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Rage against the (import) machine

2017-07-02

アウディQ2 コンパクトSUVとは、奇抜な扇風機みたいなもの!?

  2年半ほど沈黙していた『RAGE AGAINST THE IMPORT MACHINE』ブログを復活させることにしました(勝手に書いてろー)。このブログを思い立ったのが2013年。日本のカーメディアがV40、Aクラス、ゴルフ、アウディA3を根拠が乏しいままに猛プッシュする様をみて、『冷や水』を浴びさせてやろう!!という出来心からだったのですが、試乗したり海外情報を検索したりで、結構時間を費やしてでも、日本のユーザーに『有益』な情報を提供しようと頑張ったのですが、蓋を開けてみるとですね・・・ヤバいことばっかり!!『欧州ブランドは真っ黒だ!!』『カーメディアも真っ黒だ!!』 衝突安全基準はボロボロ、直噴ターボの排ガス後処理にはひどいデータが、実際に乗ってみるとまともに走らない!?うるせー・・・などなど。

  わざわざブログに取り上げなくても、誰でもネットで検索できるでしょうし、試乗すればヤバさに気がつくレベルだとは思ったのですが、率直に内容を綴ったところ「輸入車愛好家」から怒りのコメントが殺到!!俺なんか悪いこと書いたかな〜!?ならば単純に間違いを指摘してくれればいいのに、なぜかネットの向こうの相手に対する『人格攻撃』の多いこと多いこと。こんなに民度が低いならばカーメディアに騙されてみんなA180買ってしまうよなー。ネットの向こうの人間の経済力とか、もう関知する必要なんてないわけで、ひたすらに記事でクルマについて語っているのだから、クルマに対する意見でコメントをすれば良さそうなのになー。などと思いながら適当に返事を書いてました。・・・ら予想通りVWが疑獄事件で炎上。だから『真っ黒』だって言ったのに!!

  日本人って面白いですよね。終戦で世論が180度変わった様に、VW事件でクルマの見方も180度変わった様で2015年10月以降は、コメントの質が明らかに変わったんですわ。 VWゴルフはとっとと適正価格に直せ!!って主張したら、某事件の影響もありますけど、割高感のあまりない価格になりましたし、BMWディーゼルがうるせー!!と書いておいたら、いよいよだいぶまともな静音処理を施した改良版が新型5シリーズとともに登場しました。小さい輸入車なんて高齢者がメインユーザーなのにDCTだとあぶねーよ!!と書いたら、ちょびっと名指ししたPSAが、なんとトルコンATを展開するようになりました。

  とりあえず気がついたことを『発信』していけば、それで少しずつ世界は変わっていくのかなーと思った次第です。私が書いている他のブログは、単なるカーキチが『この技術が素晴らしくいいんだよねー』という、『変態』でもない限りはなかなか共感もへったくれもない『自己満足系』のものばかりなんですが、もっとわかりやすく、ダイレクトに自動車ブランドとその製品を『毀誉褒貶』することで、もっとダイナミックに何らかの影響を与えていくことができるんじゃないかと思う次第です。休んでいた理由ははっきり言って『弱っているVWやBMWに追い打ちをかける気分にはなれなかったから』です。最近では再び勢いを取り戻してきた様なので、調子に乗ってんじゃねー!!と感じた部分は、『辛辣』に書いていきたいと思います。

  さて復活第一号は『アウディQ2』です。本国ではすでに発売されていて売れ行きは『しょっぱい』。イギリスにもとっくに右ハンドル仕様が導入されているので日本に来るのが遅すぎる気がしますが、とにかく現状ではアウディの最小クラスのSUVです。・・・で何がムカつくかというと。『自動車ブランドはアパレルブランドとは違う!!プライドを持て!!』ってことです。この『Q2』というクルマは、アウディブランドですけども、VWの設計をベースにしています。ただしVWのBセグクロスオーバーに『クロスポロ』というモデルがありますが、それと兄弟車というわけではありません。

  アウディA3とVWゴルフは兄弟車であることが一般に知られています。もともとA3というモデルはアウディの設計にはなく、ブランドの販売台数を水増しするためにVWの設計を使って外注工場で作らせたのが『悪名高いアウディ』の始まりでした。しかしその批判を避けるためにアウディは老獪になります。これらのクルマに使われるMQBが採用されてからは、アウディA3が先に登場して、後からゴルフがFMCを行うという戦略が採られています。つまりアウディの発売時には『VWとは違う設計ですよ!!』として、マージンをたっぷり入れた価格で、開発費の大半を償却した上で、同じ設計のVW車を投入します。

