたらした後、関東一円に広がった。

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大量放出の原因は何だったのか、先月、1,2号機の中央制御室にカメラが入った。

事故当時津波によってすべての電源が失われ真っ暗になったこの部屋、運転員たちの手さぐりで事故対応に当った跡が残されていた。

2号機の機器は、このボタンを使ったベントと呼ばれる緊急時の操作が出来なかったためとみられている。

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ベントは格納容器を守り、放射性物質の大量放出を防ぐ最後の手段です。原子炉の中でメルトダウンが始まるとその熱で格納容器の圧力が急激に高くなり一気に破壊される恐れがある。圧力を下げるため内部の蒸気を抜くのがベントです。

水をくぐらせて放射性物質を取り除いたうえで放出する。しかしなぜか2号機だけがこのベントが全く出来ない状況に陥った。現場で何が起きていたのか関係者への取材から当時の状況が明らかになってきた。証言を元に映像化します。

3月14日の2号機中央制御室. 地震発生から3日間動き続けていた非常用の冷却装置が停止した。

「RCIC(冷却装置)の運転状況確認!」「原子炉水位はTAF(燃料上部)に達しました!」

午後1時25分. 2号機の原子炉では燃料棒を冷やすための水が急速に失われメルトダウンの危機が迫っていた。

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当時事故対応の指揮を執っていたのは原子炉建屋から300m余り離れていた免震重要棟です。これまで1号機と3号機の水素爆発の対応に追われていた免震棟. 2号機からの大量放出を防ぐためベントの指示を出した。

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当時現場で事故対応に当っていた東京電力の元運転員が取材に応じた。

「まずは格納容器の保護ですね。そこを第一に考えなければいけないので。健全性を失わないためにも保護するためにもベントは必要でしたね」

3月14日の免震重要棟。

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語り:すべての電源が失われた2号機中央制御室。ウエットウエルベント用非常用の発電機を使いベントを試みて見たが、しかし、格納容器の圧力は下がらず。現場が疑ったのは、ベントの際、開けなくてはならないAO弁と呼ばれるバルブでした。このバルブは外から空気を送り込むことで開き、格納容器内部の圧力を抜くことができる。バルブを開けるための空気が足りないのではないか。バルブに空気が供給されているか確認するため復旧班のメンバーが現場に向かった。

バルブは原子炉建屋の中にある。すべての電源を失う中、景気を確認する為には直接現場に行くしかない。建屋の入り口には放射性物質を漏らさないための二重の扉がそなえられていた。

復旧班の3人が建屋内に入域。

語り:内部の状況が全く分からない中、放射線量を確認しながら少しずつ進む復旧班。メルトダウンが迫る原子炉からわずか10mの距離。バルブに空気を送るためのボンベがある場所へ。計測器の空気の供給は正常に行われていることを確認。戻った免震棟で報告するが、ベントは実施されず。

ベント弁の不具合か? バルブ自体が故障しているとすれば直す手立てはない。ベントが出来ずにいる間にも原子炉の状態は悪化の一途をたどっていた。メルトダウンによる熱で放射性物質を閉じ込める格納容器の圧力が上昇し始めていた。

「あと1時間で燃料が完全に溶融. その2時間後、原子炉が危険・・・」

語り:まだ最後の手段が残されていた。故障したバルブ以外の予備のバルブです。しかし、いずれも原子炉建屋の二重扉の内側にあった。再び原子炉建屋に向かう復旧班。しかし、事態は一変していた。一瞬で数10ミリシーベルトの被ばくをするほどの高い放射線量原子炉建屋は蒸気で包まれていた。「退避、退避!」

この後建屋の中での作業は一切出来なくなった。

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当時、吉田所長のもと(写真・隣り)で1号機から4号機までの事故対応を指揮したユニット所長は、2号機のベントが出来ない状況について現場から報告を受けていた。

東電福島第一原発・福良昌敏ユニット所長(当時)「早くベントのために大弁(おおべん)や小弁(こべん)なりを開けなければいけないということは決まっていたので、やることは決まっていて、かつ現場がやるべきことをやろうとしていたわけです。2号機は人が近づけなくなってしまったのです、バルブ自体にね」

語り:復旧班が原子炉建屋内に入れなくなったのは、メルトダウンによって大量の放射性物質が出始めていた時間帯です。しかし、この段階では格納容器の圧力は設計上の圧力を大幅に超えていないため放射性物質は大量に漏れ出すことは無いと考えられてきました。

なぜこの段階で高い放射線量が計測されたのか? 国会政府など様々な事故調査でもこの原因がつきとめられていない。

取材班は原子炉シミュレーション原発の設備に詳しい専門家とともに探ることにした。専門家が注目したのは格納容器そのものではなく、これまで見過ごされてきた格納容器の外側にある設備です。

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法政大学宮野廣客員教授原発メーカー元幹部)「圧力容器(原子炉)から出てきた上記はこのタービンの外に出る可能性がある」

疑われたのはRCIC(非常用冷却装置)で、電気が無くても蒸気でタービンを回して水を送り込み、原子炉を冷やす仕組みでした。

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タービンには原子炉から蒸気が直接流れ込むため、そこから漏れる可能性があるというのだ。しかしタービンの軸の部分は円盤型の4重のパッキンで厳重に塞がれていた。


RCICの軸から漏れることがあるのか、東京海洋大学刑部真弘教授(流体工学の専門家)と共に検証します。

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図面を基にパッキンの部分をRCICと同じような再現して蒸気を流し込む。

パッキンにかかる圧力を事故前と同じくする。

この状態では軸から蒸気が漏れることは無い。

事故当時と同じ圧力に徐々に上げていく。

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すると、大量の蒸気が噴き出した。

「私が思っていたよりかなり多い値。 放射性物質がかなり出てきた可能性はあります」

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なぜ漏れたのか? 実はRCICには”仕掛け”があった。

元々パッキンとパッキンの間には隙間が作ってあり、圧力が高まって蒸気が漏れてきたとしても、ここから吸い出す仕組みになっていた。しかし蒸気を吸い出すための装置が電気がなくなると止まってしまう。こうした状態に陥るとRCICから一気に蒸気が漏れだしてしまう。

