Canio+’s Works

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2009-10-01 【Making】1/32 ショイ・シュレッパー 〜前編〜

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製作にあたって

1/32で製作した飛行機に合わせる車両をと思いたったのですが、1/35のケッテンクラートっていうのも芸がないですし、1/32と1/35って案外大きさが違うのですよね。そこで色々とアイデアを探していてこの牽引車に行き当たりました。 この車輌はWW兇離疋ぅ超軍において主にロケット戦闘機Me163の牽引、回収に活躍した車輌で、無人ロケット兵器・V-1の基地での使用も確認されてます。

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捕獲車輌や果ては牛までも牽引に使ったドイツ軍のことですからMe163部隊の解散後も車輌は使われただろうという自分設定ということで。 この車輌は後半分が交換式になっていて軌装式のクレーンを装着した回収車形態などがありますが、今回は写真のような3輪牽引車形態をフルスクラッチで製作していきます。 1/72や1/48ではキット化されているのですが資料が少ない車両なためほとんどいい加減なつくりであまり参考には出来ません。 資料としてはこちらのMe163のファンサイトこちらのページに詳しいです。 こちらのページにも紹介されていますが、ドイツにこの車両を端正にレストアされた方がおり、この方のサイトがかなり参考になりましたが残念ながらそちらのサイトは現在閉鎖されてしまったようですね。

写真から人の大きさと比較して寸法を決めCADソフトで1/32縮尺の絵を描いてみます。

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タイヤのパターンまで再現していると完成しなくなりそうなので(^^; タイヤは手持ちのキットから大きい前2輪はモノグラムのM24トラックのゴムタイヤを、小さい後輪はタミヤ・デマークの前輪のものをレジンでコピーすることにしました。 CADの絵をこのタイヤが使えるように若干修正し、この絵を基にプラ板の切り出し図を描いていきます。 描きながら何ミリのプラ板でどう構成していくか考えながら色々なパターンで切り出し図を描きますが、この図は組み立て図になる他、実際にプリントアウトしてみると完成体も現実の大きさで見られるので実際に考えた工作が可能かどうかもある程度判断がつきます。 本来、重なりシロなども盛り込んで描けば作業はもっと楽なのでしょうが、このCADでの作図作業は仕事の延長のようで楽しくないのでそこまでやりませんでした。僕がやりたいのは工作であってCAD操作ではないからです。ということで重なりシロなどは場合場合で工作中に補正したり補強材も臨機応変に組み入れるなどして組み立てていきます。

タイヤ

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大きい方の前2輪はモノグラムのM34のゴムタイヤを使い、ホイルは1/35パンターの転輪をベースに制作。六角に削ったランナーを伸ばしたものを輪切りにした六角ボルトの頭風を作ってます。まぁ雰囲気です。 これをシリコン型で型取りしてレジンで複製するのですが、複製はこれが初体験でした。

中学のときに「How to build dioramas」を読んで以来、「複製といえばタイヤ」という刷り込みがありましたね(笑)  何度か失敗の後、使えそうなものを得ることが出来ました。 このお蔭でこの後フィギュアの複製なんかが出来るようになりました。 小さい方はタミヤ・デマークの前輪を複製して、ホイル部分をくり抜き、ハンドドリルを旋盤代わりにしてプラ板から削りだしたホイルをはめ込んで作りました。 しかし考えてみれば複製にはそれなりのコストがかかってます。 はっきり言ってタイヤをそのままを流用した方がもしかしたら安いのかも知れません。 まぁでもキットも勿体無いですからね。

車体の製作

車体をプラ板で箱組していきます。

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足元のペダル周りの板は資料がなかったので今回は滑り止めつき鋼板・縞鋼板としました。金網にプラ板を裏打ちして表面にパテを塗って作ってみました。ちょっとパターンが細かすぎですね。

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ペダルはこの写真では見えませんが、板側にスリットを入れて板の下にある基台から生やしてあります。ムダな努力ですね(^^; それよりペダルの形をキチンと整えることに集中すべきでした。ペダル表面にはナイフでパターンを刻みました。

車体後部の製作

資料がない部分の構造を想像していく必要上、この車輌がどうやって舵を切ったのか考えました。牽引車という性格上、小回りする必要があります。

しかし車体と前輪の間のスペースを考えると前輪の向きを変えることは出来なそうですし、レストア中のバラした車体の構造を見るとそういう機構なっているとは思えません。 車体後部の構造をジーッと観ているとローラー状のガイドがついていて、そのローラーが転がってできた跡が車体についているのを見つけました。 どうやらハンドルの真下を軸にして金魚の尻尾のようにお尻を振るんだなという考えに行き着きました。 それならハンドル主柱がつく基台部品の形状や、シートがバー状の部品に固定されていること、車体後部にRがついてることの説明がつきます。 しかし、後輪部分はオプションで軌装式クレーン車形態にも変更が可能です。その負荷を考えるとステアリング操作で積極的にこの尻尾部分を操作したとは考えられません。 総合的に考えると、この車輌はハンドル操作に連動させて左右の前輪を差動させることで舵とりが行われ、後部はそれにあわせて遊動する構造であったと思われます。