  アウディQ2にもおそらくこれと同じ手法が使われていて、現行のクロスポロはMQBではありませんが次期型はQ2と同じ設計のものが投入されるはずです。・・・と思っていたら早速ポロのFMCが発表され、やはりMQBになりました。ただし新型ポロ&クロスポロの発売は来年以降のようで、とりあえず日本市場では2017年内に関しては、Q2はMQBを使っているので、クロスポロとは『別モノ』であることをアピールして2017年中に売り抜くつもりか。何よりムカつくのは、日本に1.5Lターボを持ってこないこと!!これまでのVW定番だった1.2Lターボはもう日本では新規/FMCでは排ガス基準に抵触するので売れないです。ポロやup!に使っている1.0Lターボが、1.4Lのシリンダーオンデマンドならギリギリセーフのようです。

  299万円!!ゴルフと同じかなり控えた価格設定には好感が持てますが、肝心のクルマの中身がその分しっかりとマイナスになっているんですね。日本市場で苦戦しているアウディは再び裾野を広げるためにも、『入門車』の強化を図る必要がありますが、アウディA1は全く見栄えがせずに不人気。アウディA3はセダンがサイズ的にちょうどいいのでそこそこ売れているみたいですが、メルセデスのAクラスや、MINIのような強力な『入門車』ではないです。クルマの質よりもインパクトある価格で、ユーザーを引き寄せなきゃいけない苦しい台所事情はわからないでもないですが、日本のプレミアム市場が飽和状態で底が抜けたと言っていいかも。低品質なクルマだとわかっていながら売る。アウディがいよいよ『クルマを作ることを諦めた!?』かのようなモデルで勝負しようとしてる。どーでもいいですが、『コムサイズム』『PSライン』じゃねーんだぞ!!これは『AUDIライン』ってヤツですか!?

  そもそもアウディの価値って何!?ドイツメーカーで唯一まともに自社技術でAWDが作れるブランドじゃないの!? 実際のところ日本メーカーならそんなのは当たり前のことなんですけども、日本みたいな急峻でアホみたいに雪が降る山国ではないドイツフランスではAWDは必須ではないので、そういう意味でもアウディはレアな存在だと思います。ですが・・・そんな自らの立ち位置を全否定するかのように『Q2』にはAWDの設定すらない模様です。なんで無いのか!?ゴルフのAWDが500万円以上する『R』以外には設定されていないのと同じ理由だからさ・・・。

  日本には優秀なAWD車がたくさんあるんだから、わざわざアウディで買う必要もない。確かにそーなんですけども、それならば、アウディからなんか代わりに新しい『価値』は提供されないのですか!?まさかあの『出がらし』のアウディデザインが『価値』だとでもいうのでしょうか(ファンの方には申し訳ないですけど)!? それとも『MQB』で『ザックスのサス』ですよーっていう最近よく見かける『国沢節』の王道路線が売りなのでしょうか!?その割にはあのオッサンがなかなか出張ってこない気が・・・。価格なりのクルマなのかもしれないですが、日本に本気グレードを持ってこないのはなぜだー!!日本をナメるな!!




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2014-10-19

ゴルフGTIが示すVWの現在地

  輸入車ブランドとして日本市場でメルセデスやBMWを抑えてトップシェアを誇るVW。”強さ”の秘密は「ブランド発信力」やマ◯ダもびっくりの「スペシャルオファー」などいろいろあるようですが、純粋にクルマの実力をかなりのものがあると思います。さてこの欧州きっての大衆ブランドが、世界のどこよりも精緻に作られる日本のトップレベルのクルマと比較したときに一体どれほどのものなのでしょうか?・・・といってもVWのクルマは、他ブランドとの単純比較が難しいのが特徴で、特に日本車とは排気量やミッション形式の違いがあってなかなか難しいものがあります。ゆえに安易な比較には”恣意的”な要素が介入してしまうので、なかなか説得力を持たせる比較をするのが難しいです。一体VWが日本社会に生きる人々に与えられる喜びとはどのような類いのものなのでしょうか?

