2013-03-11 ムーミンパパの思い出
ムーミンパパの思い出
- 作者: トーベ・ヤンソン,Tove Jansson,小野寺百合子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1990/08/23
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 73回
- この商品を含むブログ (22件) を見る
ムーミン童話全集の三冊目。これまでとは違い、語り手ではなくムーミンパパが昔の思い出を語っているという形式。途中途中で話を聞いているムーミンやスナフキン、スニフのツッコミなどが入る。ムーミンパパの文体なので他の作品と違ってちょっと偉そうっていうか格調高い感じ!
語り手=ムーミンパパ
ムーミンパパの語る若いころの思い出に出てくる登場人物と今のみんなの関係/みんな自分の親の話が聞きたい。
フレドリクソン
ヨクサル=スナフキンのお父さん
ミムラ=スナフキンのお母さん
ロッドユール=フレドリクソンの甥でスニフのお父さん
ソースユール=スニフのお母さん
気になる点:
・パパが捨てられていて育てられるムーミン捨て子施設の管理人ヘムレンおばさんがむかつく。その上自分たちを「スーパーヘムル」、自分を「スーパーヘムレン」と名乗っているが何がスーパーなのかよくわからない。
・パパがおとなになっても、家でどんなに居心地が良くても心のどこかにそこから逃げ出し冒険に出たいという思いはこの捨て子であった子供時代の気持ちの影響。
・家出をして初めて出った生物はヤマアラシ(挿絵なし)
・タバコを吸うと身体に悪いというヘムレンおばさんのセリフからスニフがムーミンパパにタバコを吸うのを辞めるように言った時のムーミンママの返答
『そんなことはないわよ。パパは一生たばこをすってるわ。それでもふるえもはげもこないし、鼻だって黄ばみはしません。気持ちのいいものは、なんだっておなかにいいものよ。』
すごい、JTはムーミンママをマスコットキャラにすべき。
・「わたしは、どこかわたしのいないところで、大冒険がつぎからつぎへとおこっているような気がして、しかたがありませんでした。」
・パパの憧れは実はニョロニョロのふしぎな旅。
『いっそ、ニョロニョロにうまれればよかったなあ。わたしはこんなことさえ考えました。もしわたしが、ニョロニョロたちのように未来がなく、たださまようばかりの運命の星の下にうまれていたら、だれだってわたしになにかを期待することはなかったでしょうよ。わたしだって、どうせたどりつけない水平線にむかって、ただよっていればよかったのです。それなら、なにもしゃべることもないし、いっしょうけんめいになって、なにかをする必要もなかったでしょうね。』
・フレドリクソンからムーミンパパへの言葉
『ぼくたちは、いちばんたいせつなことしか考えないんだなあ。きみはなにかになりたがってる。ぼくはなにかをつくりたいし、ぼくのおいは、なにかをほしがっている。それなのにヨクサルは、ただ生きようとしているんだ。』
・王様というのは自分をべつに小さくしなくても尊敬できる相手。
・ムーミンパパはどんなことをしてでも、まわりの人達に強い印象を与えたい。尊敬でも同情でも恐怖でもいい→人から無視されがちだった子供時代の影響。
・パパから話を聞いている途中で、ミムラが母親ならミィはぼくの親類なんだね、と気づくスナフキン。これまで知らなかった?
