■
先日のj.a.m.。
j.a.m. Dance Theatre『ダミー・ピープル』
2005年10月
伊丹アイホール
このj.a.m. Dance Theatreは『サボイ』という、個人的にとても好きな短編作品があって、本公演のほうも注目して観てます。『m/m』、『静かに晴れた夜には』に続いて、3度目の本公演(たぶん)。前二作は、『サボイ』と比べると正直もう一息物足りないところもあって、さて今作はどんなもんかな??と期待半分心配半分。ここでの評価は、今後の活動においてもけっこう重要になるでしょうし。
で、結論から言うと、良かった。作風も『m/m』、『静かに晴れた夜には』と多少振れていた感があったけど、今作は『サボイ』(演出センス)、『m/m』(振付)、『静かに晴れた夜には』(世界観)それぞれで見せたエッセンスがうまい具合に融合していて、完成度の高い作品だったと思う。
客電の蛍光灯、舞台床面の板敷き(足音がポイントだった)など、不穏な空間。軍服?のような揃いの格好をした6名のダンサー。冒頭ひたすら円を描いて、一定のリズムで行進。亡者みたい。やがて円舞の行進は乱れ崩壊してゆく。単純な動きを反復してゆく中から、うねるような全体を作り出す、というのは振付家の力量が問われる。やるなぁ。
その後、ダンサーがニュース原稿を暗唱するシーンがあったが、ああいう言葉達は使わない方がいい。なんか変にメッセージを誇示するようでしらける(僕だけ?)。けっこう言葉使いたがる振付家多いけど、なんで?使わんでいいやん、といつも思います。
あと、袋をすっぽり被らされてじっと佇んでいる人など、微妙に手垢のついたイメージによって、これみよがしに意味性が浮かび上がるようなシーンって、なんか安っぽく感じるんですよねぇ。そのあたり、突き抜けるものがあったらパーフェクトです。
音楽はケルト?あんま分からんけど(バグパイプ?)、東欧?北欧?、まあヨーロッパ周縁っぽい音楽(違うかも)を多用してて、それもいい感じ。作品全体的にも言えるけど、相原マユコ、けっこう独特なセンスを持った振付家です。来年のトヨタコレオグラフィーアワードに出てほしいな。