  そこでVWユーザーがどことなく長所に挙げている点を考慮したシチュエーションであれこれ比較してみました。初めに結論を言ってしまいますと、結果はそのものズバリ・・・「スカイライン350GT > アテンザXD > WRX S4 > ゴルフGTI」という序列になります、この相対的な位置関係は現状ではどうあってもまず覆ることはないかなという気がします。日産、マツダ、スバル、VWのイメージリーダー的車種同士で比べてみたのですが、各ブランドが考える上質感の基準がそれぞれのクルマに色濃く出ているように感じました。日産は宣言通りに「極上」を追求してますし、マツダは狙い通りの「上質」、スバルは守るべき個性を感じる「堅実」で、VWは大変に失礼ですが帳尻合わせの「妥当」でしかないです。

   スカイライン350GTからは日産の絶対的な自信に裏打ちされた確信を感じます。この「極上」のスタンスで今もクルマを作っているブランドは、乗用車主体のメーカーでは「レクサス」「マセラティ」「ベントレー」くらいだと思います。1800kgの重量を全く感じさせない加速・制動・旋回の3拍子揃った総合レベルの高さは、他のメーカーが真似したくても近づけないレベルです。そんなクルマが500万円で買えてしまうのだから、まだまだ日本も捨てたもんじゃないですね。これはせっせと貯金に励んで買える内に買ってしまったほうが良さそうです。

   マツダはまだまだ日産の領域にはほど遠いですが、それでも必死でユーザーのニーズに応えようという姿勢は素晴らしいですし、何より周囲の期待を2回りくらい上回るクルマ作りを案外あっさりとやってのけます。実際に現代人の様々なライフステージを鮮やかに照らす「幸せのクルマ」を作ろうというコンセプトの元で、ヒューマニズム溢れるスピリッツを見事にアテンザXDに投影したと思います。福野礼一郎氏が事あるごとに「BMWディーゼルほどにCX5以外のマツダのディーゼルはスピード感が無い」と漏らしていますが、それもそのはずで3シリーズに比べると「上質」を追求しているアテンザは静音やスタビリティといった高級車的なスペック値の基準が高く、実際に運転しているとスピード感をあまり感じないままに相当なスピードが出ていたりします。

  後述するWRX S4やゴルフGTIですが、このスポーティな2台は装備されているSモード(S#モード)での鋭い加速は楽しいですが、どちらも60km/hを超えたあたりから早くもピッチ感とロール感を頻繁に感じるようになります。アテンザでの100km/h時の騒音&揺れがこの2台では60~70km/h程度で発生します。スポーティを売りにするクルマと上質なセダンを目指すクルマの方向性の差が明確に感じられます。最近多くなっている400万円程度のスポーツカーもどきのクルマは、どれもドライバーの五感を過剰なまでに騙すような味付けに頼るものばかりです。ターボであることを肯定するための「Sモード」だったり、エキゾーストを車内に取込む安っぽい演出などなどいろいろあります。楽しんでくれるユーザーがいる反面、クルマに本質性を求めるユーザーにとっては、「ヴァーチャルな演出」に気分を良くするなんて、家でグランツーリスモやってるガキと大して変わらないのでは?という疑念を感じるでしょう・・・。

  アテンザXDは日本にいるとまだまだ特異な存在で分りにくいですが、現行モデルは欧州市場でメルセデス・マセラティ・アルピナが主力に掲げる「ディーゼル・サルーン」にかなり近い世界観を達成しているように思います。「ヴァーチャル」な320dで大興奮して、どこまでも「リアル」なアテンザXDが物足りないなんて・・・いくら福◯さんでも痛すぎです(失礼ですが言わせてもらいます!)。マツダの製品企画を担当するオーガナイザーにしてみれば、VW・スバルBMWのような小手先のクルマ作りは言語道断とは言わないまでも、マツダの目指す方向ではないと確信しているはずです。クルマの本質で勝負するだけだから、基本設計とエンジン、そして内外装デザインの世界観だけをストイックに磨けばいいわけです。このマツダのように「上質」こそを是とする考えは、他にも「メルセデス」「ジャガー」といったブランドに共有されていて、これらには自らが掲げるコンセプトとそのセンスだけを頼りに市場を切り開く孤高の「意志」を感じます。

  さてここから先はやや悪口になってしまうかもしれませんが・・・、新登場のスバルWRX S4は残念ながらブランドが掲げた「上質」という宣伝文句には、現段階ではほど遠い存在でしかないようです。スバルが三菱と競うようにラリー仕様のAWDターボを開発するのに長い期間を要したのと同じように、「上質」なサルーンもやはりすぐに作れるものではないのでしょう。「スポーツ車」の開発こそが崇高で価値のあることであって、「オッサン車」と蔑んできたセダンの開発を、もしかしたらスバルは甘くみていたのかもしれません。とりあえず現時点では日産・マツダの足元にも及びません。シーマ・セド/グロやルーチェ・ユーノス800を作ってきた歴史は現在でも大きな遺産になっているようです(三菱にもセダンの復活を期待したいですね)。スバルとしては得意分野を生かして、「WRX=最高のスポーツ車ブランド」として自信持っていればいいものを、伝家の宝刀WRXを使っての「上質サルーン」アピール戦略はスバルの栄光の歴史に泥を塗ったかもしれません。