「1時間に50キロくらいの蒸気が流れ出ている計算になります」「そんなに流れる?」

語り:漏れだした蒸気の量からみると建屋内部の放射線量が上昇しても不思議ではないと専門家は指摘する。

「蒸気が出ると建屋の中は真っ白になってしまう。蒸気の体積はスゴイ量ですから、だから真っ白になる。拡散していくのは結構速いと思います。」

語り:事故対応に当った元運転員もRCICから漏れているとは思いもよらなかったと言います。

元運転員「事故の当時は私はそこまで気がまわらなかったです。今見返せば、そこはリーク(漏れる)する個所の一つではあると思います」

語り:ベントを阻んだ要因として新たに浮かび上がったのは皮肉にも2号機を冷やし続けてきた安全装置からの漏洩でした。

建屋内の作業が出来ない中、事態は最悪の局面に近づいた。

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高まる圧力に格納容器が耐えられなくなっていた。当時の免震棟でのやり取りを記録した内部資料です。

核燃料のメルトダウンが進み格納容器内部の温度が上昇していく様子を克明にしるされていた。

2号機の冷却が止まり危機に陥ってからおよそ11時間。「15日午前0時41分. 炉心損傷率は5%から7%に上昇!」

語り:格納容器からの大量放出が現実味をおびていた。そして午前8時45分. 白い湯気。

正門付近で11,930マイクロシーベルト!」

今回の事故で最大の放射線量原発敷地内で計測された。

情報班の女性が叫ぶ「東京渋谷でも通常の2倍の放射線量を記録!」

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3月15日午前10時. 2号機、煙

2号機から白い蒸気が上がっている様子を捉えた写真。

最後の砦、格納容器が破られ、大量の放射性物質が放出された瞬間でした。

ベントが出来なかった2号機の格納容器は、・?の手立てを受けず封じ込めの機能を失っていったのです。

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東電運転員「当然我々は最善を尽くそうと取り組んでいたが、最善がどんどんマイナスになってしまって、だからこそこういう事象が起きたと思っています。やりたいことはいくらでもあったが、やれることが何もなくて無力感というのですか、すごく残念に思います」

語り:今も帰還を阻む高濃度の放射能汚染. 格納容器に放射性物質を封じ込めることがいかに困難か、2号機が突きつけた重い現実です。 (つづく)

2014-03-09

「ネットワークでつくる放射能汚染地図〜福島原発事故から3年〜」(ETV特集)

| 15:05 | 「ネットワークでつくる放射能汚染地図〜福島原発事故から3年〜」(ETV特集) - 四丁目でCan蛙 を含むブックマーク 「ネットワークでつくる放射能汚染地図〜福島原発事故から3年〜」(ETV特集) - 四丁目でCan蛙 のブックマークコメント

ソチでのパラリンピックがスタート。開会式ではウクライナ国旗を掲げて一人での入場が平和の祭典オリンピックと重なって何とも言えません。日本は既にチェアスキーアルペンスキー男子滑降で狩野亮さんが金メダル鈴木猛史さんが銅メダルバイアスロン男子7.5キロ座位で久保恒造さんが銅メダルです。旗手の太田渉子さんはバイアスロン女子6キロ立位で6位入賞でした。

◎さて、最近Eテレの番組チェックを怠っていますが、昨夜は、たまたまテレビを見たら、3・11直前でもあって「ネットワークでつくる放射能汚染地図」を途中から見ました。86歳の岡野さんが今も被災地に通って調査を続けておられます。実名で取材に応じている方々のご苦労を思うと悔しくてもらい泣きしそうです。東京オリンピックで使われるお金を被災者の皆さんの救済に回してほしいと思います。残るも移るもそれぞれ苦渋の決断。元通りの生活が送れるよう早く援助するのが国の責任、私たち原発を使ってきた者の責任だと強く思いました。

NHKの番組サイトの紹介記事に写真をつけてみます。(内)はコチラで書き込みました。

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2014年3月8日(土)

【再放送】2014年3月15日(土)午前0時45分

※金曜日深夜 .


ネットワークでつくる放射能汚染地図

福島原発事故から3年〜      (内容94分)


ETV特集は、2011年の東京電力福島第一原発事故の直後から科学者たちと共に被災地に入り独自に調査・取材を続け「ネットワークでつくる放射能汚染地図〜福島原発事故から2か月〜」を放送した。番組は、それまで伝えられていなかった放射性物質による汚染の深刻な実態と、事故に翻弄され苦しむ人々の姿を伝え、大きな反響を呼んだ。


あれから3年、放射能汚染はどう変化し、事故直後に出会った人々は、今どんな現実に直面しているのだろうかー。

 


放射線測定の第一人者・岡野眞治博士(86歳)は今回、福島県内のさまざまな地点であらためて放射線を計測、3年前のデータと比較した。その結果、全体的に放射線量は半分近くに減ってきたこと、しかし一部にはまだ高い線量の場所が残っていることなどが明らかになった。今後放射線量の減り方は緩やかになり、事故前のレベルに下がるのは300年後だという。

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3年前、浪江町赤宇木(あこうぎ)の集会所には、高い線量を知らされずに避難を続ける人々がいた。さらに極寒の体育館に二人だけで身を潜めていた老夫婦。エサをやれず5万羽の鶏を餓死させた養鶏場経営者・・・。今回彼らの居場所を探し訪ねてみると、出口の見えない避難生活に疲れ、心身共に追い詰められていた。故郷に帰るめどは立っていない。


飯館村では広大な農地が汚染された。農業の夢を奪われた農家の青年は、今、慣れない職場を転々とする。一方で科学者たちと協力し水田の除染を実施、農業再生に取り組む農家もいる。福島市子どもたちを被ばくから守ろうとしていた親の中には、その後子どもを連れて移住した人がいる。一方、福島に残った人たちは、徹底した放射能対策を行いながら保育園の園児の被ばく量を低く抑えようとしていた。

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(この青年は今妻と子供二人で仮設住まい。コメ作りを諦めている。夫が本当は米とブロッコリーがやりたいのだということを妻はよく理解しているが、戻れない今、早く新しいスタートを切るふんぎりをつけるのを期待している。青年は田圃に20年契約で太陽光パネルを設置する契約を結んだ。20年後、50歳になっている。)


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f:id:cangael:20140309001137j:image:left(福島市内でも高い線量を示す地区がある。

5ミリシーベルト/h以上を示す赤の渡利地区に住んでいた中手聖一さんは、事故当時厳しく当局に詰め寄った一人である。

現在は、北海道に家族で移住している。

次男の虎太郎君が甲状腺検査に掛かり心配したがガンではなかった。夫婦は今介護施設を立ち上げ避難してくる人たちの仕事を提供できればと頑張っている。

聖一さんは、二人の子供は被害者であり被曝者でもあるので、そのことを隠したり逃げたりするのではなく受け止めて誇りを持ってこれからも生きていってほしいと願っている。)