・ママと出会ったパパ
『これからあとは、彼女のやさしい理解ある目にみまもられて、わたしの道楽は、正しい観察力や良識にかわっていきました。そのかわりにいっぽうでは、無鉄砲で自由な勇気は、わたしからなくなっていきました。わたしが書いておきたかったのは、ほんとうは、そういうものだったのですよ。』
・『あたらしい門のとびらがひらかれます。不可能を可能にすることもできます。あたらしい日がはじまるのです。そして、もし人がそれに反対するのでなければ、どんなことでもおこりうるのです。』
2013-02-21 トマス・ピンチョン「V.」
トマス・ピンチョン「V.」メモ
V.〈上〉 (Thomas Pynchon Complete Collection)
- 作者: トマスピンチョン,Thomas Pynchon,小山太一,佐藤良明
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/03
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 32回
- この商品を含むブログ (18件) を見る
V.〈下〉 (Thomas Pynchon Complete Collection)
- 作者: トマスピンチョン,Thomas Pynchon,小山太一,佐藤良明
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/03
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 6回
- この商品を含むブログ (11件) を見る
「Keep cool but care」誰かがスカンクを轢いたらしく、その匂いが何マイルもついてきた。「おふくろがもし生きてりゃ、このフレーズ、刺繍してもらうんだけどな」
LAヴァイス、ヴァインランド、競売No.49の叫びに続きピンチョン作品を読みました。これがデビュー作。ひたすら難解だと聞き及んでいたのでよっぽどだと構えて読み始めましたが、情けない男プロフェインのパートはLAヴァイス等のカリフォルニア作品に通じるノリで読みやすくあれ?っという気持ちに。とは言いつつも、登場人物の多さとコロコロと変わる場面展開にやっぱり一行一行気合いを入れて読みました。ある程度気合いを入れていないと自分が果たして今どこの何を読んでいるのかわからない、っていうことになってしまう。特に頭を使ったのはV.という単語に取り憑かれた男ステンシルのパートで、各章ごとに(時には章内の区切りごとに)時も場所も時間も語り手も変わるからぼんやりなんてしていられない。このステンシルパートが本当にどれも多彩で冒険譚みたいな感じもあって楽しかった。フィレンチェとマルタ島のパートが超かっこよかった。
それにしても、ピンチョン作品を読んでいる間というのは気合いを入れて読んでいるのでなんとなく熱に浮かされたような感じで、その直後に読む作品はだいたいあんまし頭に入らないということが経験上わかってきました。さらっと気軽に読める作品だといいけど重く難解なものは外しておいたほうが良い感じがする。そして気合いを入れて読んでるけど苦しいのではなく、読んでる間はなんだかすごく幸せな気分になっているので読み終わったあと早く次のピンチョン作品が読みたいっていう気持ちになる。でも実際は長いし難しそうだしということで時間があくんだけれど…
「戦争は八月に始まるというのが、二十世紀の温帯地方の習いだ。八月といっても、季節の八月とはかぎらない。戦争といっても、国家間のものとはかぎらない。」
2013-02-08
たのしいムーミン一家
- 作者: トーベ・ヤンソン,Tove Jansson,山室静
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1990/06/22
- メディア: 単行本
- 購入: 5人 クリック: 16回
- この商品を含むブログ (16件) を見る
ムーミン童話全集の二作目。素晴らしい。文句なし。超傑作。
前作彗星のような全体でひとつの長篇となっているというよりは、連作短編のような雰囲気の本作であり、飛行おにの帽子がすべての話を繋げている。
はじめに 冬眠に入るムーミン一家