  それでもスバルはWRXの開発においてブランドの尊厳を大筋で守りつつも着実な一歩を踏み出しています。クルマのキャラクターを大きく損なうことなく、先代の大いなる失敗作である”A-line”のコンセプトを意地でも認めさせようと奮闘している点は多く見られます。ガチガチに固められていた足回りは、なんとかマツダやボルボの領域に接近したものへ近づけてきました。まだまだロール幅自体は限定的なものですが、ドシン!バタン!とタイヤを不整路に叩き付けるような豪快な走りは影を潜め、路面にタイヤを擦り付けるような高級車的な走りに大きく接近しています。しかしスポーツ由来の素性は簡単に隠せるものではなく、ジオメトリー変化に乏しいリアサスペンション辺りから伝わる”軽い”ニュアンスは、日産やマツダのマルチリンク装備車のものとはだいぶ違うので、それが走りの軽さと受け取る人も結構いると思います。そして最も高級車として興を冷めさせてくれるのがやっぱりCVTです。まだまだ全然仕上がっておりません・・・。

  WRX S4の至らない部分を見事に解決しているように見えるのが、ゴルフGTIです。スモールカーらしい軽快さは付いてまわるものの、DCT(湿式DSG)の変速スピードは見事なもので、「Sモード」に切り替わる速度もWRX S4よりも断然にスピーディです。車重から考えても余力十分な2Lターボを低速トルクに特化させたパワートレーンのおかげで、ちょっと人聞きが悪いですがこのクルマは「試乗スペシャル」に仕上がっています。VWの考え方として全てのクルマユーザーに訴える全方向的なクルマ作りはしないようです。よってこのゴルフGTIもCセグ以下の国産車ユーザーにとっては間違いなく目からウロコの出来映えですが、上級セダンユーザーから見れば居住性・ハンドリング・走行性能のどれもが中途半端なものに感じるので、とりあえずは購入対象にはならないでしょう。

  ゴルフGTIは確かにWRX S4よりもよく出来ている点が目に付きますが、残念なことにベース車両がいかんせん安っぽすぎます。WRX S4はオリジナリティ(スポーツ走行性)を失わないように配慮しつつも、長距離ツアラーとしての基本性能をあらゆる面から追求していて、その結果まだまだ成熟不足といった印象ですが、ゴルフGTIは最初からベースの部分に手をつけることは放棄しています。クルマの方向性としてはコンパクトカーをサーキット向けに戦闘力を高めることに重点をおいています。そしてドイツ車が本来もっている洗練された足回りと剛性感のある車体で強化されたエンジンパワーを見事に支えていて、その総合力こそがこのクルマの最大の評価点です。しかしこの段階までは先述の日産・マツダ・スバルも味こそちがいますが完成度は十分です。ゴルフGTIはベース車の基本性能を「走り」の面で大きく洗練されたものにしていますが、それ以上のことには関知しないというブランドの方針が横たわっているのもまた事実です。WRX S4は従来のベース車であるインプレッサとは別の設計に舵を切って「上質」を名乗ろうとしましたが、ゴルフGTIはベース車との切り離しは現時点では全く想定していないようです。結果的に、程度の差こそありますが本質的にはスズキ・スイフトスポーツやホンダ・CR-Zのような一人で乗るにはそれなりに楽しいであろう「妥当」なクルマになっています。

  スカイライン350GT、アテンザXD、WRX S4、ゴルフGTIの4台はいずれも見積もれば400万円を超える決して安くないクルマですが、それぞれにメーカーの目指す理想が追求されていて、どれもコスパに優れた「価値ある」クルマです。しかし4ブランドがそれぞれ目指した「領域」は明確に違っていて、ユーザーの嗜好も千差万別ですから、それぞれにコアなファンを獲得できると思います。最後に異論反論が噴出するかもしれませんが、同じ方向性のブランドをカテゴライズすると、「極上」クラスは日産・レクサス・マセラティ・ベントレーです。「上質」クラスはマツダ、メルセデス、ジャガー、アルピナ。「堅実」クラスはスバルBMWアウディ、ボルボ。「妥当」クラスはVW、ホンダ、スズキ、プジョー、シトロエン、ルノー、フィアット、ミニ、アルファロメオです。あくまで現在のブランドイメージを牽引するモデルの方向性を分けたものに過ぎませんが・・・。


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2014-09-24

BMW X4・・・一体何がしたいのか?