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さくら保育園の斉藤美智子園長は、早くから除染を行い、助成金対象外のマットの下なども徹底的に行った。

今も定点測定を続けている。給食に使われる食材もその都度放射線量を計っている。

また、通園路や近辺の放射線の測定も、安西郁郎さんたちが徹底した測定で安全マップを作っている。思わぬ所にホットスポットがあったりで危険は予測できない。絶えざる努力の結果、安全な保育が実現できている。)


科学者たちは放射能汚染の実態と放射線被ばくの影響を正確に知ろうと、いまも努力を続けている。岩手大の科学者は、汚染地帯の牧場で放し飼いにされている牛の血液をサンプリング、死んだ牛を解剖し臓器も調べ、哺乳動物への被ばくの影響を解明しようとしている。海の放射能を測定している科学者たちは、福島第一原発から今も汚染水が漏れ続けていることを明らかにした。

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被曝した牛は生きながらえるためには放射能汚染した餌を食べ続けなければならない。国は殺処分命令を出しているが、渡辺さんは牛を飼い続けている。夏は暑さを避けて牛たちは林の中で過ごし田畑の草を食べている。研究者たちは放射能汚染の数値をはかる器具を牛に装着して汚染値を計測している。黒い矢印が現在の放射線値を示している。)

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(もう一人、40頭の牛を飼っていた農家は牛のえさ場が汚染土の仮置き場になったため渡辺さんに牛を飼ってもらうことに。冬場は餌代が嵩むので8頭のみ。残りは殺処分にされ海岸沿いに埋められることに。甲状腺や他の部位が研究のため解剖された。チェルノブイリでは殺処分されたので生体での放射能の蓄積の検査は初めてのことである。)

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放射能汚染の実態を明らかにする「科学の地図」と「人間の地図」。3年の歳月を経て見えてきたものは、汚染による終わることのない苦悩と、もがき苦しみながらも未来を模索し懸命に生きる人々の姿だった。

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(内容94分)

語り:鹿島綾乃アナウンサー

◎それにしても避難解除準備地域が20ミリシーベルト以下というのは、どうしてもオカシイ! 小出裕章氏が最初に仰っていたのが、仕事のため防護服を着て細心の注意を払って入る実験室の中と同じレベルが、人間がましてや育ちざかりの子供が住んでいい場所であるはずがない。どうして事故前の法律適用されないのか・・・人体実験か!?と言われても仕方がないと思います。今からでも遅くない、年間1ミリシーベルト適用、そうでなければ強制移住=国が責任をもって避難させる=を実行してほしいです。

◎◎動画で見ることが出来ます。「前半」:http://www.dailymotion.com/video/x1h3piw_%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%81%A7%E3%81%A4%E3%81%8F%E3%82%8B%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E6%B1%9A%E6%9F%93%E5%9C%B0%E5%9B%B3-%E4%BA%8B%E6%95%85%E3%81%8B%E3%82%893%E5%B9%B4-%E5%89%8D_news

「後半」:http://www.dailymotion.com/video/x1h3s1g_%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%81%A7%E3%81%A4%E3%81%8F%E3%82%8B%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E6%B1%9A%E6%9F%93%E5%9C%B0%E5%9B%B3-%E4%BA%8B%E6%95%85%E3%81%8B%E3%82%893%E5%B9%B4-%E5%BE%8C_news

2014-03-01

解釈改憲の目的は、安倍さんの「観念」の実現?(そもそも総研)

| 11:47 | 解釈改憲の目的は、安倍さんの「観念」の実現?(そもそも総研) - 四丁目でCan蛙 を含むブックマーク 解釈改憲の目的は、安倍さんの「観念」の実現?(そもそも総研) - 四丁目でCan蛙 のブックマークコメント

2月26日(木)のサンデーモーニング、玉川徹キャスターの「そもそも総研」は憲法の解釈改憲についてです。玉川キャスターが与党の自民党・公明党、そして、元官僚として安倍総理の身近にいた人たちから意見を聞いています。特に後半、「安倍総理はなんでそんなにこだわるのか?」という問いに、二人が奇しくも同じ答えを! 録画した番組から私なりに文字起ししてみました。是非最後まで読んでみてください。

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そもそも憲法解釈の変更とは改憲よりも軽いことなのだろうか」

2月5日参院銀予算委員会

安倍総理大臣「集団的自衛権の行使が認められるという判断も「政府が適切な形で新しい解釈を明らかにすることによって可能であり、憲法改正が必要だという指摘は、これは必ずしも当たらないと我々は考えているところでございます。」

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12月12日衆議院予算委員会

安倍総理大臣「今までの積み上げのままで行くというのであればですね、そもそも安保法制懇を作る必要っていうのはないんですから」「最高の私は責任者は私です」「私が責任者であって、政府の答弁に対しても私が責任をもって、その上において、私たちは選挙で国民から審判を受けるんです。審判を受けるのは内閣法制局長官ではないんです、私、なんです。」

玉川「これはですね、まぁ、後半の部分、政府のトップは確かに総理で内閣法制局長官が決めた事が政府の決めた事じゃない、これは正しい。まさに、前半の部分の憲法の解釈を変えるのは政府が出来るのだという部分が今回のテーマになるわけですので、そこを考えてみたいんですが・・・

まず、これ、集団的自衛権をもう一回おさらいします。

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現状では、集団的自衛権の行使は認められていません。個別的自衛権とは何だ?と言うと、日本が他の国から攻撃された時、日本が反撃する形で武力行使することは今の憲法で大丈夫(できる)ですよと言うのが個別的自衛権と言う話です。

しかし、一方で集団的自衛権の行使って何かと言うとですね、日本は別に攻められていません、ですけども、例えば日本が同盟国としている国が第三国から攻撃された場合、日本は攻撃されないけど、日本が攻撃されたとみなして、これを一緒になって武力行使をしましょう、と言うのが集団的自衛権の行使と言うことなんですね。

じゃ、これを今の憲法のもとで出来るか?がポイントになってくる。

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今までの流れで見てくると、こんなふうに見えるんですが…集団的自衛権を行使したいという人は総理を含めて一杯いらっしゃる、じゃ、どうやったら行使できるようになるか、というと、最も筋として正しい―素直なのが憲法第9条を改正すればよいということ、しかし、どうも難しい(=反対が多くて出来ないby蛙)。次の手として、去年ですが第96条を改正しましょう。96条と言うのは、憲法を改正するときの条件ですが、そのハードルを下げましょf:id:cangael:20140227160407j:image:leftうということ。そしたら、保守と言われる人たちからも筋が違うだろうという話が出て、これも難しい。それでも変えたいというので、良し、解釈を変えようという流れになっているんだと受け止めていいと思います。

これに関して、そもそも政府の解釈で憲法をかえていいのか?について、まず、与党に聞いてきました。

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聞いたのは自民党憲法改正推進本部長の船田元衆院議員です。

玉川:安倍総理は政府のトップとして、憲法解釈は新しい解釈にすれば集団的自衛権の行使は憲法を変えないでも出来るんだと国会でも答弁されています、これに関してどうお考えですか?

