1ヶ月が経ち、ハルとナツに思う


ふとカレンダーを見ると、もう10月6日ではないですか。
私がサンパウロに到着したのが、9月5日だったから、もう丸1ヶ月が経過してしまったのですね…
月日の流れは本当に早い。


北海道の実家を出て、成田で1泊して、はるばるブラジルまでやって来たんだなぁ… なーんて感慨にふける時間は、
はっきり言って、この1ヶ月、全然ありませんでした。
予定が何もないはずだったこの私にも、日々いろいろと用事が入り、やはりドタバタしていたんでしょうね、
この1ヶ月。
だからこそ、こんなに早く感じるのかなぁ。時の流れ。
もっと長くここにいたような、つい昨日来たような。
つまり、時間感覚が麻痺してるってことですね(笑)。


しかし、この1ヶ月でなんとか産婦人科医も見つかり、産院も決まり、新居に落ち着き、
息子も幼稚園に通い出し… 重要課題はほとんどクリアできて良かった良かった。
昨日からは、自分のポルトガル語の先生探しも具体的に始めたしね。
やっと少し、自分のことができるかな… という状況になったのでね。


思えば、ソファにでーんと座ってドラマを見たのは何年ぶりだろう?
北海道からのブラジル移民をテーマにしたNHKのドラマスペシャル「ハルとナツ」、ようやく設置された
ケーブルテレビのおかげで、5回中3回目からではあるが、見ることが出来たのですよ。
このタイミングで、このようなドラマを落ち着いて見られるなんて… なんというタイミングだろうと思ったよ。
もともと、何をするにも「ながら族」の私が、テレビだけを見つめることなんてそうそうないこと。
だけど今回はしっかり見ました。
だからかな、たくさん涙しました。
今いる、このブラジルを舞台に、このようなドラマが実際に戦前・戦後にたくさん繰り広げられていたであろうこと。
最愛の妹と引き離された姉の思い。
そして最後に巡り会え、わかりあえた感動。
北海道とブラジルという、いまの自分にとってすごく身近な場所が目の前に映し出され、もうそれだけで涙なのに…
さすが橋田作品、よくできたストーリーです。泣かされました。


あのドラマの最後に出てくる、ビルだらけの大都会、あれが今の私のホームタウンです。
ほんとにあの通りです。
そしてナツが降り立ったサンパウロの空港。あそこに、1ヶ月前、私も降り立ちました。


日本のみんなが、このドラマを通してサンパウロの街を少しでもを見てくれたかと思うと、それもまたうれしくて…。
ちょうど滞在1ヶ月の日、テレビの前で、いろんな気持ちが混じり合ってしまって、もう大変な朝でした。
(日本は夜9時からの放送? こちらは朝の9時からでした。)

さすが掃除のプロ!


今日、我が家に初めてファシネイラさんがやって来た。ファシネイラさんとは、掃除婦のこと。
お手伝いさんにもいろいろとあって、掃除専門の人はファシネイラ、ベビーシッターはババ…などと
それぞれに呼び方が違うのね。
周りの駐在員の方々は、ほとんどが週に1〜2回、ファシネイラさんを使っているとのこと。
私も、我が家にはちょっと贅沢かなぁと思いつつ、郷に入れば郷に従えってことで、お試しでお願いしてみることにした。
先輩奥様のご紹介で、仕事が手早くて誠実な性格だし身元もしっかりしているのでオススメ、という方に
とりあえず週1回、1ヶ月来てもらうことにしたのだ。


初日の今日は、まず我が家で何をして欲しいかを伝える。お願いしたことは、納戸をのぞくすべての部屋の掃除と、
洗濯物のアイロンがけ。そして台所に少し食器が残っていたから、それを洗ってもらうようお願いした。
こちらのマンションには、勝手口のそばにちゃんとお手伝いさん用の小部屋とトイレがある。
彼女はまずそこでTシャツと短パンに着替えて、いざ作業開始。まだ少し肌寒いのにな、と思いつつ、
動いていると暑くなるからいいのか…と、どうでもいい心配をする私。
そして黙々とアイロンがけを始め、朝、洗濯機にかけておいた洗濯物を干し、食器を洗い…と、
次々に家事をこなしていく。
私はというと、その間、別に監視するわけでもなく(ときどきさりげなく働きぶりをチェックしていたけどね)、
テレビを見たり、幼稚園の書類を調べたり。
本来、主婦である自分がやるべきことを、こうしてプロにおまかせするなんて…なーんて贅沢なのだ〜、と
にわかマダム気分を満喫したりして。


調子よくNHKのドラマを見ていると、彼女が「○×はあるか?」と尋ねてきた。
どうやら、床に水をかけて掃除したあとに使う、水切り用の掃除用具のことらしいんだけど…そんなの持ってませんー。
一応、今日に備えて、トイレ用とか家具用、床用などの洗剤は少し買っておいたんだけど、全然足りないらしい。
それらがないと掃除ができないので、すぐに近くのスーパーに買いに行くことに。もちろん彼女に同行してもらってね。
すると次々に各種洗剤をカゴに入れていくよ…そ、そんなにいろんな洗剤が必要なのかー。
間違いなく日本の住居用洗剤の種類の4〜5倍はあるね、ブラジルの洗剤は!
そして肝心の床の水きり用掃除具(RODO、というらしい)も購入して、やっと家に戻る。
そこからは、トイレや台所などの、タイルばりの部分を水ぶきしたり、フローリングの床を磨いたり、
ベッドメイキングをしたり家具を拭いたり…。
みるみるうちに部屋が輝いていくよ!


我が家に滞在すること約5時間、休む間もなく動き続けて、すべての部屋が完了した。
いやぁ〜素晴らしい。さすが掃除のプロ。はっきり言って、引っ越してきてすぐの日よりもきれいです。
あのとき、なんて悲しいフローリングなんだここは… と思ったものだけど、なーんだ、ちゃんと磨けば
光るんじゃないですか。
日本からホコリつきで持ち込んだ絵画や電子ピアノもぴっかぴかに磨いてくれて、まるで別物のようだ。
ブラボー、ファシネイラ!と思わず叫びたくなりましたよ、ほんとに。


一軒の家に朝から夕方までびっちり滞在するファシネイラさんも多いみたいだけど、
うちは半日でも十分働いてくれたから、これでいいかなぁ、と思う。
これ以上、何をしてもらうというのだろうか?! 私には十分すぎるほどの働きぶりでしたよ、彼女は。
きっと、仕事が早いということだろうね。うんうん。いいことだ。


とりあえず、良さそうな人でよかった。中には、ランチを用意する必要があったり、仕事が終わっていないのに
契約時間が来たら仕事途中で帰ってしまったりするファシネイラもいるみたいだから、やはり性格は大事。
クチコミで紹介してもらうのが一番安心よね、結局は。