  本音を言うとBMWもポルシェもSUVなんて止めちゃえばいいと思います。もちろん両ブランドが嫌いだからではなく、大好きだからこそ、こう言わずにはいられないです。まあアメリカ市場でSUVを売りまくらないとブランドが存続できないという苦しい事情もよく分るので、適度に良さげなSUVを作って「さすがBMWだな」「さすがポルシェだな」と感心させてくれるのならばいいとは思うのですが・・・。そしていよいよ心配していたような事態になりました。局面打開への苦闘が続くBMWからとうとう強烈なまでの問題作が登場してしまいました。中型SUVの中では目立つくらいに車高を下げて個性を獲得しにいった結果が、予期せぬか予定通りか分りませんが、プリウスを腰高にしたようなとてもBMWには似つかわしくない意味不明なプロポーションでこれは相当に”酷い”です。あまり頭ごなしにブサイクなんて言いたくなることはまずないのですが、フェラーリFFやポルシェ・パナメーラといった超一流ブランドのクルマともなると、間違いなくカッコ良さを追求したデザインなのですから、失礼は承知の上ですが「かっこ悪い!」とハッキリ言ってもいいと私は思います。

  「15年かけてBMWはやっと初代プリウスの先進的スタイルに追いついたのか?」なんて皮肉を浴びせたくもなるほどに、このBMW X4のデザインはとんでもなく酷いです。まるでキドニーグリルがついてBMW顔になったプリウスのようにしか見えません。某雑誌のレビューには「こうした特徴的なモデルを日本のプレミアムブランドは作ることができるのだろうか・・・。」なんて書かれてましたが、このライターは頭大丈夫なのかと心配してしまいます。いくら奇抜なデザインが好きな最近のレクサスだってわざわざプリウスのスタイルを真似たりはしないでしょう。実際のところ車高を上げたレクサスHSみたいなスタイルですから、もうすでに作ってしまっている!が正解なのかもしれません。一応はスカイラインクロスオーバーってのもありますし。

  BMW X4は大まかに分けて3種類のブランドのFRプラットフォームの中で廉価グレードを担当する「L7プラットフォーム」を利用した、もっとも高価格なモデルです。デザインだけでBMWのクルマを判断するのはやや心苦しい部分もありますが、これまで全くヒット車に恵まれない「L7プラットフォーム」車に最低でも乗り出し700万円!というおぞましい金額が付けられています。見た目は残念・・・シャシーも残念・・・価格も残念。昨今のBMWブランドの迷走ぶりを1台で完全に象徴している「怨念の籠った」「業が深い」モデルです。誰も持ってないBMWが欲しい!という人にはなかなか理想に適ったクルマかもしれないですが・・・。

  「L7には手を出すな!」は今やBMWの購入を真剣に考える人々に重くのしかかる金言になっています。アルピナが導入した直6ディーゼルツインターボを搭載するD3/D4は確かに魅力十分なのですが、やはり「L7」という点が心に引っ掛かります。1000万円という価格に見合うクルマが「L7」から作れるはずがない・・・そう感じてしまうほどBMWの上位シャシー「L6」とは別次元に酷い、全く感動できないシャシーです。同様にM3/M4に関しても「L7」ゆえに選ぶ理由がないように思います。それでもレクサスRC-Fが発売された暁には、クソ・ジャーナリストによる乗り比べが行われて、まあ個人の主観なので何を発してもいいわけですが、RC-Fのあらを一生懸命に探して、M4に軍配を挙げたりするのかなという気がします。

  カー・グラフィックTVが以前にジャガーFタイプとBMW Z4を同じ土俵で比べていて、何を血迷ったかメインパーソナリティの片割れが「BMWの方がいいなぁ!」と無邪気に発言されていました。さすがに冷静なもう一人によってかなり厳しい口調でたしなめられてましたが・・・。スポーツカーとしての純度が全然違う2台を比べようという企画そのものに無理がありますし、私のような素人でも先入観を持ってしまうほど、そういう結論ありきな乗り比べなのにも関わらず「やっぱりBMWが好き!」と言ってしまう素直さ(無邪気さ)には好感すら持てますが・・・。