船田:基本的には憲法の解釈、行政府として解釈をする場合には、内閣が責任を持ってやるということですが、その内閣の責任者は総理大臣なので「私が責任者です」というのは、これは正しいと思います。ただ解釈は積み上げてきたものが一杯これまでありまして、他の部分でもそうですが、やはり、内閣が変わって総理大臣が変われば、その総理大臣の思うとおりに憲法解釈を全部変えられると、あるいは大幅に変えられると言うのは、一寸これは、そうはいかないということでありますので、やはり、そこはおのずから限界と言うのはあると思いますね。

で、私は今憲法を自民党の中で預かって議論をしているのですが、やはり、憲法解釈で済まされる、あるいは改正じゃなしで済まされるというものは、一定のものはあると思います。一定の幅はあると思いますが、でも、大幅に解釈をかえるということになると、やっぱり、憲法の改正を伴わないといけないことだと思います。

玉川:私が心配するのは、憲法9条があるんですけど、本当は憲法を変えたいんだけど、なかなか変えられない。で、既成事実を積み上げて、集団的自衛権の行使も少しずつ広げていって、気が付いたら9条はあっても無くてもいいような状況になったから憲法も変えましょうという話に持って行こうと意図しているんじゃないか?

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船田:いや、決してそんなことは無いと思います。

本来であれば改正しなければならない内容ってあるけど、この程度の解釈の拡大であればですね、これは改正の必要はないですと、ただ、その場合にはやはり厳格にですね、条件を付ける、制限をつける、そういうことで一定の歯止めが必要だという風に思っております。

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玉川:これ、船田さん自身の考えも実は集団的自衛権行使はしたいんですね。だけど、一定の部分は出来ても、大きく踏み出すのであれば憲法を変えるのが筋じゃないかということです。

松尾:船田さんの「一定」というのは?

玉川:それは具体的には…それは、今、4条件とも言われていますが、例えば北朝鮮からアメリカに向かってミサイルが飛んでいく時にミサイルで落とすとか、公海上でアメリカの駆逐艦が攻撃されている時に、近くに自衛隊の船がいたら助けましょうとか、そういうことに関してはいいんじゃないかというニュアンスもありますが、ただ全面的に何やってもいいよ、という風なことになるんだったらやっぱり考えなくっちゃいけませんよと。

憲法改正というのは自民党にとって悲願みたいなもんですから、解釈で何でもできるとなれば改正しなくてもいいわけですから…というようなわけです。

ところで与党なので公明党にも話を聞こうとインタビューを申し込んだがダメ! 今までは必ず応じてくれていたのに、秘密保護法ぐらいからインタビューダメになって、その理由は分りません。で、文書だったらということで聞きました。

f:id:cangael:20140227161127j:image:right[質問1]一般的に時の政府の考えで憲法第9条の解釈変更を、憲法の制約を緩める方向で変えていいと考えますか?

[公明党]従来の立場を変えるなら、なぜ変えることが必要なのか、どのように変えるのか、変えた結果が国民や、同盟国や、近隣諸国、国際社会にどのような影響を及ぼしていくのか、慎重に検討していく必要がある。([質問2]は右の写真で)

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玉川:次に、かつて安倍総理の身近にいた二人の元官僚の方に話を聞いた。一人は元防衛官僚の柳澤協二氏、もう一人は元政府法案の番人であった阪田雅裕氏。

玉川:集団的自衛権の憲法解釈の問題なんですけど、安倍総理が総理はトップとして憲法解釈が出来るんだということを国会で答弁した。これに対して「立憲主義に悖(もと)る」という批判が随分出ているんですが、これについては柳澤さんどう思われていますか?

元防衛官僚(内閣官房副長官補)柳澤協二氏:憲法の役割というのは何かというと、国民主権ですからね、その主権者である国民が政府に対してどこまでの範囲であれば政府が判断して行動してもいいかということを枠をはめるために憲法はあるわけなんですね、本来はね。それを政府の解釈で総理大臣が変えたいから変えてもいいんだということになるとね、基本的な国民主権に基づく憲法の役割というものを否定するという意味で、立憲主義に悖るということになるんだと思いますね。

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玉川:柳澤さんは防衛省にずっといらっしゃって官僚側の立場だったわけですけども、この集団的自衛権の行使というのは、現行憲法下で出来るというふうにお考えですか?

柳澤:あの〜それはね今までずっと防衛官僚もそうですし、自民党政権もそうだったんですが、やはり日米同盟と平和憲法とは食い違いという矛盾をどう調整していくかということで苦労してきてるわけですね。

<Nr:柳澤氏は第一次安倍政権で官邸の主要メンバーとして安全保障分野を担当し、自衛隊のイラク派遣にも関わってきた。>

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柳澤:(今までは)集団的自衛権というのは行使しない、したがってアメリカの戦争にそのまま無条件で巻き込まれることは無いんだという理解をしてきているわけですね。ま、私にとっては、ひとつの日本がやるべき基準のような意味合いも持っていたのが(今までの)憲法解釈なんですね。それで、特段の不都合がないというか、日本は充分国際貢献もしてきているし、対米協力も出来ていると思うわけですから、その意味で全く今、憲法解釈を変える必要もないし。日本が攻撃されていなくても反撃するって言うのが集団自衛権ですから、それが本当に日本防衛のために必要かと言えば、日本防衛のためには必要はない。

<Nr:日本防衛のためには個別的自衛権の範疇で充分対応できるので、集団的自衛権の行使は不要という柳澤氏>

f:id:cangael:20140227161737j:image:leftf:id:cangael:20140227182101j:image

<Nr:さらにはこのまま憲法解釈を変更すれば、憲法の歯止め事態を無力化しかねないと元内閣法制局長官は警鐘を鳴らす>

玉川:今、憲法9条がありながら、解釈変更だけで法律を変えたとして、じゃ、何が一体いま出来ることが増えるんだろう?