第一章 春のある日。冬眠から目覚め、黒いシルクハットを発見する。シルクハットから雲が出てきてみんなで乗る。るんるん。ヘムレンさんが切手を集めきってしまいつまらなくなっているので新たに植物を研究する。
『ねえ、ヘムレンさん、こうでしょ?−あなたはもう切手をあつめる人じゃなくて、コレクションの持ち主にすぎません。ところが、それはあんまりたのしいことじゃない−。』(P.38)
第二章 夏のある日。鬼ごっこをしている途中で帽子の中に隠れて変身してしまうムーミン。誰にもわかってもらえない中ママだけはわかる。帽子のせいだと気づいたので証明するために蟻地獄を罠にかけ確かにそうだと判明し帽子を捨てたが、スナフキンがムーミンに川下に引っかかってると教え二人で夜見に行き穴にしまっておくことにする。
ママ『ね、なにがおこったって、わたしにはおまえが見わけられたでしょ。』
スナフキン『きみは、ひみつがまもれるかい?』
第三章 次の日の朝(6月ごろ)じゃこうねずみが洞穴へ行く。探しがてら一家で砂浜にピクニックに行き船(冒険号と名付ける)を見つける。ニョロニョロの島に着きヘムレンさんが囲まれSOSを出しスナフキンに助けられ、ニョロニョロの気圧計をパクる。島に嵐が来るので泊まる。
スナフキン『おちつきなさいよ、ヘムレンさん。なんといってもあなたは、ずいぶんしあわせじゃないですか。』
スノークのおじょうさんは、ぶるぶるふるえている手を、ムーミントロールの手の中にさしこみました。ムーミントロールは、とても男らしい気持ちになって、(ぼくは、どんなことがあっても、この人をまもるぞ。)と、心の中でちかいました。
第四章 夜中にニョロニョロがやってきてスノークのおじょうさんの前髪が焼失するw ヘムレンさんから気圧計を奪いさってゆくニョロニョロ。みんなで水浴び。スノークのおじょうさんが船首飾りを見つける。
第五章 6月末の話。熱いので洞穴へ行く。みんなで釣り。まめるく。
ムーミン「きみはダイアナ(ギリシア神話の狩りの女神)そっくりだよ。」こういってムーミントロールは、ほれぼれとおじょうさんを見つめました。「ダイアナってだれ?」とおじょうさんは聞きました。「狩りの女神さ。あの木の女王さまみたいにきれいで、きみみたいにりこうなんだ。』
第六章 8月の始め。トフスランとビフスランがやってくる。モランが来る。モランの狙いはトフスランとビフスランのスーツケースの中身。スノークが裁判をする。モランにシルクハットを渡してスーツケースの中身はトフスランとビフスランの元に残る。
第七章 8月の末。スナフキンがたびに出る。「いま、−すぐさ」たびに出るにはもってこいの日。トフスランとビフスランがしょんぼりするムーミンを慰めようとスーツケースの中身を見せてくれる。ムーミンママのハンドバッグがなくなる。見つけたらパーティということでムーミン谷中のみんなで探す。実はトフスランとビフスランが持って行っていたが素知らぬ顔して返し、トフスランとビフスランを称えるパーティになる。パパがアメリカのラジオを聞く。トフスランとビフスランがこんなによくしてくれてとお返し?にルビーの王様を持ってきてみんなに見せる。月から見ていた飛行おにが見つけて飛んでくる。飛行おにがみんなの願いを叶えてくれる。トフスランとビフスランは飛行おにに自分では自分の望みを叶えられないのか聞き、なんと飛行おにの代わりに望みを言う。もう一つ綺麗なルビーを出して!ルビーの女王が出てくる!パーティが続く。
ムーミントロールは、こうした夏のさいごの時期が、いつでもいちばんすきでした。−なんだか、そのわけはわかりませんけれど。
もう一度ダンスがはじまり、木々の下には、あらためてパンケーキをのせたおさらが運ばれてきました。ヘムレンさんは、いよいようちあげ花火をうちあげますし、ムーミンパパは、例のりっぱな表紙をつけた自伝をもってきて、わかいころの思い出を声高く朗読しました。
それから飛行おには、世界のはてへととんでいきました。かあさんねずみは、自分の巣の中にもぐりこみました。だれもかれも、ほかの人に負けずに幸福でした。
登場人物
ムーミン
ムーミンママ
ムーミンパパ
スニフ
スナフキン
スノーク
スノークのおじょうさん
ヘムレンさん 切手収集から植物研究に変わる。しかけ花火をしかけるww なんでもできるww
じゃこうねずみ
ニョロニョロ
トフスランとビフスラン いつもスーツケースを持ってる。
モラン もらんキタ━(゚∀゚)━!
