しょうゆも壁の絵も同じ?!

同じマンションに住む日系人の大学生、Aくんとの週1回の勉強会は今も続けている。
毎回、特にテーマを決めているわけでも、テキストに沿ってやっているわけでもなく、
ただひたすらまったりと、なんとなく会話して、その中で出てくる気になるトピックについて語り合うというパターンの勉強会だ。


そんなアバウトな雰囲気だけど、そこかしこにネタは転がっていて、毎回結構お互いためになっている…と思う。
たとえば私は彼に、刺身にしょう油を「かける」という動詞(かける)を教える。
かなり文法的にレベルの高いところまで日本語学習が進んでいる彼だけれども、たとえばそういう、日本人が日常的に使う普通の動詞は聞いたことがない…ということが多い。
では「かける」はしょうゆだけに対する動詞なのか…、という質問から始まって、いや調味料全般について使う、とか、お花に水を与えるのも「かける」なのか… などと、どんどん用法についてのバリエーションが広がっていく。
そうやって考えると、日本語って結構難しいのよねぇ。
ちなみにポル語でしょうゆをかけるの「かける」は、「置く」という意味で通常使われる「por」になるんですって。


この「por」も、ずいぶんと用途が幅広いので、ポル語学習者の私にとっては結構やっかいな動詞なんだよなぁ。
壁に絵を飾るときも「por」なんだよね。しょうゆと壁の絵が同じ動詞なんてねぇ、なんて思ってたら、あら、日本語でも壁に絵を「かける」と言うから、しょうゆと一緒の動詞じゃん!


そんな風に、お互いにへぇー、ほぉー、なんて言いながら、日本語とポル語ミックスで頑張っております。

実は難しいのね…ポル語の微妙な発音の違い

日系人大学生Aくんとの勉強を通して、強く強く実感すること、それはポル語の発音が実はすごく難しいってこと。
基本的にはローマ字読みで通じるので、たとえばlaranjaはラランジャとカタカナ発音すれば「オレンジ」だって通じる。
だけど厳密には、laとraは違う音であって、英語でもずいぶん苦労させられているアールとエルの発音がポル語においても微妙に違うのだ。


このことは、普段、外国人としてへたっぴなポル語を話している分には全く気にならないんだけどね、Aくんが話すポル語をノートに書き取ろうとするときに苦労するんですよ。


例えば、パレッシ、と聞こえたときに、palece と書くのか parece と書くのかわからない。
アールとエルの発音、聞き取るときにも難しいけど、口に出すのも難しいんだよなぁ。
だから、実は、スッコ ジ ラランジャ(オレンジジュース)ってきちんと発音するのは至難の業なんだよなぁ。(くやしいことに、コイはそのあたりがとっても上手だ。さすが子どもは耳がいいよね)

アールとエルのほかに、BとVの違いも難しい。Sとçの違いも難しい。
ruim(フーイン:悪い)と fumaça(フマッサ:煙)は両方ともフで始まるけど、その「フ」の音が違う…
と、まぁ、挙げれば結構微妙に難しいじゃん、ポル語の発音って。
ローマ字読みでOKというけれど、きちんとしたポル語を話せるようになるためには、ちゃんと使い分けるようにならないとね。