元内閣法制局長官坂田雅裕氏:それはもう、何でもできるようになる。何でもというと変ですが、国際法に違反しない限りの活動ですね、要するに具体的に言えば、外国同士の戦争に加わることができるということですね。

玉川:それは憲法9条があっても

阪田:あっても。 玉川:あ、そうなの?

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阪田:だからずっと申し上げているじゃないですか、自衛隊が普通の軍隊になるんですと。要するに、自衛のための必要最小限の実力組織というタガが外れるわけですからね。ですからアメリカ並みの装備を持つこと、中国並みの軍備を備え、勝つ備えるだけでなくて、ベトナムやイラクとか戦場に出かけていって戦うことができるようになるってことですね。

玉川:憲法9条があったとしても?  阪田:あったとしてもです。

玉川:解釈変更だけで  阪田:もちろん! 玉川:そんなに重いんですか。

阪田それが集団的自衛権じゃないですか。だから、国民にも覚悟が要るんだと言ってるんですね。実際にそうなることがあり得ると。 ベトナムやイラクのような所でですね、自衛隊が戦わざるを得なくなるということがありうるわけですね。その時にどうなるかと言ったら、自衛隊員に犠牲者が出る、

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あるいは自衛隊員の銃口が相手の国の将兵を傷つけるということが起こる。そんな時に、こんなはずじゃなかったと言われても困るので、それはシッカリ国民に覚悟を決めて、それを問う、そのために国民投票はあるんでしょうと。

玉川:憲法改正のための国民投票か・・・ 

阪田:そう申し上げているんですよね。

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玉川:政府法律を作る時に、その法律のトップですよね、内閣法制局長官というのは、官僚ではあるけれど、そのプロ中のプロが解釈変更すれば何でもできると言っている。僕はどのくらいまで出来るのかと思ってたんですけど、何でもできるとは思わなかったです。何でもできるんです!

そして、なぜ安倍総理はそこまでこだわっているのか? 近くで安倍総理を見てこられたお二人に聞いてみました。

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玉川:安倍総理がなんでこんなに集団的自衛権の行使にこだわるのだろうというところは?

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阪田こういう国であるべきではないかという思いはお強いのではないかと思いますよね。”美しい国”もそうだったとは思いますけど、昔流で言えば”英米列強に伍していく国”として、こういう中で自前の軍隊を十分に持っていないというようなことはですねまずいのではないかという意識が、非常に、そういう意味では観念的な国家像みたいなものがおありなのかと思いますね

 日本上空を米国本土に向けて飛んでいくミサイルなんて今の技術では撃ちようもない。撃ち落とすこともできないですよね。だから、そういうことをやるって要請も勿論アメリカから来ているとは思えないわけですよね。だけど、そういうことが出来ないと困るだろうとか、そういうものを取り上げて議論していること自体が、ある種の観念論だなというふうに思いますから

 集団的自衛権、具体的に何か困るというよりは、こういうものを抽象的にというんですか、行使できないという国のありようそのものが問題だというお考えではないでしょうか。

<Nr:内閣の中で安倍総理を見てきた阪田氏は”観念論”ではないかと指摘します。さらに官邸の中で安倍総理と関わってきた柳澤氏は・・・>

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柳澤氏安倍総理の一番大きな動機は、つまり”したい”っていうことなんだろうなと。例えば、近くにいるアメリカの船を守るっていうことは、我々の感覚からいうと、それは個別的自衛権で十分やれますよと、あるいは、アメリカに飛んで行くミサイルを撃ち落とすといったってね、それは物理的に不可能ですよというような話は、かつて安倍総理にもしたし、それから安保法制懇の委員の人たちにも私から報告していましたから、会議のたびにね。

玉川:その時、当時の安倍総理は何ていうふうに答えたんですか?

柳澤:まぁ、よくその所は覚えていないけれども、つまり「自分はしかしこういうことをやりたいんだ」っていう意見を持っておられたということですね。

玉川:当時も? 

柳澤:はぁ。私は、だから安倍総理の一番大きな動機は、つまり”したい”っていうことなんだろうなと。

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玉川:したいってこと?

柳澤:それによって何を、どういう目的を達成するためにそうしたいかというよりも、憲法解釈の見直しをやったということ、そこに意味を見いだされているのかなと、さらにそれによって日本はどういう国になるのかというところが、よく見えないわけですね。そうすると非常に理念的なというか、観念的なことが一番の大きな動機になっているのかなと思う、私の推測ですけれどもね。

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玉川:まぁ、お二人の発言は重いと思うのですが、あの、奇しくも「観念的」というか「したい」んじゃないかと・・・。

  今日の結び −

 そんな大きな変更は、国民にきかなくっちゃ! 

 長く続いた解釈を変えたいのなら、国民にきいてからにしてほしい

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◎荒唐無稽なミサイル撃ち落としの話や、個別的自衛権で対応できるという具体的な進言に対して、安倍総理はどうもそういうリアルな問題はどうでもよくて、架空の事態にも対応できるような国、憲法9条を廃止して戦争が出来る自立した国に、ただ、したいんだ・・・と。

では、なぜ、そういうアメリカから要請されもしない事態を夢想し、それに対応できるような軍事力を備えた国になりたいのか、そういう国にしたいのか・・・「永続敗戦論」で探りたいと思います。

(写真は、お内裏様代りに取り出した、昔自分で手作りした毛糸の編みぐるみのキューピーさん)

SPYBOYSPYBOY 2014/03/01 20:21 トラックバックありがとうございます。
観念って要するにイデオロギー、つまり、私利私欲ですよね(笑)。金持ちのボンボンがわがまま言ってるだけ、なんでしょうね。
<「時代の変わり目には都を移すモノです。平安京も、明治もそうでしたでしょ。戦争に負けた時に天皇を京都に移すべきでした」と先生が仰った
これはなるほど〜と思いました。確かに終戦で遷都するだけでもだいぶ違ったかもしれません。安倍みたいに、未だに明治の頭のままの連中なんていなくなっていたかもしれません。

cangaelcangael 2014/03/01 21:25 SPYBOYさん、金曜デモのご報告、そしてコメントありがとうございます。
安倍さんの「頭の中」=思い=観念=イデオロギー、かなり体系立てて実現しようとしていますよね。欠けているのは哲学と言ってるかたもいましたが。かなり周到な準備と覚悟?でやってるという感じもして、ますます歴史上の方と似てきて怖いです。
ところで、この先生の遷都の考え、いいですよね。私も「戦争で負けた時に京都にすればよかった」というのは、家に帰って考えたら本当に良い考えだと思いました。戦争の時代が終わった、戦争に負けて都が変わったという変化は、日本に必要だったと思いました。それがないから…と全くSPYBOYさんと同じことを思いました。だから、戦前と一続きのままの妄想を持った人たちが出てくるのだ・・・と。先生は東京一極集中がよくないという言い方でしたが。