飛行おに シルクハットの持ち主。ルビーの王様を探している。
何度も何度も「幸福」という単語が出てくる。
2013-02-07 ムーミン画集 ふたつの家族
■
- 作者: トーヴェ・ヤンソン,冨原眞弓
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/03/26
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 19回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
メモ)
「『たのしいムーミン一家』は、ほんとうにとてもしあわせだった子ども時代の夏を、そっくりそのまま描いた写し絵といってもよいでしょう。わたしの書いたもののなかでいちばんしあわせな本です。夏は長く、水はあたたかく、ひっきりなしにあたらしいことがおこる、そんななかにムーミントロールはいたのです」
「わたしの記憶はどうしようもなく頼りなくて、日付やできごとはするすると抜けおちて、何年もあったはずの子ども時代は、ただひとつの長い夏として思い出されてしまいます。けれどもわたしは、子ども時代というあの特別な世界からたちのぼる匂いや、色合いや、口ぶりや、気分を、あの"扉のすきま"のおかげで呼びもどすことができるのです」
「子どもの本には、説明もされず挿絵もつけられないなにかが、かならず残されているべきです。子どもには自分で考えつづける余地があたえられねばなりません。可能なものも不可能なものも手のとどくところにあって、自分自身で感じつづける余地が必要なのです。」
2013-01-15 ムーミン本
ムーミン本
読みたいムーミン本メモ(公式からの抜粋だけどまだまだ新しく出てるもよう)
読んだら太字にする。
小説 講談社ムーミン童話全集(ハードカバー)
1.小さなトロールと大きな洪水 全集の別冊扱いになっている本当の一作目。
2.ムーミン谷の彗星 彗星が来るよ!
3.たのしいムーミン一家 素晴らしい!幸福とはこういうこと!
4.ムーミンパパの思い出
5.ムーミン谷の夏まつり
6.ムーミン谷の冬
7.ムーミン谷の仲間たち
8.ムーミンパパ海へいく
9.ムーミン谷の十一月
トーベ・ヤンソンの絵本 講談社
1.それからどうなるの? ミィを助けろ!
2.さびしがりやのクニット
3.ムーミン谷へのふしぎな旅 世界をめちゃめちゃに!
その他絵本 講談社
1.ムーミン谷に春がきた
2.ムーミン谷のたからもの
3.ムーミンのともだち
4.ムーミンのふしぎ
その他絵本 徳間書店
1.ムーミンのことばのえほん ムーミンが単語を7つくらい教えてくれる絵本。少ない単語数で「ペンキ」が入ってて震える。
2.ムーミンのはんたいことばのえほん ムーミンたちが反対の言葉(濡れた⇔乾いた)などを教えてくれる。
3.ムーミンのかずのえほん
4.ムーミンのいろのえほん ムーミンが「パパの帽子は黒」など色を教えてくれる絵本。
ムーミンコミックス 筑摩書房
1.第1巻 黄金のしっぽ
2.第2巻 あこがれの遠い土地
3.第3巻 ムーミン、海へいく
4.第4巻 恋するムーミン
5.第5巻 ムーミン谷のクリスマス
6.第6巻 おかしなお客さん
7.第7巻 まいごの火星人
8.第8巻 ムーミンパパとひみつ団
9.第9巻 彗星がふってくる日
10.第10巻 春の気分
11.第11巻 魔法のカエルとおとぎの国
12.第12巻 ふしぎなごっこ遊び
13.第13巻 しあわせな日々
14.第14巻 ひとりぼっちのムーミン
その他ムーミン関連書籍
ムーミン画集〜ふたつの家族 トーヴェ・ヤンソン トーヴェ・ヤンソンの原画や習作を集めた画集。各国ムーミン書籍表紙なども掲載されていて面白い。いくつかのヤンソンさんの言葉と、国際アンデルセン賞受賞時のスピーチも収録されている。