  最近ではBMWに対する視線もさすがに険しいものになってきて、M4にしたって「ボディ剛性は高いね!」と判を押したような評価がされるばかりで、「高揚感」とか「憧れ」とかいう文言は一切レビューには並ばなくなりました。一般人ならばテンション上げられるかもしれないけど、クルマを知っているジャーナリストからみれば、廉価のBMWなんてカローラみたいなものなんでしょうね。アメリカじゃBMWの一番安い3シリーズ・ユーザーの平均年収が14万ドル(約1400万円)だそうですが、ジャーナリストがこれだけ不遜な日本では、BMWの権威はかなり低いものとされ、1400万円稼ぐクルマ好きはポルシェかマセラティを無理して買ってしまうような気がするんですよね。ジャーナリストBMWを無理して持ち上げつつも、腹の中でバカにしているネジ曲った状況をBMWジャパンも痛切に感じているとは思いますが・・・。

  BMWとしては毒にも薬にもならない、無能ライターによる取り巻きをぶち壊す為にも、一度ブランドを空中分解させて、新たにラインナップに加わったEVシリーズのように、ソリッドで破壊力のあるモデルを揃えて、ブランドイメージの「書き換え」を図りたいといったところかもしれません。そんな中で登場したこの稀代の問題作「X4」を見て、多くのジャーナリストは何を感じるのでしょうか。これまで否定的に扱ってきたプリウスへの視点と、BMWに持って来たイメージが交差した地点で彼らは一体何を発するのか? まあ多くのライターは無視を決め込むでしょうけど・・・。

 

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2014-09-18

BMWベースブランドのセダン・クーペはもう日本から撤退でいいと思う

  最初に断っておきますが、私は日本で展開される輸入車ブランドの中でBMWが最も好きです。その理由は私を含め多くの日本人が享受している楽しいカーライフが実現するにあたって、直感的にとても大きな影響力があったであろうブランドがBMWだからです。今や日本で発売される上級グレードのクルマの設計思想には「運転することの楽しさ」が当たり前のように意図されていますが、そういうトレンドを作り出したのはBMWが日本において特別なブランドであり続けたことがとても大きいと思います。

  レクサス、日産スバル、マツダといった日本のブランドはグローバル展開するモデルを作りだした2000年頃から、国内専用車に課せられた自主規制の鎖が無くなり、ユーザーの目的の沿った多様なモデル展開をするようになりました。発達した高速道路網を駆使して長距離を快適にこなすグランドツーリングカーを作る技術も、この15年余りで飛躍的に進歩しました。アコード、スカイライン、アテンザ、レクサスISといったモデルが常にお手本として挙げたのがBMW3シリーズでした。

  「もはや3シリーズは日本車の敵ではない!」というのは日本人らしからぬ放胆で敬意を欠いた発言かもしれないです。しかし2000年代を通じてブランドにあぐらをかいてきたBMWは、日本の顧客とじっくりと向き合うことを軽視してきたと言わざるを得ない所業を積み重ねてきました。いくらBMWの過去の実績が素晴らしいといっても、現代の日本人が500万円払って日本メーカーの水準に遠く及ばない「内外装のクオリティ」「劣悪な騒音・乗り心地」「取り柄のない直4ターボ」「不要なランフラットタイヤ」といった突っ込みどころ満載のクルマを買う理由はありません。

  直6から直4に変わっても据え置かれる価格・・・。塗装や電装部品の貧弱さ・・・。前後にVディスクを配しても日本車に完敗する制動距離・・・。それでもクルマのことが分ってない情報弱者な日本人にブランド力だけで売りつけてなんとか命脈を保っています。BMWの新型車の評論を読むとあらゆる評論家が様々なサイズのモデルに乗っているのに、論点はどれも同じで「8ATのなめらかさは素晴らしい!」・・・。それは結構なことですが、それってスポーティを信条とするブランドにとってそれほど大切なことですか? 500万円払って8ATなんて珍しくもないミッションを有り難がるだけのクルマは理解できません。

  スカイライン200GT-tを、320iとほぼ同じ価格で発売した日産からみれば、意味不明な指標を作ってくれてるBMWの存在は戦略上とても重要になっているようです。BMWの同クラスと同じ価格帯に設定するなんて、ひと昔前の日本車ならばあり得ないことでした。V35スカイライン北米インフィニティで販売しようと打診したときには、現地の販売担当から「2万ドルなら・・・」と3シリーズ(3万ドル〜)を大きく下回る価格が提示されたらしいですが、その後の北米での競争で3シリーズを凌駕したスカイラインは今では北米でクラス最高の価格が付けられるようになりました。