2014-01-24

「日米関係、第4段階」(孫崎氏プレゼン・そもそも総研12/31 )

| 14:55 | 「日米関係、第4段階」(孫崎氏プレゼン・そもそも総研12/31 ) - 四丁目でCan蛙 を含むブックマーク 「日米関係、第4段階」(孫崎氏プレゼン・そもそも総研12/31 ) - 四丁目でCan蛙 のブックマークコメント

本日2つ目、「元外交官が生激論! 日米関係は今のままでよいのか?」のつづき・後半です。

f:id:cangael:20140117211415j:image:right宮家:あのね、今の額の数字はよくわかりません。先ほど言ったように、NATOと安保の違いは、日本はアメリカが攻められていても日本は守らない、義務を負わないということがある。それをどのように政治的に判断するかという問題ですが、私はヨーロッパのやり方と日本のやり方が違って当然だと思う。

XXX:できない分をお金で払うということですか?

宮家:いや、本来であれば集団的自衛権をもってNATOのような相互防衛、双務的である条約が普通だと思う。

孫崎:あの、ここはね、非常に重要なんです。一寸話させていただくと、第3者が攻撃した時は日本、アメリカ双方とも自分の国の憲法に従って自分が攻f:id:cangael:20140117213028j:image:left撃された時に対応するということで、そんな違いはないです。

玉川:ちょっと次に行きます。歴史認識の次は現状認識になるんですが。

<第4段階 現在>

孫崎:「日本の自衛隊を米軍の傭兵として使いたい」 米国はだんだん自分の力がなくなっていくに従って自衛隊を自分の戦略のために使おうとする 対日政策の中核に立つ国防総省の日本部長だったポール・ジアラが、非常に本音を喋っている。以下に根拠資料。

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「緊張度の高い地域」と言うのはイラクとかアフガニスタンとか、そういう地域に日本の自衛隊が参加する、しかし、そのためには日本の国内で非常に反発があるから平和維持活動をすることによって徐々に慣らそう、そして、その訓練というのはPKOでやる、と言うことは、ある意味で将来に役に立つ、とうことをポール・ジアラは自分で言ってるのです。(蛙のひと言ふた言:この部分は、過去に同じことを日本はアメリカにやられています。原爆の被害で核アレルギーになっている日本に「平和利用」と言う名のもとに原発を導入するため官民あげての一大キャンペーンをやられて、日本人はスッカリ、核(=放射能)アレルギーを克服?して、安全神話の魔法にかかり、挙句の果ての福島原発事故、その後の今があります。同じように「平和維持」という名のもとなら平和憲法を持つ日本人もアレルギー反応は起こさないだろう、徐々に慣らしていけばそのうち世界中どこへでも、というわけですね)

玉川キャスター:でもね、例えば日米協力っていうのは、極東とか東マカオの有事の時には日米共同で当たるわけですよね、そういう風な訓練のためにPKOに出て行くんじゃないですか?

孫崎:いや、ここは大変重要で、グローバルだということは、これまで日米安保条約と言うのは日本が攻撃された時、あるいは極東の有事と言うことを考えた時のもの、なのに1993年ぐらいからだんだん自衛隊を世界に持って行こう、アメリカの戦略のために世界で自衛隊を使おうということに変わっているのです。

玉川:ということは、「グローバル」ということは、「極東に限ってませんよ」ということですか?

孫崎:そうなんです!

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玉川:私たちがお金だけでなくて自衛隊を出さないといけないと思ったキッカケは何か?というと、湾岸戦争の時にカネだけじゃダメ、感謝されなかったネというのがあった。

1991年の新聞、イラクからの解放でクウェート政府がワシントン・ポストに出した広告に日本の名前が載っていなかった。あんなに金をだしたのに・・・「ありがとうアメリカ そして地球家族の国々」と言う全面広告に、湾岸当事国を除けば多国籍軍への世界最大の財政貢献国である日本がなかった。日本と同様、兵力の直接提供を拒んだドイツは参加30か国の名前に載っている。NATO軍の一部としてトルコに航空戦力を派遣したことが参加という位置づけになった。

(蛙の考え:これが「ショー・ザ・フラッグ」に繋がったわけですが、日本はアメリカの星条旗の影に隠れていて、どれだけ日の丸を振ろうが、大きな星条旗に重なって見えないんじゃないかと思います。世界で事があれば、日本の憲法に則って平和的な解決に向けて何か独自の発言や提言をしたことがあるでしょうか? アメリカとは違う解決方法を考えて世界に向けてアピールしたことがあるでしょうか? いつもアメリカの後をついて、顔色を窺っているばかりです。唯一の原爆被害を受けた国ならではの非核の提言をして世界平和に貢献したことがあるでしょうか? お金でダメだったから今度は軍隊(自衛隊派遣)をというのでは、それこそアメリカの傭兵にしか見えないような気がします。)

宮家:傭兵でもなんでもない。ポールの言っていることは、日米の安全保障の協力を安保条約の枠内で、しかし国際的にも広げていこうという話ですから。

孫崎:「安保条約の枠内」というのは先ほど言ったように「極東と日本が攻撃された時」。だから世界中に自衛隊を使うということは安保条約に想定していない。だから集団的自衛権というものが出てくる

石原良純:傭兵=多国籍軍?

孫崎:米国の戦略のために自衛隊を使うことを「傭兵」(雇われ兵隊)と言っている。

宮家:(下を向いて小さな声で)主体的に日本のために自衛隊を使う、これは当然のこと

玉川:時間が無くて済みません。じゃ、今後どうしたらよいのか? CMの後で。

孫崎:まずね、首都の上空に自分の国の法律が充分に適用されないような占領態勢にある国は世界に無いです。だから米軍の在り方に対して日本の法律をシッカリ適用するということ。もう一つ、二つ目は、イラク戦争、アフガニスタン戦争、この地域の不安定になることにしか役に立たない、こういうアメリカの戦略に対して極めて慎重に対処すべきです。

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宮家:日本は・・・今、東アジアで日本が直面しているのは何か。東アジアで大きな地殻変動が起きていて中国の台頭と言う形でパワーシフトが起きている。このパワーシフトで日本がどうして生き残るのか。単独で出来るのか、出来ないのか。そこを考えた時に日米問題という一種の保険ですが、その効果が昔より今ほど大切なことは無い。

石原:孫崎さんは日本単独で、宮家さんは日米で、極論で言うとそういうこと?