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模型ではこの遊動部分はしたから虫ピンを通して可動、取り外しも可能としました。

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中間にある円盤状の構造は牽引車形態などの各種ユニットを接続するジョイントと思われます。 模型ではハンドドリルを旋盤代わりにプラ板から削り出した円盤から作りました。 円柱の骨は適当なプラ棒材などが手に入らなかったためランナーを均一に細く伸ばして作った丸棒を使っています。

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泥除け部分は本当はもう少し幅が細いのですが、このタイヤを使う必要があるので少し幅広に設計変更してあります。 こういう構造の組み立てには原寸図が実に役立ちます。

ディテールの製作

正面のルーバープラ板短冊を貼ってからナイフで整形しています。

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前輪の基部は下の方に筒状のものが付きます。サスペンションの一部のように見えますが両輪の車軸は左右のギアボックスからそれぞれ生えていて車輪に直結しているようでサスペンションではないようです。 筒状のものにロッドがついたシリンダー状の構造物のようで、どうやらブレーキ用の油圧シリンダーではないかと思われます。 はっきりした構造がわからないので写真からわかる形をそのままに見えるように作りました。

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メータ類をプラ板と伸ばしランナーで作ります。シフトレバーは虫ピン。ノブは瞬着の塊です。シートの基部を真鍮パイプと真鍮板で作りました。

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シートはヒートプレスで作りました。エポパテで原型を作って熱した1ミリ厚プラ板に押し当てて「にゅー」っとやります。

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拡大画像(←クリックすると大きな画像がご覧になれます)

絞った頭の部分を切り取って整形し、周囲の縁に0.8ミリ径の糸ハンダを接着して「折り返し」を表現します。 水抜き穴を空けてから接着します。 ステアリングは1.5ミリ径のプラ棒を適当な太さの金属棒に巻きつけ、輪ゴムで固定して鍋で少し煮てコイル状に形がついたものから切出して輪を作ります。 中央部はプラ棒の輪切り、リブは細切りプラ板です。 ステアリングの取り付くブロックはプラブロックからの削り出しです。 穴を開けて伸ばしランナーを埋めてネジマウント、ネジを再現してみました。 シフトレバーの基部は2ミリx3ミリのプラ板にナイフでスリットを刻むのですが2回失敗しました(笑) このスリットは実車どうりなのですが、これを見る限りこの車両は5段階にシフトが可能です。 前4後1段でしょうか。 座席の右側にももうひとつ前後に操作するレバーがありますが、これと組み合わせて更に変速比に幅を持たせるのかも知れません。 右前方に付くグリップ付きのレバーはサイドブレーキでしょうね。 ラッチの機構がよく分かるようにリンクロッドも含めて再現してみました。 こういうの楽しいです。

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正面のルーバーは更に形を整えます。このルーバーが付いた部分はエンジンの点検窓なので伸ばしランナーで蝶番を再現し、窓の固定用フックを細切りプラ板、伸ばしランナー、0.4ミリ径鋼線などで再現しました。 牽引フックをプラ板、フックの戻り止めをU字に曲げた銅板で再現してみました。 このフックの固定ネジや車軸周りの一部のネジは車体から生えたボルトにナットで止められてます。 六角に伸ばしたランナーとより細い伸ばしランナーを重ねてその様子を再現してますが、全然見えません(^^; フェンダーステイを留めているのはリベットであろうということで、ビーディングツールでプラ板を打ち抜いて丸頭にしたもので再現してます。

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後部の牽引ロッド装着部はプラ板工作で再現。 差し込んであるロッドは伸ばしランナーで把手を0.6ミリ径の真鍮線で作り、先端にミニチュアチェーンを半田付けしました。 チェーンはφ0.4ミリ鋼線で作ったフックで本体に固定。 このロッドは抜差し可能としました。

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その他細部は・・・見ての通りです(^^;

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この車軸周りのディティールはこの後フェンダーを付けるとほとんど見えなくなります(泣)

組み立て完成

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フェンダーがついて工作は完成です。このフェンダーには人が乗れるようになっていてパイロットや作業員を両側に乗せて走りました。

前後部分は跳ね上げられるようになっているらしく屈曲部には蝶番がついています。伸ばしランナーで再現しました。

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