  日産の日本価格は北米価格並みですからとても良心的なのですが、この2Lターボのスカイラインだけは、3シリーズの日本価格を前提に付けられた割高感があります。BMWに罪があるわけじゃないですが(買う方が悪い)、いつまでもつまらない3シリーズを日本でダラダラと売り続けることで、他のブランドが調子に乗って価格をどんどん上げる傾向が見られます。日産やレクサスだけでなく、ホンダ、スバル、マツダも「3シリーズより乗り心地いいですよ!」とばかりに強気に出てきそうです。

  それとは別に最近のトレンドとして、従来の「プレミアムブランド」の底が抜けて日本で大幅な売上不振に陥るモデルが登場するようになってきています。アウディはコンパクトカーやSUV中心でVWと共通のモデルばかりが発売されるようになり、深刻な販売不振に陥っています。ベース車のゴルフによって性能が担保されたA3とA3セダンの売れ行きはWCOTY獲得車とは思えないほどに低調です。しかしそれ以上に深刻なのはゴルフやアクセラよりも総合力で劣るという評価が付いているBMW1シリーズです。日産やレクサスに抜かされるのはわかりますが、VWやマツダといった大衆ブランドのカテゴリーにわざわざ参入していって、ろくにクルマに開発費をかけずに惨敗するという無様なBMWを見たくはなかったです。

  まあ乗り心地なんて基本的には主観的な評価に過ぎないので、1シリーズが絶対的に負けているとは思いませんが、しかしBMWが片手間に小型車市場に首を突っ込んでブランド力だけでゴリ押ししようとする下衆な姿勢が、BMWのブランド価値を徐々に破壊し、いよいよ2014年の段階で底が抜けてしまったと言っていいと思います。従来のBMWに向けられていた視線は、「BMWアルピナ」や「BMW M」へと矛先を変えることで、ある程度は納得ができるのですが、もはや死に体となったべースブランドは、SUVとEVを売るだけの実用車ブランドとして立て直してほしいと思います。

  

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↓専門誌の扱いを見てると「M」「アルピナ」以外は不要か?って思ってしまいます。

2014-09-02

BMW2シリーズ・アクティブツアラーは、輸入車好きの幻想を吹き飛ばす?

 低俗自動車雑誌として知られる「ベストカー」の読者投稿欄で、ここのところなんだか「自演」ぽいキナ臭さが漂っています。事の起こりは7月10日発売の号で、何が気に入らないのかスズキハスラーのデザインを頭ごなしにディスる投稿が掲載されたことです。業界ナンバー1を自認する「ベストカー」ですから、編集部には全国の暇人からもの凄い数の投稿が寄せられていると思いますが、その中から51歳の分別ある大人の意見とは思えないような、「ハスラーに群がる日本人の美意識は地に落ちた!」というハードボイルドテロリズムが日本が誇る“善良メーカー”スズキに向けられました。

  無数に寄せられる投稿の中には、そのような特定メーカーに対する「ネガティブキャンペーン」のようなものも相当にあると思います。しかし選んで誌面に掲載している以上はベストカー編集部は意図を持って「スズキ車への批判」のニュアンスを世間に発信しようとしたのは間違いないわけです。ジムニーとともに軽自動車ながらSUV売上ランキングにも顔を出し、増税後に増産体制を整えるという余裕っぷりで7月の月販が約14,000台!ホンダのヴェゼルとともにSUVのトレンドを完全にひっくり返す大活躍のハスラーに対してフラストレーションが溜まっていたのでしょうか。増税後も売れ続ける軽自動車・・・去年のホンダの躍進に続き、今年は日産デイズが凄いことになってます。自動車雑誌という立場上、下手にメーカーに向けての苦言が吐けない「ベストカー」は読者のお便りを使って意志表示といったところでしょうか。

  最初は「軽自動車ばっかり売れるのは困る・・・」という軽い気持ちだったのかもしれないですが、当然のようにこの掲載はかなりの反響(反発)を呼びます。まあ読みながら「激しく同意!」とか思っちゃう人も結構いたかもしれないですね。大変失礼ですが、ベースグレードは本体価格108万円という国民生活を第一に考えたクルマに対してデザインが納得できないからと「あーでもない、こーでもない」と嗤う神経がいまいち理解できません。街中でたくさん見かける軽バンを指して「日本車ってダサいね・・・」とか言っちゃう頭弱い人(失礼!)と同じ思考回路だなと思うわけです。