孫崎:私は極東・日本への攻撃、これは従来の日米安保条約でやっていますから、これまで通り、あるいは強化することが重要なんですが、イラク戦争やアフガニスタン戦争のように日本の国益と関係ない所に自衛隊を持って行く必要はない(安保条約外)

石原:それは、だってアメリカが込みでやらなきゃ、やってやんないよって話になるんじゃないですか?

孫崎:いえ、これは、ラムズフェルドとか、こういう人がいて、今、有志連合という、それぞれの地域ごとに自分たちが重要だと思うもので集まって行けばいい、グローバルには色んな事件がありますから、それぞれが自分の国益と関係があると思う人たちで集まろうと。

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石原:アメリカが首都の上空を軍事的空白を生まないようにしている、それを日本で埋めるってことですか?(蛙:唐突な質問でビックリ!)

舞の海:世界は力関係で、力のある者の言うことはきかなきゃいけないという冷めたものがあるんじゃないですか〜。

孫崎:世界の平和を築くには武力と言うことと、他方、外交とか紛争になる源を絶つということがあるんですね。今、アメリカのやり方は紛争の源を絶つ努力を怠って、武力で解決しようとしてるから、結局、イラク、アフガニスタンという混乱を招く時代になってるんですよね。

玉川:まぁ、時間がきてしまったんですけど、来年、近いうちにまたやりましょう。

宮家:駐留米軍の空域の問題は同盟関係の中で話し合うことで、占領されてるみたいな話はオカシイ、首都上空が。

孫崎:世界の首都の上空で自分の国がちゃんとコントロールできない国なんて世界にないですから。

宮家:(小さい声で)米軍は日本の航空法を守っています。 (おわり)

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◎宮家さんは「NATOと同じように」、日米安保を相互防衛の双務的なものに「格上げ」、アメリカの要請にこたえて世界に自衛隊を出すべきだという考え、又、中国が台頭している今、そうしないとアメリカに守ってもらえないので「従属」とは考えないで「日本が日本の意思でやっている」んだと思えばいいんだということらしい。

一方、孫崎さんは、日米同盟堅持、強化して安保条約の枠内の「極東・日本が攻撃された時」のみに限り日米同盟として対処する。それ以外は、従属状態にある日本の諸権利を主張し(首都圏の上空のコントロール権を取り戻し、思いやり予算も減らすなど)し、日本の国益にならないアメリカの戦略で自衛隊を海外派遣することには慎重であるべきで、平和外交で貢献すべき。

f:id:cangael:20140121142710j:image:right○日本の総理大臣や防衛大臣、外務大臣が一度孫崎さんのような考えでアメリカに物を言ったらどうなるか? 鳩山さんは一人で、身内から裏切られた感じもありましたが、日本が政権ごと孫崎さんのような考えになってアメリカと話し合えば、意外と開ける気もしますが・・・やはり問題は国民がその気になるかどうか…そういう政権を生み、支え続けられるかどうかですね。

○今週23日(木)の「そもそも総研」は、名護市長選で稲嶺再選を果たした沖縄について、本土との意識の差を取り上げていました。在沖米軍は抑止力で仕方がないのか?など、20分間内容のあるコーナーになっていました。メモ取りしましたので、そのうち記事にしたいと思っています。

「日米関係、三つの段階」「(孫崎氏プレゼン・そもそも総研12/31)

| 10:09 | 「日米関係、三つの段階」「(孫崎氏プレゼン・そもそも総研12/31) - 四丁目でCan蛙 を含むブックマーク 「日米関係、三つの段階」「(孫崎氏プレゼン・そもそも総研12/31) - 四丁目でCan蛙 のブックマークコメント

◎そろそろ越年の宿題に取り掛からないと、と先週、暮の31日(火)に録画した「そもそも総研」(テレ朝「モーニングバード」)大晦日特別番組「2013総決算ライブ」を見ました。「元外交官が生激論! 日米関係は今のままでよいのか?」という内容です。激論するのは、日本はアメリカに従属していると説く孫崎享氏と、日米関係は最重要と説く宮家邦彦氏、経歴はともに外務省出身です。

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予定されていたタイトルの「今のままで良いのか?」というところまで話が行き着かない感じですが、日米関係の戦後史を4段階に分けて、3つまでを歴f:id:cangael:20140117171626j:image:right史認識とし、第4段階の今を現状認識として、まず孫崎氏から問題提起があり、宮家氏が反論するという形で進められました。

「生激論!」という触れ込みでしたが、見てみると、孫崎氏の圧倒的勝利!? 迫力が違います。ご自分の主張の正しさに確信を持っていることから来る迫力なのでしょうか。両者の違いを聞きたいと思って身構えて?いた私は、拍子抜けというか、もっと宮家さんの主張・反論を聞きたいと思ったのですが、何とも自信なさげで、もごもごと仰るのが・・・・・・・ところが、メモで読み直してみると、言いたいことは手元の書いたものを見ながらですが仰っている。これは目と耳のテレビと文字との違いですね。

いつもの「そもそも」は木曜ですが、特番で出席している月曜コメンテーターの石原良純さんが、見かねてか? 頑張って発言していまf:id:cangael:20140117172322j:image:leftしたが、これは面白かったです。孫崎さんに食って掛かって(憎めないのが持ち味ですね)「そんなこと言ったってアメリカがそう言うんでしょう〜?」 アメリカが言ったら黙って従わないといけない、のが「従属」ってことですよね。

それでは、いつものように私なりの書き起こしスタートです。孫崎氏の戦後の第3段階までのプレゼンから始まります。

<第1段階 戦後〜1950年代まで>

孫崎:アメリカの目的は「日本を二度と戦争の出来ない国」にすること、特に経済的に。占領時代にアメリカとの連絡折衝をされた事務局長を務めた鈴木氏が著した36巻の外務省日本外交史に書かれている。「日本をフィリピン以下にして、二度と戦争出来ない国に」と。 以下根拠資料。

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宮家:イラク戦争後、サダム・フセイン後、そういうことがあった。歴史的にはよくあること。

<第2段階 1950年〜80年代半ばまで>

孫崎:「日本をアメリカの軍事基地に」時代は冷戦時代に入り日本の基地を使うことが一番大きな目標に。ジョン・フォスター・ダレスが「望むだけの軍隊を望むところに望む期間と言った。サンフランシスコ講和条約以前となり主権の問題が出てきた。 以下根拠資料

