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はてなダイアリーで書き殴っていた自動車に関する放言記事を1つのブログにまとめました。

ルノー日産はいつになったらアルピーヌを復活させるの?

  欧州と日本。国土が狭く過度に産業が発達し、都市部への人口集中が激しく、高齢化率も年々上がり・・・。まあその結果というわけではないですが、「クルマ離れ」という現象が起きていると一般メディアは結論しています。しかし現実には、自給率が極限まで下がる都市部に毎日膨大な量の生活物資が「クルマ」を使って運ばれていきます。なんかオカシイですよね。

  都市への人口集中により地方は当然に過疎化の波に襲われます。地方の公共交通はよっぽどの観光地でも無い限り極めて貧弱なものになっています。もし思い立ってあまり知られていない地域に大都市の人間が出向くとしたら・・・。空港か新幹線の駅まで1〜2時間で高速移動したあと、必ずそこに設置されているレンタカーを利用するのが当たり前になってきました。

  さて日本は山国です。それこそリアス式海岸に面した地域などでは、コミュニティバスが行き違いの為に数十メートルバックして対向車に道を譲るなんてこともざらにあります。そんな場所に自慢のメルセデスCLSで行こうとか思いますか? 日産もマツダもスバルも今やこんな馬鹿デカいセダンばかりを誇らしげに作るようになってしまいました。

  かといって小さければいいというものでもなく、非力な軽自動車では登りきれないような急斜面が連続する林道もざらにあります。そんな危険な地域に行く人は少ないからと言ってメーカーが諦めてしまっては、日本人はただ商業主義は蔓延る都市空間に軟禁された愚民へと堕ちていくだけでしょう。日本人やドイツ人は他の民族よりも産業を構築する能力には長けているようですが、その巨大産業は多くの愚民を喰いものにして成り立っているわけです。

  クルマの作りを比べてみても日本車やドイツ車は産業優先の「効率化」を積み上げた「虚構」の上にその評価がされているのでは? これはあくまで私の邪推も含まれていますが・・・。その比較対象になるフランス車、イタリア車、アメリカ車、イギリス車というのはもちろん日本やドイツのメーカーを多分に手本にはしていますが、まだ根源的な部分で「オリジナリティ」を持っているのではと感じるのです。

  フィアット500を見て多くの日本人は衝撃を受けるでしょう。日本車やドイツ車の価値観とは大きく違うものをそこに感じるはずです。日本やドイツでは大都市では使い勝手が悪いといってクルマを所有しない人々が増えていますが、それは日本車やドイツ車が「効率化」の名の下に大型化し、老舗デパートの立体駐車場に入らないクルマを作るようになった時期と一致します。

  フィアット500はイタリアの化石的に古い街並での利用を想定して作られた国民車です。イタリアではメルセデスのスマートやトヨタのiQもかなり売れているそうですが、日本人やドイツ人はこのサイズのクルマに価値観を感じられないのです。もちろん一部のクルママニアを除いた一般人レベルでの話ですが・・・。

  そこで思うわけです、フィアット500はちょっと極端かもしれないけど、日本やドイツ以外の地域で作られるクルマが行き詰まった日本車やドイツ車に何らかの活路を与えてくれるのではないかと・・・。ルノー日産が「スーパーセブン」でおなじみの英国ケータハムと共同で保有しているフランスのスポーツブランドが「アルピーヌ」です。

  アルプス山脈を連想させるブランド名は、その名の通り山岳地域をガツガツ走る、小型でハイパワーないわゆる「ホットハッチ」作るブランドです。現在は「ルーテシア・RS」の製造を担当しているようですが、ゆくゆくはルノー支援のもとオリジナルのラインナップを発売すると発表されています。

  かつての名門ブランドをわざわざ復興する意味とは?合理主義で身動きが取れない巨大グループ(ルノー日産)にとって、かつてのクルマ作りの英知やポリシーを表現した個性的なブランドを立ち上げ、巨大グループ自身が悩まされている「効率化の罠」への解決策としたい狙いがあるのかな?まあ簡単に言うとポルシェみたいなものなのかもしれないけど・・・。日産の先端技術も使って日本を気持ちよく走れるクルマを期待したい。


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