  日本車だろうが、欧州車だろうが、アメリカ車だろうが、生活を支えるためにリーズナブルに作られたモデルというのは、あらゆる年代の人が使えるようにデザインは薄味なものになってしまうのは共通のことです。実際に欧州のリーズナブル車にあたるVW・up!が以前に日本に導入されましたが、あまりのデザインの酷さに今では全くと言っていいほど話題にもならなくなりました。このVWの失敗により、欧州フォードの「KA」などのコンパクトカーや「B-MAX」「C-MAX」といったプチバンが後に続いて日本に入ってくることはなさそうです。VWも欧州フォードも欧州市場最大級のブランドとしての責任を全うすべく、欧州版のトヨタ、ホンダといったデザインのクルマが多いです。デザインを評するならば、無駄にお金がかかる上級モデルについてのみ言及するのが正しい姿勢だと思います。

  しかしちょっと厄介なことにドイツの一流プレミアムブランドのメルセデスはすでに「Bクラス」という実用性重視のMPV(プチバンのちょっと大きめ)を日本に持ち込んでいます。いくらプレミアムブランドとは言え、あのクルマを見たら「メルセデスのデザインはどうなってんの?」という怪訝な気持ちにもなると思います。そして300万円を軽く超えるならもっとデザイン頑張ってほしいな!と率直に感じますし、最も使いやすいメルセデスかも知れないですが、”美意識の高い”日本では全く人気になっていません(世界でも売れてません)。え?Bクラスを買わないくらいに美意識が高い日本人と、ハスラーに群がる日本人は全く別の人種だって?まあそうかもしれませんが・・・少なくともハスラー嫌いさんが言う「日本人の美意識云々」の件はオカシイですよね。

  そして似たようなプレミアムMPVがBMWからも間もなく発売されるようです。こちらもさすがはドイツメーカー!独創性ゼロ!といった完全にライバルありきの設計です(Bクラスのパクリ)。少なくともフィアット、PSA、ルノーならばもっと自由な設計をすると思います・・・ホンダ・ヴェゼルなんてMPVを都市型SUVと解釈してグローバルで売り出し中です。それでもまあ、需要があるジャンルのクルマを、基本に忠実にきっちり作り込んで提供するというドイツメーカーのクソ真面目なスタンスがたまらなく好きという意見は、日本人にはそれなりに良くわかり合える点ではあると思います。BMWとしてもミニブランドでそれなりに実績を積んでいるので、FFのMPVは門外漢ではない!という自負があるでしょうし、それなりに納得出来る点が詰め込まれて、218dが日本でも発売されればBMW内でも屈指の好パッケージ車になる可能性すらあります。

  それでも従来のBMW贔屓の人々の視点からは、そのスタイリングは受け入れ難いものがあるかもしれません。BMWアウディはメルセデスのような過度のブランドの安売りには否定的で、セダン、クーペ、コンバーティブルの他にあくまで高級車の文脈の中でハッチバックやSUVといったラインナップの追加をしてきました。しかし今回のBMW2シリーズ・アクティブツアラーは「実用車」の設計からくる”非BMW的”な軽薄感をブランドイメージで覆い隠せていないです。このクルマがバカ売れして、BMWの日本での販売の半数を占めるようになったら、ハスラーを批判した51歳の言う「日本人の美意識は地に落ちた!」が少しは当てはまるのかもしれません。

  8月26日発売の「ベストカー」最新号には、この51歳に対して怒り心頭の反論投稿が掲載されました。「ベストカー」が一体何を狙っているのかよくわかりませんが、なんだか載せないといけないような雰囲気がプンプンする“熱い”投稿です。それでも軽自動車のデザイン云々で自動車専門誌に対して”熱い”投稿をする滑稽さは、ハスラー嫌いの51歳よりもさらにぶっ飛んでいます。デザインという極めて主観的な点でハスラーを毛嫌いしている相手にいくら「正論」ぶったところで相手の人間性を否定するだけですし、ここはシンプルに「マセラティにでも乗っとけ!」と言ってあげればいいんじゃないかと思うわけです。マセラティみたいなブランドに乗っていれば、ハスラーなんて眼中にないでしょうし、ハスラーの意義もよくわかるんじゃないですかね。(上から目線でごめんなさい)



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