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宮家:日米安保だけが世界唯一の安保じゃない。NATO条約もあり、ヨーロッパにも世界に駐留している。これ自体、間違いでもないし日本だけの問題でもないグローバルな問題。

孫崎:重要な事実があるドイツは、1993年にこの協定を改定している。2つのポイント説明したい。1つは、施設利用及び訓練の実施に置いてはドイツ法が適用される。2、基地の返還についてはドイツ側の利益が上回る場合はドイツの返還要求に従う。ここでいう「利益」とは、ドイツの非軍事の分野のことで、都市計画とか農業とか経済の利益が軍隊を置くよりも上回る時、ドイツはこれを返してくれて言い、アメリカがそれを飲むということを条約で決めている。日米安保にはない

宮家:日米地位協定には犯罪人の引き渡しとか、国内法の問題についても、決してNATOの地位協定どころか、ある部分では先に進んでいて、ある意味もっとも世界で進んでいる協定です。地位協定の中に日米合同委員会があって、2週間に一回かな、我々も出ましたが、毎回そのような問題が生ずれば日米間で議論をして場合によっては日米合同委員会の合意と言う形で直していく。そういう意味で地位協定が1951年もしくは60年に出来た時から全然変わっていないが、実は、日米地位協定と言うのは合同委員会のもとで逐次改定されていると言っていい。

f:id:cangael:20140117174051j:image:left玉川:ちょっと先に進みましょうか。

<第3段階 1980年代〜現在まで>

「米軍の費用の一部を日本の負担で(思いやり予算のスタート)」

孫崎:重要なポイントは米軍というのは基本的に米国の利益のために存在するという前提なので費用はアメリカが持つという大前提がある。これは日米地位協定にある。ところが、日本のGDPが世界2位に(1968年)。そもそもは日本が負担するという話ではなかったが日本の力が付くにつれて日本のお金も使って基地の方に回そうとなった。特に人件費が円が強くなって増えた。金丸さんが、その分日本が思いやり負担するということを防衛庁長官の時にやった。

「思いやり予算」って? 基本的には日本が出す条約上の義務がないんだけど米国の負担が大きくなるので、そこを思いやって義務じゃないがお金をあげましょうが「思いやり」です。f:id:cangael:20140117174707j:image

宮家:「思いやり」と言うのは地位協定の枠内で出しているものを思いやりと言うので、何度も改訂してきて問題ない。日本の関係とNATOの関係とどこが違うかと言うと、NATOでは相互に防衛義務があるわけです。日本の場合は日本だけが防衛されて、(アメリカを守る)義務がない。権利と義務のバランスを取るために経済的な支援をするのは問題ない。

玉川キャスター:是非聞きたいのが、バランスっていうと、じゃ、沖縄の人たちが非常な基地負担で苦しんでいるんだけど、基地の提供しているだけでバランス取れないのかなぁと思うんですが、(コメンテーターの皆さん)疑問、どーぞ。

石原良純:第1期は当然。第2期は朝鮮戦争があった時期で、共産主義の脅威があったので合致していた。

宮家:問題は第3期、アメリカの財政が悪化してきて肩代わりと言うのは世界的で、同盟国に支援してほしいのは、韓国にもで日本だけではない

石原:93年にドイツが見直ししたというのはロシア崩壊があるので、日本とは立場が違うでしょ。

孫崎:93年の当時、日本の一番の脅威はロシアだったから、ロシア崩壊による平和の配当はヨーロッパにはあった(蛙:冷戦の雪解けの恩恵)が、(その恩恵が)日本にあっても良かった。

石原:日本はロシアより中国を抱えた部分では欧州と同じようにならない。

孫崎:それはそうです。

玉川:じゃ、ここまでで、次どーぞ。

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XXX:今の流れを成程と思ったとして、それにしても思いやり予算の額が増大している。あまりにも大きいと思うけど世界的に見てどうなんですか?

孫崎:数字を見るとドイツの方がアメリカの経費の30%弱。日本はこれに対して80%弱でしたから。外務省に駐米して次官をされていた村田と言う方がいるんですが、この人は日本はやり過ぎ、ドイツ並みにという主張をされている。

これは非常に大事な問題今、なぜ米国(軍)が日本にいるかというと、日本に居れば80%くらいをタダでもらえる。だからアメリカに置くより日本に置いた方が良いという風に、純粋に安全保障でない理由で、日本に駐在するということが出てきている。(つづく)

miyotyamiyotya 2014/01/24 19:35 こんばんは。
私もこの番組を見ていました。
孫崎氏の発言に共感出来ることが多々あって、メモを取ったりしました。

cangaelcangael 2014/01/24 20:08 muyotyaさん、こんばんは!
リアルタイムで年末にご覧になったのでしょうか。
私は、バタバタ落着けないので録画してこんなに遅くなりました。
孫崎氏の説明が解り易かったですね。日米関係の頭の整理になりましたね。

SPYBOYSPYBOY 2014/01/24 23:26 今、ジョン・ダワー先生(敗北を抱きしめて)の新刊『転換期の日本へ』を読んでいるのですが、アメリカとしては、自衛隊はアメリカ軍が指揮する『東アジア軍』という位置づけだそうです(笑)。だが、そこから現実的にどうするか、よく考えなければいけないと思います。

SPYBOYSPYBOY 2014/01/24 23:29 冒頭の演説書き起こしの記事、ご紹介ありがとうございました。こういうのを知りたいんですよね。

cangaelcangael 2014/01/25 13:26 SPYBOYさん、コメントありがとうございます。
ジョン・ダワーの新刊の読後のコメント、楽しみにしています。
自衛隊は、アメリカにとっては「わが軍」なんでしょうね。生みの親、育ての親ですし。
沖縄の方(「そもそも」で発言していた保守の方)で「自衛隊で」という考えがあるのを知りました。
NHKが放送しない、というのを私も感じています。小泉隠しもやられていますね。出してもネガティブな出し方に見えますが…

A0153A0153 2014/01/28 20:30 孫崎氏素晴らしいとおもいました。全面的賛成(安保強化と言う彼の考えは、軍事抑止力に寄りかかる考えで、私は軍事抑止力は、戦争抑止力として弱いと思っています)ではないのですが。安部ひとりよがり外交が跋扈してる現在では、大事なな考えですね。

cangaelcangael 2014/01/28 21:03 AO153さん、コメントありがとうございます。
孫崎氏の「安保堅持・強化」は一寸意外な気もしましたが、現実的ですね。
現状でも従属的な度合いを減らしていくというのも大変革に違いないですね。